9/107
第一話 9
さっきのオジサンは一体何だったんだろう?
そう思いながら、美豊はみんなの注目を避けるようにして、路地へ逃げ込んだ。
最初のオジサンはあんなに優しかったのに、二番目のオジサンは悪魔みたいだった。まるで私には生きている価値がないみたいに私を「汚らわしい」と罵倒した。
きっと二番目のオジサンの言ってることは正しい。でも、私には仕事がない。売春してお金をくれるなら、今の私には涙が出るくらいありがたい。だって、それしか稼ぐ方法がないんだもの。
美豊は、路地を出てもう一度公園に向かった。
そして、今度は向こうから声をかけてくれた男と一緒にホテルに向かった。