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第一話 10
午前零時を少し過ぎた頃、美豊はようやくユースホステルに辿り着き、二段ベッドの下段に潜り込んだ。そして、寝ている五歳の小さな隼人の身体を力いっぱい抱きしめた。
私はこの子とずっと一緒にいたい。
ご飯もいっぱい食べさせてあげたいし、服だって靴だって買ってあげたい。
第一、野宿させるわけにはいかない。
この子を絶対に施設に入れるわけにはいかないの。
私みたいに、独りぼっちなんかに絶対させない!
美豊は息子の寝顔を見ながら、決意を新たにしていた。
第二話に続く