ナイルの風に吹かれて

エジプトのナイル川で起こった船の衝突事故。
僕一人だけが生き残り、妻と息子は帰らぬ人となった。
愛してやまなかったエジプトを去り、早二十年もの歳月が過ぎた。
エジプト考古学界からも忘れ去られるような毎日を送っていたが、
偶然、僕の家の家政婦になった二十歳の美豊によって
灰色だった毎日が色づきはじめるのだった。

※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。
しかし、ツタンカーメンの墓を発見したのは、考古学者ハワード・カーターで、彼を支援したのはカーナヴォン卿であったことは紛れもない事実です。また、ハワード・カーターとカーナヴォン卿の娘イヴリンとの悲恋も事実だったようです。
この物語は、そこから着想を得たフィクションで、ハワード・カーターやカーナヴォン卿または子孫の方々とは一切関係がないことをご了承ください。