2人と4人組のおはなし。
じっくり満足いくまで書いたり思い付くまで放置してるから時間かかります
「えーと、自己紹介した方がいいのかな。俺の名前はカルロス!」
「私はユーリカです」
「僕はドルー」
「私はケイトです~。」
先ほど知り合った4人組は次々と自己紹介をしてくれる。アタッカー、ヒーラー、タンク、魔法使いとバランスの良さそうなパーティーである。
「おう、俺はミトラ・カタバミだ。」
「僕はグリム・フェイスレスやで~。」
グリムと方喰も改めて自分の名前を伝える。その後は、伝説の不老不死パーティーというのは本当かという話題へと変わった。
「本当にオークの群れを3日3晩で倒したんですか!?」
「いやぁ、そんなこともあったっけ?でもそん時は入念に計画して3日かけて全滅させただけだぜ?」
「そうそう、でも予想よりも数多くて徹夜してなー」
「て、徹夜!?撤退とかしなかったんですか!」
「めんどくさかったし」
「え、めんどくさ......?」
カルロスが予想外の返答にちょっと固まってる間に、ドルーが別の質問を投げかける。
「でも、伝説のパーティーならもっと手厚い歓迎を受けてるんじゃないですか?」
「俺らそういうの嫌いだから。ほら、このマントよく見てみろよ。」
方喰はそう言いながら自分の着ていたマントを脱ぎ、ドルーに渡す。
「......あっ、これよく見たら姿くらましと幻術が弱くかけてある。もしかして、これで誰もお二方だと気づけないと?」
「そう言うこと。さっきは俺がグリムの名前言ったから看破されたって訳。」
「えっ、じゃあ僕のせいで......?」
「いやいや、雑にかけたとは言え、僕のやつ見抜けるんは才能やし誇らいや。」
「ほ、誇っていい......!」
そんな言葉にドルーは感無量といった感じに固まってしまった。
「あ、コイツも固まった。マントだけは返せよなー。」
「あのぅ、それなら街中などではなんとお呼びしたら?」
固まったドルーの手からマントを回収し羽織り直している方喰に聞いてきたのはユーリカだ。緊張からかちょっともじもじしている。
「ああ、俺のことはララって呼んどいてくれ」
「僕のことはダスカで~」
「わかりました。」
「あと、そろそろ暗くなるし、ここら辺野営するけどみんなは平気~?」
「大丈夫ですっ。これでも冒険者ですからっ。」
「せやかー。じゃあもうちょい進んだら止まるな~?」
「はいっ。」
馬車が野営地に到着するまで、復活したカルロスとドルー、ケイトも交えて他愛のない会話が楽しく続いた。
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「ん、ここならエエかなー。馬車止めて準備しよかー」
「おう」
「じゃ、俺たちも俺たちでテント設置しようか!」
「うん、リーダー!」
二組はそれぞれの方法で自分達の寝場所を確保していく。グリムは馬車をいじり直し、四人組は夜営テントを張る。
「せやせや、晩飯は僕らが持つで~」
「え!?さすがにそれは......!」
にこにこ笑顔のグリムの提案に、おそれ多いと断ろうとする四人。
「ええよええよ。若いんやからたくさん食べやいな。今方喰が肉ないか狩りにいっとるし。」
「あ、本当だいつの間に......。」
見渡せば、いつの間にか方喰がいなくなってる。
「二人じゃ食べきれへんし、な?」
「そ、そういうのなら......」
「お、よかったよかった。でかいの獲ってきちまったからな!」
「「「「うわぁ!?」」」」
いつの間にか気配皆無で帰ってきた方喰は解体が済んだ大きな鹿肉を持っている。
「って、これは森鹿じゃないですか!」
方喰の持つ毛皮を見て気づいたドルーは声をあげる。
緑色の毛皮をもち、なおかつ角が木のように実際に葉を生い茂らせるこの鹿はじっとすれば景色に溶け込み、本当に見えにくくなる上、基本的にゆったりとしか動かないので狩るのは難しいと言われている生き物なのだ。
「おう、この前旨かったからな。匂いがしたし狩ってきたわ。」
「え、匂い......?」
「まあまあ、それじゃ今から作るから」
方喰の回答に対し「?」を浮かべる彼らをよそに、グリムは肉を受け取り調理を始めたのだった。
次回、飯回。