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エピローグ〜2年後〜

連続更新166日目!!

これで完結です!




「久しぶりだな獅堂」


「おっす久しぶり〜響ちゃんはどんな感じ?

 大学でも上手くやってる?怪我とかしてないか?」


「あのジャック・リパルが響を治療してから数日は感覚のリハビリだったけど1週間もしないうちに以前の様に全力で走れる様になってそこから大躍進だ!

 その大躍進からまだ一度たりとも止まってないよ」


「すっげぇな」


真と獅堂は久しぶりに会い響の近況を話し合う。

シスコン気味の真はとても楽しそうに響の大学生活から陸上の競技生活まで獅堂に話す。


「蒼海大学陸上部に入学、入部した後はしばらく別メニューだったけど今じゃレギュラー陣も追うので精一杯なほど速くなってんだよ!」


走れる様になってから治療前よりも明らかに増えた笑顔が嬉しくて詳しくしつこく獅堂に伝える。


「1500は中学ベストの4:37だったのが今じゃ4:11!

3000は9:02!5000に至っては15:29!!凄いだろ?!俺の妹は!!!」


コンビニで買った缶コーヒーを飲み干してグシャりと潰しながら獅堂を見る。


「しかも日本記録出した荒谷 瞳って人と同じ実業団からもう話が来てるんだろ?

 ヤバくない?」


「ヤバいヤバい」


徐々に語彙力が無くなり始めた頃に真達へ誰かが声を掛けた。

振り向くとそこには紅葉、猫娘、冥凜、タツ達、古城、神峰が立っていた。

ちなみにデルガ、アグリード、アスマディア、ゴレマスは真の後ろの席に座っている。


「あまり後ろ座るの無理だから前どうぞ」


ジェスチャーで前を指すと皆座り始めた。

全員座った所で背後からデルガのウズウズした声が聞こえて来る。


「し、真!響の出番はまだなのですか!早く見たくて堪りません!」


「焦るな焦るな、あと5分で陸上日本選手権女子5000が始まるからさ」


しばらく話しているとあっという間に5分という時間が過ぎてスタート地点に選手が並び始めた。

26人の出場選手の中で殆どが実業団選手だが5人ほど大学と1人高校生が混じっている。


「あっ響だ」


「「「「「「「え?」」」」」」」


真の呟きに釣られる様にスタート地点を見ると蒼海大学のユニフォームに身を包んだ響が現れ軽くダッシュをした。


「力強い走りだなぁ」


「3年近くまともに走れなかった思いが爆発したからな。練習に身が入るってもんだ」


「真は響がどこまでタイムを伸ばす、若しくは集団に着けると思いますか?」


「着ける所まで着くんじゃない?」


うんうん頷きながら話し合っていると選手が全員並んだ。

そして国立競技場に号砲が響いた。


この日響は自身の殻を破る驚異的なタイムを出し世間を騒がせる事になる。







ハンター協会屋上


「なぁデルガこの3年……色々あったな。俺がデルガとアグリードにダンジョンで出会ったあの日、Sランクダンジョンが決壊して俺らで攻略しに行った日……あ、デルガは外で戦ってたんだったか」


「ええ、その時初めて私が世間の目に触れましたね」


「俺それに気付いたの病院のベッドで目覚めた時だぜ?!」


2人は笑い合う。


「他にも猫娘、冥凜と出会いしばらくして魔界からテスカー達の配下の侵攻があって何とか防ぎ俺は死にかけた。

 そこからマジで死なない様にダンジョンに潜りまくってレベル上げして鍛錬して。同時並行でデルガ達の部下にテスカーの事探って貰ってさ。

 ジェイソンさんや秦さん達と戦っていよいよテスカーとの決戦!地味に死に掛けたが何とか退けデルガ達の故郷の王家の問題も解決。

 そしてテスカーが虐げていた奴隷も無事解放……誰が引き取ったんだっけ?」


「一部はオルナ家と王家、それ以外はある程度の住む場所と金銭を渡し平民になりました」


「穏やかねぇ」


「テスカー達の処遇を聞いて穏やかでいられますか?」


「怖いので却下、でも死んでないんだろ?」


「奴隷からすればただただ怖いだけの存在だったようですし」


夜空を見ながら会話を続けて遂にここ最近の話になる。


「そう言えば獅堂は遂に冥凜と結婚したんだってな?冥凜からめちゃくちゃ自慢する写真付きでメールが来たよ。

 でも何故か獅堂が妙にゲッソリしてたんだよ、理由分かる?」


「あぁ、それは冥凜が妊娠した事に関係しているでしょう」


サラリと真にとってここ数ヶ月のうちで最も大きな爆弾をデルガは落とす。

驚きすぎた真は声を出す事もなくただ硬直している、そこから導き出される威力は正にアトミック級。

しばらくして何とかフラフラと復帰する


「やけに顔ゲッソリしてる原因聞いても答えなかったのはそういう訳か……はぁ〜。遂に悪友もとい親友が子持ちになるか。

 感慨深いわぁ」


溜息を吐き星が散らばる夜空を眺める。

その空を見る目は親友への愛があった。


「それに紅葉さんは……まだ「彼氏がいない!見つからない!!行き遅れるのは嫌だから養えオラァア!!」と言ってくる始末……ハハッ確かに養える財力は余裕であるけど無理だな。

 猫娘も獣人になった時に現れた特性で強い俺には惹かれてくれてるが……………。

 俺にはデルガで充分だ」


その言葉が不意打ちだったのかデルガは不覚にも真の前で咳き込んでしまった。

何とかいつもの表情に戻して顔を上げると真が真剣にデルガの目を見ている。


「獅堂やジェイソンさん夫妻を見て、古豪会長とカーディンさんを見続けてやっと決心がついた」


大きく深呼吸をしてもう一度デルガの目を見てはっきりと伝えた。


「俺と……結婚してくれ」


「はい……はい……はい!!」


一度は現実味がなく二度目は現実が押し寄せ三度目でようやく言葉を認識したデルガは真に飛びつく耳元で囁く。


「その言葉待っていました……!

 真、私は貴方を愛しています!」


「俺もだデルガ」


そう返し真がデルガを抱こうとすると屋上のドアがバンッッ!!と勢いよく開けられる。

驚いた2人は咄嗟に離れた。


「……あっ!!いた2人とも!もうご飯だよ!早く来てよね!」


「わ、分かった響!!!」


響がそのまま家で戻ると真とデルガは顔を見合わせる。


「その、続きはまた……時間が空いた時に」


「そ、そうですね!」


顔を紅くした2人は響を追い屋上を降りた。


(このダンジョン世界で俺は無双出来ない、俺より遥かに強いデルガがいるから。

 そして無双はしない、本気を出すべきは守る時だけだから)









「出て行くタイミング逃したわね」


微妙な顔をしたままカーディンもハンター協会の屋上を降りる






                 完






ここまで読んでくださりありがとうございます。


私がここまで1日たりとも欠かす事なく書き続けられたのは読者の皆さんのおかげです!

初めての作品完結、処女作は途中で筆を折り、今までも何度も筆を折り続けて来ましたが初めて書き通す事が出来ました。


過去の自分に「お前作品完結させられるぞ」と言われても多分信じないですw


終わり方に不満を感じる方もいると思いますが個人的にこれがベストだと思っているので気になる方は自由に脳内補完などしていただければと思います。


また新作や、エタっている作品を新しくする事も考えているのでもし投稿したら見て頂けると凄く嬉しいです!


166日間

合計168話お付き合いありがとうございました!!

(*´Д`*)






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