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忘れて

連続更新160日目!!

む!また遅い!だがセーフ!だろう!



「アスマディア、テスカー達は私が直接手を下すからそこの地面に縛り付けておけ」


「分かりましたよ」


アスマディアが重力魔法を若干弱める魔法を使い地面から鎖を出すとテスカー含めた部下全員を拘束した。

正直個人的な恨みもあり今すぐ殺したい衝動に駆られるが一応自分の主であるデルガの言葉を守り何とか我慢する事に成功する。


「馬鹿も逃げない様になった事に安心して……"なり損ない"を始末するか」


《ヴァルムンク》と《魔灰の骨剣》を構えると魔力を込めて力強く《魔灰の骨剣》を振り抜いた。

込められた魔力が飛ぶ衝撃となり"なり損ない"の体を打ち上げる。。

これでも死なない事は当然承知な為とどめとして近付き《ヴァルムンク》で体を縦に両断した。


(一撃目で躱せない状況を作り二撃目で殺す。安定してるがやはり一撃で決めるより時間が倍かかるな)


やや不機嫌な顔になりながらそんな事を考える。

ならばと足運びと立ち回りで上手く"なり損ない"の立ち位置を操り一直線にさせた。


「【ヴァルムンク】」


《ヴァルムンク》を突き出すと"なり損ない"の上半身を吹き飛ばした。

そしてすかさず【魂奪回廊】をして魂を回収する。


「5体並べても2体の体を吹き飛ばすのが限界か?流石レベルだけは魔王に並ぶだけはあるな……好ましい!!」


少しだけ、真には見せる事のない戦闘狂のしての一面が垣間見える。

本気のステップと必要最低限の攻撃で次々と"なり損ない"を煤へと変えて魂の回収をした。

そして徐に《ヴァルムンク》を《魔王の魂》へと戻すと違うキーワードを呟く。


「《ゲオルギーク》」


『私を呼ぶ必要は無いと思うのですが……呼ばれたのなら仕方がありません』


優しげな声が聞こえると魂の形が変わり一振りの剣に変化した。


「《アスカロン》」


デルガの腕がテスカーや"なり損ない"の目でも追えないほどの速さで霞んだ。


キンッ


「眠れ」


《アスカロン》が鞘に収まると10以上の"なり損ない"が十字架に斬られて煤に変わった。

全ての個体が微かな狂いもなく核が破壊されている。

これでテスカー達が出した"なり損ない"の個体が半分以下にまで減る。

更に今度はまた《アスカロン》を《ヴァルムンク》に変化させる。


「少し力を引き出すぞ?」


『はぁ……好きにしろ』


《ジークフリーデン》の言葉にニヤリと笑うと体中に魔力を回す。


「身体強化は〜強でいいか。足も使って楽しく殲滅……だな!!!」


デルガの脚部が軍服みたいな物から鎧に変わる。

そして何度かぴょんぴょんと飛び感触を確認して低く沈み込んだ。

地面を強く踏み締め右足で地面を蹴ると姿が霞み姿がかき消えた。


「消えた?」


ドパァン!!


アスマディアが呟いた瞬間大きな音がする。

その方向へ目を向けると一体の"なり損ない"の体が縦半分に斬り分けられ、横の個体は胸の部分が抉り取られて煤に変わっていた。


ドッパァアン!!!


更に強く大きい音がなると左右に散らばった"なり損ない"の上半身が吹き飛ぶ。

そしてそこから大きな音が何度かするとテスカーとその部下が出した"なり損ない"が全て煤に変わる。


「【魂奪回廊】」


20数個の魂がデルガの手元へ集約され完全に回収された。

そこまで一連の様子を逃げようともがきながらも無駄に終わり結局黙って見ているしかなかったテスカー達は絶望ともいえる表情になっている。


「やっとお前と面と向かって話せるなテスカー」


「私はデルガ、お前と話す内容なんてない」


「いいや話して貰う。【獄滅回廊】」


「うぐ?!ぎゃあぁぁああああぁぁぁああ!!!」


テスカーの神経に痛みを覚えさせる魔法を使う。

身を捩り必死にその痛みから逃れようとするが無駄だった。

何度ものたうちまわり歯を食いしばり痛みに堪えている影響で泡も出てくる。


「王家への反乱を企てたのはお前か?テスカー」


「ぐっ、ああそうさ!!魔祖に還る事を拒んだ屑を排斥し我らが悪魔族に真の栄光を与える!!

 これのどこが悪い!!!いつからか今の悪魔族が捨ててしまった栄光!!力!!!埃とも言える物を取り戻す!お前らオルナ家にも不利益はないはずだ!」


「……」


「ずっと悪魔族はあちらの人間界では勝手に作られた伝承から迫害を受けて来た!それで死んだ貴族もいる!

 悪魔族は昔から魔王がいた時代から歩み寄ろうとして来た。だが!人間界は差し伸べた手を振り払い我らに牙を剥いた歴史がある!

 こちらが抵抗しなければむざむざ殺されるだけだ!!しかもよくオルナ家を調べれば人間に助けられその恩を返す為に尽くしていると知った!!それはどう考えても騙されてるだろ?!」


文句はあるかという目でデルガを睨む。

その言葉をよく聞きデルガは1つの結論を出す。


「お前……まさか二百数十年前に私がフッた事まだ気にしてたのか?」


「ごふぁ?!?!?!」


「だから私の気を引こうとこんな計画を立てた」


「ぐふっっ」


「…………王家への反乱もまさか私の気を引こうと?」


「反乱は私情を混ぜて行うはずかないだろう!お前らオルナ家を敵に回す覚悟を!殺す覚悟を持って計画した!」


「ボッコボコだけどな」 ボソッ


「ひぐっ?!」


アスマディアの容赦のない一言にテスカーは体をくの字に折る。


「はぁ…………反乱との全面戦争だってのになんだか締まらないな。

 これは主様も良く言っていた「オチないと気が抜けるよ」というやつか」


「デルガ様以前に俺が本気を出さずに終わった時点でお察しですよ」


「言ってやるなアスマディア。こいつらが可哀想だ」


そう言ってデルガはテスカー達の方へ向くともの凄い形相でアスマディアを睨んでいた。

意に解すことなく鼻で笑う。


「お前達は王家に引き渡して判決を下されるのを待つしかないな。王様に罪の内容を全て伝えて厳罰に処す様に進言せねば」


テスカーの部下は絶望の顔だったがテスカー自身は少しだけ晴れ晴れとしていた。


「何かおかしいか?」


「いや、こんなに全力を尽くしても負けるのは案外清々しいのだなと思っただけだ。弁明をする気もない、煮るなり焼くなり好きにし……ろ………あ」


「「ん?」」


「ハンター協会って所に"なり損ない"1匹送ったの忘れたな」


あっけからんと言うデルガは今しがた大きな爆発が起こった方を見る。


「ハンター協会……!!アスマディアそいつらを死なない程度に痛めつけながら地面に縛り付けておけ!!私は響の元へ向かう!!」


魔力探知を全力で展開する。

デルガが仕える真の魔力はハンター協会から感じた。










あと少し!

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