魔☆→°○*♪
連続更新158日目!!!
昨日より早いぞ〜☆
一振り毎に《魔灰の骨剣》は砕け散り灰となった。
しかしその一振りで"なり損ない"は体が両断されて煤に変わっていく。
《魔灰の骨剣》は煙と魔石を使うことで同じ見た目の骨剣を作り出す能力を持つ。
更にその作り出された骨剣は全てが本体という特異性がある。
故に
「【骨剣再生】」
また数個の魔石を放り投げキーワードを呟く。
すると煙が魔石に吸収され《魔灰の骨剣》が出来上がる。
地面に刺さった状態の《魔灰の骨剣》を引き抜くのダラリと持つ。
「どれだけレベルが高いだけの"なり損ない"を用意しようと使い捨てで充分なんだっ」
腕の動きがレベル400の体でも追いつけない程の速さで僅かに動く。
パキンッ
《魔灰の骨剣》が折れると地面に突き立つ《魔灰の骨剣》を引き抜きダラリと構える。
目を前に向けると更に2体の"なり損ない"が煤に変わる姿を目にする。
そしてまた両腕に握られている《魔灰の骨剣》を振るい"なり損ない"を屠った。
「な……な……な……?!」
「そろそろお前も前に出て来て戦うか?どうせ鎖などとうに解けるようになっているのだろう?」
「……ちっ」
テスカーが舌打ちをするとガシャン!という音を立ててデルガが仕掛けた鎖が他の悪魔貴族の分も落ちる。
「残りの"なり損ない"と一緒に連携でもして立ち向かって来て見ーーーー【エクスプロージョン】!!」」
言い終わる直前にテスカーの部下と思わしき悪魔貴族が忍ばせていた爆発魔法を発動させてデルガを攻撃した。
「ハッハーーー油断したんじゃないのか?デルガァァア!!」
爆煙と爆炎が上がるデルガの立っていた場所を見て嘲笑をする。
しかしその顔には一切の油断はなく観察するようにその爆炎の中心を見ていた。
爆炎が晴れその中心から魔力防御壁に囲まれたデルガが出て来た。
「なっ?!」
「驚くなロクバル。あのオルナ家の歴史の中でも最も強いと言われた才女なんだぞ?姉のカーディンが生まれた時にさえオルナ家は騒いだんぞ?だが数十年経ち今目の前に立つデルガが生まれた」
爆風により乱れた髪をかき上げるデルガがテスカーの目に映る。
「才能は孤独に苛まれる運命な事はお前達もよく分かるだろう?」
テスカーが同意を求めると部下の悪魔貴族達が力強く頷いた。
「それが1つの家にお互いライバルだと認識出来る存在がいて常に切磋琢磨していた。そしてその末に生まれたのが今のカーディン・オルナ、デルガ・オルナだ。
その才能は間違いなくかの伝説とされた魔王にすら比肩しうる」
魔力防御壁も取っ払い《魔灰の骨剣》を手に持つと喋っているテスカーを睨む。
「戯言はそれだけかテスカー?まさか喋っているだけでこの私を倒せるなどという冗談を言うつもりではないだろうな?」
嘲笑
何度目か分からない嘲笑にテスカーが心底腹が立ったが冷静になり自身を落ち着かせた。
「まさかな。お前が攻撃してこないものだから話しすぎてしまっただけさ。
逆にお前こそ私の作品がこれだけだと思ったか?」
「何?」
バチッ!!
紅いゲートが開く。
その中から出て来たのかビジュアル的に"魔王のなり損ない"と似ている存在だった。
しかしその顔を見た時デルガは直感的に違和感を感じその正体を看破する。
「自我……というより誰かの魂が入っているのか?」
「ふっ、レベルは高くなくとも【剣術】やら【槍術】の技術が異常なほど巧みな存在はどこの世界でもいる。こちらの世界の魔界、魔界と敵対する人間界、そしてこの地球にいる人間……素材は沢山あったさぁ!」
ピキリ
デルガの額に青筋が立つ。
「主様の生まれたのこの地球から攫ったのか……?」
「おいおい攫ったなんて人聞きの悪い事はいうなよ悲しくなるじゃないかぁ!こいつらはこちらの世界、この地球!!探して回って死にかけ、レベルが低い、才能に溢れているという見つかる可能性の低い条件だけで探し回ってこの素体に魂毎移植したんだ!!
そして生きながらえた!!!」
空に向かい手を広げて吠えているテスカーが顔を下げデルガの目をしっかりと見る。
「むしろ助かって本望だろう?」
「貴様……!!」
「成し遂げられなかった復讐という目的を叶え!!女を知りたいという欲を叶え!!強敵と戦いたいという夢を叶え!!強くなりたいという願いを叶えた!!
その対価として俺の命令を聞く!至極真っ当だ!!それのどこが悪い!!言ってみろデルガァ!」
テスカーの声を聞き改めて見た目が似ているが人間大の大きさしかない"なり損ない"の目を見る。
その目には意思が宿り主であるテスカーの野望を叶えるという想いが感じられた。
「…………」
「悔しいか?!悔しいだろ!!!お前の正義より!!俺の野望の方が!!正義の方が!こいつらの為になったんだからよぉ!!」
暫く黙った末にデルガは一言呟いた。
「…………確かに願いや欲は叶えただろう、だが叶えられたそれは他人から施された物に過ぎない。
施しが間違いだとは思わん、その者達がそれで納得しているのなら何も言うまい」
そこまで言うと《魔灰の骨剣》を一つに集約させるとアイテムボックスに仕舞った。
「だがな、自分の力で手に入れた力が施された力に負けるのは納得がいかん。
だから私も少々本気で相手をさせてもらうぞ」
デルガが手を前に突き出し初めて叩き伏せる為に相棒である魂の武器を呼んだ。
「来い《魔王の魂》」
「「「「「「?!?!」」」」」」
デルガから呟かれた武器の名前に悪魔貴族のみならず魂を移植された"なり損ない"が瞠目する。
突き出されたデルガの手の平の上に紅黒いビジュアル的に真達が漫画でよく見る魂が浮かんでいた。
「従って貰うぞ《ジークフリーデン》」
『我らの魂を受け継ぐ汝に力を貸そう』
(我ら?)
テスカーに我らという言葉が引っかかったが気にする暇は無かった。
何故ならデルガの側に見知らぬ男が立っていたからだ。
立っていると言っても実際に生きている存在ではなくホログラムに似た見た目である。
『貴様らが我らが魂を受け継ぐ者を邪魔する馬鹿者か!!』
ホログラムの男が叫ぶと体が光となりデルガの手元に集約されると武器の形を取る。
「貴様らを堕とす」
禍々しい見た目の弓からオーラが溢れた。
ここまで読んで下さりありがとうございます!
(゜∀゜)
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また明日!!!(予定




