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連続更新157日目!!

久しぶりに遅れた!!



「ジネェエエエェエ!!!」


口が備え付けられていても完全な人としての器官を再現されていないのかやや濁った発音になる。

予め武器も配布されていたのか大きな斧を携えながら走って来ているのを見てデルガは溜息を吐いた。


「スキル、魔法を持っていても所詮ステータス頼りの雑魚と変わらんではないか……」


身体強化を軽く施し振り下ろされた斧を片手で掴む事で"なり損ない"の攻撃防ぐ。


「ナ、ナンゼェ?!」


「何故もクソもないだろう低脳、そもそも勝てる算段があった事に驚きだ。笑わせるつもりなら芸人にでもなれるんじゃないか?」


煽る

自我がある"なり損ない"のプライドを刺激する言葉で煽り冷静さを奪う。

デルガの思い通りに冷静さを失った"なり損ない"は乱暴に斧を振るっていった。

その一撃一撃が紅葉、猫娘、冥凜の3人を殺し切るにたる威力を秘めている。

ただし避けない事前提だが


「"なり損ない"なる前はまだ技を振えただろうに……中途半端な者が力を手に入れたらすぐこれだ。全く嘆かわしい限りだ」


喋る余裕、遊ぶ余裕を充分に見せつけながら槍剣で振われる斧をいなす。

掠る事すら叶わず斧が地面を叩き空を切る。

ここに来てやっと魔法を使う。


「魔法を使えても低レベル」


「【ブァイア"ーボーール"】!!」


「【相殺】」


全く同じ量、質の魔力をぶつける事で"なり損ない"の【ファイアーボール】を打ち消した。

魔法を使ったからかデルガも魔法を使う。


「【ファイアーボール】」


用意すると側に待機させる。


「魔法は工夫の歴史だという事を……"魔王"になり損なって忘れたかアホが!!!!!」


待機させている【ファイアーボール】に変化を加える。

徐々に細く長くなり少しずつ回転し始め、最終的に1秒間に180回転するほど速くなった。


「【ファイアーランス】ただ魔法を使えるだけのお前にはない歴史だろう?」


人差し指で"なり損ない"を指差すと【ファイアーランス】が超回転をしながら発射される。


「ナァアーーーーーー」


【ファイアーランス】が"なり損ない"の顔に当たり、回転で抉りながら進んだ。

そして貫通する。

顔に当たってから貫通するまで僅か0.06秒という短さだった。

これは回転に割いた魔力量、炎自体に割いた魔力量が通常とは桁違いである事を示していた。


まだ鎖に縛られているテスカー達もまさか【ファイアーボール】の一個上の【ファイアーランス】程度の魔法で"魔王のなり損ない"の頭を抉り飛ばされるとは思っていなかったのか瞠目している。


だがこれだけで死ぬほど"なり損ない"は弱くなかった。


「さっきの個体は体ごと潰したから分からなかったがモンスターと同じ様に核となる部分が他にあるのか?」


怪訝な顔で顔が再生し始めている"なり損ない"見て呟くと次は普通の生物、デルガでさえそこを失えば容易に死んでしまう器官の心臓を狙う。


【ファイアーボール】をもう2つほど用意すると回転を加えて【ファイアーランス】に変化させる。


(鳩尾から胸にかけて1つ、首から胸にかけて1つ。余す事なく抉れ!!!)


デルガの意思に反応するかの様に【ファイアーランス】が"なり損ない"の胸目掛けて発射された。

一寸もブレる事なく抉り取ると再生していた頭の蠢きも止まり完全に停止し煤になり始めた。


「な、はぁ?!」


「そこまで驚く事か?どれだけレベルが高い"なり損ない"を製造しようとその与えられた体を扱える技術が無ければレベル格下の存在にも負ける。

 正に今私が示した通り……だろう?」


「っっっっ!!!!!!だが!まだ予備はある!!!【来い】!!!」


召喚する魔法を【来い】という日常的な言葉の延長線上に省略する高等技術をさらっと行い紅いゲートから今しがたデルガが倒した"魔王のなり損ない"も見た目全く一緒の個体が出て来る。


「また1体か?それでは瞬殺だぞ?」


鼻で笑い心の底から嘲る。

それに刺激されたテスカーは青筋を立てると紅いゲートの中からもう一気に"魔王のなり損ない"を出した。


「これで……全部だ!!!これが私の研究の成果だ!!!」


デルガの目の前には12体の"魔王のなり損ない"が立っている。

それぞれが違う用途の武器を持っていた。


「…………」


「どうした、臆したかあ?!!?!」


デルガは槍剣をアイテムボックスに仕舞うと代わりの武器として一振りの剣を取り出す。


「……なんだその剣?は?」


デルガが取り出した剣は見た目が骨を削った事で出来た骨剣のような見た目をしている。

しかし色は黒く禍々しかった。


「《魔灰の骨剣》」


骨剣から煙が出て来て周りに広がる。

そしてデルガがアイテムボックスから更に拳大の大きさの極上の魔石をいくつも投げ捨てる。


パキッーーーーー


魔石がヒビ割れるとそのヒビ割れた魔石の中に骨剣から出た煙が吸収される。


「生死を司る家をイメージした戦い方で圧倒してやる【骨剣再生】」


放りながられた極上の魔石に込められた魔力と煙が合わさり今デルガが持つ黒い《魔灰の骨剣》と同じ見た目の骨剣が地面に刺さった状態で出現する。


「まずはその……集団の後方にいるお前に人並みの痛覚を与える。【移植回廊】」


人間となんら変わらぬ感覚を得た"なり損ない"は初めての感覚に困惑してキョロキョロと手足を見る。


「手足の次は一思いに胸だ」


水平に《魔灰の骨剣》を薙ぐとデルガが指定した"なり損ない"の手足が斬り落とされる。


「?!?!?!?!」


「まだだ」


そして次は片手上段に構えると振り下ろす。

次の瞬間には目線の先にいた"魔王のなり損ない"は煤になり始めていた。


「【魂奪回廊】」


しっかりと魂を回収すると一言呟いた。


「テスカーお前の魂は一際寒い場所に送ってやる」












ここまで読んで下さりありがとうございます!!

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