舎弟
連続更新101日目!!!
褒めて!!!
荒鐘宅
真とデルガは1日の予定を全て終わらせたため暇を持て余している。
ならばとデルガがハマったチョコレートケーキと真の好物である抹茶ケーキを食べに行くため街へ繰り出せば人から写真を勝手に撮られ握手を求められ、しまいにはテレビの人まで来る羽目になりケーキどころではなくなってしまっていた。
なんとかゲートを使わず逃げ切る事に成功し路地裏に入ると膝に手をつく。
「うわーー体力よりも精神が持たんわ。なんでアイドルな訳でもない俺が人から追いかけられないとダメなんじゃあ……」
「テレビで三日三晩に渡りずっと今回の侵攻の放送を流していれば妥当かと。それにアグリードやアスマディアも相当暴れていましたし目立つのは仕方がないです」
「最後に小さいけどデルガが悪魔貴族2人を一瞬で消す映像も残ってたしな。はぁ……」
休日と言っていい1日が潰れかかって憂鬱な今の状況に思わずため息が溢れてしまう。
このままではチョコレートケーキを食べれないかもと悟ったデルガも流石に落ち込んでいる。
「どうする?最悪通販ので我慢してもらう事になるけども。もしくは変装するとか」
「私が原因でバレそうな予感が凄いのですが」
「否定出来ないのが辛い」
2人は人目につかない場所でうだうだ、だらだら休日を感じながら相談をしていると奥から人が3人ほど歩いてくる。
全員がポケットに手を入れて歩いてきていた、
怪しいと感じた真とデルガは一般人は気付かないほどの魔力を使い、そのままの服の見た目で魔力を編み込んだ服に変える。
デルガも同じ様に魔力が編み込まれた軍服に似た普段着に変えた。
そしてその3人が近付いてくる。
「ん?おいコージーあそこにいるのって」
1人の男が声を上げ真達を指差すと他の2人も気付いたように顔を上げる。
すると1人がこそこそと真ん中の男に耳打ちをする。
何度か頷くと真の側に歩み寄り頭を下げた。
「真のアニキお初目にかかります!!」
「誰やねん帰れ」
良く話を聞いてみる。
そしたら意外が関係が分かった。
初めて真が経験したダンジョン決壊の時にダンジョンの外で走りながらモンスターを斬り殺していた時間があった。
その中で一際モンスターが集まっている所があったのは覚えていた。
「止まらずに通り過ぎたけどそのモンスターの中にお前の弟が居て、結果的に俺に助けられた形になったと。ふーーん」
「大事な弟の命を救ってくれた恩人なんだ!!礼を欠いたとあれば天国のジジイやババァ共に申し訳がたたねぇ!」
「口わる」
「一応このナリですがハンターをしていて交友関係はかなり広いです!舎弟にして下さい!お願いします!」
「「お願いします!!」」
リーダーが頭を下げると後ろにいた男達も同時に頭を下げる。
「Sランクハンターのアニキには戦力として数えてもらえない事は覚悟しています」
(あ、アニキは通すんだ)
「しかし恩は返さないと示しがつきません!」
(僕は休日がありません)
「ですので!オススメの店を紹介しろ!流行りの服を見繕え!などといった希望を言ってくだされば全力で叶えさせていただきます!!」
(うーーん面接ぅ……)
世の中の面接を受ける社会人も真っ青の売り込み。
無意識に慣れない勢いに負けそうになるがなんとか踏み止まり冷静になる。
そして気になった言葉を拾い質問をする。
「なら、ケーキ屋を教えてくれ。店内の個室で食べられる所をさ。久しぶりの休日に食べに行こうと散策していたんだが流石に騒がしくてな?」
そう言いながら大通りの喧騒を示すと3人とも納得の顔になる。
ハンターをやっている分理解が早いようだ。
「あーー顔が割れてるんですね?」
「そういう事!だからハンター専門、もしくは人の少ないケーキ屋をしらねぇか?」
「「「専門??」」」
しばらく3人がスマホを触り情報収集、そして3人で相談を始める。
手持ち無沙汰なのは気分が悪いためデルガとも話しながらどんな店が良いかを決めて行く。
「あっここの店いいんじゃないすか?タツのアニキ」
「今そこ空いてるのか?人いるんじゃなかったっけ?」
「たった今食べ終わったようです。予約しますか?」
「ちょい待て。アニキ!」
「ん?」
サーチが終わったのかタツのアニキと呼ばれた男はデルガと相談している真に声をかけた。
「アニキ、この店はどうですか?個室もありますし少し広めのパーティールームもあります。さっきまで人がいましたが今はいないようです。予約しますか?」
見せられたスマホの画面を見ると自分達が調べていた店のどこよりも条件が良くメニューも遥かに豊富だった。
その中でも看板メニューとしてアップされている画像のチョコレートケーキに目を奪われたデルガが思わず声を上げる。
「ここ!ここにしましょう!!画像のチョコレートケーキがとても美味しそうです!あ?!しかも抹茶ケーキもあります!ここにしましょう!」
真の想像を超えてチョコレートケーキ好きだったデルガは2人を押し除けてタツのスマホに齧り付いた、
そして1人だけ盛り上がっていた自分に気付くとタツにスマホを返しスススッと真の後ろまで下がる。
「予約お願いします」
「分かりました!予約……っと。出来ました!案内はどうしますか?あちらはあの人混みですし」
「ゲートを使って行くのは目立つし無粋か?ならばーーーー」
3人を一か所になるべく固まらせると魔力の糸でグルグル巻きにする。
「あの、アニキこれはどういう……」
「上を走って行くんだよ」
「それってどうういう意味ぃぃいぃい?!」
「「うぉぉぉおぉぉおおお?!」」
真が地面がほんの少し陥没するくらいの力でジャンプすると建物の高さより3m高い位置まで跳んだ。
少し魔力を使い横に移動して屋上に立つ。
魔力の糸で縛られた3人はぷかぷか空に浮いている。
「移動しながら案内してくれよ!!あ、でも舌噛むのだけは注意してくれよ!」
「案内を早く!チョコレートケーキが待っているんです!!!!」
「ゆっくりさせぇぇぇぇえぇえ?!?!3キロぃぃぃぃぃいでぇぇぇぇ?!?!?!?!」
この後ボロボロになった3人と一緒に例の店についた。
ここまで読んで下さりありがとうございます!
(゜∀゜)
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また明日!!!(予定




