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どうしてきみは高校生!?  作者: 藤井 頼
4/54

episode.04

「…お待たせ。…えっと」


「い、岩咲いわさきつぐみです!」


久々のイケメン! いやいや、わたし間違いは起こしてはいけない教育者であって、この関係は今ここで断ち切らないと。


「あ、あの! ほんとにほんとに色々ごめんなさい。この前のことも今日のことも、都合のいいこと言ってるのわかるんですけど全部忘れて下さい!」


よしっ! 言った! ちょっと惜しい気するけど、これでいい。ちょっと惜しいじゃない! わたしは教育者、わたしは教育者…



「なんで?」



「へ? なんでって、連絡もなかったってことはそうゆうことでしょ?」



「あぁ、これ?」


そう言って東口ひがしぐちくんがカバンから何かを取り出し差し出した。


「…焼き鳥屋…とりとーり…って! え?」


「この前、駅であんたにもらったやつ。なんかかけたけど、焼き鳥屋に繋がった」


そりゃそうだ! わたしの名刺じゃなくて行きつけの焼き鳥屋の名刺! まさかの渡し間違いしてたー!!



「…て、へ? かけたの? ですか?」


電話くれてたってこと? それってどうゆうこと!? 勝手な期待しちゃいますけど!


「なんか、据え膳食わぬは男の恥らしいから」


それ、誰に言われたの? 意味わかって言ってんの? いや、わかってる雰囲気じゃない…ね。とりあえずその人グッジョブ!!



「明日、時間あるけど」


「…明日?」


「お礼…他人の善意は無下にしないようにって、右京うきょうが…」




なんかよくわからんけど右京さんに感謝! 明日イケメンとデートできる権利をゲットした! したのか?



「明日大丈夫なら連絡先教えて…焼き鳥屋じゃないやつ」


「う、うん」



東口ひがしぐち蒼衣あおい…名前までイケメン!


「東口くんは…」


「…アオイ。…ヒガシグチって長いから。蒼衣でいいよ」


早速名前呼び!!! さ、最近の高校生は!



「蒼衣くんは、家近く?」


「こ、個人情報はちょっと…」



いや、イケメン! そんな下心ないわ!! とりあえず、明日は駅の時計塔の前で待ち合わせることを決め解散した。



家に帰るとソファに横になりながら、『東口蒼衣』の文字を何度も確認してしまった。


到底恋になるなんて思えない関係だけに複雑な心境だが、まぁ、たまたま1日アイドルとのデート券が当たった気分で楽しめばいっか!

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