3話ダークヒーローとは強い者のことだ!
ダークヒーローとは強い者のことだ!
そのため俺は自分のスキル《ダークヒーロー》で何ができるのか確かめる必要があった。
スキルを獲得した際に頭の中にインストールされた情報の中にダークヒーローっぽいことが出来るとあったが百聞は一見にしかずだ、実際に使ってみて確認する必要がある。
もし力を使う時に遭遇した時に力が使えませんでした、思っていたのと違いましたでは話にすらならない。
ーー黒炎
そう唱えると俺の手が黒い炎に包まれた。
「ふむふむ…………かっこいいぃぃぃーーーー!」
めっちゃくちゃかっこいい、名前からしてどうなるかは分かってはいたが実際に使って見てみるとやはりかっこいい。
だけどただかっこいいとばり言ってはいられない。俺はこの黒炎について試してみることにした。
「俺には熱さは感じされないけどどうなんだろ?」
この黒い炎は俺には熱が感じられなかった。これは使用者である俺にだけ感じられないのか、それとも黒炎自体に熱がないのかを確認してみることにした。
まずは近くにあった紙を手に持ってみた。
「燃えない…」
紙は燃えなかった。つまりこの黒炎には熱がないことになる。それだとこの黒炎にどんな力があるというのだろう。最初は普通の火より高熱なのかなと思っていたが違った。それならばどんな力が秘められているか確かめたくなった。これはダークヒーローが使う黒炎なんだ。ただ黒くて火のようにゆらゆらと揺れているだけの力なわけがない。
「くっくっく! 楽しくなってきた!」
俺は思いつく限りのことを試してみる。
そうして分かったことがあった。やっぱりとんでもない力を秘めていたのだ。
黒炎に秘められた力はいくつかあった。
まずはこの黒い炎は形を変えることができるということだ。俺が念じれば黒い炎は竜の形になったり虎になったりただ単に伸ばしたりすることができるということがわかった。
そして黒い炎は俺の意思で点火することができるということだ。さっき紙を持った時には意識してなかったが再び燃えろと意識して紙を持った時は一瞬にして紙に黒い炎が燃え移ったのだ。
最後にこの黒い炎は俺が念じれば燃え移った部分を消滅させることができるのだ。チリを残すことなく一瞬にして言葉通りに消滅したのだ。
つまりこの黒炎は俺に意思で形を変え、俺の意思で燃え燃え移らす事が出来、俺の意思で消滅させる事ができるというとんでもない力を秘めていたのだ。
「くっくっくっ~」
まだまだ他にも使える力は沢山ある。最初でこれだけのことができたんだ。他にもこのような力、もしかしたらこれ以上の力を秘めたものもあるかもしれない。
俺はそう考えるとにやけた笑いが止まらなかった。
「さぁ!どんどん試していくぞ!」