猫はいいなぁと言ったあの時の自分を殴りたい
さて、突然ですが皆様は『猫』という生き物についてどの様にお考えでしょうか?
ああ、別に小難しい話や説教をするつもりはありませんよ。単純に興味本位から聞いただけですので。
猫が好きな人、嫌いな人
色んな考えを持つ方がいると思います。
ではその中で『猫はいいなぁ』と思った事はありますか?
何もせずゴロゴロと寝ているだけでタダ飯にありつける。
ただそこにいるだけで愛され、必要とされる。
言ってみれば社会的地位と安泰を獲得したニート......
羨ましいと思いませんか?
自分もそんな生活をしてみたいと思いませんか?
私も、そう思っていました。
............ええ、過去形です。猫はいいなぁと、猫になりたいと、思っていました。
過労で死ぬまでは
おっと、幽霊ではありませんよ?
ですので塩を投げないで下さい!
......なんか色がピンクなんですけど、まさかモンゴル岩塩ですか?
お高い塩の方が効果が高い訳ではありませんからね? 清めた塩だから効くんですよ?
あとそこの方も掃除機を構えないで下さい!
吸引力が変わらないただ一つの掃除機でも吸えない物はありますから! 映画の見過ぎです!
............落ち着きましたか?
謝る必要はありません。自己紹介もせずに話に夢中になってしまった私が悪いのですから。
さて、順番が前後してしまいましたが自己紹介をさせて下さい。
私は......いえ、我が輩は猫である。名前はある。もちです。
気がついたらペットショップのショーケースに入っていて、10才の娘の誕生日プレゼントとして買われました。
どうして猫になったのかはわかりません、ですが心当たりならあります。
おそらく死ぬ寸前に『猫はいいなぁ』って思ってしまったのが原因でしょう。
自分でも意味不明なことを言っている自覚はありますが、実際に起こっているのですから真摯に受け止めるしかありません。
本題に入らせていただきますが、私がこの場をお借りして皆様に言いたいことは一つだけ。
それは『猫になりたいなんて死んでも言うな』ということです。
どういうことか分からないと思いますので、猫になって苦労した実体験をお伝えいたします。私と同じように社畜な方と猫好きな方は、特にご静聴ください。
まず飯が不味い。
人間の食事に慣れていた私ではキャットフードはとても不味く感じました。味が薄いですし毎日毎食キャットフードオンリー......地獄ですよ?
しかも奥歯が無いのでほぼ丸呑みしなければいけません。ただでさえ不味いのに余計に不味く感じます。
私がまずいキャットフード食べてる近くで飼い主がおいしそうなご飯を見せつけるように貪るんですよ?
怒りを通り越して殺意が湧きます。
ダイエット中なのに普段とらない出前の寿司を目の前で食べられるのを想像してみてください。その感情を毎日です......
あと服が着れないのも嫌です。
......え? 毛皮着てるだろって? いやいや、考えてみてください。毛皮って局部むき出しなんですよ? 全裸の方がまだましでしょう? そこの人食いつかないでください。
「その手があったか!」じゃありません。落ち着いてください、猫パンチしますよ?
変態は放置して、次はお風呂についてです。日本人の体と心を癒してくれるお風呂に入れない......!
これが思ったより辛いんです。猫はお風呂の代わりに自分の体を舐めるのですが、オエッってなるので私はできませんでした。
体が汚れてもお風呂に入れない辛さは一度経験しないと分からないでしょう。
そして最後にして最大に辛いのは『暇』です。
暇すぎて「あれ? 逆に忙しくね?」って錯覚するくらいに暇です。
人間だったらケータイいじったり、本読んだり、外に遊びに行ったりできるでしょうが猫の私にはすべてできない!
病院の入院が暇すぎて死にそうだったとか言いますけど、私はテレビも見れないんですよ!?
猫はゴロゴロできるんじゃなくてゴロゴロする以外にやる事がないんです! しかも寝すぎて浅い眠りしかできません。
はっきり言って生き地獄です。
どうでしょうか? ちなみに言うと私は飼い猫だったからまだ恵まれている方なのでしょうが、野良猫になる可能性もありました。それでもまだ『猫はいい』と思いますか?
私はそうは思いません。一刻も早く人間に戻りたいのですが......これまで面倒を見てくれた家族に恩返しするために、寿命で死ぬまで私を飼っている家族と一緒に暮らします。
なんだかんだ言って、私はこの猫生活を気に入っているのかもしれません。
住めば都とは、よく言ったものです。
............二度目はごめんですけどね。
だから私はいつもこう言っているんですよ。
「にゃーん(人間はいいなぁ)」って。
投稿する時にジャンルを入力するのですが、「ジャンル......?」となりました。