出港!!トライデント号!!
化学の国の大会で優勝し、獲得した賞金で船を造って貰う事になったのだった。
そして、船が完成すると約束された日がやってきた。
「うおおぉっ!!すっげ〜〜〜!!」
化学の国での大会で優勝した賞金で船を造って貰ったのだが…どデカいのなんのって!!
目の前には立派な船が碇泊させられていた。
「本当に僕達が頂いても良いのですか?」
「勿論だよ。君達の力添えのお陰で優勝に辿り着けたのだからね。」
クレイグはほくそ笑んだ。
ぶっちゃけ俺様達の力添えと言うよりも、スナルの力が大きかったんだけどな。
合流したのは良いけど、何故かガスマスクを付けてるスナルを横目で見た。
スナル言わく、クレイグが有名な科学者だから顔を合わせるのが恥ずかしいらしい。
俺様達はそんな有名な奴と協力してたのか…
「ねぇ、クレイグ君♪この船にはどんな技術が備わってるって言ったっけ〜?」
「良くぞ聞いてくれた!!この船はズバリ!!海水を汲み上げて、自然と濾過して淡水と同じ要領で使えるのだよ!!」
「マジで!?」
「ふふ…ボクの考えたシステム…実に偉大なものだろう!!だから船内にはお風呂もトイレもある!!キッチンは勿論、水道を捻れば飲料水が溢れ出すのだよ!!」
「最高じゃないですか!!」
「システムさえ壊れなければ、水は際限なく使う事が出来るよ。後使えなくなる要因としては、君達が飲み過ぎるあまりに、海水を枯渇させてしまったらば…だね。」
クレイグは不思議なニュアンスに言ってるけど、まず後者は有り得ねぇだろ…
つまりは機械が故障しなければ使い放題って訳だな。
「排水の心配も要らないのだよ。バクテリアが分解して、綺麗な状態になってから海に流してくれるからね。」
クレイグは誇らしく主張してくれた。
環境にも優しい船って訳か!!
「成程ね〜…僕の方で機械を見させて貰うよ♪後はどんな機能が備わってるの〜?」
「え!?まだ何かあるのか!?」
「ふふ…あるのだよ、これが!!君達は子供だからね、これだけ大きい船の帆を張る作業は大変だと思ってね。ロープを巻き上げる装置。それから、嵐にあっても脱する事が出来る強力なモーターを備え付けておいたのだよ!!」
「クレイグ〜〜!!最高だなっ!!」
「よっ!!リアム=クーパーみたいです!!」
「ははっ。そうだろうそうだろう!!」
褒められて満更でも無さそうだ。マジで有難い機能だわ。
そんな俺様達を差し置いてスナルは船に歩み寄った。
「…中も見てみたいなぁ♪行こうよ!!」
「気が早いわ!!1番最初に船に乗るのは俺様だぜ!!」
「いいえ、僕ですよ!!」
サージとどちらが先かと競い合いながら下ろしてあったロープをよじ登った。
甲板に辿り着いたのは同着って所かな…
「広い…!!兄さん!!大砲が備え付けられてますよ!?見張り台もあります!!」
「おおぉ!?やべぇ…!!滅茶苦茶カッケーじゃん!!」
「本格的な船ですね…!!あっ!!あのハンドル見覚えがあります。」
階段を上がって近づいてみると見晴らしがよく、操縦には打って付けだった。
そしてすぐ側には部屋があった。そこは俺様達が今まで航海してきた舟の部屋を連想させる。
「壊れた舟のパーツをまんま使ってくれたのか…!!」
「そうみたいですね。また一緒に航海出来ると思うととても有難いです。この部屋は船長室として使いましょう!!」
「おう!!お客さんが来たらこの部屋に通すのが良さそうだ!!」
中を覗いてみると、元々使ってたソファーや戸棚も置かれていた。設計してくれた船大工のおっちゃん達に感謝しかないな。
「船大工君が腕によりをかけて作ってくれたのだよ。気に入ってくれたかなサザン君。サージ君。」
「気に入らねぇはずがねぇよ!!」
「それは良かった。下の階はキッチンとリビングになっていて、更に下の階は部屋が幾つかあるのだよ。」
「それぞれの部屋まであるのかよ。快適過ぎだわ!!」
今まではひとつの部屋に大人数がみっちみちになってたからな…
「航海するのなら、見合った環境を提供しなくてはね。ボクは君達が楽しく、尚且つ安全に船旅が出来る事を祈ってるのだよ。」
「本当に有難うございます。」
「良いのだよ。ボクは新しい研究の会議が待っているからそろそろ行くけれども、次に君達に会う日を楽しみにしているよ。」
「おう!!その時の為に沢山冒険談用意しとくからさ!!クレイグも新しい発明品作っておいてな!!」
「必ずね。それじゃあまたね。」
クレイグと別れを告げて、新天地へ向けての船出の準備へと取り掛かった。
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「本当に立派な船だな!!凄いじゃないかサザン!!」
宿で荷造りをし終わったカウン達が船にやって来て、予定通り出港をした。
「な。本当に!!こういうでっかい船で旅するのが夢だったんだぜ!!」
「夢が叶ったじゃないか!!見たまえ!!見張り台まで付いているぞ。設計士はちゃんと海賊船として作ってくれたに違いない。」
上を見上げると、今までの舟よりもずっと大きな帆が風に靡いている。
海賊旗はそのままで、俺様とサージお手製のみすぼらしいものだ。まぁ、それはそれで味があって良いとは思うけど…
冬にも関わらず珍しく天気は晴れてくれて、まさに出航日和だ。
この船とのスタートに相応しいな。
「兄さん!!大砲が備わってましたよ!!これで海賊と応戦出来ますね!!」
「すっげー金かかってんな!?クレイグ奮発してくれたわ。」
船の中を一通り探検し終わったサージが甲板に戻ってきた。
これまでは逃げるしか選択肢になかったからな。
これからは万が一に備えられそうだし、作戦の幅が広がったな。
新たな可能性の数々に誰よりもワクワクしている。
「……彼奴を船に乗せて良かったのか?」
俺様の気持ちとは裏腹、ケイムは何処か訝しい様子だ。
「…?スナルをか?何でだよ。」
「…素性が知れない。何処かで見た事がある気がするんだが、名前は初めて聞いた。」
「お前だって知らない事の1つや2つくらいあるだろ。」
「…それはそうだ。だが、違和感がある。」
「ふむ。ケイムもそうか。私もなんだ。」
「カウンさんもですか?」
「あぁ。化学と医学は密接だから時々論文を目にするんだ。その中で彼の顔を見た事がある気がしなくも無いんだが……やはりスナルという名前は思い当たらなくてなぁ。」
大人2人は首を傾げている。俺様達は学術とか難しい事とは無縁だからさっぱしだわ。
「しかし、東の国までは一緒に行く約束ですし…お2人と年齢も近そうですから仲良くしてくださいね?」
「そうだぜ!!スナルって変わってるけど良い奴だからさ!!」
「私はそのつもりでは居るぞ。だがケイムは苦手そうなタイプかもしれないな?(笑)」
「…あぁ。」
ノリがケイムとはまるっきり違うしな。会う合わねぇはあるから仕方が無い事だとは思うけれども…
プチ相談会をしているとぽすんと背中に重みが生じた。
「うお!?」
「皆集まって何お話してるの〜?」
俺様のすぐ後ろにはスナルの顔があった。腹に手を回されてぎゅ〜っと抱き寄せられている。
「おう!?びっくりした〜…いやさ、皆でこれからの航路について相談してたとこだぜ?」
「そうなんですよ。東の海を航海するのは初めてですからね。新たに海図を入手しなくてはと思いまして…」
「そうなんだ〜♪地図の事なら僕に任せてよ!!」
「ホントか!?頼りになるわ。」
スナルはニッコニコの笑顔で頭をわしゃわしゃしてきた。
化学者って堅物が多いイメージなのに此奴はスキンシップが激しいな。と化学者らしからぬ様に感じる。
「ふむ。君は航路も知っているのかい?」
「地図作りは得意だからね♪1週間の猶予があったし作成しておいたんだ〜♪」
有能過ぎんだろオイ…
「天才ですねぇ…うちに航海士が居ないので是非ともなって頂きたいくらいですよ(笑)」
「あはは。勧誘されちゃったぁ♪嬉しいけど、僕は海賊としては生きていけそうに無いかはなぁ。」
「くぅ〜、惜しいなぁ。」
「ふふふ、それに今は一緒に暮らしてる人達が居るしね♪」
「そう言えば俺様達と同じくらいの年頃の奴と暮らしてるって言ってたな?」
「そうそう♪…エクレアちゃんがお茶を入れてくれたみたいだから下に行こうよ!!僕は皆のこと呼びに来たんだよねぇ〜!!立ち話じゃなくて座りながらゆっくりお話しよ?」
「おうおう!!行こうぜ!!」
スナルが俺様から離れて、下まで誘導した。
1番後ろを歩くケイムは益々眉間の皺を深めていた。
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「皆で来てしまったが、誰も操縦に当たらなくて良かったのか?」
「海流に乗ってるのでその点は大丈夫ですよ。リビングからも海が見えますし、異変があったら直ぐに駆けつけます!!」
サージの言う通りここからも景色を堪能することが出来る。
ガラスも強化ガラスらしくそう簡単には割れないと言うのだ。
「下の階は…お魚…泳いでた…!!」
「この船は海中の景色さえも堪能出来るみたいで。」
ハクリンはエクレアが入れてくれた紅茶を俺様達の前に置いてくれた。
「こんな船で毎日生活出来るなんてなぁ!!」
他の海賊は絶対羨むぜ!!世界に1つだけの俺様達の船だからな!!
「そう言えば船に名前を付けないのか?私はてっきり、作り手の名前を文字ったり、航海の加護を願って女神の名前を借りるものだと思っていたが…」
「そう言えばそうですね。考えても居ませんでした。」
「今まで何もなしだったしな。これを機に命名するか。」
「…お前らのセンスでは心配になるがな。」
「えぇ!?ひでぇよケイム!!じゃあお前は何か命名出来んのかよ!?」
「……辞典で索引するか?」
「いや!?自分で思いつかねぇからってそこまでしなくても良いわ!!誰かぱっといい感じの浮かばねぇ?」
俺様の問いかけに全員が首を捻った。
「うーん。難しいですね。付けるのならカッコイイものが良いのですが…」
「シー・オーシャン号とか!?」
「何で海と海を掛け合せるんですか。」
「お魚と触れ合える船…とか!!可愛い…」
「な、名前としてはどうかと思いますが、エクレアの発想は素晴らしいですね。」
「ハクリンお前ただの兄バカだろ。」
「私としては、魚がエクレアに付き纏うのはうんざりですよ。しかしエクレアが一生懸命考えたのです。その行為が大変喜ばしい事でしょう?」
「全肯定ハクリン兄貴的な…」
俺様も兄貴だけどサージがヘンテコ発言してたら流石に突っ込むわ。
「兄弟仲が良くて微笑ましいな!!私としては…そうだな。サンライズ号なんてどうだろうか!!君達にピッタリだと思うんだ!!」
「日の出かぁ!!良いじゃん!!カッケーじゃん!!」
「……日だとやがては沈む事になるが。」
「そういう細かい事は気にすんなよ!!」
「やっぱり君達の身近なものに例えた方が良いんじゃないかなぁ?」
話を一通り聞いてたスナルは提案してきた。
「身近なもの?太陽って身近じゃないのか?」
「宇宙のものだし、規模が大き過ぎるんじゃないかなぁ。海からの恩恵を受けたいのなら、やっぱり海のものの方が良いかもねぇ?」
スナルは真面目に回答してくれた。
「海からの恩恵ねぇ……そう言えばリコフォスは海から愛される為には海の神様を崇拝すべきってそんな感じの事言ってなかったっけ?」
「言ってましたね。皆さんポセイドン様って神様を崇拝しているとか。」
人魚の国の一件の時、俺様達に加護を与えてくれたみてぇだからな。感謝しかねぇぜ。
リコフォスは居たって言ってたけど、俺様達には魚影しか見えなかったなぁ…
「ポセイドン様…か。」
スナルは何処か考える素振りを見せた。
「…僕は神話とか信憑性に欠けるものだと思ってたけど、やっぱり神様って実在するのかなぁ?」
「そりゃ居るだろうよ!!居た方がずっとワクワクしねぇか?」
「……うーん。ワクワクかは分からないけど。そっか……」
「…?どうかしましたか?」
「…ううん。何でもな〜い♪こっちの話だから気にせず続けて続けて♪」
スナルは困った様な笑顔で手をヒラヒラと振った。
「分かったぜ〜。…そうだ!!俺様1つ思いついたんだけどさ、ポセイドン様リスペクトって事で、持っている三叉から文字ったらどうかな?」
「兄さんにしてはまともなアイディアですね!?」
「俺様にしてはってどういう事だよ!?おい、ケイム出番!!」
「…何だ突然。」
「三叉ってかっこよく言うとなんて言う?ほら、索引!!」
「…トライデントだろ。調べるまででもない。」
「流石ケイム!!本の虫だな!!」
秒で返答するあたり!!流石だぜ!!
「ケイム君は知識豊富なんだねぇ♪すごいなぁ!!」
「…………。」
「え?あれ?そんな顔しないでよ〜(笑)」
「済まないな、此奴は気難しい奴なんだ。」
「そっかぁ。残ね〜ん☆」
スナルは肩を落とす素振りを見せた。ケイムは分かりやすくスナルを避けてるな。
「そんな訳だし命名するぜ!!この船は今日からトライデント号だ!!」
「良いですね。賛成です。」
「中々響きが良いじゃないか♪神様も惜しみなく力を貸してくれそうだな!!」
誰も反対意見とかは無いし決定で良いだろ。一緒に航海しような!!トライデント号!!
「名前も決まりましたし、今後の航路について決定しましょうか。」
「はいは〜い!!任せて〜♪」
スナルが腕時計を操作すると目の前に光の地図が浮かんだ。
「相変わらずカッケーなぁ!!」
「空中に浮かんでる…!!透けてるのに触れるの…?」
「手を感知してくれるんだよね♪ほら、こんな風に操作して〜…」
スナルが指をスライドさせると、地図も同様に切り替わった。
「…並大抵の化学者がそんなプログラムを作れるとは思わないが。」
「どうして無名なのかと疑問に思ってしまうなぁ。」
「あっはは。僕なんてまだまだだもの♪他の化学者だって御茶の子さいさいだと思うよ〜?ええと、現在地は〜…此処!!」
海の真ん中にマークが記されている。そして、海図と同様に海流も表されている。
「紙の地図と違う所は、常に情報が入れ替わる事かな♪風向きや、流れの変化に応じてこの地図は更新されていくよ♪」
「マジかよ!?俺様も欲しいわ!!」
「僕の腕時計だからそれは勘弁かなぁ。ゴメンね☆」
「ぐうぅ…!!俺様にも開発してくれよぉ…」
「全部分かりきった航海をしてもサザン君の言うワクワクは得られないんじゃないかな〜?だから不器用ながらも、自分の手で探って行った方がずっとずっと楽しいと思うよ♪」
確かにそうだし、父ちゃんも俺様と同じ要領で航海してたんだろうから、それに合わせてぇけど。
「…それでそれで?東の国のどの辺に着くようにしたいんだい?それに合わせて航路を計算してみるよ〜!!」
「柳という人物が何処に居るかによりますね。しかし私達はその情報を得られて居ません。」
「人探し〜?でも東の国に居るとしか分かってないんだねぇ。…って、それって中々大変じゃないかい!?暗中模索だよねぇ〜」
「俺様達の旅はずっとそうだったぜ!!な?」
「えぇ!!それで何とかなっていましたから。」
「海賊って凄いなぁ!!行動力があるねぇ〜他にその人の情報は無いのかい?」
「ハクリンはその柳という人物は商人と言っていなかったか?」
「はい。バルム=シールドと貿易をしている奴隷商人です。」
「うん!?物騒な人を追いかけてるんだねぇ!?」
スナルは大袈裟なくらい驚いている。
奴隷商人って事情も事情だから関わろうとしてるけど、本来ならば絶対関わらねぇ部類の奴だもんなぁ。
「ならば同じ商人から話を聞き出せば情報を知り得るんじゃないかなぁ?」
「確かにそうですね!!」
「商人が集まる場所とかあったりしねぇか?」
「それならば此処!!」
スナルが画面をタップすると地図が拡大されて華やかな街並みが表示された。
「おぉ〜!?これ街の風景なのか!?建物の造りとかまるっきり西洋とは違うな!?」
全体的に柱や外壁に使われている色は赤が多く、提灯や煌びやかな装飾が軒を連ねている。
写真で見た感じだと食べ物の店が多く、人で溢れ返っている。
「東の国へ向けての航路の途中にある国だよ〜!!丹の国っていう美しい国でね♪貿易が盛んで多くの商人が集まるって聞いたなぁ〜」
「へぇ!!是非とも観光で立ち寄りたいですね。」
「きっと楽しいと思うよ♪でも目的はあくまで商人からの情報収集だから、それを忘れずにね〜」
サージと一緒にあちこち探検してる未来が見えんな!!
とても一日じゃ回りきれねぇだろうから何日か滞在してぇところだな!!
「……治安はあまりよく無さそうだな。」
「ケイム君鋭いね〜!!そう…人の出入りが激しい分事件は毎日の様に起きてるとは思うねぇ。僕は人混みが得意じゃないから、立ち寄ったりはしないかなぁ〜…」
「それならば、保護者同伴だな!!サザン達の面倒をしっかり見てくれたまえ!!」
「ケイム=ハスラー。貴方の出番ですね。」
「誰が保護者だ。…お前も何を言ってるんだ。」
カウンもハクリンもだんだんケイムの扱い方を分かってきたようで、冗談なのかそんな事を口にしている。
「俺様としてもお前が居たら助かるし、宜しく頼むぜ!!」
「……はぁ…何もトラブルが起きないと良いが。」
こうして丹の国へと立ち寄ることが決定した。
ケイムの願いは叶わずに、自らトラブルに突っ込む事になるとはまだ知る由もなかった…
「よしと、安全に向かうのならこの航路にしよう♪」
スナルによって航路が決定された頃にはお茶を飲み終えていた。
「話が済んじまったから、皆部屋に戻っちまったなぁ。お前の話も聞こうと思ってたのに。」
まだスナルについて知らないことだらけだからな。
「そんなにも僕に興味を持ってくれるの〜?嬉しいな♪」
「そりゃ、一緒に旅する仲間だし。」
「光栄だよ。有難う♪僕は貸してくれた部屋に居るから、お話したくなったらいつでも来てね〜☆沢山お話しよ!!」
「おう。後でお菓子持って邪魔するぜ。」
「兄さん!!風向きが変わりそうなので調整するの手伝って下さい。」
「今行くよ。それじゃあな。ゆっくり休んでてくれ。」
「うん。分かったよ〜」
サージに呼ばれたから手伝いをしに甲板へと向かった。
スナルは良い奴だけど、お互いに知らないことばかりだ。
だからこそ沢山知っていきたいな。
…でも、真相を知る事になるのはまだ先なんじゃねぇかと、この時点で薄々感じていたのだった。
読んで頂き有難うございました。ウォーシャン海賊団は本格的に航海が可能になりましたね。立派な船を造って貰ったので、波に揺られて海に投げ出されちゃうなんて事は少なくなるでしょう!!良かったね!!一安心!!
スナルと一緒に航海がスタートしましたが、丹の国で待ち受けていたものとは…次回に続きます!!




