協力!?科学者クレイグ!!
人魚の国をベルデ=ガルシアから解放したウォーシャン海賊団。しかし、逃げられてしまいその後のガルシア海賊団の足取りは掴めず…?
人魚の国から地上に戻り数日が過ぎた。
リコフォスの家で滞在させて貰いつつ、今後の航路を改めて決めていた。
ベルデが動きを見せるまではその足取りは掴めないから、その行方を追うのは困難だと考えた。
だが、計画を阻めたからには多少の痛手にはなっただろう…
体勢を整えるまで、しばらく動きを見せないんじゃねぇかな。
でも、俺様達を殺しにかかってくるのは間違いない…
だから、常に動きには警戒しとこう。
代わりに、今度は柳という男を打倒する為に動く事にした。
柳というのは、ハクリン達の宿敵であるバルム=シールドと三角貿易を行っている男だ。
リャンヌール国を取り戻す為には、バルム=シールドの貿易相手を潰して、弱体化を図るしかないのだ。
東の大商人という情報しか無いから、柳の素性はちっとも分からないけど…まぁ、そんなに有名な奴なら東の国へ行って聞き込みをしたら掴めるだろ。
そんな訳で航路は東を目指す事に決定した。
だが、航海をするに当たって問題点がある。それは…
「あぁ…僕達の舟ぇ……おぉ、よしよし…今まで良く頑張りましたねぇ。」
「ぐうぅ…大きい船に移行の時期とは思ってたけどさぁ…壊れちまうのは切ないぜぇ〜!!」
人魚の国の1件で、何と大破してしまったのだ…
リコフォスの魔法が解けた瞬間、形を保てなくなってしまう。これでは海を渡れねぇよ…
「困ったわね。次の陸地にたどり着くまでは私の魔法でどうにか出来るけど、やっぱり新しい船を買うしか無さそうね。」
「う〜ん。大きい船買えるほどの金なんてあったかな。」
「前Qさんにお宝を売った分のお金は残っていますが、足りますかねぇ。」
多分足りねぇだろうな…
「船大工さんと相談すればきっと安くして貰えるわ!!大丈夫よ!!」
ん〜…それはリコフォスが値切るからじゃねぇかなぁ?
こんな美人さん相手なら幾らでも安くしてくれそうだし。…そう思ったのは黙っとこう。
「ま〜…動いてみねぇ事には始まらないよな。そうするよ。」
「貴方達の未来に幸あらんことを。私も、また旅をすることにしたわ。」
「リコフォスさんもですか?」
「えぇ。ロズディアを見て見ぬふりは出来ないわ。私が、彼を正さなければならないの。」
「そっか…ちゃんと声が届くと良いな。」
「そうね。…それとね、攫われてしまった人魚を解放しなきゃいけないわ。」
俺様達が人魚の国に辿り着いた頃には、人魚を積んでいたベルデの船は無くなっていたからな。
救えなかった人魚は既に地上で売買されていると思うと、胸が苦しいぜ。
「僕らもお見かけしたら解放出来るように努めてみます。リコフォスさんも宜しくお願いします。」
「任せて。…皆出航の準備が出来たようね。それじゃあ、舟に魔法をかけるわ。」
リコフォスが杖を振って何やら唱えると、傷1つ無い綺麗な状態へと戻った。これがこの舟との最後の航海だな…
「風の魔法で、無事に次の陸地まで辿り着ける様にするわ。貴方達とは此処でお別れね。」
リコフォスは屈んで、俺様達を抱きしめた。
優しく温かい腕に包まれた。
「どうか、元気でね。貴方達は芯がある逞しい子達よ。どうか、自分を大切にして頂戴。」
「ふふ。おう!!それが俺様達の取り柄だからな!!」
「はい!!」
「何か迷った時は、Qと名乗る彼に相談するといいわ。きっと、助けてくれるから。」
「Qに…?でもいつ会えるか分かんないんだぜ?」
「彼は貴方達を見守ってくれてるわ。強い感情を持ったら、ひょっこり現れるわよ。今までにそんな事が無い?」
そう言えば此処に誘導して貰った時も、前回会った場所からずっと離れた場所だったし…偶然にしちゃあ、有り得ないよな。
それに、マッタンの謎謎ですっげー悩んでた時だった。
「…言われてみたら、そうかも?」
「あの、Qさんって何者なんですか?」
「彼の方から何れ話してくれると思うわ。でも、貴方達の味方であることは断言して良いわ。」
「味方…ですか。」
「彼は誰よりも優しくて寛容よ。沢山頼るといいわ。きっと、若い子が居てくれると彼も嬉しいと思うしね!!」
「おう!!そうさせて貰うよ!!」
「私も貴方達の味方よ。忘れないでね。」
リコフォスは微笑みながら頭を撫でてくれた。
「ふふ…嬉しいです。」
「また会いましょうね。次会う時は、冒険のお話をもっと聞かせて欲しいわ。」
「おう!!またな!!」
「話のネタを増やしときますね!!」
「楽しみだわ。」
優しく背中をさすられて、それがお別れの合図になった。
俺様達はリコフォスに見守られながら、海へ出たのだった。
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風が舟を後押ししてくれてぐんぐん進んでいる。
海界でも僕らを守る為に耐えてくれたこの舟。本当に長い間お世話になったなぁ……そうしんみりしてしまう。
「兄さん、お話があるのですが…」
「ん?どうした?」
帆の調整をしながら、兄さんは視線をこちらに向けた。
「この剣についてです。」
人魚の国でベルデ=ガルシアと対峙した時に、声が聞こえてきたのだ。その声の主はなんと、初代ウォーシャンのジェラ=ウォーシャンらしい。
今でもあの出来事が本当だったのか疑ってしまう。
「何の変哲もない剣に見えるんだけどなぁ。…あれっきり聞こえないんだよな?」
「えぇ。触れても、うんともすんとも言いません。」
リコフォスさんの元に滞在している間、突っついてみたり、話しかけてみたり、振るってみたりしたのだが…何も応答がない。
「俺様は何にも聞き取れなかったしさ。お前の勘違いだったとか?」
「そんなはずはありません。ジェラ=ウォーシャンは波長の問題だと言っていました。」
「ん〜…何か条件があるのかな?不思議な話だよな。次に声が聞こえた時は教えてくれよ。」
「はい。分かってます。」
腰に差してある剣を撫でた。
…そういえば、父さんは人魚の国へは絶対に行くなって言ってたけど、よく無事に帰って来れたなぁ…
恐ろしいバケモノが居ると言っていたから、どんな怪獣が待ち構えているのかと思ったけど…鉢合わせになる事は無かった。僕達は幸運だったのかもしれない。
「今は剣よりも、この舟とケイムの事が気がかりだよな〜」
「ですよね。次の陸地に到着次第、舟はなるべく海から押し上げましょう。大破してしまうので…」
「次の船にも何かしらこの舟のパーツを使いたいと思っててさ。」
「賛成です。置き去りになんて出来ませんから。まだまだ一緒に航海したいですしね。」
「あぁ。いつリコフォスの魔法が解けるか分からないから、寝泊まりは宿にしようぜ。」
「そうですね。荷物もある程度避難させておきましょう。」
舟で寝ている時に大破しちゃったらとんでもない目覚めになっちゃうからなぁ…宿で寝るのが賢明だろう。
窓から船内を覗いてみると、ソファーで横になっているケイムさんが見えた。お腹に深い傷を負ってカウンさんに何針か縫われたみたいだ。しばらくは無理をさせる訳にはいかないな…
「はは…ケイムは重症だな。」
「えぇ、本当に。宿は安静に出来る場所を選びましょうね。ケチってオンボロを選ぶのはやめましょう。」
「そうだなぁ。環境にはかえられねぇしな…」
ガチャリ。
扉を開く音が聞こえたから振り返ると、エクレアさんとハクリンさんが出てきた所だった。
「わぁ………風…強い!!」
「飛ばされない様に気をつけて下さいね。サザン、サージ。紅茶を入れたのですが如何ですか?」
「おぉ!?優雅〜…流石だぜ!!」
僕達は普段ホットミルクとか、ココアとかしか飲まないからなぁ…育ちの違いを感じさせられる。
「有難うございます。頂きますね。」
エクレアさんからカップを受け取り口をつけた。
「うわ、美味しい……」
「ハクリンが持参した紅茶だよな。すげ〜気品のある味がする…」
「私の気に入っている茶葉です。お気に召して頂けたのなら光栄ですね。」
絶対お高いやつだよなぁ。僕達とは縁のない味覚を堪能しながら水平線を眺めていた。
「私…お手伝いする!!」
「俺様とサージで出来るから大丈夫だぜ!!風邪を引いたら不味いし、中に居な。」
そう言って兄さんはエクレアさんの頭を撫でると、彼女はぷくーっと頬っぺを膨らませた。
「ハク兄…!!お手伝いダメだって…!!」
「ふふ…代わりに私がしますよ。エクレアはケイムさんやカウンさんのお手伝いをして下さい。」
「分かった…!!私…頑張る!!」
よし!!とガッツポーズをして意気込みながら、エクレアさんは中へと戻って行った。
「…可愛い妹でしょう?」
目を細めながらハクリンさんは壁にもたれかかった。
「えぇ。とても可愛らしいですね。」
「まだ13歳ですから。いたいけな少女です。……王族とはあまりにも窮屈なものですよ。失敗を許されず、完璧に振る舞わなければいけないのですから。」
「海賊と違って自由がねぇからな。」
「そうです。…ですから、そんな縛りが無くなった今…彼女は生き生きしているかもしれませんね。」
「…生き生きですか?」
「同じ王族同士でしか、関わりは許されていませんでしたから。見るもの触れるもの全てが新鮮で仕方がない。」
「ハクリンもそうなのか?」
「……そうですね。城を出るまでは、世間の暮らしなんて知りませんでしたから。自分の無知さを知らしめられましたよ。食べ物や、明日の暮らしに困るなんて思いもしませんでした。」
口元に手を当てて、ハクリンさんは苦笑いをした。
「……井の中の蛙でしたね。…私は、自由の身になった訳ですが…自由とは持て余してしまいます。全て自分でどうにかしなければならないのですから、あまりにも重い。」
「放り出された状態だとそうだよな。」
「貴重な経験をしていると思いますが、やはり私はあるべき場所に戻らなければならないと、そう責任を感じずにはいられない。」
深緑色の髪が靡いた。帽子から覗かせる青い目は、強い意志を宿していた。
「…柳の足取りを掴めるまで御協力願います。それと……」
しかしハクリンさんはそっと首を振った。
「………済みません、もう少し考えてからにします。迷惑を承知ですが、暫くの間船路に同伴させて頂きますね。」
「迷惑なんてとんでもありません。賑やかで楽しいですよ♪」
「だよな!!すっげー嬉しいんだぜ!!」
「…有難いお言葉です。…見てください。陸地が見えてきましたよ!!」
ハクリンさんの帽子からクラージュが飛び出して嬉しそうに飛び回った。
「くるっぽー!!」
「るええぇ!?ぼ、帽子の中に居たのかよ!?」
「隠し芸としてウケませんか?」
「いやぁ…驚かれはするでしょうね。」
「ふふふ、そうですか。隠し芸というのは冗談ですが、この子は私の命綱なので…居場所は内密に。」
しーっと仕草をしたが、ハクリンさんがすると色っぽいからズルい…王子だからどんな仕草も洗練されてる様に見えてしまう。
「さぁ、上陸の準備をしようぜ!!」
こうして次の冒険の地へと足を踏み入れたのだった。
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「宿も何とか見つかったし良かったよな!!町からちょっと離れてるし、静かで良し!!」
サージと2人で探索がてら、町に買い物に来ていた。
商品の品揃えがガラリと変わった気がする。東の国の文化が入り交じってるんだな。
「この辺は商人が多いですね。色んな場所から売りに来てるんでしょうか?」
「かもな。みんな顔つきがバラバラだよ。異文化交流してぇけど…何言ってるか分からないなぁ!?」
この町は色んな言語が飛び交っている。西洋の言葉だけじゃないのだ。これは東の国へ行ったらば苦労する事になりそうだな。
「これ、固いですね?」
「だなぁ?」
見たことの無い薄いクッキーが売ってたからテンション上がって買ってみたのだが…
すっげーカリカリしてて味も塩っぱい。こんなのクッキーじゃねぇ…!!まろやかさ何処!?
どちらかと言えばクラッカーに近いクッキーもどきを齧りながら歩いて居ると、後ろから悲鳴が聞こえてきた。
「ひいぃ!?やめたまえぇ!!ぼ、暴力は何も解決しないのだぞ!?」
「お前科学者だろ?金目の物寄越せよ。おぉ!?」
ザ・インテリ系の細くて気弱そうな男性がガラの悪い2人の男につるまれていた。どっちも西洋の言葉だから助かるけど…
「サージ。俺様達の出番だぜ!!」
「その様で。行きましょう、兄さん。」
男性がカバンを取り上げられそうになっている所に割り込んだ。
「よぉ、弱いものいじめとは見てらんねぇなぁ!?」
「全くですよ!!その人困ってますよ!?」
「誰だお前ら!?」
「見た目からして海賊かぁ?クソガキは引っ込んでろ!!」
「誰がクソガキですか!!その男性の金品よりももっと耳寄りの情報を教えて差し上げますよ!!」
「耳寄りの情報?」
「見ろよ!?絶世の美女でボインのお姉さんが向こうを歩いてるぜ!?」
「「え!?」」
迫真の演技で何も無い方向を指差すと、この男達は勢い良くその方向を見た。…まぁ、そうだよな。俺様もこれ言われたらその方向見ちまうし。
「今です!!それ!!」
「わっ!?」
「じゃあな!!ムッツリ共!!」
絡まれた男性の腕を引き、路地裏へと駆け込んだ。
「な!?騙しやがったなあぁ!?」
「この!!野郎!!待ちやがれ!!」
しかし男達は俺様達を見失ってしまったようで、足音は接近して来ない。
路地裏に入っちまえばこっちのものなんだぜ!!
「ここまで来れば大丈夫ですね。お怪我はありませんか?」
男性は肩で息をしながら微笑んだ。
「助かったよ。お手柄だよ……君達……はぁ……はぁ…」
「大丈夫かよ。水あるぜ?飲めよな。」
紙袋の中からボトルを取り出して、キャップを開けて渡した。
「済まないね。助かるよ………はぁ〜…生き返る。」
「ゆっくり飲めよ。にしても散々だったなぁ?物取りに絡まれちまって。」
「本当に困ったものだよ。ボクはね、クレイグって言うんだ。この先にある化学の国に用があって遥々やって来たのだよ。」
「へぇ〜!!化学の国なんてあるんだな!?」
「そう。そこには、最先端の技術が集まるんだ!!見るだけで胸が高鳴ってしまうのだよ!!だがね、今回の目的はそれだけじゃないのだよ!!」
「と、言うと?」
「化学の国でね、技術を競い合いながら、優勝を目指す大会が行われるんだよ!!ボクはそれに参加するのだよ!!」
クレイグは興奮気味に俺様達に訴えかけた。
「凄いですね!!優勝賞品とかあるんですか?」
「それはもう!!賞金が出されてね。ざっと……こう……。」
クレイグは何やら装置を取り出して、数字を打ち込んだ。
「「えっ!?」」
そこには一生遊んで暮らせる様な金額が打ち出されていた。
「やっば!?最高じゃねぇかよ!?」
「そのお金があったら立派な船が買えますね!?」
「だよなぁ!!俺様もその大金欲しい!!」
するとクレイグは首を傾げた後、少し考える素振りを見せた。
「君達は船を買いたいのかな?それなら、1つ提案があるのだが…ボクと一緒に参加してはくれないかね?」
「マジで!?」
思いもしない提案に驚いてしまった。
「でも僕達頭良くありませんし…」
「この大会はね、より早く指定されたゴール地点を目指すというものなのだよ。生憎ボクは体力がない。どうすればいいものかと困っていたのだよ。だから、君達が僕の手足になってくれないかな?」
「クレイグさんを運べって事ですか!?」
「いやいや、それはタイムロスじゃないか。ボクが通信装置で遠方から指示を出すということだよ。」
「成程!!それなら俺様達がうってつけだ!!」
サージは兎も角、俺様の取り柄は体力と足の速さだからな!!
「優勝した暁には、賞金を山分けといこう。それに、君達の船に最新の技術を組み込む事も約束しよう!!」
「超ハイテクでクールな船になるって事か!?」
「そうさ。お互いにウィンウィンじゃないかな?ボクは技術を披露したい。賞金は半分あれば十分研究に活かしていけるからね。」
「その話乗った!!」
「本当かい?助かるよ!!君達の名前は…」
「俺様はサザン=ウォーシャン!!」
「僕はサージ=ウォーシャンです!!」
「サザン君にサージ君か。有難う。一緒に頑張ろうじゃないか。」
クレイグはくしゃりと笑うと、手を差し出してきて握手を交わした。
「クレイグって科学者なんだな!!尊敬するぜ!!」
「いや、ボクは大した事が無いよ〜…」
「何か受賞された事があったりしますか?」
「論文で何回かね。」
もしかして俺様達めっちゃ有名人と関わってるんじゃね!?
「天才かよ!?最高だな!!」
「ちっちっち。正にリアム=クーパーだ。と言ってくれたまえ。」
「リアム=クーパー?」
誰だそれ?
「現代の科学者の中ではそれが最高の褒め言葉なのだよ。リアム=クーパー。それは、今世紀最大の科学者の名前さ。」
待って。俺様達初耳。
思わずサージと顔を合わせてしまった。
「まさか知らないのかね!?」
「いやぁ……海賊と化学って無縁だからさ。」
「そうかい。これを機に是非知って欲しいね。彼はボクの尊敬する科学者さ!!歳は今も生きてるのなら23…かな。期待の新星だったんだよ。」
「今も生きてるのなら…って?」
「彼が20の時に行方意不明になってしまってね…それはもう大騒ぎだよ。もう3年の月日が経つなんて信じられないのだよ。」
「3年前か〜…」
そう言えばそんな記事を見たことがあるような…無いような…
「世間ではもう死んだと言われているけれども、ボクは信じられないよ。彼はきっとまだ生きている!!そうであって欲しいものだよ…」
「そのリアム=クーパーさんは何をした人なんですか?」
「様々な発明をして、化学界に革命を起こした人物と言えば良いだろうか。彼の研究には毎回度肝を抜かれたものだよ…」
「同じ科学者としてクレイグが言うのなら間違いねぇな。」
「ボクは彼の様になるのが目標でね。若いのに本当に凄いよ。心から敬愛しているね。是非とも会って話したいと常に思ってしまうなぁ。」
「会えるといいな!!俺様科学者を褒める時はリアム=クーパーみたいだなって言うぜ!!」
「それが良い!!喜ばない者はいないだろう!!さて、サザン君。サージ君。君達はこの近くに滞在しているのかな?」
「そうだぜ!!海辺の宿にさ。」
「成程。化学の国はもっと内陸にあってね。移動するにも距離がかかってしまうのだよ。明日には移動する事になるけれども…構わないかな?」
「おう、それは構わねぇよ。ただ乗組員も滞在してるからさ。その事について相談してみるわ。」
「是非そうしてくれたまえ!!ボクはこの町の宿に泊まって居るから、出発の準備が出来たらばこの住所に来てくれるかな?」
クレイグはメモを取り出して、サラサラと書いたものを手渡してきた。
「分かったぜ!!明日この部屋を尋ねればいいんだな!!」
「そうだよ。ボクも準備をして待っているよ。移動手段は馬車を借りようと思っていてね。」
「それなら、オスカーみたいな優れた運転手を頼むぜ!!」
「オスカー…?」
「運搬業界で最高峰の馬丁だぜ!!」
「彼に勝る人は居ません!!愛馬のブラストとゲイルはとっても優秀なんです!!」
「ふむ…初めて聞いたよ。ボクもまだまだ知識不足の様だね。」
「これを機に覚えると良いぜ!!」
拝啓、オスカー。俺様達宣伝塔になったぜ!!
「あぁ。そうしようじゃないか。そんな彼のような人は雇えないかもしれないが…交通手段は確保しとくよ。」
「おう!!宜しくな!!また明日会おうぜ!!」
「うん。また明日会おう。」
化学の国の参加切手を獲得して、俺様達は宿へ戻ったのだった…
読んで頂きありがとうございました!!サザン達は新しい船を獲得する為に化学の国へと向かう様ですが、そこでは一体何が待ち構えているのか…そして、クレイグと上手く協力出来るのか…次回に続きます!!




