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奪うぜ!鍵のかけ忘れにはご用心!

前回のお話の続きです。タイトルの通りウォーシャン兄弟が宝を奪う話……ですかね…。相変わらずグダグダだし語彙力ありませんが暇つぶし程度に読んでいただけたら嬉しいです。

ザザァーザザァーと荒波の音が響き渡っている。流れに抗うことなく船が進んでいく。コンパスの針が指してるのは……西。

「何でこうなったんだよ!」

不満を海に向かって叫んでいると、隣でサージが煩いなぁといった様子で耳を塞いでいる。サージは俺様、サザン=ウォーシャンの弟である。双子だからよく似ている。初めて会うやつはきっと見分けがつかないだろう。

代々伝わるバンダナと眼帯を身につけていて、青いコートを纏っている。初代様と同じ格好をするのがウォーシャンの習わしである。

「どうしようもないじゃないですか……海流に巻き込まれるなんてあまりに想定外でしたし。」

本当は南に向かうはずだったけれども、潮の流れと風の影響で海流にぶち当たってしまったのだ。そのまま抜け出すことができず、ただただ流されてしまい今に至る。冒険にハプニングはつきものだけど……どうも釈然としない。

「そりゃ…そうだけどさー……白い砂浜で綺麗なお姉さんとキャッキャウフフしたかったぜ!」

そう言うと、サージは額を手で覆いはあぁあっと深いため息をついた。

「兄さんは欲に忠実なんですね…」

「そうか?じゃあなんだ?お前は綺麗なお姉さんとキャッキャウフフしたくねぇのかよ!?してぇだろ!?な?」

そう言うとサージは口ごもってしまった。しかし…

「それは……したいですよ…」

こういうところはやっぱり兄弟である。そんな理由で南を目指そうとしたからきっとバチが当たっちまったんだろうな。

「まぁ、西もいいじゃないですか。今の時期寒いし、乾燥してますが…美人さん沢山いると思いますよ?」

「おおおおぉ!そうだよな!そうだよな……ってこれじゃあまるで綺麗な女性見たさに海を渡ってるみてぇじゃねぇかよ!宝だよ宝!」

危うく本来の目的を忘れるところだった。俺様達が探し求めてるのは最高の宝である。それは普通の宝とはちっとばかし違う。値打ちが全てではない。想いの量。それが大切なのだ。人の想いがこもった、そんな世界中の宝を集めてコレクションしてくのが俺様達の目標である。

「前回みたいな偽物はもうコリゴリですからね…」

「な。けど今はさ、とりあえず何でもいいから宝手に入れないと不味くね?」

「え?」

「だってさ、もう金がねぇし…」

「あー…」

今はまだ食料が残ってるからいいが、このままでは、これから先必要なものが買えなくなってしまう。そうなってしまうと非常に困る。

「宝が見つからなかったらどうします?飢え死にですか?」

サージは眉をひそめながら冗談めかして笑っているが……

「いやそれガチで笑えねぇ冗談だな…」

飢え死になんて最高にカッコ悪いしいい笑われモンだ。しかし、そうなる可能性はゼロではないから本当に冗談にはならない。

「……ですよね。あ、」

何かに気づいたらしく急に立ち上がり船から身を乗り出した。

「おいおい!?急にどうした…危ねぇだろうがよ!!」

「けれどもあそこ!海賊船が!」

サージの指差す先をよーーく見てみると確かに海賊旗が掲げられた船があった。

「おおぉ!わりとデケー!もしかしたらすっげー宝積んでるんじゃね?」

その一言でお互い顔を見合わせた。きっと我ながら悪い顔をしてるんじゃねぇかな?

「なぁ?今同じ事思った?」

「えぇ、多分……」

サージもニヤリと悪い顔をしている。

「宝がねぇなら……」

「奪っちゃえばいいんじゃないですか?海賊らしく。」

俺様の言葉をサージが繋いだ。やっぱり同じ事を思ったらしい。これで成立だな…

「はは!よっしゃ…一丁やってやろうじゃねぇの。」

「出来ればこういう野蛮な事はしない方がいいのかもしれませんが……まぁ…仕方がないですよね。」

そうそ!仕方がない!死んでしまったら何もかもが無駄になっちまうし。まだやり残してる事があるし…そう簡単に死ぬわけにはいかないのだ。そう自分に言い聞かせ、正当化させる。

「どうやって乗り込もうか?」

そう問いかけるとサージは何か思いついたらしく荷物を漁っている。そして取り出したのは……

「手鉤?」

「えぇ、手鉤です。」

これでどうやって船に乗り移るって言うんだ?訳も分からず首を傾げてると、ロープに括りつけ始めた。

「もしかして……」

「そのもしかしてですよ。上手くいくかは分かりませんが…」

そう言いながらもロープをクルクルと回している。次第に船はゆっくりと距離を縮めた。船が隣接したのを見計らってサージは海賊船に向かってロープを投げ、手鉤を引っ掛けたのだ。

「かかった!兄さん…後は宜しくお願いします!」

ドンッと背中を押されて前のめりになる。つまりはこのロープをよじ登って乗り込めって訳だ。まぁいい。木登りとか昔よくやったし登るのは得意だ。けれども俺様一人に行かせようとする態度が気に食わねぇ!どうやって巻き添えにしてやろうか……そんな事を考えながら一気にロープを登ってザワつく船内に乗り込んだ。

「なんだなんだ!?」

「子供!?今どこから湧いた!?」

どうやら、状況が飲み込めていないらしくアホ面をしている。そんな海賊共はお構い無しに下にいるサージに声をかけた。

「おい!ロープしっかり握っとけよ?」

「え?何でですか?」

ロープを握っているのを確認すると目の前にあった酒樽に手鉤を引っ掛けてそれを思いっきり蹴り反対側の海へ突き落とした。酒樽が落ちていく勢いでサージが凄まじい早さで引き上げられた。

「うわぁああああ!?」

上手く着地出来なかったらしく顔面からビタッと床に叩きつけられた。全く……俺様と違って鈍臭いな…

「な!?お、お頭…ガキが増えた…どうなってるんだ!?」

海賊共のどよめきがより一層大きくなる。

「いったた……ちょっ!?兄さん……馬鹿なんじゃないですか!?酷いですよ……そういう事するなら前もって言って欲しかったです…!!!」

よっぽど痛かったらしく目元にうっすら涙を浮かべている。

「言ったらお前絶対ロープ握らなかっただろうが!」

「うっ……それは……」

否定しきれないから目を泳がせている。全くコイツは……文句の一つや二つ言ってやろうかと思った瞬間、銀色の刃が目の前に向けられた。やたらガタイのいいジジィが睨みつけてくる。多分この船の船長だろうか?

「テメェらはナニモンだ?」

所々抜け落ち、黄ばんだ歯を覗かせた。真っ先にこんな事思っちゃダメだと思うけど……めちゃくちゃ汚ねぇ。髭はぼうぼうだし…普段の生活が目に見えるな…。サージも顔を顰めている。他の乗組員も黒ずんだ服やくしゃくしゃの頭……本当にだらしねぇな…。こういうヤツらはホント無理。それよりも質問に答えねぇと危なそうだな…

ナニモン……ねぇ。そうだな…

「俺様はサザン=ウォーシャン!!世界を旅する海賊様さ!」

胸を張りこれでもか!って言うほどキメ顔をする!どや?カッケーだろ?ん?……けれども海賊共はきょとんという顔をしている。次の瞬間それが大きな笑いに変わった。

「お前らみたいなガキが馬鹿いうんじゃねぇ!随分と海賊をなめているようだな!」

「こりゃ傑作だ。お子様海賊。ははは!腹がいてぇや!」

はああぁ!?笑いやがって…むっっかつく…!!

「何だと!?やんのか!?」

頭にきたから銃を取り出そうとしたがサージにその手を止められた。

「まぁま、兄さん……そうムキにならず…。僕が時間を稼ぐので兄さんは___」

なるほど。それはいいかもしれない…上手くいくかは分からないから一か八かになるだろうけど。

けれども大体船の構造は分かる。きっと船長室の近く……またはずっと下の方にあるだろう…。

「んじゃ…それでいくか。」

そう言うとサージは僅かに口元に笑みを作り頷いた。そして少し深呼吸してから口を開いた。

「もぉ〜……兄さんはまたそんな大それたことを……僕達みたいな子供には海賊は務まりませんよ〜。」

胡麻を摺りに出たか……演技とは分かってるものの何だか気持ち悪ぃな。

「僕達はただ海賊の真似ごとをして船で島を飛び出して来た子供です…貴方達のような立派な海賊になるのは無理ですよぉ…!!」

「ふん。だろう?俺達のような男にしか海賊は無理だ!」

機嫌を良くしたのか、ガハハと笑っている。

「そうですその通りです……突然乗り移ったりしてごめんなさい。どうか命だけは逃してくださぃ…!!ただ海賊に憧れを持ってしまっただけなんですよぉ……」

うーわ…何だか反吐が出てきそうだ…。我ながら恐ろしい弟を持ったな…そんな事を思ってると目で合図してきた…今のうちにって事か……

サージの名演技(笑)に気を取られてるうちにその場をそーーっと離れていく。海賊は誰一人俺様が居なくなった事に気づかない。全くちょろいちょろい!馬鹿な連中だぜ!

バレないように足音を忍ばせながら船内を探索していると一際立派な扉を見つけた。

多分ここが船長室だろう。なんつーか分かりやすい。自己主張が強いなぁ……ドアノブに手をかけそっと扉を開いた。中はくしゃくしゃの海図や空の酒瓶…脱ぎ捨てられた服に…あまりの散らかりようで足場に困る。部屋の中を調べていると、更に奥にもう一つ扉があるのを見つけた。多分ここだろう。鍵がかかっていると思っていたが、ご親切な事に鍵なんてかかっていなかった。扉を開けてみると、思った通り宝物室だった。無用心さが仇となったな。

中に足を踏み入れると、そこにはキラキラと輝く宝で埋め尽くされていた。

いざ宝を前にするとニヤケが止まらない。

足元にあった麻袋に宝をいっぱいいっぱいに詰め込んだ。

ちょっと欲張りすぎるかな?金貨に宝石、真珠のネックレス。それなりの値段で売れるだろう…袋を背中に担ぎ一気に駆けた。後はサージを回収して俺様の船に戻って逃げるだけ!

急いで甲板に戻るとさっきと変わらずサージが海賊の機嫌取りをしていた。海賊共はまだ俺様に気づいてない。そのままそーっと移動し、まず宝を船に積んで…それからサージを連れていこうと思ったが…

「……!?おい!ガキ!何を持ってる!?」

「やべっ!」

ミシッと床が軋む音で気づかれてしまった。こうなったら強行突破しかなさそうだ!

「あちゃー……ど、どうします?」

バレてしまったものはもう誤魔化し用がない。どうするって…逃げる方法はただ一つ!

「サージ!飛べ!」

「え!?ちょ!?はいいぃ!?」

唐突過ぎてアタフタと慌てるサージを下につけていた船に突き飛ばした。

「うわぁああああ!?」

二回目だったので今度は上手い具合に着地したみたいだ。船はぐらんぐらんと揺れているが何とか沈んでいない。

「何なんだよ……!?ただのガキじゃないのか!?」

「この野郎!テメェら!絶対に逃がすんじゃねぇ!」

怒りをあらわにした海賊が襲いかかってきたがそれをヒラリと躱す。

「ただのガキじゃねぇよ。最初に言っただろ?俺様はサザン=ウォーシャン。海賊なんだよ!」

そう言って船に飛び移った。

スタっと我ながら美しく着地するとふらつくサージに胸ぐらを掴まれた。

「兄さん……流石に怒りますよ?」

「いやいや!それどころじゃねぇだろ?反省会は後だあと!とにかく今は帆を張って舵をとれ!なんとか逃げるぞ!」

小さくため息をついた後サージは舵を取った。

「はいはい……とりあえず逃げましょうか…言いたい事は山ほどありますしね…あんな奴らに捕まるわけにはいきません。」

相当ご立腹らしく目が全然笑ってなかった。

「まて!このガキ!」

中々距離が遠のかず海賊共が飛び移って来たが……

「あーら!ごめん遊ばせ☆」

満面な笑みでモップを振るい海へなぎ倒してやった。

「兄さん……お巫山戯も程々にしてください。」

「ははは!悪ぃ悪ぃ!」

サージに怒られてしまう始末だ。よっぽど宝が大切だったらしく大砲で船を沈めるなんて野蛮なことはしてこなかった。そのお陰で距離がどんどん広がっていきなんとか逃げ切ることが出来た。

「よっしゃああああ!もう船が見えねぇ!なぁなぁ!上手くいったな!いったな!よっしゃああああ!やりぃ!」

あまりにうまく行き過ぎて笑いが止まらない。勢いよくソファーに倒れ込みクッションに顔を埋める。あぁ嬉しい。めちゃくちゃ嬉しい。あの海賊共の怒り狂う真っ赤な顔を思い出すと可笑しくて更に笑いが込み上げてくる。

「兄さん……笑ってますが…」

「ん?」

そうだった!大事なことを忘れていた!

「あぁ!宝な!まだ見てねぇよな!じゃーーん!見ろよこれ!絶対高く売れるぜ!?」

そう言ってテーブルの上に宝を広げる。おぉ!とサージの目がキラキラと輝いたが…それもほんの一瞬……

「違いますよ…僕が言いたいのは宝の事じゃありません」

「は?」

宝じゃない?じゃあなんだって言うんだ?

「反省会…」

「あ」

やべぇ……嬉しさのあまり忘れてた…サージはめちゃくちゃ怒ってるんだった…

「まぁ、時間は沢山ありますし…ね?」

笑ってるけど笑ってない。めちゃくちゃ怒ってる…!!!

「は、ハイ……分かってます…」

威圧感のせいで思わず敬語になってしまった……。

こうして、数時間に渡るお説教が幕を開けたのでした。もう分かったからー…というサザンの悲痛叫びは誰にも聞かれることなく波の音に攫われていくのでした。

最後まで読んでいただきありがとうございました!文章まとめるの苦手なもんで最後の適当感半端ないですが許してください(苦笑)

多分こんな調子で二人の冒険は続いていくと思います。お付き合い頂きありがとうございました!

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