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東方無明録 〜 The Unrealistic Utopia.  作者: やみぃ。
第三章 吸血鬼異変
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第一話 新たなる世界で




 一ヶ月後 博麗神社




 桜が散り、春が去る。

 博麗神社境内は緑に染まり始めていた。


 俺、東雲(しののめ)(まもる)と、妹の(あかり)がこの幻想郷に転移してから一ヶ月。

 ようやく神社での生活に慣れ、妖術も使いこなせるようになってきた今日この頃である。


「……っと。このくらいの大きさで宜しいですか」


 目の前に立つ高さ5メートルほどの広葉樹を指し示し、振り返る。

 背後にいた四十歳程度の男は、その木を見上げ満足そうに頷いた。


「充分すぎるくらいさ。いやぁ助かったよ東雲くん、ありがとさん」

「ご満足頂けたようでなによりです」


 彼は腰から(のこぎり)を抜くと、木の伐採作業に入った。

 直径10センチもないその幹はあっという間に切り離され、木は地面に倒れ伏した。


「しかし東雲くんの力には驚いたよ、まさか草木を一瞬にして成長させることができるとは。お陰で山に入る手間が省けた」


 幹から枝を切り落としつつ笑顔で話す男。


 彼は里の人間だ。

 仕事のため、よく山へ雑木を伐りに行くのだという。

 里の外には妖怪がいるので、普通は仲間と共に武装して山へ行くそうだ。


 だが仲間が集まらなかった場合は、妖怪退治を専門とする人間、つまり博麗霊夢(はくれいれいむ)霧雨魔理沙(きりさめまりさ)に護衛を頼まなければならない。

 とはいえ頼むためには、妖怪の出没する参道を登って博麗神社まで足を運ばなければならないのだが。


 これは彼ら山仕事人に限った話ではない。

 里の外で長時間仕事をするためには、時間、金、体力、そして命を賭ける覚悟までも必要とするのである。


 そこで俺達兄妹の出番だ。

 俺と同じく妖術師である明が毎日里をまわり、護衛依頼を受けるのである。

 俺達に実績は無く、能力も霊夢達には及ばないため、依頼料は安く設定した。

 だが妖術師という異質な存在は、同行するだけで抑止力となる。

 護衛の役割は充分に果たせるのだ。


 そして、今回の彼のように山へ雑木を伐りにいく依頼人の場合は、希望に応じて博麗神社に呼ぶよう決めてある。

 俺の能力のひとつ“生命妖術”を使い、その場で望みの直径の木を生み出してやるのだ。

 彼らにとって時間短縮にもなるし、明の護衛が参道だけで済むため依頼料はさらに安くなる。

 我ながら良い商売である。


「よし、こんなもんか。はは、森に入るよりずっと良い丸太が取れるとはなぁ。こいつは立派な道具が作れそうだ」


 俺が()()()二本目、三本目の木も伐り終えると、彼は鋸を腰に収めた。


「自然木と違って年輪がありません。加工にはご注意ください」

「気にしなくていいさ、それもまた味ってもんだ。珍しさで客の興味を引けるかもしれん」


 彼の本業は道具職人だ。

 農具や小道具などの柄に使うために木を伐るのである。

 そこまで大きな直径を望まなかったのはそのせいだ。


「それで、いくら払えば良い」

「木の代金はお気持ちで頂いております。任意の額をお願いします」


 男は頷き、財布からそこそこの額を取り出して俺に渡した。

 俺は丁寧に礼を言うと、それを丈夫な革袋に収める。


「ついでだし参ってくるよ。ちょっと待っててくれ」

「ありがとうございます。どうぞごゆっくり」


 神殿へ歩きだした男を見送り、軽くため息をつく。


 具体的な価格設定をしないのは、やはりここが神社だからだ。

 ……というのは表向きで、実際は幻想郷の金銭価値をまだ掴めていないからである。

 相場や里の人間の財力を見極められるようになるまでは、好きな額だけ払わせるつもりだ。


 その方が楽だ。

 下手な価格設定をして、客が減ったり値切り交渉されたら面倒だし。


「ふふ。上手くいってるみたいだね、お兄ちゃん」


 不意に上空から人が降りてくる。

 白衣(しらぎぬ)と朱色の袴を身につけた、黒髪ポニーテールの少女。

 妹、東雲明(しののめあかり)だ。


「そっちもな。護衛料は?」

「はい、あの人のぶん。やっぱりみんな安いって言うね」


 明が男から受け取った護衛料をよこす。

 彼女も巫女服がだいぶ様になってきた。

 霊夢が昔着ていたものを借りているそうだが、サイズも着心地も問題無さそうだ。


 ちなみに俺は里で買った洋服を着ている。

 幻想郷には和服しか無いのかと思っていたが、魔理沙の例があるように少数ながら洋服も売られているようだ。

 お陰で俺の見た目は、幻想入りの前と比べて代わり映えしない。


 そのうち格好いい戦闘服みたいなのを着てみたいな、なんて。

 “妖術師”として似合う服をさ。


「やっぱりそうか。まあでもこれだけ貰えれば十分だよ。原価はタダだし」

「お財布に優しい、時短になる、妖術の練習にもなる、お賽銭も入る、参拝客も増える……。良いことずくめだよね。一石八鳥くらい?」


 楽しそうに笑う明。

 護衛されたことのある人からは、その笑顔が良いと好評である。

 さらに明の場合は毎日護衛を行えるからか、彼女目当てのリピーターも多い。

 おかげで参拝客も増えているそうな。


 ……おいまて明目当てってなんだよ。

 手ぇ出したらぶっ飛ばすからな。

 明が。


「待たせたね。じゃあ妹さん、帰りもよろしく頼むよ」

「あ、はい! お任せください!」


 参拝を終え男が戻ってきた。

 明は元気よく返事をする。


「ではお帰りもお気をつけて。ありがとうございました」


 俺は改めて礼を言う。

 男は満足そうな笑みを浮かべると、材木を積んだ荷車を引き始める。

 明は俺に手を振り、男の斜め後方に付いた。


「大分慣れてきたみたいね」


 背後から声を掛けられる。

 紅白の巫女服に身を包んだ少女がいた。

 この神社の巫女、博麗(はくれい)霊夢(れいむ)だ。


「お陰様で。でもごめん、仕事を奪うような真似して」

「大丈夫よ、妖怪退治の依頼は減ってないから。それに私、護衛は退屈で嫌いなの」


 霊夢は嫌味なく言う。

 彼女は賽銭のほか、妖怪退治や各種神事の報酬で生計をたてている。

 今までは護衛の依頼も受けていたそうだが、明が専門で受け始めたせいで最近は依頼がめっきり減ってしまった。

 だが代わりに参拝客が増えたので不満は無いらしい。

 賽銭が増えたことは勿論だが、何より神社を信仰してくれる人が増えたという事実が嬉しいのだとか。


「しかしあんたら商売上手ね。こうも早く能力で生計を立てるようになるとは思ってなかったわ」


 感心する霊夢。


 宝の持ち腐れにしたくなかったというのが建前だが。

 それよりも、神社で居候(いそうろう)になるということだけは絶対に避けたかったのだ。

 ましてやここの稼ぎ主は霊夢ひとり。

 年下の女の子に養ってもらうなんて情けないことこの上ないからだ。


「そりゃ、まあ、折角だから有効活用したいなって」


 本人の前なので建前を告げる。

 霊夢は興味なさそうに軽く頷くだけだった。


 実は本音がもうひとつある。

 これは俺を逆抗者だと見抜いたあの神霊へのアピールでもあるのだ。

 神がどういう存在なのかいまいちわからないが、少なくとも俺に神罰を下したあの神霊はこの神社にいる。

 その神霊に対し、東雲兄妹は神社と幻想郷に貢献する良い存在だと認識してもらうのだ。

 良い存在と思われるかはともかく、少なくとも無害な人間であるということは覚えてもらいたいものである。




「……あれ」


 既に遠ざかりつつあった明が、声を上げて参道の途中で立ち止まった。

 彼女は男にも止まるよう指示し、なにやら身構えている。


「ん、どうした明」


 素早く宙に浮かび上がり、空を蹴って妹のもとへ向かう。

 あっという間に追い付くと、その隣に着地した。


 飛行能力はあの日から大して時間もかからず習得した。

 霊夢や魔理沙から真っ先に覚えるよう勧められたのだ。

 感覚を掴むまでが大変だったが、慣れた今はその恩恵にあずかっている。

 自転車や自動車のない幻想郷ではなおさら便利である。


「何か来るみたい」


 油断なく前方を見つめたまま明が言う。

 あれ以来、彼女は気配察知能力が異様に鋭くなったと言っていた。

 妖怪の気配でも感じたのだろうか。


 だとしたら不味い。

 普通、妖怪は神社や巫女や妖術師(俺達)を怖がって近づいてこないものだ。

 つまり相手はより強い妖怪、もしくは普通の状態でない妖怪ということだ。


「俺がやる。明、合図で撃て。……貴方は一旦神社へお戻りください」

「はーい」

「あ、ああ。わかった」


 明と共に布陣し、男を下がらせる。

 俺も気配を捉えた。

 どんどん近付いてくる。


 さあかかってこい。

 はたして俺の拒絶障壁に勝てるかな。


 そう思って身構えてみたが。


「……ん?」


 前方から小さな人影。

 なにやら慌てた様子にも見える。

 ……あれ、あの容姿、まさか。


「~!?」


 白い服と薄羽を纏う、金髪碧眼の小さな女の子。

 忘れもしない、俺が幻想郷に来て初めて出会った人外。

 春告精(はるつげせい)、リリーホワイトだ。


 彼女は俺を見つけると、今にも泣き出しそうな表情でこちらに向かってきた。

 春の終わるこの時期になぜ……などと考えているうちに、彼女は俺の胸に飛び込んできた。


「おっ、と。リリー、だよな? どうしたの」

「~……!」


 俺に抱きついたまま泣いているリリーホワイト。

 背中の羽が何かに怯えているかのように震えていた。


「ちょっと、一体何事よ」

「お兄ちゃん、その妖精と知り合いなの?」


 背後から警戒気味に霊夢と明が近付いてくる。

 その霊力と妖力に、リリーホワイトが身を強ばらせたのを感じた。


「おいやめろって。怖がってるだろ」

「えっ。ご、ごめんなさい?」


 思わず二人に苦言を呈す。

 俺に指図なんてされたことのなかった霊夢は、驚いて反射的に謝る。

 一方、慣れている明は肩を竦めただけでなおも歩いてきた。


「よしよし、怖かったね。もう大丈夫だから、な?」

「……~」


 腕の中のリリーホワイトを慰める。

 べそをかくその姿は迷子の人間の幼子と大差無い。

 人外と一言にくくっても異形の化け物ばかりではないのである。


「わぁかわいい! お兄ちゃん遂にロリ誘拐するまで堕ちたんだね!」

「堕ちてねえよ。ほら話したろ、幻想入りの後に俺を起こしてくれた子だよ」


 明の笑えない冗談にツッコミを入れ、弁明を図る。

 明は少し考えると、ぽんと掌を打った。


「あー思い出した、春告精ね。えっと名前は……ラリーホワイト?」

「いい加減ぶっ飛ばすぞお前」

「あれ違ったっけ」

「素かよ」


 失礼極まりない間違え方だなおい。

 まあ確かにあの時の彼女はラリってるように見えなくもなかったけど。

 日本語通じて無かったし。


 ともかく。


「リリー、何があったのか教えてくれる?」


 怯えて逃げてきた理由を聞き出さねばなるまい。

 しゃがみこみ、彼女の目を見て事情を訊ねる。

 リリーホワイトは小さく頷くと、たどたどしく口を開いた。


「ぁ、あのね。みずうみのむこうからね、いっぱいあくまがでてきたの」

「悪魔? それは怖かったね……。その悪魔、どんな見た目をしてるの?」


 聞き出しつつ、背後の明に一瞬視線を送る。

 明はまばたきで理解を示すと、上空へと浮かび上がった。


 “みずうみ”。

 リリーホワイトが逃げてきた方角的にも、むこうの“妖怪の山”のふもとにある“霧の湖”のことだろう。

 山の頂上に近い参道(ここ)なら、少し視点を上げれば何が起きているのか一目瞭然だ。

 明は俺のその意図を読み取ったのである。


「まっくろなはねがあってね、けんをもってるの。あとねあとね、ひとざとのまわりにね、へんなようかいもたくさんいるの」

「な……」


 寒気が走った。

 人里の周りに妖怪の群れ、だと。

 しかも、人外である彼女が“変な”と形容する妖怪とは。

 見慣れない、つまり変異した妖怪か、もしくは新しく入ってきた妖怪か。


 明を振り返る。

 人里、霧の湖、そして妖怪の山を見渡していた彼女は、戦慄の表情で目を見開いていた。


「み、湖と里の周りに何かいる。人型だけど人間じゃなさそう……」


 明が呟く。


 それは……まずい。

 人型ということは、ある程度強力な妖怪であるということ。

 新参妖怪ならば、人里を襲ってはならないという掟を知らない可能性が高いということ。

 つまり。


「人里が……襲われる」


 瞬間。

 上空を猛スピードで通過する霊夢。

 既に陰陽玉とお払い棒で武装しているように見えた。

 流石は博麗の巫女、即決で妖怪退治に向かったようだ。


「れ、れいむん!? 一人じゃあぶな……」

「待て、明」


 付いていこうとした明を言葉で制す。


「霊夢の足手まといになるだけだ。俺達は霊夢とは別行動しよう」

「でも! あの数じゃいくられいむんでも無理だよ!」

「落ち着けって。異界の妖怪の巣窟を一人でいくつも退治してきた子だ。心配いらないよ」


 焦る明を説得する。

 見ると、霊夢の背中は既に小さくなっていた。

 躊躇する様子は全く無い。

 真っ直ぐに里へと飛行していた。


 霊夢の武勇伝については魔理沙から全て聞いた。

 死天使、鬼剣士、大怨霊、超科学者、大妖怪、魔界神といった聞くだけでもヤバそうな奴等を、手下ごと全て退治してきたのだという。


「そりゃそうだけど…………」


 明は歯ぎしりして言葉を飲み込んだ。


 当然明も聞いた話である。

 あの子は相手の質も数もものともしない、凄まじい巫女なのだ。

 よほどのイレギュラーが起きない限り大丈夫だろう。


 俺は表情を弛め、リリーホワイトを向き直る。

 妖精の女の子は不安に満ちた目で俺を見ていた。


「じゃあリリー、これから悪魔をやっつけてくるから、神社に隠れててもらえるかな」

「ぃ、いや……こわい……。いっしょにいて……」


 彼女は俺の服を掴んで放そうとしない。

 この子、どうしてここまで俺になついてるんだろう。

 俺の顔をちゃんと覚えていてくれたのか。


「ふふ、ほら、泣かないで。悪魔をやっつけたらすぐ戻ってくるから。それに、悪魔は神社に近づけないから、ここにいれば絶対に大丈夫だよ」


 彼女の涙をすくい、優しく笑いかけてやる。


「……ぜったい? ほんとに?」

「絶対。本当に」

「わかった……じんじゃにいる……」


 リリーホワイトは泣き止むと、小さく頷いた。

 良い子だ、とその頭を撫で、立ち上がる。

 振り返った神社で、あの道具屋の男が不安そうな顔で俺達を見ていた。


「すみませんが、私達がもどってくるまで、この子と一緒に神社にいてください」

「そ、そいつ妖精だろ? 大丈夫なのか?」


 男の心配はごもっとも。

 人間サイズの妖精は“大妖精”と呼ばれ、本気で攻撃された場合怪我では済まないこともある。


 しかし、春告精(この子)が積極的に人間を攻撃することはない。

 ましてや春の終わった現在だ、恐れる必要は無いだろう。


「ご安心下さい、手を出さなければ安全です。……リリー、あのひとの言うことをちゃんと聞いて、お利口にしてるんだよ。いい?」

「……うん」


 一応リリーホワイトにも念を押しておく。

 だが男はまだ不満そうだ。


「ううん、しかし東雲くん、神社まで来ないってのは本当だろうな。巫女もあんたらもいないんじゃ、はたして俺だけで凌げるか……」

「この神社は神々によって護られています。(よこしま)な意思を持った者は近付くことすらできませんし、攻撃など加えようものなら等しく神罰が下るでしょう」


 ここが安全であることを淡々と説明する。

 内容は霊夢からの受け売りだが。


「……そうか、分かった。信じるぞ」

信仰(信じる力)が神社の力となります。どうぞ心からの信心と安心をお願いします。では」


 お辞儀をし、リリーホワイトを送り出す。


 元々俺は神社や神道を少し理解している人間だ。

 この程度の話、幻想入りの前でも出来た自信がある。

 神社の仕事は向いているのかも知れない。


「ま、またね、まもる」


 リリーホワイトが手を振る。

 意外なことに、ちゃんと名前も覚えていてくれたらしい。

 俺は笑顔で手を振り返し、ふたりに背を向けた。


「相変わらず小さい子の相手だけは上手いね、お兄ちゃん」

「“だけは”ってなんだよ。……まあでも、昔からよくなつかれるよな。なんでだろ」


 明の言葉に少し考え込む。

 小学生くらいのときから、幼い子にはよくなつかれたものだ。

 ある子に至っては本人の母親よりも俺になついてしまい、夕方になるたび家に帰りたくないと泣いていたほどである。

 同世代の小学生の友達より、幼稚園児やそれ以下の友達の方が多い時期が俺にはあった。


「私は逆だったよね」

「ああ」


 対照的に、明は年上にばかり好かれた。

 同世代の友達も多かったが、中学生や高校生、大学生といった人たちによく可愛がられていた。


 母いわく、兄や妹といった立場によって、他人への接し方に差が出てくるとのことだった。

 つまり俺は年下に合わせてあげるのが得意で、明は年上に甘えるのが上手だったということか。


 ……まさか人外になつかれるとは思ってなかったが。

 ともかく。


「さて、行こうか」

「うん」


 ふたり同時に妖力を纏い、宙に浮き上がる。

 土煙と人影に包囲された人里が目に映った。


「実戦だからな。覚悟しとけよ」

「お兄ちゃんこそ。私より先に死なないでね」


 空中で笑い合う俺と明。

 無駄に余裕があるのは、初の大きな実戦に昂っているからか。

 もしくは恐怖心のメーターが振り切れてしまったからか。


 ふたり同時に妖力を解放した。

 左腕が、障壁妖術の緑光を帯びる。

 明の両手が、貫通妖術の水光を帯びる。


「善処するよ」


 空を蹴った。

 目指すは、幻想郷唯一の人間居住地。




 “人間の里”。







妖怪(ようかい)(やま)


 幻想郷の北部にある巨山。

 幻想郷で山と言えば、妖怪の山のことを指すことが多い。

 天狗(てんぐ)河童(かっぱ)といった妖怪が多数住んでおり、独自の社会を作り上げている。

 侵入者は天狗の哨戒網によって排除されていまうため、完全に妖怪のテリトリーとなっている。

 ゆえに人間が立ち入ることは無い。




(きり)(みずうみ)


 妖怪の山の麓にある湖。

 湖面にはいつも霧が出ていて見通しが利かず、人間が立ち入るには少々危険である。

 畔に洋館が建っているが、長年無人である。




人間(にんげん)(さと)


 幻想郷中央部の平野にある人里。

 幻想郷で唯一といっていい、人間が安心して生活できるエリアである。

 周囲は塀で囲まれており、妖怪の侵入を拒んでいる。

 と言っても友好的な妖怪は度々立ち入っており、人間と酒を呑むなどしている光景もある。

 生活必需品や食品を扱う店は勿論、寺子屋や貸本屋などもあり、文化的な生活が営まれている。





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