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FAP01:第04弾 "進化とは生存への渇望"


皆様、こんばんわ~♪


ちょっと今日は色々あって、ストレスを執筆に変換した暮灘です(^^;




さてさて、今回のエピソードですが……


ようやく、【突撃お嬢】の主役メカ、プロイセンとアメリカの混血児(?)であるIV号戦車改型【クアトロ・スペツァル】のディテール・データが開示できました♪


実は外伝だけでなくPPG正伝でも名前だけはやたら出てくるくせに、IV号改型って今まで公式スペックってまとめた事が無いんですよ(^^;


なもので今回は大変だけど楽しかった(笑)

コンセプトは、


【アメリカの属国に望んでなったプロイセンだからこそ作れた戦車】


って感じですかね?

ある意味、シャーマンの兄弟戦車?




それで後半は、今まで無駄に熱い(笑)と噂のミコが、クールに見えるシーンが……


いや、あくまで見えるだけですがf^_^;

でも、前線装甲将校としては優秀な娘……の筈です(汗)




そんなこんなな第4弾、お楽しみ頂ければ嬉しいッス♪








戦車という兵器は、その如何にも厳つい外見からか比較的"最強談義"に登場しやすい代物だ。


何をもって最強とするかは別のお方に譲るとして……

後にその時代/その国の"主力"と認識されながらも、その話題に登場しない戦車も少なくない。




残念ながら、第二次大戦というくくりで見るならIV号戦車もその一つだろう。


400馬力を発生するエンジンは開発時期から考えれば十分にハイパワーだし、砲塔正面60mm /車体正面45mmの装甲は当時存在していた対戦車兵器では容易に破壊できない分厚さで、75mm43口径長砲は紛れもなくトップクラスのハードパンチャーだった。




しかし、時の流れとは無情な物だ。


IV号戦車の初陣となった冬戦争(第一次冬戦争:1939冬〜1940春)には既に【T-34/76】の先行量産型ないし最終試作型が、続けざまの敗北に我慢できなくなったスターリンのごり押しにより姿を現したのだ。


当時のT-34は、装甲こそ砲塔正面45mmとやや劣るが、主砲は76.2mmと口径なら同等、エンジンに至っては引火しにくいディーゼルであると同時に500馬力と安全性/パワー共にIV号戦車を大きく優越していた。


そう、赤いロシア人達は総合的にIV号戦車と同格の、先行型という要素を加味すれば、おそらく潜在性能は凌ぐであろう戦車を開発し、初陣に充ててきたのだ。




☆☆☆




現実には、BTシリーズや34以前の古いTシリーズをプロイセンやフィンランドのIII号戦車/突撃砲、そして何より強力なIV号戦車により大量にスクラップヤード送りや雪原のオブジェにされ、敗北にヒステリー起こしたスターリンが、量産に向けて最終評価中だったT-34のテストモデル(実は試作型であるA34まで含んでいたらしいが……)を投入したというのが、どうやら事の真相らしい。


しかし、真相はどうあれT-34の出現はプロイセンに巨大な衝撃を与え、シャールB1を見た時同様に自国の戦車が時代遅れになったような錯覚に陥らせた。


だが、スペイン内乱におけるIII号戦車で感じた脱力感に苛まれる事をよしとしなかったプロイセン陸軍は、シャールB1に対抗する為に生まれたIV号戦車の陳腐化を甘んじて受け入れるような判断をしなかった。


何より、IV号戦車はまだまだ強くなる可能性が残されていたのだから。










**********




第3弾でも触れたが、IV号戦車の特徴の一つはその発展性、改良による"のびしろ"の大きさだ。


シャールB1との接触……俗に言う【B1ショック】がIV号戦車を産み出したように、【T-34】ショックは大小問わず様々な影響をプロイセンの戦車開発に加えた。


例えばそれは、殆ど設計の終わっていたVI号戦車"ティーガー"に多少の重量増には目を瞑り、車体全面と砲塔正面装甲に傾斜構造を持たせる事を決意させると同時に、傾斜ゆえの跳弾から高級な二軸ジャイロ安定型の合致照準器と、そのガードに主砲周辺にザウコフ型防盾を与えて、よりタフネスな戦車としてロールアウトさせ……


あるいは、開発半ばのV号戦車(後の"パンター")に多大過ぎる影響を与えて、設計の大幅な見直しと変更を余儀無くさせた。


そしてそれはIV号戦車も例外ではなかった。




☆☆☆




特にスペックがやたらと競合していたIV号戦車は、改良すべき点が多岐に渡った。


だからこそIV号戦車から【IV号戦車改型(クアトロ・スペツァル)】と呼ばれる、公式系番


【Pkw-IV-C】


の最大の変更点……主砲ごと【砲塔の載せ代える】という思い切った、だが一番手っ取り早い大手術が実行されたのだ。


蛇足ながら"C"はA/B/Cと続く連番ではなく、英語の"Custom(改造型)"の意味だ。


ドイツ語でなく英語が使われたのは、後述するように開発にアメリカとの強い協調関係は不可欠だった事の影響だろう。




☆☆☆




例えばその"新型砲塔"は明らかにT-34、そしてアメリカのM4戦車の影響を受けた、原型より一回り大きくプロイセン戦車とは思えない丸みを持つ滑らかな形状の側面60mm/後面40mm/上面25mm装甲厚を持つ一体鋳造型の砲塔外殻と、正面は圧延鍛造鋼製で80mm(後述する主砲周辺の防盾に至っては最大110mm)の厚さを持つ傾斜した装甲だ。


これに組み合わされる砲は同じ直径ながら砲身を一割以上延伸し、初速を引き上げる事で特に徹甲弾系の威力(貫通力)を増した【kwk40/75mm48口径長砲】にコンバート。


また、前述のティーガーで実用化された砲手用のジャイロ型二軸安定化合致式照準器に、それを守るザウコフ型防盾を装着した。


加えて砲発射システムも、同じくティーガーで実用化に漕ぎ着けた二軸安定化された照準器に、ガン・スタビライザー(砲安定装置)があるとはいえ、その車体から突き出た長さ故、特に上下に大きく揺れる主砲の軸線が一致した時に撃発される【オート・スレイブ】同調方式が採用されたのだ。


元々、IV号戦車はガン・スタビライザーを備え、また電気式プライマリー(装薬点火装置)を標準としていた為、装置自体は誰もが思うより簡単に作れたようだ。


それにはプロイセンが、全ての野戦通信機をトランジスタ化できるほど各種コンデンサや、ダイオードに史実より"10年近く早産"だったゲルマニウム・トランジスタ等の初歩的な半導体まで含む電気部品の過剰なまでの生産能力を保有していた事が効を奏したのだろう。




更に細かく見ていけば、車長用キューポラの周囲にはビジョン・ブロックが埋め込まれパノラミック・サイト(全方位視界)化されていて、また車長キューポラ前の砲塔上部には、シャーマン譲りの防弾盾付のM2ブローニング50口径(12.7mm)重機関銃が、対空……というよりむしろ、赤軍名物"タンク・デサント兵"対策用に鎮座している。


車上重機関銃は39年より始まった"太平洋戦争"において、ヤケクソじみた日本兵の近接肉弾対戦車攻撃への対抗として、多大な戦果を上げたようだ。




☆☆☆




車体の方も負けず劣らずのカスタムが施されている。


まず何度か出てきたがエンジンをガソリン・エンジンより引火しにくいディーゼル・エンジンに変更していた。


おそらくこれは、第一次冬戦争でソ連兵の火焔瓶(モロトフ・カクテル)による肉薄攻撃で予想外の被害……敵戦車の砲撃より、エンジンに投げつけられた火焔瓶でガソリンが引火し撃破された数の方が多かった為に、その反省が生かされたのだろう。


またこのアメリカ生まれのエンジンは、経緯に差はあれど史実と同じくM4A2仕様のシャーマンにも搭載されている。


カタログ・スペック的には10馬力程度の出力アップに過ぎないが低速トルクが太く、その特性にマッチしたギア比に適正化された新型トランスミッションと相まって、重量増を相殺して余りあるパワフルさを誇った。




☆☆☆




また、生産性の高い鋳造で生産されている車体にリベットで繋ぎ合わされていた車体正面は、原型のような階段構造ではなくM4のような傾斜を持つ一枚板構造(いわゆる"坂道")に切り替えられ厚さも60mmに増やされ、また電気熔接で接合されるようになった為に防御力だけでなく生産性も同時に向上していた。


更に車体四隅には2発ずつ計8発のSマイン(Sメイネ:跳躍対人榴散弾)が、M2機関銃同様にデサント兵対策として追加されている。


加えて地味ではあるが、PPG世界では相手が非力な日本戦車のみだったので貫通の心配が無かったシャーマンには採用されてないが、砲弾の誘爆を防ぐ為に車体側の弾薬庫は不凍液(グリセリン溶液)を満たした"湿式"に変更されている。




☆☆☆




ビジュアル的なインパクトは、アメリカ人から【マッドガード】と呼ばれる転輪を覆い隠すような大型防弾スカート・アーマーの追加も大きいだろう。




ざっと書いただけでもこれだけの改造がなされ、もはや原型とは別物のような印象を受けるIV号戦車改型(事実、ソ連には"新型戦車"と誤認されていた)だが、それを達成できるだけの基礎設計をもっていたことも驚きだ。


そして、強くなった【クアトロ・スペツァル】は……


「ミコ隊長! 1両撃破ッス♪」


「よぉ〜し! ハンナちゃん次弾装填! 弾種再び"PzGr39"!」


先の冬戦争……初陣より3年経った今なお、


「ヤボールですわ♪!」


同じく毎年改良されるT-34に対し……


「さぁ〜て……どんどん征くよっ!!」


一歩も遅れをとってはいなかった!!










**********




(おかしいな……)


戦闘中、ふとミコワルツェ・ヴァレンシュタインは状況のおかしさ気付く。


コッチの小隊に対し、敵は最初はほぼ3倍……1個中隊崩れな感じだ。


それ自体は別段不思議ではない。


なんせ相手は、街一つ陥落させるのに軍団を投入する、圧倒的な物量や人海戦術を得意技にするソ連軍だ。


ミコじゃないが、フィンランドどころかプロイセンすらも常に数的不利の戦いを強いられていた。

だが……


「どうして崩れないのかな……?」


そう、会戦してから約1時間。

ミコの小隊は既に一両一殺以上、つまり敵戦車中隊の半分近くを屠っていた。

だが、


(未だ士気低下の徴候が無い、か……)




☆☆☆




一般にソビエト赤軍は戦意旺盛だ。

だが、かといって半数近い仲間の車両が撃破されれば、いくらなんでも多少は怯えて士気が下がり、統制だって乱れる筈だ。


「そこに付け入るつもりだったけど……」


そうひとりごちると、ビジョン・ブロックから油断なく周辺視察を続けながら、小さく思考の海に沈む。


(最後の1両まで士気崩壊せずに戦えるエリート部隊……じゃないよね?)


だとしたら、腕前がお粗末過ぎる。


ミコは自分達の技量は理解している。

そのレベルは戦車に極端な性能差がなく、対して数は圧倒的劣勢という悪条件でトップクラスの赤軍戦車兵と優位に戦える程じゃ、間違ってもない。




「どう見ても技量は、新人よりはマシって程度だし……」


(それに供給されてるのは、長砲身の42年型じゃなくて、粗雑な41年の"ピロシキ"……)


開戦(ポーランド侵攻)に備え、大量の兵力を必要としていたソ連はT-34戦車の桁外れの大量生産を決定した。


その無茶と思える増産要求を満たす為にT-34の設計を徹底的に簡略化し、省けるところ全て省いたのが41年後半から製造されたのが、砲塔の形状から"ピロシキ"とアダ名された【簡易量産型】だ。


ただ、余りに簡略化し増産要求が無茶だったせいか品質や性能のばらつきが酷くて故障や不具合が多く、また性能が悪くプロイセン戦車に数以外で対抗できたと言いづらい。


その為に開戦後の翌年からは、T-34(正確にはT-34/76シリーズ)の決定版と言える、長砲身76.2mm砲を標準装備した42年型に生産が切り替わったのだった。


まあ、その経緯も色々あるようだが……




☆☆☆




(って事は、あんまり優遇されてる部隊じゃないよね?)


それに優遇されてる部隊なら、危険な(他の部隊から支援されにくい)中隊規模での強行偵察任務等に回されないだろう。

その時、


(!?)


「そういうことか……!」


何かを閃いたのか、ミコは軍の官給品よりよほど高性能だが目玉が飛び出るほど高い(一番安い自動車が買える)首から下げた"宝物"……

士官学校の入学祝いに父親から貰い、候補生時代から愛用していた私物の無反射コーティング・レンズを用いた"カール・ツァイス社"の双眼鏡を片手に車長用キューポラのハッチを開き、上半身を勢いよく突き出した!!







次回へと続く






皆様、ご愛読ありがとうございましたm(__)m


【クアトロ・スペツァル】の誕生秘話と珍しくクールに考えるミコはいかがだったでしょうか?(^^;




実は地味に高性能なIV号戦車改型(笑)

それにしても、T-34に対抗しつつM4の影響を受けまくりだなぁ~と。


しかし、42年後半はには前倒しでパンターの配備が始まってるので、プロイセン本国では既に二線級扱い受けてる戦車だったりして(笑)




さてさて、いよいよ雪上バトルも佳境に入ります。

果たしてミコは何に気が付いたのか……?




アップ予定は未定ですが、また鋼鉄少女達のお待ち頂ければ嬉しいッス♪


それでは、また次回で皆様にお会いできる事を祈りつつ(__)




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