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FAP02:第14話 "氷の参謀と雪の王都"


皆様、おはようございます♪


というか早すぎな時間に目が醒めて、眠れないので緊急アップな暮灘です(^^;


現在は大体午前4時半……こんな早朝に暮灘は何をする人ぞ?(汗)


それはともかく、今回のエピソードは……


ミコ

「わたし達が王都に行く話と……」


エルフィー

「私の参謀が初登場するエピソードね♪」


おや、これはこれは珍しいヴァレンシュタイン姉妹の共演じゃあ~りませんか♪


エルフィー

「私が姉のルーク・ヴァレンシュタインよ☆」


まてや( ̄□ ̄;)!!

そのネタやめい!


ミコ

「お、お姉ちゃん(;□;)!? わたし、グール率いてイギリスのお屋敷攻める気はないからね!?」


いや、そんなプランねーから(汗)


ともかく、今回は色々と盛り沢山。

エルフィーの隠れた一面……ってか、陰謀も出てくるし(汗)


エルフィー

「実は"少佐"タイプのわ・た・し♪」


まだそのネタ引っ張るんかい(;^_^A

あと、またしてもミコに受難の予感が……


ミコ

「ふえっ!?」


何やら色々と詰まってますが、お楽しみ頂ければ幸いです♪








「ミコ隊長、あ〜ん♪」


「あーん」


極上のスィートポテト・パイ(一口サイズ)を頬張り幸せそうなミコと、それ以上に幸せそうに顔を真っ赤にしてるユッタだった。


「ミコ隊長、美味しいッスか?」


期待に込めた瞳のユッタに、


「うん。とっても♪」


期待通りの返事。

しかし、


「あったりまえでしょ? 本職(ワタシ)が作ってんだから」


アンジェリカ・ヤヴェリナ

元パン屋の看板娘。

パンやらパイやら焼き菓子全般はお手の物♪

ついでに彼氏は大の甘党。



いつかアンジェリカ以上にミコを幸せにするお菓子を作ってやる!!と、心に誓うユッタだった。




☆☆☆




さてさて、本日ミコ小隊一同は人員輸送トラックで駅へと行き、軍用列車で"王都"ヘルシンキへと向かっていた。


ちなみに機関車は、プロイセン製の【国鉄03形】と呼ばれる高速旅客用の蒸気機関車で、中々に快適な乗り心地だ。




史実のドイツはヒトラーの肝煎りで英米仏と鉄道でも張り合ったが、PPG世界ではプロイセンが素直にアメリカに降った為に存外ストレートに鉄道技術の導入により更新や革新が進み、史実と互角かそれ以上の鉄道運用能力を持っているらしい。


フィンランドはその影響と恩恵をモロに受けていて、線路の幅も米普と共通になっており、お陰で高品質な両国の製品を原則として同じ規格で運用でき大いに助かっていた。




ラドガ湖西岸にほど近い前線基地から、南端にあるヘルシンキへのそこそこ快適な列車の旅……


ミコ達の息抜きや骨休めになれば良いのだが。








**********




まあミコの本音で言えば、飛行機でひとっ飛びと行きたいとこだろう。


なんせ今は戦時下、しかも攻めてきてるのは倍以上の敵軍だ。


だが残念ながら、たかだか1個戦車大隊しか駐屯しないような前線基地に飛行場なんて贅沢な施設は存在しない。


しない筈なのだが……




今の【パンツァー・フロイライン】基地は不自然なほど激しい勢いで拡張が続けられていた。


アメリカから"レンドリース"されたブルドーザーを初めとする重機が、工兵隊や施設隊共々忙しなく動き回っている。


作られているのは、野戦飛行場と呼ぶには少々立派な格納庫や整備ハンガー、それに指揮所が付帯した滑走路……




いや、それだけじゃない。


例えば完成したばかりの真新しい隊舎は、今大隊により使われてるフィンランド軍にしては真新しい隊舎と遜色がない……いや、寧ろ大きくさえ見えるサイズだった。




☆☆☆




今は大隊長室にいるエルフィー……エルフリーデ・ヴァレンシュタイン大尉。


彼女の執務机に広げられた設計図通りなら、完成した暁の収用人員は【ちょっとした連隊】くらいなら楽にカバー出来そうな規模だ。


参考までに言っておけば、連隊とは1500〜3000名規模というのが一般的である。




「フフフ……」


窓の外で着々と組上がる自分の"理想郷(シャングリラ)"を見下ろすようにエルフィーは笑う。


それは普段はミコ達には見せない、実戦を潜り抜けた"戦人(いくさびと)"の凄みを感じる笑みだった。


「隊長、楽しそうですね?」


そう声を掛けたのは、大きくも小さくもない胸に中尉の階級章と、細い両肩に参謀章をつけたフィンランド陸軍の女性士官だった。


「当然じゃない、"エーリカ"。これで(ようや)く私好みの【戦場音楽】が奏でられそうなんだから♪」


エーリカとは、この長身でどこか氷の彫像を連想させる、灰色に近い薄い茶色の髪をした女性の名だった。


正式には【エーリカ・イーヴァルソン】。

フィンランド人ではあるが、名字から察するに同じ北欧だがスウェーデン系だろう。


ちなみにエーリカという名は、プロイセンの行軍歌から取られた名だった。

1917〜18年のフィンランド独立戦争で"白軍"の一員として戦ったエーリカの父は、プロイセンのスウェーデン大使館の駐在武官を務めていた時期があった。


敗戦から立ち上がりダイナミズムに溢れた復興を遂げるプロイセンの強さに惹かれ、短期間で強力な戦車を作り上げたプロイセン陸軍にひどく憧れたそうだ。

おそらくはその影響だろう。




「フフッ……ヘルシンキで"待ってる人"を見たら、きっとミコちゃん驚くわよ〜♪」


「確かに驚くでしょうね。それにしても……」


エーリカの表情は変わらないが、幾分呆れたような色が見え、


「"彼の国"も、我らが最高司令部もよくこんな無茶に許可をだしたものです」


エルフィーはクスクスと愉快そうに笑い、


「"国内"では『小さな少女達が命を掛けて戦っているのに、大国の婦女子ともあろう者が家庭を守るだけで良いのか!?』と訴えて世論を操作。そしてフィンランド政府には戦力の選り好みをしてられない現状を突き付ける……"彼女"達もやるもんだわ☆」


「まさか、自国勢力以外にまでプロパガンダに使われるとは想定外です」


台詞の割には口調に驚いた感じはない。


"エーリカ・デア・ゲフリーレン(氷結のエーリカ)"は伊達ではないというとこだろうか?


「しかも、ミコちゃんとかユッタちゃんとかアンジーとかを【年端もいかない娘達】の代表例として使ったって話だしね」


エルフィーは苦笑し、


「ミコちゃんもユッタちゃんもキチンと志願年齢達してるし、何よりアンジーなんか私と同い年だってのにね〜」


「でも、選択は上手いですね? 確かに中身を知らなければ、"いたいけさ"を示す格好の見本です」


淡々と告げるエーリカだが、彼女もわりとズケズケ言うタイプらしい。


まあ、そのぐらいでなければエルフィーの副官(参謀)は出来ないだろうが。


「ああ、それに関しては政治的判断は精々2割ってとこよ?」


「では、残り8割は?」


「本能よ」


「は?」


無表情に小首を傾げる仕草が、変に小動物チックなエーリカに、エルフィーは内心で『可愛い♪』と思いながら、


「"アイツ"、昔からちっこい女の子が大好きだからね♪」









**********




さて、舞台は"王都"ヘルシンキへと移る。


ここで少し、何故に史実と違い"ヘルシンキ=王都"の図式が成立したか?

つまり、


【フリードリヒ・カール・フォン・ヘッセン=カッセル】


がフィンランド国王に即位し、"フィンランド王国"が誕生。

名を


【カールレ一世】


に改め、世界一新しい王家である"カッセル王朝"が成立したのかを記述しておきたい。

物語冒頭にある年表とも被ってしまう部分はあるが、ご容赦を……




そもそも、フィンランドは1809年まではスウェーデン王国の一部だったのだ。


しかし、その後に帝政ロシアに征服され帝国に組み込まれるが……


転機が訪れたのは1917年、つまり【ロシア革命】だ。




☆☆☆




ロシア革命を契機に1917年12月6日に、フィンランドは


【フィンランド王国】


として独立を宣言した。

この時に国王に選ばれたのが、前述の【フリードリヒ・カール・フォン・ヘッセン=カッセル】だった。


彼について細かく書くとかなり長くなるので興味を持たれた方は各自調べて欲しいが……


だが重要なのは彼が国王に選出された最大の理由が、PPG世界でも史実でも、プロイセン(ドイツ)皇帝【ヴィルヘルム二世】の"義弟"であるという事なのだ。




☆☆☆




さて、ここで史実と大きな齟齬が生じ出す。


史実のカッセルは、ヴィルヘルム二世とドイツが後ろ楯として成立した王権故に、第一次大戦のドイツの敗戦により力を失い、王国という形は崩れた。


そう、史実のフィンランド王国は1917〜18年まで1年足らず存在した【幻の王国】なのだ。




しかし、PPG世界では、1916年の12月24日にはアメリカに公式に"単独降伏"してしまってる……つまり、フィンランド王国独立の1年近く前に敗北してるのだ。


ならば、普通ならばフィンランド独立に力を貸せる訳はない筈だが……




☆☆☆




そう、実はこの【計画的早期降伏】こそがフィンランド王国成立の鍵だった。


ロシア革命に乗じたフィンランド独立運動に対し、アメリカの同意を取り付けた【プロイセン暫定政府】、そして立憲君主になり権力は失っても権威は衰えぬ【プロイセン象徴皇帝:ヴィルヘルム二世】が、"フィンランド王国樹立の後ろ楯"となったのだ。




降伏直後は【プロイセン暫定統治機構】と【プロイセン"皇国"準備委員会】に別れていたプロイセン政府機関であったが、既に詳細までまとまり、あとは世界大戦(第一次世界大戦)の公式な終結を待つばかりの状態だった事と、何よりロシア革命による混乱に対処する為に、プロイセン政府は再び国権発動できる状態……上記の【プロイセン暫定政府】が立ち上げられた。




☆☆☆




実はこの意味は非常に大きい。


暫定ではあっても戦勝しプロイセンの宗旨国となったアメリカが暫定として認めた"公式政府"となれば国権の発動……つまり、軍隊を動かす事ができるのだ。


確かに当時、"書類上"はプロイセン帝国軍は解体されていたが……


しかし、現実には予備役と徴兵の動員解除が行われた(これは戦後復興の労働力確保の狙いもあった)だけであり、現職の職業軍人達は帝国軍という看板は外されたが、実質的には凍結……いや、待機状態だったのだ。




そして、暫定政府の立ち上げと同時に彼らは速やかに現役復帰、【プロイセン暫定政府国防軍】と言う名の"国防担当軍事組織"として復活を遂げた。


実はミコやエルフィーの父、ゲルハルトが除隊になったような【特大の動員解除】が実行されたのは、戦後体制が話し合われ決定された【ポツダム会議】以後の1919年の事だった。




☆☆☆




さて、PPG世界でも独立宣言後にフィンランドでは内戦が勃発する。


ロシア革命軍の支援を受けた赤衛軍(赤軍)が、フィンランドを革命ロシアへの帰属させようとしたが、アメリカが背景にいる【プロイセン暫定政府国防軍】がフィンランド国王派の白衛軍(白軍)の支援に入り、赤色勢力を圧倒。


こうして、カッセル王朝が成立して、フィンランド王国が樹立。


カッセルはヘルシンキを"王都"に制定すると同時に、名を前述の【カールレ一世】に改めたのだった。







**********




ミコ達はヘルシンキに着くと市内観光をする間もなく、迎えに来ていた軍の高級将校用のリムジンバスに乗せられ、最高司令部へと案内……というより、連行された。

そして……


「うそ……」



受勲式が予想より遥かに派手……


つまり白亜の王宮に登城し、カールレ一世の御前でマンネルハイム元帥自らの手により直接授与されると聞いた時、ミコは本気で卒倒しそうになった。


まあ、【マンネルハイム十字勲二等章(別名"二級マンネルハイム十字章")】の授与なのだから、勲章の起源であるご本人の登場は百歩譲っていいにしても、


【王宮の"謁見の間"にて国王陛下の御前での授与。しかもテレビ中継付きでフィンランドに全国放送】


なんてミコにとっては10倍の敵と対峙した時より、更にSAN値がゴリゴリと削られそうなシチュエーションだ。


敵ならまだ逃げる選択もあるが、今度ばかりは逃げられそうもない。


間抜けな事に、司令部に来た……いや、姉からの通達が来た時点で既に敵の包囲は完成していて、後はミコを"殲滅"するだけだったのだ。




ミコはここに来て、ようやく自分が


【国家ぐるみの政治ショー、その主役の"道化師"】


であることを自覚した。

そして、こうも思う。


(大人しく基地で戦争してれば良かったよ……)


やっぱり自分がいるべきなのは戦場だと、強く強く感じるのだった。









次回へと続く







皆様、ご愛読ありがとうございましたm(__)m




ついに登場のエーリカと何気に色々たくらんでるエルフィー、大幅に歴史が違う"フィンランド王国"と、毎度のミコの受難(笑)は如何だったでしょうか?(^^;




実は今回、叙勲まで行く予定だったんですが、今後の予定を考えると色々伏線や仕込みをしたくて、気が付いたらこんな事に(;^_^A




あっ、ちなみにエーリカの性格設定はモチーフではなく、むしろ


某【メイドロボの優秀な妹の方】


だったりします。




ついにミコは受勲となり、エルフィーの言ってた"アイツ"は出てくるのか?(^^;



それでは、また次回にて皆様にお会いできる事を祈りつつ(__)





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