表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/31

FAP02:第08弾 "ザ・ドウター・オブ・パンツァーフォックス"


皆様、こんにちわ~♪


本日は遅めの昼飯アップな暮灘です(^^;


何というか、最近は新キャラ・ラッシュ(?)が続いてますが……


エレオラ

「呼んだか?」


あっ、うん。

ちょうどお前さんの話をしていたとこ。


エレオラ

「ほう。小官のか? 興味深いな」


いや、興味持たれるほど深い話をする訳じゃないから(^。^;)


単にまた新キャラが増えるなぁ~と(苦笑)


エレオラ

「ふむ……小官が何者かは、本編にてという奴だな?」


そういうこと♪




何やら幕間パートっぽい物語ですが、お楽しみ頂ければ幸いッス♪








ミコの装甲小隊副長と小隊2号車の車長を兼任する"アンジー"ことアンジェリカ・ヤヴェリナ曹長は、ミコとエルフィーとは10年来の付き合いになる親友だ。


そんな彼女だからこそ、ミコに呼び出せれ小隊長に入るなり、可愛い妹分の顔を見るなり、またエルフィー絡みで厄介事を押し付けられたという事が一目でわかった。


(そういえば、いつかもこんな顔をしてたような……あれは確か、)


【エルフィーが父親と一緒に風呂に入ってる時、お父さんの"息子"を入れようとした】


というヴァレンシュタイン邸ではお馴染みのエピソードを話す時の顔によく似ていると、アンジェリカは当たりをつけた。




☆☆☆




まず注意するべき点がいくつかあるが……


ヴァレンシュタイン邸には、何気にアンジェリカも何度か……というか、戦車に乗った後には必ず利用していたローマ式浴場を縮小したような温泉がある。


なんでも屋敷を立てる前に戦車を走らせても大丈夫かどうか、或いは不発弾処理が出来るかどうかの地質を調べる為にボーリングをしていたら、たまたま温泉脈を見つけたらしい。


お陰でヴァレンシュタイン邸は、温泉に加えて地熱や蒸気を利用したサウナや床暖房など、中々に充実したアメニティを誇っていた。




☆☆☆




そして、ゲルハルト……

厳格な感じのする見かけに反し……かなりの親バカだ。


大体、ゲルハルトがミコに贈った装備(例えば、一番安い車が買えるほどの双眼鏡を士官学校の入学祝いに送ってみたり……)を見れば、その甘やかしっぷりが見えてくると思う。


そして、何より娘のおねだりに異常に打たれ弱い。

涙目の上目遣いで、『お願いのポーズ』でもされた日には、それこそ精神防壁をチハにアハト・アハトを撃ち込むような勢いで姦通する……いやいや、貫通される。




んでもってエルフィー、その"急所"を誰よりも良く心得ていた。


当然である。

ほんの子供の頃から……アンジェリカの知る限り出会った頃には【女の直感】で急所を見抜き、最も攻めてるのがエルフィーなのだから。


ちなみに温泉云々のエピソードは、子供の頃の話ではない。

ついこの間の


【軍人に急に出される休暇】


の時にヴァレンシュタイン姉妹と一緒に帰省した時、ミコに愚痴られたエピソードだった筈だ。




(エルフィーが処女かどうかは微かに程度は興味あるかな? 非処女だとしたら、相手は一人しかいないだろうし……)


力付くで無理矢理に奪われるという路線も無いわけではないだろうが、


(ミコもそうだけど……エルフィーを力業でどうにかできるってシーンが、上手くイメージできないわね〜)


まあ、とりあえずヴァレンシュタイン姉妹が生身でも強いのはわかった。

流石にヴァレンタイン兄弟程ではない……と信じたいが。


アンジェリカはやくたいもない思考を打ち切り、


「んでミコ、今度はエルフィーに一体どんな無理難題を叩き付けられたのかい?」


とニヤリッと笑いながら先制攻撃を放ったのは、


「ううっ、流石は"アンジー"ちゃん……お姉ちゃんと付き合いが長いだけあって、よくわかってらっしゃる」








**********




「簡単に言えば、わたし達の小隊に全員で"王都"に迎えって事なんだけど……」


アンジェリカは不思議そうに、


「ヘルシンキに? 今、戦争の真っ最中じゃないのさ」


「わたしもそうは思うんだけどね……」


困ったような顔をするミコだったが、何かを察したような顔をしたのが、


「ほほう。中々に興味深い指令だな」


フフンとどこか不敵に笑うのは、凛とした雰囲気が印象的な、アッシュ・ブロンド(灰金色)の髪をショート・フレアにした少女だ。


体格は良くも悪くも普通だが、どういうわけかプロイセン冬季戦用パンツァー・ユニフォーム(戦車服)……それも将官しか着られないような最高級のハリス・ツィード製&ウール裏地のオーダーメイドであろう、少し大きめのそれを纏っていた。




☆☆☆




実は前の冬戦争……最近、マスコミでも頻繁に使われるようになった【第一次冬戦争】のおり、急な徴兵により武器弾薬もそうだが、軍服が酷く不足していた為に【自作軍服】やフィンランド軍の階級章や兵科を示す各種識別章を付けた【余剰品を分けられたCETO各国軍隊の軍服】が苦肉の策として兵士達に供給された。


これらの非正規品軍服は当時のフィンランド首相【アイモ・カヤンデル】にちなんで一括りに【カヤンデル・モデル】と呼ばれた。




☆☆☆




そんな伝統があるせいか、十分な軍服が揃った今でも他国の軍服(=カヤンデル・モデル)をスオミ風に着こなす"伊達者"が決して少なくはない。


軍部も【CETO各国との結束の証になってよい】と階級章や各種識別章をフィンランド軍正規な物にすれば良いとしていた。


彼女も最近の流行言葉をつかうなら、そんな【カヤンデルの伊達者】の一人なのだろう。


しかし、いかにも腕自慢の職人が織り上げたようなフルオーダーのパンツァー・ユニフォームを着ている者など滅多にいないが……


「こんな状況で1装甲小隊とはいえ前線に張り付かせた兵を呼び出すとは、叙勲か昇進……あるいは両方か?」



いかにも前線将校らしい気の強そうな双眼のこの娘こそ、


「大体当たりだよ。"エレオラ"ちゃん」


そう彼女は"エレオラ"、フルネームで言うなら【エレオノーラ・ロンメル】……


そう……

驚いた事に、"あの"名高き【エルヴィン・ロンメル】プロイセン陸軍大将の、正真正銘の三女(末娘)だった……!









**********




【エルヴィン・ロンメル】


この名をフィンランド人は強く記憶していた。


1939〜1940年の冬に勃発した"第一次冬戦争"において、プロイセンは11万の兵力を義勇兵団扱いで送り込んだ事は何度か書いてると思う。

その11万人は義勇兵扱いで、


【カールグスタフ義勇兵団】


と名付けられていた。

その内、中核をなす約9万は陸軍……3個師団編成からなる1個軍団である彼らは特別に


【プロイセン・スカンジナビア軍団(Preusischen Skandinavien Korps:"PSK")】


と呼ばれたのだ。


少将だったロンメルは、その内の1個機甲師団……最新鋭の"IV号戦車"を与えられた【プロイセン陸軍第7機甲師団】を率いて雪原を縦横無尽に疾走。

その機動力で赤色ロシア人を翻弄し、鋼鉄の牙で咬み千切り、


【雪原の鋼鉄狐(パンツァーフォックス)


という二つ名と共に【"PSK"最強の猛将】として記憶されている。




☆☆☆




いずれ、ロンメルの勇戦は語られる日は来るかもしれない。


だが、今はその末娘の話だ。


エレオラは数々の"武勇伝"持ちだが、最も有名なのは王立女子戦車学校に入学したばかりの自己紹介で、


『我が名は【エレオノーラ・ロンメル】! 父に代わりて、この極北白夜の地に戦争をしに来た!!』


と声高に宣言したのだ。




その言葉に嘘はなく、エレオラは本当にどう転んでも自分が最前線に装甲将校として立てそうもないプロイセンに見切りをつけ、女子戦車兵を募集していたフィンランドに僅かな荷物と共に単身乗り込み、移民と入隊を申請した娘だった。


ちなみに移民局員に、移民理由を聞かれた時、一言


『Krieg(クリーグ:戦争だ)』


と簡潔に返し、担当官の目を白黒させた逸話が残っている。




☆☆☆




エレオラの父親譲りの前線装甲指揮の才覚は、自他共に認める程だ。


その実力があればこそ、戦車学校の卒業時には成績優秀者の証である"伍長"の階級が当たり前のように与えられ、小隊3号車の車長に抜擢される。


ややぶっきらぼうではあるが、決してとっつきにくい訳じゃなく、また"強さ"に対しては真摯で直向き。


ミコとは学校時代の模擬戦で何度も相対し、


『流石に父様には敵わないだろうがな』


【バルバロッサ戦役】にて中将として"PSK"と同等規模の1個軍団、いわゆる【ロンメル機甲軍団】を率い、変幻自在の戦術で【最も多くのロシア人を殺した一人】に数えられる


"猛将にして勇将"


と一介のまだ正規任官してから1年も経ってないような"新任少尉"を比べるのはどうかと思うが……


『この世で一番尊敬するのは父様』


と公言して憚らないエレオラが、その父親を比較対象に出す位だから、ミコも彼女に随分と高く買われてるのだろう。




ちなみにエレオラ、予想の斜め上に飛び抜けすぎてるエルフィーに比べるなら、ごくごく真っ当(?)なレベルのファザコンだ。


実際、彼女が今着ているパンツァー・ユニフォームも餞別にねだった、"ロンメルお古の軍装一式"数セットの一つを、エレオラ用に仕立て直した一着だったりするのだが……




『父様の……匂いがする……ハァハァ……父様のこびりついた漢の臭い……エレオラの牝の匂いと一緒になって……混ざって……ぐちゃぐちゃになって……ハァ』


"ぴちゃ……くちゃ……ぴくっ!"


『んっ!』


"ぷしゃあぁぁぁ……"


『あはぁ……父様、エレオラね……また父様で"液漏れ"しちゃった……よ♪』




エレオラが素っ裸で父の軍服にくるまって(いわゆる"はだかぐんぷく")、ベッドの中で毎晩何をしてるかは……ノーコメントにしておこう。


というかあんまり真っ当じゃない気がしてきたのは、何故だろう?


まあ、こんなんを毎晩聞かされ続けたルームメイトには、心底に同情するが。









**********




「でもミコの顔を見る限り、それだけって訳じゃなさそうね?」


アンジェリカの言葉に、エレオラもウンウンと腕を組んで頷き、


「"大体、当たり"という事は他にもまだあるという事だろうからな」


「まあね」


ミコは心底うんざりしたように、


「今回の【3倍以上の兵力差を覆し、1両の損失も出さず、尚且つ1両も残さず殲滅した快挙! いや】……」


その表情は、宗教裁判にかけられ信じてもいない学説を喋らされたかつての天文学者のようだった。


「【その"奇跡"の実像に迫る!】だそうだよ」




☆☆☆




「呆れるほど陳腐だねぇ〜……要するにマスコミの晒し者になって、士気高揚のプロパガンダを詠ってこいってことでしょう?」


「良いではないか? 我々(パンツァー・フロイライン大隊)は本来、そういう存在なのだからな」


アンジェリカとエレオラの返答に、ミコは深々と溜め息をつき、


「そんなのは本当ならお姉ちゃんの仕事なのに……わたしは普通に戦争したいよ」


アンジェリカは苦笑しながら、


「諦めなさいって。大方、軍の広報や政府広報だって一枚噛んでるだろうしさ」


エレオラも頷き、


「国境の向こう側……ラドガ湖だけでなく、カレリアにコラ半島も含め確認されてるだけで58万6千人のソビエト赤軍……対して、我らは最大動員でもその半分にも満たない25万の兵力に過ぎない……」


それでも当時のフィンランドの総人口、600万人を考えれば大した数字だ。


25万人という兵力は、我々の世界の日本……平成25年度自衛隊人員より多いのだ。


それを人口20分の1の国家が動員できるだけで、どれ程の努力が必要だったかは想像に難くない。




「そんな絶望的な状況下で、【可憐な少女戦車隊が、3倍の野蛮な敵を撃ち破った】なんてニュースが誇張ではなく事実として飛び込んでくれば、フィンランド政府や軍じゃなくたってとことん利用したくなるさ」


達観した雰囲気のエレオラに、同意するようなアンジェリカは、


「まあ、【バルバロッサ戦役】で数百万人規模の殴り合いを延々と半年も続けて疲弊したCETO各国に、前回(第一次冬戦争)並みの支援を期待するのも虫が良すぎる話だしねぇ〜」




そう、CETO以上に疲弊してる(戦死者を出した)筈のソ連ではあるが、人狩りじみた手段を使う彼らは動員力が違う。


流石にポーランドや本国で戦力再編を図ってる現状で、今以上の兵力動員は簡単ではないかもしれないが……


いずれにせよ、今のスオミが置かれた状況、


【第二次冬戦争】


は、明らかに第一次冬戦争当時よりも事態が悪化しつつあった……






次回へと続く







皆様、ご愛読ありがとうございましたm(__)m


とりあえず、期待の新キャラ"エレオラ"は如何だったでしょうか?(^^;




というか……

モチーフではただの"歴女"に過ぎなかったのに……

ガチに【狐の娘】になってしまった~っ!!


しかも何故かエルフィーに続く超弩級ファザコン2号に(;^_^A


ど・う・し・て・こう・なった!?( ̄□ ̄;)



いつもの事なので諦めてますが、何か暮灘の作品って、変人/変態/変わり者率が半端なく高いなぁ~と(^_^;)




とにもかくにもようやくミコ側にもキャラが揃いはじめ、そろそろエピソードが進むかな?




それでは皆様、また次回でお会い出来る事を祈りつつm(__)m





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ