【Fraulein Angriff und Panzer】メカニック・シート(1) IV号戦車改型(クアトロ・スペツァル)
皆様、こんにちわ~♪
本日はちょい仕事休んで病院&役場にいる暮灘です(^^;
さてさて、ようやく書けた~♪
何がって、ある意味"もう一人の主役"の
ミコ
「わたし達の"愛馬"、【IV号戦車改型】だよね♪」
ユッタ
「ユッタもこの時を今か今かと待っていたッスよ~♪」
君ら戦車大好きっ娘だもんな(^^;
サラ
「でもまあ、いい戦車なんじゃないか?」
ハンナ
「わたくしも愛着ありますし(ニコッ)」
ミコ
「うん♪ ティーガーみたいに飛び抜けて強烈な個性は無いけど、凄くバランスいいし」
確かにそうかも(^^;
作者的には、M4やT-34に並ぶ【後の世代に残るワールドスタンダードな戦車】のイメージが付けばなぁ~……とか思ってます(;^_^A
それでは楽しんで頂けたら嬉しいッス♪
Pkw-IV-C:
Panzer kampf wagen IV-Custom (IV号戦車改型)
愛称
【クアトロ・スペツァル】
開発国
プロイセン皇国/アメリカ合衆国
主砲:
Kwk40/75mm48口径長砲×1
副武装:
M2ブローニング12.7mm機関銃×1(砲塔上)
MG34/7.92mm機関銃×2(主砲同軸、車体前面)
四連装75mm多目的投射器×2(砲塔左右、発煙弾/照明弾対応)
Sマイン発射器(外装型二連式:車体四隅×4=計8発)
装甲
砲塔正面80mm(傾斜、圧延鍛造侵炭鋼。ザウコフ防盾部は最大110mm)
砲塔:側面60mm/後面40mm/上面25mm(傾斜。一体鋳造)
車体正面60mm(傾斜、電気溶接結合)
エンジン
液冷6気筒2基連結型12気筒2ストローク・ディーゼル
(史実でもPPG世界でもM4A2シャーマンと同じエンジン。アメリカGM社製)
出力
410馬力
空虚重量
33t
最高速
48km/h
航続距離
250km
サスペンション
発展型クリスティー式サスペンション+鋼製転輪+上部支持輪
履帯
ダブルピン・ダブルブロック式525mm幅
トランスミッション
流体リターダー付シンクロメッシュ・タイプ(前進4速/後進2速、クロスドライブ型)
V号戦車計画で開発された物を流用。基本的にM4A3シリーズ(戦後型シャーマン)と同じ物。
操向装置
二重差動式スリーピース型コントロール・ディファレンシャル
M4シリーズと基本的に同じ物。
新装備
・電気油圧式砲塔旋回装置
・1軸砲安定装置
・2軸ジャイロ安定化合致式照準機
・ザウコフ型防盾
・オート・スレイブ同調砲発射(撃発)装置
・ゲルマニウム・トランジスタ型通信機
・湿式防爆弾薬庫(車体)
・転輪用防弾鋼製大型スカートアーマー(通称"マッド・ガード")
・ビジョンブロック付全周囲視界車長用キューポラ
備考
1942年1月時点におけるIV号戦車の最新型。
そもそも、IV号戦車はスペイン内乱でプロイセン陸軍が目の当たりにしたフランスの誇る重戦車"シャールB1"を
【一撃で倒せる事】
を目的として、対戦車において最大限の効力を発揮する長75mm砲を旋回砲塔に搭載することを前提に開発された戦車だ。
故に
・75mm43口径長砲
・60mmの砲塔正面装甲
・45mmの車体正面装甲
・400馬力を発生する高出力ガソリン・エンジン
・スプリングを外装に改め上部支持転輪を追加した発展型クリスティー式サスペンション
・M3戦車と共通の二重差動式スリーピース型コントロール・ディファレンシャル操向装置
・当時の鉄道輸送の限界となる525mm幅履帯
を基本構成とする、38年という搭乗時期を考えれば、充分過ぎる程のスペックを高次元でバランスした上質な戦車として誕生した。
付け加えるなら、大きな余裕のあるエンジンルーム/大容量のサスペンション/鋼製転輪/ワイド幅履帯等は、III号戦車が完成度が高過ぎた為に発展的余地がなく急速に陳腐化していった反省を踏まえ、設計段階から将来的な性能向上(=重量増)を見越し、比較的容積のある車体に計算上は40tまでの重量増加に耐えられる足回りを組み合わせるという【性能的な"のびしろ"が大きい】戦車でもあった。
お陰で30t超級と計画より大分重くなってしまったが、フランスがB1の強化改良型【B1bis】の開発をしていた事もあり、問題ないとされた。
臨戦体制でもなければ予算が足枷となり、中々容認しにくい兵器の大型化(=高額化)を二つ返事で了承され、臨時開発予算が降りるほどプロイセン政府も陸軍首脳部もB1の登場にショックを受けていたのだ。
いわゆる【B1ショック】と呼ばれる状況だった。
無理もない。
当時、プロイセン陸軍の主力だった【III号戦車】は1933年に発表したばかりの最新鋭戦車……
それが配備から僅か3年で無力とは言わないまでも陳腐化した事が明白となったのだから、その衝撃はいかほどの物だったか伺い知れない。
☆☆☆
しかし、時の流れとは無情だ。
それはIV号戦車のデビュー戦となった【第一次冬戦争(39〜41)】の事。
堂々たるデビュー戦を飾ったIV号戦車は当初、その圧倒的な性能で文字通り無双状態だった。
更に冬戦争の当初のソ連戦車は脆弱で、やや旧式化してはいたが50mm60口径長砲を搭載した【III号戦車後期型(スペイン内乱以後に近代化改修したタイプ)】やIV号戦車と同じ砲を固定砲として搭載した【III号突撃砲(III突)】でも十分に対抗できた。
しかし、冬戦争末期……
敗北に次ぐ敗北で、フィンランド領土からの撤退が濃厚になった40年初頭、ソ連は洒落にならない性能の【新型戦車】を投入してきた。
そう試作型やテスト用の先行量産型……当時は"A-34"と呼ばれ、後に数々の改良が加えられ"T-34"と呼ばれ正式化され、史上空前の大量生産がなされた戦車だ。
**********
試作型T-34(A-34と呼ぶ方が適切か?)は客観的に言えば、IV号戦車に比べるなら防御力で劣り、砲力でやや劣り(砲弾口径は同等)、直線スピードではIV号戦車を優越する(ただし小回りは効かない)……例えるなら、そんな戦車だ。
特記すべきはディーゼル・エンジンを使っているので極めて引火しにくい。
第一次冬戦争でIV号戦車が撃破される割合が、対戦車戦より歩兵に火焔瓶を投げつけられて炎上する方が遥かに多かった事を考えれば、その【間接的防御力】がいかに有効だったか判るだろう。
☆☆☆
そして、プロイセン軍部は再び震撼した。
第一次冬戦争の結果を見る限り、今ならまだ幾分優位に対抗できる。
だが、この先は分からない……
何しろ鹵獲したT-34を調べると、IV号戦車に比べても100馬力程も優越してる上にディーゼル……
T-34は現状では傾斜してても装甲自体は薄く、主砲も口径は同じような物だが砲身が短い。
故に有効射程/命中精度/貫通力いずれも低い。
だからこそ、IV号戦車はT-34のアウトレンジからでも撃破できた。
だが……
『もし、ロシア人がこの新型戦車にIV号戦車に匹敵する装甲と主砲を与えたら……?』
馬力自体は敵新型の方がある以上、十分過ぎるリアリティがあった(そしてそれは42年型T-34で実現される)。
いわゆる【T-34ショック】の到来である。
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【T-34ショック】がプロイセンの戦車開発に与えた影響は、余りにも大きい。
開発が最終段階に入っていた【VI号戦車"ティーガー"】は可能な限りの強化……特に防御面のそれを受け、ようやくコンセプトが固まって初期試作型が完成したIV号戦車の後継【V号戦車】は大幅な仕様/設計変更を余儀無くされ、開発チームは一度発展的解消の後に【プロイエクト・パンター・グルッペ(PPG:豹戦車計画グループ)】として再編された。
そして、その対策は主力だったIV号戦車にも当然計画/実行された。
いわゆる【IV号戦車改型】の開発である。
スペックが競合していたからこそ、徹底的な強化が必要だった。
その要求はあまりに多岐に渡った。
そこで行われた営団が、大手術……【砲塔の換装】である。
☆☆☆
まず試されたのは後にドイツでも砲塔製造の主流になる【一体鋳造砲塔】だ。
旧来のドイツ戦車砲塔は基本的に【鉄板を直角に繋ぎ合わせて作って】いる。
しかし、IV号改型は熔けた金属を鋳型に流し込んで製造する鋳造を選択した。
鋳造は量産性が高く初期設備投資さえ行えば製造コストが低く抑えられるメリットがあった。
実は鋳造砲塔は宗旨国であるアメリカがM4量産に大々的に導入しており、技術導入しやすい物だったのだ。
完成した砲塔は明らかにT-34やM4の影響を受けた、プロイセン戦車にあるまじき丸み(避弾経路)を帯びた形状で、傾斜で減った内部容積を補う為だろう一回り大きな物となっていた。
これに、圧延鍛造侵炭鋼(クルップ鋼)製80mm厚の傾斜正面装甲とトラップショット(傾斜装甲による跳弾)による照準器破壊を防ぐ最大110mm厚のザウコフ防盾が組み合わせれ、高防御力の獲得に成功する。
この砲塔に主砲をより長砲身の新型"kwk40"、ティーガーで実用化されたガンスタビライザーやジャイロ安定化照準器、オート・スレイブ式同調撃発装置、ゲルマニウム・トランジスタ型通信機、電気油圧式砲塔旋回装置、デサント兵対策のM2重機関銃等が組み込まれた(これらの資料はティーガーに詳しい)。
☆☆☆
車体側にも大きな改良があった。
その筆頭は【ディーゼル・エンジン】の導入だろう。
当時のプロイセン陸軍は他に多彩な戦車計画(テスト中のティーガー、設計が佳境に入ったパンター等)を進めており、新たなIV号戦車用ディーゼル(ティーガーのディーゼルは大き過ぎた)を開発する余力は無かった。
そこで出てきたのが、久しぶり登場な"ゲヒルン"の【オパーイ魔女】だ。
「独自開発できないんだったら、既にある所から持ってくればいいんですよぉ〜☆」
彼女は当時、シャーマン・シリーズのバリエーションとしてディーゼル仕様(M4A2)が試作されてるのを聞き付けていたので早速渡米する。
結果から先に言えば、GMが開発したトラック/バス用の液冷6気筒の2ストローク・ディーゼルを2基繋ぎ合わせて作ったM4A2【連結12気筒ディーゼル】をまんまと初回だけで3000セットほど確保するのに成功する。
ラプンツェル・トート博士は、「燃料補給体系が複雑になる」という理由でアメリカ陸軍(ガソリン主体)はディーゼル・シャーマンにあまり乗り気ではなく、逆にGMの生産力が十分にプロイセンの要求に応えられる事を知っていたのだ。
史上でもM4A2はアメリカ国内では陸軍はあまり使わなく、海兵隊(小型艇のエンジンとしてディーゼルを使用)に主に納品された。
それ以外は、イギリスやソ連/中国等ににレンドリースされたのだ。
無論、PPG世界ではそれらの国にレンドリースする必要は0なので、その分がプロイセンにスライドしたと考えていい。
実際、戦車を丸々輸出するよりエンジン単体の方が遥かに製造は簡単なので、その製造ペースは押して知るべしだ。
蛇足だが……
オペルはGMの傘下で、"国民車計画"に参加。
国民車計画で主導的な立場を持ち、アウトバーンを初めとするインフラ整備を担当したのが"トート機関"……
奇妙な符号の一致がある。
細かくなってしまうが、トランスミッションはパンターの前身であるV号戦車計画の時に開発されたティーガーのダウンスケール版のような物だったが、前述のように計画がPPGに再編される際に要求性能を満たす為にパンターの重量増加が避けられず、結局ティーガーの発展型が採用されると決まった為、お蔵入りになっていた物を再利用する形になった。
また、本来はM4の改良プランの一つだったが、日本戦車の攻撃力が余りに脆弱で不必要とされた、弾薬庫をグリセリン溶液で満たして砲弾の誘爆を防ぐ"湿式弾薬庫"がIV号戦車改型で日の目を見る事になる。
加えて"階段"と称された車体前面も、戦後型M4シリーズのように傾斜形状一枚板を溶接するタイプへと変更され、数字以上に耐弾性が引き上がっている。
☆☆☆
ビジョンブロックを円周に配置し全周囲視界を確保した車長用のパノラマミック・キューポラや、見た目のインパクトはかなりある"マッドガード(泥除け)"と揶揄された防弾鋼板製の大型スカート、ティーガー譲りのSマイン投射装置等、まだ様々な特徴はあるが……
驚くべきはこれら多岐に渡る改造を破綻なく受け止めたIV号戦車の汎用性/冗長性/発展性の高さと、IV号戦車改型を驚くべき短期間(ロールアウトは41年)で大量改造できたプロイセンとアメリカの工業力と協力体制ではないのだろうか?
事実、資料には約5000両のIV号戦車が製造されたと残っているが、最終的には実に75%以上がIV号がIV号改型へと改修され、その中の相当数が
【更なる進化】
を遂げたというのだから。
民銘書房刊
【世界の戦車丸見え不思議発見!】
より抜粋。一部改編
皆様、ご愛読ありがとうございましたm(__)m
PPG版の【IV号戦車改型】は如何だったでしょうか?(^^;
ミコ達が命を預けるのにふさわしい、
【飛び抜けているよりバランス型】
を目指してみました。
実はまだIV号戦車は最終形態には至って無かったりしますが、
オパーイ魔女
「それは後エピソードのお楽しみですよぉ~♪」
どわっ!?(;□;)
い、いきなり作品の枠組み越えて出ないで下さいよ(汗)
ラプンツェル・トート
「だってだって~。PPG正伝の方が更新止まってるから、悪巧みできなくて暇なんですよぉ~」
いや、気持ちは解るけどさ(^^;
それに今回はチョイ役で出てきたし(笑)
なんか最後は相変わらずのgdgdっぷりですが、どのような作品アップかはわかりませんが、また皆様にお会いできる事を祈りつつ(__)