「ぬかに釘」は強い苦痛を伴う行為だと最近気付いたけれども私はそれに強い誇りを感じているので諦めたくないというかなんというかでも堪え性の無い私は実は両刀使いでした。
どーでもいいけどさ。
非難されるのは辛い。
なんか、胸が苦しくなる。
生理か、気持ち悪いよな。
月に一回、あそこから血をどばどば出して。
お前の血とか、考える度に、吐き気がする。
子供?お前の子供?
お前から生まれた子供はきっと、不幸だ。
お前さえ、お前さえ居なければ。
月に一回、頭に声が響く。
「不細工、お前なんて誰も好きにならねー」
「彼氏いるし」
「からかってるだけだよ」
「そんな事、ない」
「そもそも、お前は本気なの?」
「……」
「自分を認めてくれる人が欲しかっただけだろ」
「……違う」
「違わない。誰でも良かったんだ。お前は誰に対しても股を開く淫乱だ」
「違う違う違う違う」
「お前を助けてくれる王子様なんて居ない。幸せの青い鳥は死にました。織姫と彦星は出会えない。みんな、嘘吐きだ。お前の悪口をみんなが言ってる。そもそもお前は……」
「違う違う違う違う違う違う!」
いつのまにか持っていた包丁で何度も何度も。
刺しても刺しても、ぬかみたいで、全然殺せてる気がしなくて、「違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う」何が違うのかももう分かってないんだけど、もしかしたら誰も殺してなくてこの血がそもそも私の血かもしれないし、こんな簡単に人は死ぬし、こんなにも人はしぶとい、けれど「明日世界が滅びるとしてもぼくは林檎の木を植え続ける」ので、ドロドロになったな真っ赤な手を決して降ろさなかった。
よって、私は有罪らしい。
まー、別にどうでもいいけど。