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そうして、進化出来たなら
分裂する分裂する
頭のつむじから、足のつま先まで
さきイカのように。
頭蓋骨が裂け、溢れる脳味噌が、ひやりとした空気に晒され、大脳皮質が、この世界が、僕の為に有るみたいだ。
弾ける脳細胞は、一つ一つパチリパチリと音を立てて、飛んで、君の瞳に映る素敵の一部分に成れれば、
悲しい、丸い、そのレンズが
潤んで、潤んで
あのね、あのね。
僕たちの先祖から、子孫へと続く直線の
分裂する分裂する。
分裂していく君が
ねえ、まるで、僕の為に
僕の為にあるみたいだってば。




