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痺れた足を
葬式。
蒸し暑い日の。
蝉の鳴き声と供に。
360度、何処を眺めても、黒い服。
単調なお経と、この狭い部屋と、そして何より皆様の浮かない顔が僕の退屈を助長させる。
人の死などと言う退屈に更に退屈を抱き合わせているのは何故か。囲んでいる一つだけでもエンターテイメント性に富んでいればなあ、などと思う。
例えば、お経がヒップホップだったり、皆モヒカンだったり、君なら、コンドーム風船の装飾とか、そういう下品な事をいけしゃあしゃあと仰るのだろうか。
そしたら、僕が最高だね、と笑って、それで。
ああ、止そう、こんな事は。
退屈を増やすだけで、糞の役にも立ちやしない。




