表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/68

求めよ

「君の事が好きだから、一つ願い事を叶えてあげよう」

私は一つ二つ、目の前の色白な少年について考えてみたが、どうして彼が現れたのか、経緯がまるで解らないので、止めた。

代わりに、願いが有るか、考えてみる事にした。

「何が良い?僕は神様だから、大抵の願いは叶えてあげられるよ。富?名誉?素敵な王子様?」

「王子様を望んだとして、それであなたは良いの?」

「構わないよ、僕は神様だから、直ぐ用意出来る」

「そうじゃなくて、いや、それもそうなんだけど」

私は彼の眼から、彼の思惑を探ることが出来るなら、と目線を合わせたが、彼が微笑むと、直ぐに視線を下ろした。

「それは、違って。あなたは私の事、好きなんでしょ」

「そうだよ、大好きだ」

そんな事、真っ直ぐ言われたら普通恥ずかしいのだけれど、彼に対しては何故だか恐れ多い、という思いばかりで。

「だけどね、僕には、独占欲なんて無いんだ。只、君が幸せになってくれたら、そう、思っていてね」

「そう、なの」

私は本当に、困惑してしまって、大変な事が幾つも続いていたから、手で、頭を。

「それで、どうなんだい?王子様を用意すれば良いのかな」

「いや、それは違うの」

「じゃあ、改めて、聞くよ。何が欲しい?」

私は一度、瞼を閉じて、浮かぶ言葉を。


「力、を」


「力か。力で良いんだね」

「そう、力を、頂戴」

私がそう言って、瞼を開けると、彼の痕跡なんて何処にも無くて、ただ、手元には力が有った。



それ以来私は神様に成った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ