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吐き気

人は何処から来て、何処へ向かうのだろうか?

そんな事、決まっている。母親の腹から這い出て、死へと向かうのだ。

この世に生を受けたという事は、死を義務付けられたのと、同義だろう。

生きているというのは、死に続けているという事で、それは落下に似ている。

この駅で電車を待っている人々が、トマトのように弾ける想像をした。寒かった。

みんな百年後には一人残らず死んでしまっているのだろうな。大切な物がポロポロと、指の隙間から零れていく感覚。僕の指は寒さのせいか、紫になって、それで、ひたすらに、胃がむしゃくしゃして、でも、その手も、胃も、この言葉も消えていくのだ、と思い、嫌気がさした。

手を擦って、一つ。

僕は、きっと嫌気がさしている自分に酔っている。その事に嫌気がさした。

風が吹いたので、僕は手をポケットに詰め込んで、歯を食いしばって、これ以上は、無かった。


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