革命家として
あなたは革命家。
馬鹿な人。
あなたは口を開けば、政治やら日本やら法律やらの話ばかり、私達学生がするような、アイドルやらスポーツやらの話は全くなさらないの。いつだって主語が大きくて、何かしらの問題を憂いてる。そんな、問題なんて、私達には関係ないのに。
あなたの熱弁は、馬鹿馬鹿しい陰謀論やら、何やらで、きっと付け焼き刃の知識なんでしょうね、聞く度、私達はうんざりしてました。
あなたの演説を嫌がって、人がどんどん離れていく、また一人、一人と、それで、とうとう誰も居なくなって( あの子は、最後まで居ましたでしょうか。いいえ、きっと、あの子はあなたの事なんか少しも考えていませんでしたよ)、あなたが萎れてしまうのを、ざまあみろ、って心の中で思っていました。私、悪い子かしら。
そう、思っていた、いたはずなのに。私は何を考えていたのでしょう。その萎れたあなたを慰めて、お話を聞いてあげたんですわ。
それで、その時あなたを愛している自分に気付きました。
馬鹿な私。
でもきっと賢くても(私とあなたは馬鹿だから、私とあなたなのだから、こんな仮定無意味でした)、私の熱はそのままだったと思います。これは、あなたの、演説に対する熱にも同じ事で、あなたは賢くても同じようにしていたと思います。
私は、あなたの事を愛しているんです。
愛しているから、隣が私じゃ駄目だって解ってしまいます。
あなたは革命家。
何も変わる必要の無い国で、何を変えると言うのでしょう。
馬鹿な、馬鹿な人。




