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怠空
空を見上げた。広い。
なんだか、ひどい倦怠感に襲われた。手足が途端に冷え切って、指の先端が痺れている。
僕は取り敢えず、寝そべって空を眺める事に決めた。
思い返せば、いつもの事。
君が、悲しそうな顔をする度、僕は、君が何処か知らない場所へ行ってしまうのではないかと、怖くなる。
ふう、と風が吹き、木の葉が如く、消えてしまうのではないかと。
かといって、僕は責任を負いたい訳じゃない。もう、あんな味は、無くて良い。
ただ、眺めている事しか出来ない事が、もどかしくて。
雲は薄らと縮れて、ああ、やっぱり重なっちゃうな。
雲がゆるりと形を変えて行く、結局、僕は馬鹿にされていたのではないだろうか。
やっぱり嫌いだ。




