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半端感、昼下がり、極まる。

ボクは人間の高校生で、目の前に居る微妙に可愛い少女は同級生で同じく人間で、ただしこの世界には人間以外が当たり前に存在しているのだが、説明にも飽きたからここら辺で切り上げる。

取り敢えず重要なのは、この少女がボクに対して、執拗に自分の弁当を勧めてくるという事だ。

「食べ盛りの高校生であるに、どうして食べん?」

「ボクの身体は、体育会系のそれではなく、文化系特有の薄さを保った軟弱な物であり、必要以上の養分を必要としていないから」

「でも、旨しだよ。手作りよ。女の子の愛が詰まってなくもないよ」

「そんなお腹に溜まりそうな物、余計食べる事が出来ない」

と、言い訳をしているけれど、実のところボクの胃の中はスッカラカンで、それでも尚、彼女の誘いを断るのは何故か、と問われれば。

「まー、無理なら、いいス」

そう呟いて弁当を仕舞っている彼女はボクの事が好きなようで、その熱烈なアプローチにはそろそろ参ってしまったので、どうにか諦めて欲しいというアクションをボクから起こしてみよう、という試みが理由の一つにあり、またもう一つには、彼女の弁当には毒が混入されているという不変の事実がある。食べられない程不味いとかいった比喩ではない。普通に死ぬ。

「ねー、食わんならに、トランプしなんだ?」

彼女が弁当と入れ替わりに出したのは、トランプだった。

「ああ、しよう」

ボクはトランプが好きなので、集中しなければならないのと、また彼女がボクに対して毒を盛っている理由は様々な要因が絡まっていて、単純明解に説くのは容易ではないという理由から、もう終わります。


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