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アンコエラン派の無様で滑稽な戦い、その末路。

中途半端かつ傲慢な宗教観を求める余りに人間性を失った、かの有名な食人鬼は自らにカリオストロ伯爵が用いたと謂われている不死の法をかけまた錬金術によりザリガニとの合成獣へと姿を変えていた。

彼は輪転せよ、そう叫ぶと、我々高校一年生A組一同に襲い掛かった。そうなれば勿論教室は狂乱。一種不可思議な踊り子のようにも見える我が友人は足を引っ掛け無様に転んだ。それだけならまだしも、転んだ場所が悪かった。友人が転び倒れた壁の怪しげな掛け軸が破れ、中にある石碑が倒れてしまった。封印が溶け出し、中から記憶を喰らう毛むくじゃらの一つ目が出てくる。逃げ場無し、正に絶体絶命、そう思われたが彼は持ち前の俊敏さですぐさま側転、からの立ち上がりアンドBダッシュ脱出。凄まじいコマンド入力。走りながら、やるな、と誉めると、彼は、下段見えてたし、と澄ました顔である。

やった逃げ切れた、と思ったのもつかの間、行き止まりである。先導していた数学教師に尋くと、狼狽しながら、だまされた、と言う。どうやら幻術を使われたようだ。とか云々のたのたしていたら、後ろから迫る一つ眼の化け物。死を覚悟した。しかしながら数学教師ははっと息を飲み、どうやら私とは違った見解を持っているようだった。あれは、アンコエラン!と叫ぶとすぐさま化け物に駆け寄り跪いた。これは何物か?と数学教師に問うと、彼は、動物性磁気により霊界や天界、新界とすら交信し得る生き物だ、と言う、なんたる事か。メスメルの研究が正しかったらしいね好かったね。

我々はアンコエランの先導によりザリガニ男から逃げ回った。そしてどういうわけか、我々の元居た教室に戻ってきた。ザリガニ男は更に迫る。アンコエランは黒板に近づき、あろう事か唾を吐きかけた。数学教師は幸運の兆しだ!と喜び自らも唾を吐いた。我々も習い唾を吐いた。ザリガニ男はまるで止まる気配がない。アンコエランはチョークを取った。刹那、ザリガニ男の動きが止まった。アンコエランは触手を器用に使い奇怪な文字を書き綴った。数学教師が後ろから訳す。アンタ分かるのかよ。

信仰の為とはいえどもやりすぎである、よって有罪。ザリガニ男は泣き崩れた。そして我々は助かり、1ヶ月経った。今隣に居るのがザリガニ男の息子である。親父も反省しているみたいだし、許してやってよ、彼は切なげに笑うのだった。




という夢を見た。


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