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賽の河原
どーでもいいけどさ。
黒い水が流れる傍ら。
髑髏を積み重ねる。積み重ね終われば崩される。わざわざ、鬼が崩しに来るのだ。
鬼を止める事は出来ない。止めようとすれば突きとばされる。
また、積み重ねる。崩される。積み重ねる。崩される。
完成しないイライラが増していく中、積み重ねる。崩される。
気が狂いそうだ。積み重ねる。崩される。
こんな事ならいっそ殺してくれ、とすがりつくも、鬼は突きとばす以上の事はしてくれない。震える手で、積み重ねる。崩される。
止めればいいとは思うが、手は止まらない。積み重ねる。崩される。
へいへいどうせ私は親不孝者ですよ。償いますよ、すいませんね。と積み重ねる。崩される。
私は絶対言うまいと思っていたのに、積み重ねていた理性を崩された所為で遂に鬼になった。
クソババア、うるせーよ!
私はそう叫んで、走り出した。
まぁ、色々あったけど一番の驚きは鬼の顔が、
まー、別にどうでもいいけど。