act30~再会~
一か月ぶりの更新です。けど短い…。
では、まいりましょう。
~side 飛鳥~
現在。僕たちは市街地を進んで、反応のあった場所を目指していた。状況としては九十九が20メートル位先行している。
「九十九、先行しすぎです!!なんでそんなに急いでいるのか知りませんけど、落ち着いてください!!」
「………」
「え、ちょ、無視ですか!?」
理緒が前を走る九十九に声をかける。しかし、九十九は返事をせずただ反応のある場所に向かって進んでいた。
「…道なりに進んでいてはらちが開かん。ならば!」
九十九はそう言うと、地面を蹴って家の屋根を伝って移動し出した。
「忍びかなんかですかあんた!?」
理緒がそれにツッコミを入れる。
”理緒殿、ツッコミ入れてる場合じゃないです!距離が広がってますよ!”
「そうでした、何とかしないと…」
黎羅が理緒をなだめ、理緒は冷静になったようだ。
「何とかも何も、跳ぶしかないで…っしょ!!」
僕は理緒にそう返すと、九十九を追って跳んだ。
「えぇ、飛鳥までぇ!?…あぁもう!!」
理緒はそう言うと、金華と銀楼を取り出し、屋根に銀楼を引っ掛け、跳んだ。
「全く、九十九も飛鳥も、少しアグレッシブすぎやしませんか?」
「気のせいじゃないかな?」
「…本気で言ってますか?」
「うん」
「……知らぬは本人ばかりなりですか?」
理緒がなんかぶつぶつ言いだした。なんなんだろ?
”理緒殿、心中お察しします”
”どんまい”
黎羅と覇剛が理緒を慰め出した。だから何なの?そっちに注意が言っていたせいか、
「うわっ!?」
足が滑った。
””主!?””
黎羅と覇剛が叫ぶ。
「飛鳥!?くっ、間に合え!!」
理緒がすぐに反応し、武器を構える。
「叶宮扇術、守護の式、二---」《蜘蛛の螺旋っ!》
蜘蛛の螺旋…。叶宮の扇術に伝わる防御系の術の一つ。蜘蛛の巣のように展開された銀楼で攻撃を防ぐ。防御以外にも様々な使い方が出来る。
理緒が放った銀楼が僕の後ろで蜘蛛の巣のように展開し、僕は受け止められる。
「わっ…」
「無茶するからそうなるんですよ!」
理緒が下りてきて僕にそう言う。
「あはは、ごめん」
僕は理緒に苦笑いで謝った。
「っ!まぁ、大丈夫ですけど…///(笑顔は反則ですよ…)」
理緒は顔をそらしてそう言う。少し顔が赤いような…?
「あぁ!?そう言えば九十九っ!見失っちゃった!!」
「…あぁ!!?」
僕が思い出したように言うと、顔が赤かった理緒も瞬時に顔を真っ青にして言う。
「目的地は一緒とは言え、未知の存在相手に先行させるのはまずいのに!!」
「早く追いかけよう!!」
「はい!」
僕と理緒は慌てて九十九の後を追うのだった。
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~side change 九十九~
「地図の反応によると…あのビルの屋上か」
市街地を突き進んでいたら、いつの間にか街の中央にある都市部に来ていた。
「現在未知なる力となると、神力のみ…。あいつがようやく動いたと言うことか?」
だとすればありがたいことじゃ。あ奴はかなり強い。戦闘経験も豊富で、何より戦闘タイプは万能型。どんな状況にも対応できる。そうすれば戦術の幅も広がる。
「ま、あ奴ならばと言う話じゃがな」
あ奴以外じゃったら…、悪いが門前払いじゃ。
そこまで考えると、目標のビルの手前のビルまで来た。妾は風遁を構えると足に風を集め、圧縮する。そして、ビルに足がついたところで圧縮した風を暴発させ、一気に跳ぶ。
「うむ、完璧じゃな」
うまく着地し、後ろを見る。
今跳ぶのに使ったビルは高さ七階位じゃな。んで、このビルは…二十階位か?結構跳んだのぉ。
「なぁ、今のは完璧だとは思わなかったか?…『アリア』」
妾は後ろを見ながらそう言う。
「…ふふっ、相変わらずの様ですね。九十九」
帰ってきた返事を聞いて、妾は笑みを浮かべる。
「お主こそ、変わっていないじゃろう?」
前を見ながらそう言う。
そこには、見た目は十五位の、穏やかな笑みを浮かべた金髪で蒼い目の少女がいた。
ク「お久しぶりです!」
九「遅い!何してた!」
ク「別の小説書いてました」
九「殺!」
ク「ぎゃー!?」
飛「南無三」
ク「勝手に殺すな!」
九「何のもういっちょ!」
ク「ゲハァ!?」
飛「それではこれにて失礼します」




