act29~会議~
やっとこさ書く時間ができました・・・。
今回は、会話が多いかもしれないです。ついでに理緒無双。
では、まいります。
~side 飛鳥~
ここは叶宮神社の裏の森・・・。
「とーちゃく・・・っと。九十九はもう着いてるよね」
”九十九は主と違って真っ直ぐこっちに向かいましたからね”
「しょうがないでしょ!?詩織の家に借りた本返しに行く日だったんだから」
”早く返しに行けば・・・よかったと思う・・・”
「う・・・」
メリル襲撃から2週間ほどたった・・・。
あの後は特に騒動と言われるようなことは起きなかった・・・。世間一般では。
「あれ以来襲撃はそこまで強くないモンスター、それも九十九が言うには弱いやつばっかり・・・。混乱を引き起こすにしたって、襲撃は夜、それも深夜の時間帯。ん~わかんない!!」
騒がれるようなことはないが、あれ以降も襲撃は続き、それを僕、九十九、理緒の三人で協力して大事になる前に何とかしてたんだ。まぁ、それ以外にも・・・。理緒のせいで面倒なことが起きたんだけどね。
「だめだ、考えすぎると余計にわからなくなる」
”一人で考えても限界と言うものがあります。早く九十九達に合流しましょう。そのためにここにきているんですから”
黎羅の言葉を聞き僕は前方を見る。僕の目線の先には、地下に通ずる階段があった・・・。
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「遅いぞ飛鳥!!」
「九十九がついてからだいぶ掛かりましたね」
「あはは、ごめんね」
僕は階段を下りて、その先にある理緒の研究所に着いた。
「はぁ・・・。とりあえず、飛鳥が来たことだし・・・始めるとするか」
「そうですね、では・・・」
理緒が一呼吸置いて、言う。
「会議、始めますよ!」
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会議・・・。3人で行動するようになってから行っている、敵の行動の分析や、理緒の開発、近況報告なんかをする物。
「さて、まずは敵の分析ですが・・・」
理緒が切り出すと九十九が答える。
「前の会議でも言ったが、ここ2週間、そこまで強力なモンスターがこちらに来た、と言うことはないな。幸いしているのが奴らの出現場所が廃ビルや空き地など、人があまり来ない所だったことと、時間帯が深夜0時以降から4時以内だったことじゃな」
「それに関してなんですが、いくらなんでも出来過ぎていませんか?全部人気の無い深夜帯だなんて・・・」
「僕たちの睡眠時間削って体力の回復を阻止したいとかかな?」
「いや、体力を削るならば深夜帯のだけでなく昼間にも、人気の多い場所で仕掛けるはずじゃ」
「もしかしたら、そっちに気を向けて何かほかのことをしようとしているのかもしれませんね。けど、それがいったい何なのか・・・」
「奴らの最終的な目標は人間界の掌握だと言うのは大体わかっているが・・・、その過程で何をしようとしているのか、どういった形で掌握しようとしているのか、それがわからない限りは迂闊に仕掛けられぬしなぁ・・・」
「とりあえず、この話題に関してはいったん保留しましょう。次に、ここ一週間で戦ったモンスターの事ですが・・・何か気がついたこととかありますか?弱点とか、行動パターンとか、間合いとか・・・」
「あ、おととい戦った奴なんだけど・・・」
こんな感じで僕たちは情報を整理して言った・・・。
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「にしても、理緒・・・」
「なんですか?」
「あれ、何?この前来た時はこんなものなかったけど」
会議が一区切りついて休憩中・・・。僕は研究所の中で新たに増えていた機械を見て呟いた。
「あ、これですか?モンスターの出現を察知するために作ったんですよ」
そう言うと、理緒はその機会に近づいた。
「・・・それは暴走しないよね?」
「失礼な!毎回毎回暴走する機械を作るわけないでしょうが!!」
((・・・って言っていつも暴走させているのはどこの誰・・・?/じゃ・・・?))
あ、今九十九と考えが被った気がする。
「大丈夫ですよ、もうすでに一人で試しましたから」
そう言うと機械についているパネルを操作し始めた。すると機械がゴゴ・・・と鈍い音を立てて動きだし・・・。
カシャン
「へ?」
理緒の操作しているパネルの横の部分から音楽プレイヤーみたいなのが出てきた。
「これが、私の開発したモンスター探知兼小型万能情報端末、multi monstar search terminal(マルチ モンスター サーチ ターミナル)略してぇ!!マルチターミナル(以後MT)です!」
「・・・」
「・・・」
”・・・”
”・・・”
ネーミングセンスとかもそうだけど・・・。
「・・・あれ?その大がかりな機械は何のために?」
理緒が操作していたあの機械が本体だと思ったんだけど。
「え?ただ演出を派手にするために作った張りぼてですけど?」
””「「だぁ!?」」””
・・・ずっこけるって、本当にあるんだね。
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「で、このMTとやらは、何が出来るんじゃ?」
理緒に音楽プレイヤーみたいな機械・・・MTを渡されたのだが、何がなんなのかさっぱり分からない僕と九十九。それで九十九がMTについて説明を求めた。
「ニュフフ。了解です!では、真中のボタンを2秒ほど長押してください」
「こう・・・?」
理緒が言うとおりに操作すると・・・、
ブゥン。と音を立てて眼前にディスプレイが浮かび上がった。
ん、浮かび上がった・・・?
「ってわぁ!?空中にディスプレイが浮かんだ!?これってよくアニメとかで出る空中投影ディスプレイだよね!?」
「オ、オーバーテクノロジーって奴じゃないのか、これ!?」
「フフン、存在すればそれはすでにオーバーテクノロジーではないのです!例え、世間一般で知られていなくてもね・・・」
い、一理あるのか?でもさ・・・
「これはいくら霊力でも何ともできない気がするけど・・・」
「まぁ、各国の機密開発データとか見て改善、改良、自分の意見を取り入れて色々やってたら出来ました」
ちょっとまった。
「いま、各国の機密開発データを見たって言ったね?」
「言いましたけど?」
あぁ、不思議そうな顔してもう。
「確か人間の社会では、トップシークレットじゃなかったか?そう言った情報は」
「本当だよ、どうやったら見れるのさ!?そんな情報!!」
「え~?簡単ですよ?ペンタゴンにも侵入したことありますけど、2秒でプロテクト突破できましたし」
「2びょ、!?」
は、反則的な速度・・・!
「まぁ実際、参考になりましたよ。銃器の設計図とか、戦闘機の設計図とか」
「・・・」
もう、何も言わない。
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「さて、おふざけはここまでにしましょう」
「誰のせいじゃ誰の」
理緒に振り回されて数分。理緒が改めて説明を始めた。
「まずMTに搭載されている機能を説明しますね。まず正式名称にもあるようにモンスターの探知です」
そう言って理緒は自分の持っているMTの投影ディスプレイの中のモンスターの絵が書いてあるパネルをタッチした。僕と九十九もそれに倣い同じパネルをタッチする。
すると、地図が浮かび上がった。
「このパネルをタッチするとモンスターの反応のある場所まで最短ルートでナビゲートしてくれます。また、モンスターの出現はなにも操作していなくても察知するので、反応が出たらこのパネルをタッチして、現場に向かう。と言うのが基本です。んで、次にMT同士の連絡機能ですね」
そう言うと、モンスター探知の画面を消して前の画面に戻り、次は電話のマークのついたパネルをタッチする。
「MTと一緒にイヤホンも渡しましたよね?普通の携帯電話みたいに使うこともできますけど、イヤホンを接続しておけば、手ぶらの状態でも連絡が取れますんで、基本的にイヤホンは外さないでください。それと、連絡が来れば目の前に勝手に投影ディスプレイが出て連絡してきた相手がわかります。んで、連絡に応じるならば投影ディスプレイに出てくる緑色のパネルをタッチすればOKです。出ない場合は赤いパネルがあるんでそっちを押せば大丈夫です。後は今まで戦ったモンスターのデータベースを作っておいたので、モンスターの弱点とか知りたいときは使ってください。まぁ今所大体こんなもんですかね?強いて言うなら音楽聴けるくらいでしょうか?」
理緒はそう言って説明を終えた。
「万能、と言う割には機能が少ないのぉ?」
「言ったでしょう?今のところって、この先思いついたらその機能を追加しますし、今のMTはあくまでver.β(バージョン.ベータ)つまるところ、試作段階と言うわけです」
「それでも、僕は十分すごいと思うけど」
「そうですか?それなら作ったかいがありますよ」
理緒は笑顔でそう言った。
「そう言えば、モンスターの出現とかはどうやってわかるのじゃ?」
「あぁ、空間の歪みですよ。出現する際のデータを色々と集めていたら、空間の歪みを探知できたんで、それを利用したんです」
「じゃあ、出現はわかっても追跡は出来ないんじゃ?」
「それも大丈夫です色々とデータを集めたと言ったでしょう?モンスターの発する魔力は普通の魔力とは少し質が違うみたいなんです」
「成程、そこに目を付けたか」
「え?え?」
九十九は理解できたみたいだけど、僕は理解できない。
「そうですね~、比喩表現すると、普通の魔力より穢れていると言うか、なんというか・・・。取り合えず質が違うんです。なので、そのデータを利用して追跡するんですよ」
「うん、大体わかったよ。僕に理解できないと言うことが」
僕は馬鹿なんだね。改めて理解したよ。あれ?目からしょっぱい水が・・・。
”け、けど主は戦況の判断がとてもうまいですよ!指示も的確ですし、私たちの切り替えも完璧です!!”
”誇るべき・・・!!”
「ありがとう。慰めてくれるんだね・・・」
””(ぎゃ、逆効果・・・!?)””
なんか2人が焦ってる気がするけど・・・なんでだろう?
「はぁ、やれやれじゃのぉ」
「あ、あはは・・・」
僕たちがそうやって戯れ(?)ていると・・・。
ビー、ビー、ビー
””「「「っ!?」」」””
MTが突然なり出した。投影ディスプレイにはunknown(正体不明)出現!!と書かれている。
「これは・・・!?」
「なんじゃ、モンスターか!?」
「違います!モンスター特有の魔力に反応したわけじゃないです!!この反応をするのはメリルなどの強力な相手です!データは・・・っ見たことない力・・・!?」
「え・・・それって」
「データベースに無い力です・・・魔力でも、霊力でも、妖力でも無い。マナとも違う!!」
「・・・!まさか」
九十九は理緒の言葉を聞くとすぐに出口に向かって駆け出した。
「九十九待って!!単独行動は危険だよ!!!」
「急いで追いましょう!!」
「うん!!」
僕と理緒は九十九の後を追う。
ク「今日はここまでです。それでは、畑山香樹様。いつも感想ありがとうございます。それと、畑山香樹様の小説「四人の魔法使い」の方でこの小説とコラボしていただきました。だいぶ遅れてしまいましたが、この場で改めてお礼をさせていただきます。では小説の方の紹介をさせていただきます」
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いつも通りに学校へ向かっている俺こと柊夏哉と、花街香苗と、天雲沙鳥の三人。 その道中に一人の女の子が倒れていた。 その子はやっかいにも俺にしか見えない。 しかも、なんと異世界から来たと言うではないか。 かくして、異世界から来た少女は俺たちの平凡な生活をどのように変えてくれるのか!? ……ってどこの漫画だこれ
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ク「こちらの方の番外編《一三章》~番外編《一五章》のほうでこの小説の飛鳥、九十九、理緒が登場しています。本編の方もとても面白いので、もしよろしかったら、ごらんください。それでは改めて失礼します」




