act27~月明かりの下で~
更新大変遅れてしまいました。自分の都合とスランプが重なり、こうして一カ月という長い日が過ぎてしまいました。
いつも以上に駄文の可能性が高いですが、第3章ラストよろしければ見てください・・・。
~side 飛鳥~
あの後、僕たちは理緒の研究所に向かい、そこで改めて怪我の治癒や情報の整理などを行うことにした。
そして、ここは理緒の研究所。
「とりあえず、皆の具合を確認しよう。僕はとりあえず大丈夫。2人は?」
「まだ、ちとだるさはあるが、それだけだ。それほど支障は無い」
「一番危険なのは私ですかね・・・。まだちょっと息苦しいです・・・けど、飛鳥の術のおかげでだいぶ良くなりましたし、この分なら夕方には普段の調子に戻れそうです」
聞く限りでは、皆大丈夫みたい。よかった・・・。
「とりあえず具合に関しては様子見ってことで。次は・・・」
「情報整理じゃな。色々と起こりすぎた。戦いが終わって落ち着いている今やってしまうのが一番いいじゃろう」
「そうですね。とりあえず私が聞いておきたいのは、あのメリルとか言う少女・・・。あれが、魔界の連中・・・って奴ですか?」
「そうみたい。あの子、魔界四天王の一人とか言ってたし、事件の黒幕はやっぱり魔界。それも下手をすれば魔界全てが敵・・・なんてこともあり得るかもしれない」
「しかし、解せないのはなぜこのタイミングでの襲撃なのか・・・。奴らが関わっているのは妾の知る限り、飛鳥と出会った時と、昨日、そして今日の3つ。とはいってもこの世界に魔術が広がってしまった時点で後手に回っているから、奴らからしてみれば丁度の時期だったのかも知れんのぉ」
”あの、ちょっとよろしいですか?”
僕たちがメリルに関して話を進めていると黎羅が質問をしてきた。
「どうしたんじゃ、黎羅」
”いえ、現在人間界では霊力が魔力に変換されて言っているんですよね?”
「あぁ、この地域一帯だけだがな」
「けど、なんで今更そんな話を?」
”理緒さんですよ”
「え、私ですか?」
黎羅が理緒を名指しで言う。
”この地域一帯の人間の霊力が魔力に変化していると言うことは、すなわち霊術も魔術に変化するはず。つまり、今この地域で霊術を使えるのはおかしいんです”
「あ・・・」
「そう言えば、そうじゃな・・・。なぜ思いつかなかったんじゃ妾・・・」
僕と九十九は黎羅に言われて気がついた。
「(もしや・・・)理緒、お主何か肌身離さず身につけている物はあるか?」
九十九が少し考え込んだと思ったら、理緒に質問を投げかけた。
「えぇ~と・・・、お婆ちゃんの形見なら普段から」
「ちと、みせてくれ。あぁ、くれぐれも外すんじゃないぞ。妾の考えが正しければ・・・」
理緒は首元から服に手を入れて何かを掴んだかと思うと、それを取り出して見せた。
「勾玉・・・?なんだか不思議な感じの勾玉だね」
「はい、お婆ちゃんが肌身離さず持っていたもので・・・死んじゃうちょっと前に、教えることは全部教えた。受け取れ、卒業記念だとかいって・・・」
「そうなんだ・・・」
僕と理緒が話していると・・・
「やはり神器か・・・名は八尺瓊勾玉・・・」
九十九がそんなことをさらっといった。
「や、八尺瓊勾玉ぁ!?日本に古くから伝わる三種の神器の一つじゃないか!!」
「うむ、しかし飛鳥の言っている八尺瓊勾玉とは厳密には違う。妾の言う神器と飛鳥の知っている神器は別物じゃ」
九十九は僕が驚いているところにそう言ってきた。
「違う・・・とはどういうことです?」
理緒はすぐさま九十九に問いかける。
「妾の言う神器・・・。それは、ハジマリが能力により創り出した、最高の道具。種類としては武器、防具、装飾品など様々な形で存在しているが・・・そのほとんどはハジマリの消滅と同時に消え去った・・・。消滅せずに残っていると言うことは、その神器、神威クラスと言うことか」
「神威クラス?」
また新しい単語が出てきた。
「うむ、神威クラスとは、神器に与えられたランクのことでな。本来の神器は創造主が消滅すれば、消えて無くなる。しかし、神威クラスと呼ばれる神器は創造主の力から外れ、より強力な力を秘めている。故に消滅することはない」
「ふむ、しかしなぜ神器だとわかったんです?」
「なに、妾も神器持ちの一人じゃからな」
へぇ、神器持ちなんだ・・・って
「「神器もってるの(もっているんですか)!?」」
僕と理緒が同時に驚く。
「一応、な。じゃが今は持っていない。幻界に置いてきたからな。神器を持つ者は神器を知ることが出来る。無論、意識すれば感知も可能じゃ。まぁ、今回はまさか神器があるとは思わなくて意識していなかったから見逃してしまったがの」
いや~失敗失敗、とかなんとか言ってるけど・・・いいのかそれで。
「神器を知ることが出来るってことは、八尺瓊勾玉がどういったタイプの神器かもわかるんですよね?教えていただけませんか?」
理緒が九十九に聞いた。
「うむ、この勾玉の秘めた能力、それは『増幅』と『隠蔽』と『促進』・・・最後に『守護』じゃ」
「「よ、四つつも・・・!?」」
僕と理緒は同時に呟く。なんか聞くだけじゃとんでもない能力なんだけど。
「『増幅』と『守護』は私も予想してましたけど、『隠密』と『促進』というのは・・・」
「では、一つ一つ説明して行こうか。『増幅』とは、まぁ言葉の通りじゃな。持ち主の力・・・理緒の場合は霊力をもともと理緒の持っていた分に+する。次に『隠蔽』か、これは理緒のもつ霊力を悟られないようにするための力じゃな。事実、妾は理緒が術を使うまで一般人より毛が生えた程度の霊力しか感じられなかったし、それしか持ってないと思っていた。実際はとんでもないことになっているだろう。んで、『守護』も文字のまま、持ち主の霊力を守っている。だからこそ理緒は霊力が魔力に変化していない」
「す、すごいね・・・神器って」
九十九の話を聞いて唖然としかできない。そんな強力なものが存在するなんて・・・
「何言っておる。八尺瓊勾玉の真骨頂はまだ説明してない『促進』じゃぞ?」
「え、この時点で十分すごいよ・・・」
「持ち主の私が言うのもなんですが・・・飛鳥の言い分に賛成です」
「んじゃ、もっと驚愕してもらうかのぉ。・・・『促進』の説明じゃ。これは、いわゆる積み重ねによって増える霊力の量・・・霊力に限らず、あらゆる力は年を重ねたり、修行をしたり・・・そう言った経験を積むことによって増えていく。その経験を何倍・・・いや、下手すれば何乗かもしれん、とりあえず数値を用いて例えると、霊力を50持っている人間が1回訓練することで、52の霊力を持てるようになるのが、八尺瓊勾玉を持っている人間が同じ訓練をすると、54とか58とか、とりあえず1回の訓練で複数回分の訓練を積んだことになるのじゃ」
「それは、私はほかの霊術師からしてみれば異常な成長を遂げている・・・と言うことですか?」
「うむ、ちなみにそれをつけてどれくらいになる?」
理緒は九十九に質問されて、考えこむ様に腕を組んだ。
「・・・9歳からですので、約6年ですかね」
「となると、お主は21年分の霊力を秘めているわけか。年を重ねることで増える霊力も人によって変わるし、お主かなり強力な霊術師に認められたんじゃろう?となると、かなり膨大な霊力になっているかもしれんな」
な、なんかもう、
「頭痛くなってきたよぉ・・・」
”主、大丈夫。私もついていけないから・・・(キリッ)”
”誇る事ですか、覇剛!!”
”私は、戦いが専門だから・・・”
”あぁもう!戦いの時は、私より良い戦術とか閃くのに、なんで戦闘が関わらなかったらからっきしなんですか!!”
”それが、私・・・!!(キリッ)”
”「「誇るんじゃない!!」」”
「Σおぉう!?」
黎羅と覇剛がコント始めたかと思ったら、覇剛に皆が突っ込みを入れた。いきなりだったからちょっと驚いた。
”はぁ、とりあえず、理緒さんの秘密はわかりましたね”
「はい、九十九。ありがとうございました」
「んぁ、かまわんよ。それより、そろそろ外に出ないか?だいぶ時間もたったし、全員回復しただろう?それに、妾達は海斗達に連絡をしなければな」
「・・・あぁ!!すっかり忘れてたぁ!!皆心配してるよぉ!!」
九十九に言われて思い出した。まずい、怒られる・・・!!
「行こう!!」
僕たちは慌てて外に出た。
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外に出て見ると警察の人がたくさん参道にいた。僕たちは適当にはぐらかして、避難所の場所を教えてもらってそこに向かった。そこで僕と九十九は海斗と詩織に会うことが出来た。
「飛鳥、九十九!!無事だったか!!心配したぜぇ!!」
「本当よ!!2人とも、避難所のどこを探しても見つからなくて・・・、死んじゃったのかって・・・本当に心配したんだからね!!」
「うん。本当にごめんね。心配かけちゃって」
「あの騒動の時に参道のそばの森の方に避難しててな。怖くて怖くて、いつの間にか妾達気絶しておったんじゃ」
(し、白々しい・・・!!)
九十九の説明がとてつもなく白々しくて、なんだか微妙な心持になる。
”九十九殿が気絶する・・・?想像できないのですが・・・”
”同じく・・・”
(お主ら、後で焼いてやる・・・!!)
何やってるんだろう、この3人・・・。
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まぁ、そんなわけで海斗や詩織も安心させて一息ついていると、避難所にこんな知らせが舞い込んできた。それは、
「祭り中止かぁ、しゃーねぇよなぁ。あんなわけわからねえ騒動起きて一応終わったからって、やるわけないか」
「そうね。私は今回遅れて参加したから、全然楽しめてないけど・・・。しょうがないわよね」
そう『祭りの中止』という知らせが舞い込んできたのだ。祭りが中止すると言うことは、この後やるはずだったことも行われないわけだ。つまり
「理緒の舞、中止になっちゃうんだ・・・」
「理緒はずいぶんと張り切っていたのだろう?そう考えると・・・悔しいの」
理緒が行うはずの舞も中止になってしまうのだ。僕たちが話してると、
「しょうがないですよ」
と、理緒の声が聞こえた。
「理緒・・・」
「無理に祭りを続けて、舞いたいとも思いません。そんな状況で見てもらったって、意味がないですから」
理緒はそう言って笑顔を見せる。けどその笑顔は今にも泣きそうな顔だった・・・。
「おぉ~い!!飛鳥!!九十九!!帰ろうぜ~」
僕たちが理緒と話していると後ろの方で海斗がよんでいるのが聞こえた。
「ほら、お友達が待ってますよ。早く言ってあげてください。それじゃあこれで!!」
「え、あ、ちょ!!」
理緒はそれだけ言うと後ろを向いてさっさと行ってしまった。
「飛鳥!早く帰ろうよ~!!」
詩織も呼んでいるので、とりあえず僕たちは2人の元に向かい、一緒に帰路についた。
「・・・ねぇ、九十九」
そんな中僕は九十九に声をかける。
「なんじゃ?」
「理緒のことだけど・・・」
「・・・」
僕がそう言うと、九十九が無言になる。それを気にせず僕は続ける。
「僕ちょっと考えてることがあって・・・」
「ふむ、奇遇だな。妾も考えてることがある」
僕が考えを言おうとすると、九十九も考えがあると言う。それを聞いて、僕は反射的に笑う。九十九も同時に笑う。
「考えてること、一緒みたいだね?」
「じゃなぁ。妾もお主も、似た者同士ってことかのぉ?」
僕たちはいったん間をおいて、同時に言う。
「「行こう!!」」
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~side change 理緒~
「・・・」
私は今、自分の部屋にいる。そして目の前にあるのは、今日着るはずだった、舞の服装。 四季の花が描かれた和服なのだが、袖がとても広く、足首あたりまで垂れていて、さらに、下半身の方は動きにくくないように、広がりやすくなっている。
私はそれを手に取り、着替える。
「・・・よしっ」
着替え終わると、金華を持って外に出る。場所は舞をするはずだった舞台。外はもうすでに日が落ちて、真上には月が見える。あたりは外灯一つないのにとても明るい。満月の明りだけがこの場所を照らしている。
私は舞台の上に上がり真中に立つ。そして、舞の始まりの動作に入る。
その時、
「待ってました!」
「おぉ、やっと始まるのか遅いぞ」
「・・・え?ど、どうしてここに・・・」
ここにいるはずのない2人がいた。
「なんでここにいるか?聞くまでもないと思うよ」
「じゃな。ここに来る理由なんて一つしかないじゃろう?」
飛鳥達が呆れたように言う。
「「見に来たのさ。友達の晴れ舞台を、特等席で」」
2人の言葉を聞いて、私は目が熱くなった。そして、涙がとめどなく溢れてきた。
「う、ヒック。あ、ありがどぉ!2人どもぉ!!ありがどぉ!!」
私は泣きながら2人にお礼を言う。
「ほれほれ!泣くでない!泣くのはいつでもできるじゃろう?」
「そうそう!この舞台は今しかできないんだから、しっかりね!」
九十九と飛鳥が私を励ましてくれる。
「うぅ・・・。はい!!」
私は涙を手の甲で拭いて言う。そして中断した始まりの動作に入る。
「・・・では、今宵お越しいただいた大切な大切な友達へ一つ。どうか、最後までお付き合いください」
私の問いかけに2人は笑顔で、
「「もちろん!!」」
と答えてくれた。
そして私は舞う。舞う。今、この時一瞬一瞬に思いを込めて。
舞う。舞う。優しい友達に感謝して。
舞う。舞う・・・。
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理緒の涙が舞うたびに宙にまい。月明かりに光り輝く。その中を舞い続ける。
飛鳥と九十九は言う。この時見た舞ほど素晴らしいものは今後見ることはない。と・・・。
今、中止とされた祭りは、友情の元に静かに幕を閉じたのだった・・・。
ク「長かった3章もこれにて終了です。そして長い間小説を更新できず、大変申し訳ありませんでした」
飛「スランプなのかどうかわかりませんが、最後のシーンに納得いかずに何度も書き直して書き直して、リアルの都合も響き、ここまで更新が伸びてしまいました」
九「読者の皆様が納得する出来かどうかはわからぬ。しかし、作者はこれが精一杯じゃ。これだけ待たせてこんな駄文かよ。と思うかもしれぬ、じゃが今回はご容赦していただきたい」
理「今後ともこの小説は誤字脱字などのご意見や、感想などをお待ちしています」
ク「畑山香樹様、蛍夜様、victor様、感想ありがとうございました」
4人「それでは、失礼します」




