act25～今、開く運命（ハジマリ）の門～
～side 三人称～
依然、飛鳥達の不利な状況は続く。
ようやく体が動くようになってきた飛鳥。
いまだに立ち上がることがやっとな九十九。
そして、メリルの操る瘴気の蔓に捕えられ、危険な状態の理緒。
飛鳥と九十九は理緒が捕まっているため、迂闊に攻撃の出来ない状況だ。
「せめて・・・妾が動ければ、まだ勝機はあると言うのに・・・！！」
「むダ、ムだ♪あきラメナよ。君たチじゃ、あたイはタオセない♪」
メリルは九十九の言葉を嗤う。飛鳥は俯いている。
「諦めるか・・・」
不意に、飛鳥がいった。
「諦めてたまるか・・・！！理緒を、大事な仲間を、友達を傷つけられて、諦められるかぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！！！！！！！！」
飛鳥は飛び込む、メリルに向かって。
「おぉおおおおおおぁああああああああああああああああ！！」
我武者羅に覇剛を振る。
「アハハ！！いいヨ！あそんデほシイなら、アソンであげる！！」
メリルは淡々とそれを避ける。そして、我武者羅に攻撃する飛鳥の隙を見て腹を蹴り飛ばす。
「うぐぇ・・・がはっ！！」
腹を蹴られた飛鳥は血を吐いて後ろに転がっていく。
”落ち着いて・・・お願い、心を静めて主！今のままじゃ、駄目！！”
”主、今のあなたは我を忘れている！そんな状態で剣を振り回すだけでは駄目です！！”
覇剛と黎羅が飛鳥に言う。
「わかってる。今のままじゃ無駄なあがきだって・・・」
飛鳥は２人の言っていることを理解している。しかし、
「それでも、やらなきゃいけないんだ・・・諦めたら駄目なんだ！！理緒を助けるためにも・・・！！」
飛鳥は前を見据えながら言う。
「諦めるわけには・・・行かないんだぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！」
飛鳥は吼えた。
その時、
----ポーン----
””「！？」””
飛鳥、黎羅、覇剛に何かが聞こえた。それは、
「上・・・？」
飛鳥が上を見て、固まる。
「飛鳥・・・？」
九十九もつられて上を見る。すると、
「こ、これは・・・！？」
空一面に巨大な陣が浮かんでいた。
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～side change 飛鳥～
空一面に浮かぶ巨大な陣。そして、そこから６つの光が真っ直ぐ僕の所に落ちてくる。
その光は赤、青、緑、茶、金、銀の光で、僕の周りに来たかと思うと、僕を取り囲むように静止した・・・。
６つの光の中心に立つ僕は全ての光をその身に受ける。その光はなんだか・・・。
（心地よくて・・・暖かくて・・・何より）
「力を感じる」
すると、仕舞っていた黎羅が目の前に突然現れる。あれ、僕具現させてないはずなんだけど・・・？
覇剛も僕から離れて黎羅の隣に行く。
”これは・・・？”
”力を感じる・・・”
すると、６つの光は３つずつに分かれ、赤、茶、金の光は覇剛の周りを、青、緑、銀の光は黎羅のを回り出した。
回る速度はどんどん速くなっていき、そして・・・
ピン！！
ふと光が伸びて、黎羅と覇剛に流れ込んでいく。
”っ！！”
”力が・・・漲る・・・”
覇剛と黎羅はその光を受け力が漲ったようだ。そうして２人はそれぞれ僕の中に戻る。
続いて６つの光は僕を再び取り囲み、回り出す。
「これイジョウはサセなイ！！」
するといままで唖然としていたメリルが僕に突撃してきた。
（まずい！？）
突然のことで僕がやられる！と思うと、
６つの光がさらに強くなり、その光が、
「キャァアアアアアアア！？」
メリルをあっさり吹き飛ばした。
吹き飛ばしたかと思うと６つの光は僕に突っ込んできた。
「え、うわぁああ！！？」
光が入りこんだ僕の体は６つの光を放つ。
----キィーーーン----
そして、僕の頭に何かが流れ込んでくる。これは・・・。
「属・・・性術・・・？」
火、水、風、土、日、月の属性のことが頭の中を駆け巡る。しかし、不快な感じはしない。むしろ心地よい。
全ての情報が流れ終えた時、
”主、”
”主・・・”
黎羅と覇剛の声が聞こえた。
「うん、２人も感じた？」
僕は２人に聞く。
”感じました。大きな力の脈動をそして、”
”新たなる力の、目覚めを・・・”
「なら、行こう！」
”はい！”
”ん・・・！”
僕は吼える。新たに芽生えた力、そして僕に答えてくれた存在に向かって。
《具現せよ、我が力・・・！！大いなる結晶よ・・・！！》
「来い！！」《クリスタル・コア解放！！》
僕から光が出てくる。そして、それは僕の周りを漂う。数は６つ。
「クリスタル・コア・・・！？まさか、ハジマリの祭壇への道が再び開いたと言うのか・・・！！？」
九十九が何かを言っているけど気にしない。
「黎羅！覇剛！行くよ！！」
”わかっています！！”
”反撃、開始・・・！！”
《具現せよ、新たなる力目覚めし、剛撃の剣！！そして、柔連の剣！！》
「おぉおおおおおおおおお！！」《覇剛・砕牙！！黎羅・連牙！！》
右手に赤、茶、金の光を刃に宿した覇剛が具現する。
左手に青、緑、銀の光を刃に宿した黎羅が具現する。
僕はそれを確認すると。再び前を見据えて宣言する。
「まってて、理緒・・・僕が、絶対に君を守る！君の思い、君自身、全てを！！」
僕は覇剛を一度戻し、黎羅を構え、突撃する。
「行くぞ！メリル！！理緒を、返してもらう！！！」
反撃が、始まった。
ク「次回、いよいよ第３章バトルパートラストです。長々とやってきましたが。ようやく第３章も終了しそうです」
ク「第３章が終わったら今までの話の裏や、第４章に至るまでの幕間などをやっていきたいと思います」
ク「畑山香樹様。いつもいつもこんな駄文に感想ありがとうございます。」
ク「それでは、失礼します」
