第10章 ― 肌の絆
私たちは、誰も名前をつけたがらない重い空気を抱えたまま家へ戻った。
ナラは落ち着かず、どうやって両親に「私たち全員が裸で眠る必要がある」と説明するか、言葉を探していた。
けれど私の不安は別のところにあった。
もっと深く、もっと暗いところに。
私と一緒にいることで、彼らの娘が弱っていく。
その事実だった。
それでも――
ゲータとフレデリックのキスのあと、私は信じられないほど力に満ちていた。
満たされていた。
彼らが愛を与え続けてくれる限り、
ナラはもう危険にさらされない。
それは分かっていた。
でもアサコがそれをすぐ理解してくれるとは思えなかった。
私は怖かった。
子どものように。
必死に。
何度も私を救ってくれたこの家族から、
離されてしまうことが。
あの二人は、私の感情を揺さぶった。
理解できない形で。
確信を奪い、
足元の地面を動かした。
私はもう誰も失いたくなかった。
夕食はすでに終わっていた。
それでも誰も、学校で起きたことを話す勇気を持てずにいた。
だがアサコはすぐに気づいた。
何かがおかしいと。
私を一目見ただけで、
私の最後の抵抗は崩れた。
— ごめんなさい……
私は小さく言った。
— どうか……ナラを医者に連れて行ってください。
父は息を詰まらせた。
彼の肩が強くこわばるのが見えた。
しばらく何も言わなかったが、
目には恐れがあった。
守れないかもしれないという恐れ。
自分の娘を。
理解すらできない何かから。
「もし彼らが嘘をついていたら?」
彼は疑い深く言った。
— 嘘じゃない。
私はためらわず答えた。
— 誰が嘘をついているか、私は分かる。
彼はゆっくりうなずいた。
深く息を吸った。
避けられない戦いを受け入れる人のように。
「彼らは……あなたの両親と同じなの?」
アサコが尋ねた。
— いいえ……
一度、声が途切れた。
それでも私は続けた。
— 彼女の愛は、母のものよりずっと強い。
— しかも、あれはたった一割だと言っていました。
アサコは眉をひそめた。
「信じがたいわね……」
「触れたらヨーコを殺してしまうかもしれないって言ってた」
ナラが付け加えた。
母は再び私を見た。
「ヨーコ、あなたはどう感じているの?」
— 人生で一番いい気分です。
私は正直に答えた。
— 両親が生きていたころよりも。
それでも彼女の表情は柔らがなかった。
「そう」
彼女は静かに言った。
「でもあなたはもう一人じゃない」
彼女は立ち上がった。
廊下へ行き、
寝具を持って戻ってきた。
それを素早くソファの上に置いた。
それから私たちの部屋へ行き、
マットレスを持ってきて、
居間の隅に押しやった。
「ママ!」
ナラが驚いて叫んだ。
「ヨーコは誰かと一緒に寝ないといけないのよ」
アサコは娘を厳しく見た。
そして夫を呼んだ。
「私たちのマットレスを持ってきて」
「これの隣に置きましょう」
胸に温かい安堵が広がった。
「あなたたちは?」
アサコは言った。
そして迷いなく服を脱ぎ始めた。
何のためらいもなく。
やわらかな居間の灯りの中で、
裸の体をさらしながら。
「何を待っているの?」
彼女は続けた。
「全部脱いで、布団に入りなさい」
「お父さんの前で恥ずかしくないように」
そして少し笑った。
「もし裸を見たくないなら、反対側を向けばいい」
「そのうち慣れるわ」
それは恥ではなかった。
それは――
守ろうとする意思だった。
勇気だった。
そして何より、
愛だった。
アサコは私を、自分とナラのあいだにそっと横たえた。
二人の体の温もりが、生きた毛布のように私を包み込む。
腕のやさしい触れ方。
重なり合う呼吸のリズム。
肌と肌が触れ合う安心感。
それらすべてが、
温かな波のように私の中を通り抜けていった。
私はアサコのほうへ体を向けた。
そして顔が彼女の胸に触れた瞬間、
私の中で何かがついにほどけた。
笑いがこぼれた。
涙もこぼれた。
言葉はうまく出てこなくて、
ただ彼女の肌に顔を押しつけたまま、
途切れ途切れに息をついた。
幸せがあふれていた。
あまりにも強くて、
胸が痛むほどの光のように。
私は愛されていた。
深く。
そして、痛いほどに。
そして――
両親を失ってから初めて、
私は感じていた。
もう一人で戦っているわけじゃないのだと。




