第8章 ― 見知らぬ者たちの視線の下で
翌日の再会を思うと、ほとんど眠れなかった。
隣ではナラが深い眠りに落ち、重たい呼吸を繰り返している。
私はというと、目を閉じても眠れず、落ち着かないまま横になっていた。
彼女の温かい肌に触れたくて、
思わずナラのネグリジェを引き上げてしまいそうになる衝動と戦いながら。
不安は、私にとって最悪の敵だった。
不安が強くなるほど、
体はさらに愛情を求める。
そしてその愛情が必要になるほど、
さらに不安が増していく。
残酷な循環。
もし私がそれを断ち切る方法を学ばなければ、
誰も長く私を支え続けることはできない。
前夜の嵐は街の一部を破壊していた。
私たちは授業に遅れてしまった。
慌てて教室へ向かう途中、
私は例の謎の二人のことを完全に忘れていた。
年上に見えたから、
休み時間にどこかで見かけるだろうと思っていた。
まさか――
同じ教室にいるなんて。
でも、そこにいた。
教室の一番後ろの席に。
衝撃は一瞬だった。
前を向いたままでいようとした。
でも無理だった。
二人の目に宿る神秘。
そして、ほとんど不公平なほどの美しさ。
それが私の感覚を刺激した。
まるで胸の奥に灯りがともったみたいに。
私はナラの手を探した。
彼女は迷わず差し出してくれた。
その手の温もりが、
私を現実につなぎ止めていた。
最初の授業は歴史だった。
テーマは――アカデミー。
アカデミーは千年の間、地球を統治していた。
民族戦争のあとに誕生し、
人類絶滅を防いだ最後の砦だった。
地球は、私たちがしたことの代償を容赦なく求めた。
かつて人類は何十億もいた。
今では、その時代の記憶すらほとんど残っていない。
「アカデミーは世界を三つの区域に分けました」
教師が説明した。
「私たちは第三区域。
中心から遠く離れた場所です」
彼女は続けた。
「アカデミーが崩壊したとき、気候は狂い、
生き延びること自体が困難になりました」
— 私の母は、アカデミー崩壊の日に生まれたんです。
— ただし、ずっと後の年に。
私は軽く言った。
「他に質問はありますか?」
教師が教室を見回した。
「デルゴン植民地と……“ユナイド”については?」
ゲータが質問した。
教室の視線が一斉に彼女へ向いた。
「その件については、ほとんど噂しかありません」
教師は答えた。
「何か知っているのですか?」
ゲータはうなずいた。
「では、皆に話してくれますか?」
教師は言った。
彼女は立ち上がった。
軽やかに――
ほとんど小走りのような動きで。
私は思わず微笑んでしまった。
その仕草があまりにも……人間らしかったから。
「彼らとアカデミーの間に直接の戦争はありませんでした」
彼女は話し始めた。
「本部が襲撃されたとき、生き残った人々はデルゴンへ逃げました」
「そこは岩だらけの惑星で、
大気もありません」
彼女は続けた。
「彼らは地下都市を築きました」
「三万人。
古い宇宙船で脱出できた人数は、それが限界でした」
彼女は――私を見た。
まっすぐに。
「そして“ユナイド”と呼ばれる人々もいました」
教室は静まり返った。
「彼らはアカデミーに守られていました」
「およそ二千人ほど」
「彼らは地球を離れることを拒み、
極秘の場所へ移されました」
彼女の声は静かだった。
「保護された理由は、
彼らの特異な性質でした」
彼女の視線が、私の目に落ちた。
「非常に高い知能。
そして――」
少し間を置いた。
「人間よりもはるかに強い、愛情への必要」
教室の全員が私を見た。
「触れ合い。
愛情。
それが彼らの呼吸のようなものだった」
私は思わず笑った。
— じゃあ、私ってその子孫なんでしょうか?
ゲータは優しく首を振った。
「いいえ。
偶然でしょう」
そして少し微笑んだ。
「それに……彼らはつり目ではありませんでした」
教室が笑いに包まれた。
教師は軽く咳払いをした。
「あなたの名前は……ゲータ・リーベ、でしたね?」
ゲータはうなずいた。
「ヨーコのことを知っているのですか?
彼女が少し特別だということも?」
教師が尋ねた。
「昨日、会いました」
ゲータはそう言って、私に微笑んだ。
「ヨーコは……とても特別です」
少し視線を横に移し、続けた。
「それに、とても魅力的な姉妹もいますね」
ナラが赤くなった。
それは珍しいことだった。
私はそれが嬉しかった。
「その“ユナイド”という人々については、私は知りません」
教師が言った。
「ですが彼らは確かに存在しました」
フレデリックが静かに言った。
「彼らは最も豊かな土地に住んでいました」
「そして――」
彼は少し笑った。
「完全に無害でした」
教室が静まり返った。
「最終的に、アカデミーの総裁アダル・オドリエンは
自分がユナイドであることを明かしました」
彼は続けた。
「そしてデルゴンへ逃げる代わりに、
自分の民と共に残ることを選びました」
その瞬間、チャイムが鳴った。
私の胸は熱くなっていた。
授業が終わると、私はすぐ二人のあとを追った。
ユミとアイコも一緒だった。
理由は何でもよかった。
もう一度彼らに触れたかった。
あの海辺で感じたエネルギーを、もう一度。
— こちらは友達のユミとアイコ。
私は紹介した。
— 姉妹なの。
二人は礼儀正しくお辞儀をした。
ユミはフレデリックを見つめていた。
まるで、太陽を近くで見てしまった人みたいに。
眩しさと魅了が混ざった目で。
— 結婚してどれくらいになるの?
私はわざと大きめの声で聞いた。
周りの誰にも聞こえるように。
フレデリックは少し微笑んだ。
「君が想像できるより、ずっと長いよ」
いつものように、はっきりとは答えなかった。
そのとき、アイコが後ろから私を抱きしめた。
顔を私の肩に押し付ける。
私の体はすぐ反応した。
あの笑顔。
いつも勝手に浮かんでしまう笑顔。
ゲータはそれを見ていた。
しばらくして、彼女は言った。
「話があるの」
彼女の声はとても優しかった。
「でもその前に、
私たちの本を取りに職員室へ行かないといけない」
彼女は少し近づいた。
「待っていてくれる?」
そして、柔らかく言った。
「私の天使」
その二つの言葉だけで、
私の体は一瞬で温かくなった。
— 桜の木の下で待ってる。
私は答えた。
そしてそのとき初めて、
真剣に思った。
もしかしたら――
私は本当に、
ユナイドの最後の一人なのかもしれない。




