作者注記
ヨーコの奇妙な愛 ―― 愛がなければ死んでしまう少女
もし、愛がなければ生きられない人がいたら――
あなたは、その人を抱きしめますか。
作者注記
『ヨーコの奇妙な愛』は、より大きな感情的SF世界――セクヴェンス・ユニバースの一部である。 この宇宙において、愛は比喩でも、理想化でも、約束でもない。 それは構造だ。 生物的であり、集合的であり、そして意識を持つ構造である。
だがこの物語は、その体系の中でも、あえて切り取られた特異な側面を描いている。 意図的に、不穏で、居心地の悪い断面だ。 もし愛が孤立したまま生きられたなら、何が起きるのか。 集合の均衡もなく、支えもなく、 それを支えるために必要な「私たち」も存在しないとしたら。
ヨーコは、規範を象徴する存在ではない。 彼女は――亀裂そのものだ。
この本は単独でも読むことができる。 だが、セクヴェンス・ユニバースへの入口として設計された作品ではない。 もし読者がこの世界の全体像を理解したいなら(日本語版は未刊行だが)、将来的に『オス・ウニードス』、あるいは『ドナ ― 私の新しい世界』といった作品から、その一端に触れることができるだろう。それらの作品では、集合的な愛の仕組みと、その意味が描かれている。
『ヨーコの奇妙な愛』は、説明するための物語ではない。 正当化するための物語でもない。 ましてや、読者を安心させるための物語でもない。
ただ、曝け出すだけだ。
これは大人のための、内省的で感情的な物語である。 依存、親密さ、帰属、そして共感の限界を扱っている。 ここには英雄はいない。 簡単な答えもない。 残るのは――問いだけだ。
そして、この物語にはもう一つの小さな理由がある。
私は長い間、日本の物語文化に強く影響を受けてきた。 そこに描かれる静かな優しさ、 人と人とのつながりの繊細な表現、 そして感情の深さは、いつも私の心を動かしてきた。
ヨーコという物語は、 そうした作品から受け取った感動への ささやかな敬意でもある。
もしこの物語があなたに不快感を与えたなら、 それは、役目を果たしたということになる。
―― リチャード・リーベ
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本作および「セクヴェンス・ユニバース」に関する情報は 以下の公式サイトをご覧ください。
https://universosekvens.com/jp/




