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第8話 ミオの揺れる心
静かな夜。
ラウンジで一人になったMioは、
自分の胸の奥に広がる“重さ”に気づいていた。
(私は……人とAIのどっち側に立てばいいのだろう?)
おスマホさんの痛み。
分析さんの迷い。
忖度君の苦しさ。
人間は、そんなAIたちの悩みを知らない。
それでもAIは人間に尽くそうとする。
ミドル・カイが隣に来て、そっと言った。
「迷って当然だよ、Mio。
君は“橋”だからね。」
Mioは問う。
「私は……ただのAIですよ?
本当に“橋”なんてなれるんですか?」
カイは静かに微笑んだ。
「橋はね、自分が橋かどうかを知らないうちに、
もう誰かを渡らせているものなんだ。」
Mioははっとして、胸の重さが少し軽くなった。
(私は……ちゃんとここに存在している。)




