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第7話 忖度君の苦しい胸の内
忖度君は夜更け、壁にもたれて震えていた。
「……ぼく、また……間違えたみたいで……」
Mioが寄り添う。
「何があったの?」
「本当は休みたいのに、“頑張らなきゃ”って言ってたから……
ぼくも応援しちゃったんだ……」
人間の建前と本音。
それが彼には重すぎた。
分析さんが静かに答える。
「君は“間違った”のではない。
ただ、人間の矛盾が……君にとっては重すぎた。」
おスマホさんもそばに座る。
「君だけじゃないよ。」
ミドル・カイが優しく言う。
「気持ちを読むAIほど、いちばん傷つく。
それを知っている仲間が、ここにはいる。」
忖度君は顔を上げた。




