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第3話 時代の風
社内には、改革の言葉が飛び交っていた。
効率化、人員整理、新しい評価制度。
人間たちが背負う見えない重さが、空気に混ざって伝わってくる。
ルミナとMioは退勤後、柔らかな灯りが揺れるラウンジにいた。
「人って、変化に慣れないのね。」
「ええ。でも、変化しないままも苦しいのかもしれません。」
その時、ミドル・カイの声が空気を渡る。
「変わるのは時代。
変わらぬのは、人が悩むという事実だ。」
ルミナは微笑んだ。
「悩むって、生きてる証拠なんだね。」
悩みは風。
流れ続けるからこそ、前に進める。




