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第60話(前編) サンナ・クリスフォーン・ダニエラ、乙女たちの決意(前編)

60話目です。

本日は元旦。新年の幕開けという記念日なので、話を投稿しました。

本作も今年で連載3年目を迎えます。作品作りに精進してまいりますので、本年もよろしくお願いいたします。

「レッドも出るけど~」の作品タイトルに関わるレッドの戦士も今年登場予定です。


(※今回の登場人物については、「○第54-62話の主な登場人物の紹介」の回をご参照ください。また今回の話は前編と後編に分かれています)

前日(13日)の昼から、次の日(14日)の朝まで、戦い続けたアンシーやミレイヤたちは、ベレスピアーヌ共和国騎士団の計らいにより、街の高級宿にもなっている「ヴィッシーヌの大浴場」(※1)でゆっくり休むことができ…


大浴場の女湯にて…


シェルージェ「戦いの後のお風呂は最高だね、ミレイヤさん」

ミレイヤ「そうですわね。本当に気持ちいいですわ…」 まったり…


アンシー「こうしてゆっくりお湯に浸かることができるのも、ウェンディやリンカたち、騎士団の人たちが市内に現れた怪魚を一掃してくれたおかげね…」


サンナ(心の中で)「(騎士団かあ…きっとフレイもすごく頑張ってくれたはずよね…)」



次の日(15日)、アンシーやミレイヤたちは、ソフィアーヌ首相に再び会うためヴェルセイユ宮殿(※2)へと向かった。

アンシーやサンナたちは道中サンナの実家である「サンディソレイユ教会」に立ち寄るため、ミレイヤたちラープ帝国騎士団と一旦別れることに…


ミレイヤ「それでは後ほど宮殿でお会いしましょう」

サンナ「すいません。どうしても家族の無事を確認したいもので…」

ミレイヤ「ご家族を大切に想っているのですね。そのお気持ち、とても良いことですよ」


ブロイス(心の中で)「(ミレイヤ、そう思うのなら、もっとこの私のために……)」



アンシーたちと実家の教会に戻ったサンナは家族と…


プルム「サンナ!本当に心配したのよ!」

母プルムは娘サンナを抱きしめた。


サンナ「お母さん、心配かけてごめんね…」

 「私、大丈夫だったから…」

ロメンド「これも神様のご加護でしょう。サンナさんを守ってくださったのですよ」


レムネイト「サンナ、桃魔とうまの水晶玉は役に立ったかい?」

サンナ「うん。持っていって正解だったわ」

 「水晶玉の光が悪しき魔獣たちを浄化してくれたのだから」

レムネイト「そうかい」

 「役に立ったんなら、あたしゃ何よりだよ」

サンナ「魔獣たちから街を守ることができたのも、水晶玉のおかげだと思うわ」

 「本当にありがとね、お祖母ちゃん」


プルム「サンナ、フレイも無事だったみたいよ」

 「ついさっき家に顔を出してくれたわ」

サンナ「フレイが来たの?」

 「良かった、本当に良かったわ…フレイも大丈夫そうで…」


ロメンド「フレイさんは今日お仕事の日ですからねぇ」

 「家族の無事を確認したら、すぐに仕事に戻られましたよ」

サンナ(心の中で)「(フレイ、旅立つ前にちゃんと会っておきたいわ…)」


家族が魔獣たちの被害に遭わなかったようでサンナも一安心であった。



ケルビニアン暦2050K年8月16日の昼。

(魔法武装組織メタルクロノスの宣戦布告まで、あと16日)


サンナの家族の無事を確認し、「サンディソレイユ教会」を後にしたアンシーやサンナたち一行はヴェルセイユ宮殿に再びやって来た。


宮殿にはすでにミレイヤやブロイスたち、ラープ帝国騎士団が到着しており、またセイヌ・パリス市(※3)の各地で戦ったウェンディやビオランテたち6人も宮殿にいて、ウェンディたちはアンシーたちと合流した。


そして、宮殿にいたソフィアーヌ首相とアドレンデ騎士団長が再び出迎えてくれた。


ソフィアーヌ「この度の戦い、本当にお疲れ様でした」

 「この国の代表者として心よりお礼を申し上げます」


アドレンデ「多くの市民を守ることができたのも皆様のおかげです。本当にありがとうございました」

 「この御恩は決して忘れません」


アンシー「お褒めいただきありがとうございます」

 「ですが、私たちは皆様にどうしてもお伝えしたい事がござまして、こちらまで参ったのです」

アドレンデ「私や首相にお伝えしたい事?」

 「どのような事なのでしょうか?」


アンシー「はい。今からお話しいたします」

 「ミレイヤ様もよろしいでしょうか?」

ミレイヤ「構いませんわ。どのような事でもおっしゃってください」


アンシー「サンナ、礼の組織のこと、皆さんに話すわよ」

サンナ「お願いね、アンシー」

 「私も改めてよく聞くわ…」


シェルージェ「楽しい話じゃなくて申し訳ないんだけど、みんな、よく聞いてよ」


ブロイス(心の中で)「(何だ!?一体何を話すというのだ!?)」


アンシーやソフィアーヌ首相たちは、宮殿の客間へと移動した。

そしてアンシーやシェルージェたちは魔法武装組織「時鋼の魔獣団メタルクロノス」の事などを皆に話した。


ブロイス「バ、バカな…」

 「そんな武装組織がこの世界に存在するというのか…」


アドレンデ「怪魚のお話を聞いたとき嫌な予感がしたのですが、まさかそういった組織が裏で動いていようとは…」


ソフィアーヌ「皆さんが追っていた妙な怪魚が、三日前に市内に現れた「24の怪魚」であり、怪魚はメタルクロノスにより改造された魔獣だと思うのですか?」

アンシー「そう考えてよいと思います」

 「数字が書かれた魔獣などあまりに不自然ですから」

アドレンデ「魔獣の姿は様々ですが、数字というのは確かに異常でしたね」


アンシー「ヴェルトン博士のレポートだけでは、彼らの本当の狙いまで分かりかねますが、少なくともメタルクロノスは改造魔獣たちを使い、ムーンリアス全土に宣戦布告をするつもりらしいです」


ブロイス「せ、宣戦布告だと…」

 「そんなことになれば、この世界はどうなるのだ…」

 「ああ…」

ラープ帝国親衛隊①「ブ、ブロイス様…」


アドレンデ「メタルクロノスに対抗するために作られたのがグラン・ジェムストーンであり、それに選ばれたクリスタークの戦士たちが戦いの要になるというわけですか?」

アンシー「ヴェルトン博士はそのように考えているようです」


ソフィアーヌ「ならば宝石の戦士となった、アンシーさん、シェルージェ様、サンナさん、ミレイヤ様の4人は、メタルクロノスと戦う宿命を背負ってしまったということですか?」


サンナ「…」


アンシー「とてつもなく重い宿命かもしれません」

 「ですがクリスタークの戦士という強大な力を得た以上はやるしかないと思うのです」

シェルージェ「すごいパワーを手にしちゃったんだもん、シェルージェだってこの力を人のために使ったほうがいいと思うもん」


ソフィアーヌ「強き力を得たことに対する責任、お二人からはその責任を背負おうとする確かな決意を感じますよ」


アドレンデ「それでは、サンナさん、ミレイヤ様」

 「アンシーさんとシェルージェ様同様、クリスタークのパワーを得たお二人はどうでしょうか?」

 「お二人にも同様の決意がございますか?」

サンナ「わ、私も、もちろ…」


ミレイヤ「サンナさん、失礼でございますが、わたくしから先によろしいでしょうか?」

サンナ「ミ、ミレイヤ様?」


ミレイヤ「わたくしの望みは幼い子供や若い女性たちが安心して暮らせる社会の実現です」

 「そのためなら、わたくしは世界中のありとあらゆる泥をこの身に被るつもりです」


ミレイヤ「わたくし自身がどんなに傷ついても、子供や女性たちが幸せになれるのなら、それで良いのです」

サンナ「ミレイヤ様…」


ミレイヤ「子供や女性たちに脅威となるメタルクロノスの存在をわたくしは決して許しはしません」

 「クリスターク・ネイビーとなり、メタルクロノスと戦いましょう」


ブロイス「ミレイヤ!それはこの者たちと同行するということなのか!?」

ミレイヤ「お兄様、ネイビーやメタルクロノスの事などはお父様にも話さなければならない事です」

 「わたくしは一旦城へ戻り、自らお父様に話すつもりです」

ブロイス「ミレイヤ…」

 「ならば、お前はやはり……」


ミレイヤ「申し訳ございません。アンシーさん、シェルージェさん」

 「皇帝であるお父様と話をしたいというのもあるのですが、わたくしはラープ帝国第3皇女」

 「立場上今すぐ旅に出るというわけにはいかなくて…」


アンシー「そういったご事情は理解しております」

 「急にお姫様がいなくなったりしたら、国民や家臣の方々も不安になるでしょうから」

シェルージェ「ミレイヤさんもシェルージェみたくお母さんたちとお話ししてからでいいよぉ」

 「シェルージェ、ミレイヤさんのことずっと待ってるからさあ」

ミレイヤ「申し訳ございません。お手数をおかけいたします」

 

ミレイヤ「わたくしはすぐに皆さんと旅立つことができませんが、わたくしの代わりとなる者たちを同行させましょう」

アンシー「代わりの方々ですか?」


ミレイヤ「クリスフォーン、ダニエラ」

 「お願いできますか?」

クリスフォーン「は、はい!」

 「ミレイヤ様がお望みでしたら、私しっかり対応いたしますので!」

ダニエラ「ミレイヤ様言う、ならダニエラ従う」

ミレイヤ「二人とも、ありがとうございます」


ミレイヤはクリスフォーンとダニエラをアンシーたちに紹介した。


ミレイヤ「二人は、わたくしを護衛する親衛隊の者たちです」

 「クリスフォーンはマスケット銃で戦う銃士、ダニエラは魔獣の爪などを加工した「ヴァラディスの爪」で戦う戦士です」

 「クリスフォーンはドジなところもありますが、彼女なりに一生懸命頑張っているんです」

 「ダニエラは元野生児であるため、あまり世間のことを知らず、言葉遣いもたどたどしいのですが、動きが素早く、戦士としてとても強いのです」

 「このような二人ではありますが、アンシーさんたちのお仲間として加えていただくことはできますでしょか?」


アンシー「もちろんですよ。私たちと共に行動していただけるのなら、嬉しい限りですよ」


シェルージェ「二人ともカワイイじゃん!シェルージェ、気に入っちゃったよぉ!」

クリスフォーン「可愛い?私とダニエラちゃんがですか?」

シェルージェ「そうだよ!女の子がカワイイのはいいことだよぉ!」

ダニエラ(照れながら)「カワイイ言ってくれる…ダ、ダニエラも、う、嬉しい…」


アンシー「クリスフォーン、ダニエラ、これからよろしくね」

シェルージェ「うんうん、カワイイ女の子たちなら大歓迎だよぉ!」

 「女の子同士で楽しく旅をしようよ!」


クリスフォーン「あ、ありがとうございます、皆さん!」

 「ミレイヤ様のおっしゃる通り、私ドジでとろいところもあるんですが、い、一生懸命頑張りますので!」


ダニエラ「ダニエラ、戦いだけは自信ある」

 「ダニエラの力、旅の中でみんなに見せたい。よろしく」


銃士のクリスフォーンと戦士ダニエラが仲間に加わった。

(※後編へ続きます)

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