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第58話 ぶつかり合う宝石と金属!ルビーとルビジウム!

58話目です。

宝石の輝士団、ホワイト・イエロー・ピンク VS 第24刻徒ルビジウムの魚の戦いをお楽しみください。


(※今回の登場人物については、「○第54-62話の主な登場人物の紹介」の回をご参照ください)

セイヌ・パリス市内(※1)では13日の昼頃に現れた魔獣たちとの戦いが続いている。

そして時間帯も真夜中となり、日にちも次の14日となった。


ケルビニアン暦2050K年8月14日。

(魔法武装組織メタルクロノスの宣戦布告まで、あと18日)


ここは、セイヌ川(※1)の中州、シャンデンヌ島(※1)。

島の川沿いに現れたのは「24の怪魚」こと、第24刻徒ルビジウムの魚。

メタルクロノスの幹部の一人である。


川から陸に上がり、島内を歩き回るルビジウムの魚。

兵士たちはルビジウムの魚に戦いを挑むが…


ベレスピアーヌ兵①(フランクナイト)「鯨並みの怪魚ではないか、こんな怪物を俺たちで止めると…」

ベレスピアーヌ兵②(フランクナイト)「額に書かれている「24」の数字は何を意味するというのだ…」

ベレスピアーヌ兵③(フランクナイト)「とにかくサーベルを構えろ!一斉に奴を刺すぞ!」


ルビジウムの魚(心の中で)「(魔力ノ低イ雑魚ドモガ…)」

 「(俺ノ炎ニ焼カレテ死ヌガイイ)」


ルビジウムの魚は口から薄紫色の炎を吐き、兵士たちを焼き尽くした。


ベレスピアーヌ兵①(フランクナイト)「うわあああっ!」

ベレスピアーヌ兵②(フランクナイト)「ぐおおおおっ!」

ベレスピアーヌ兵③(フランクナイト)「のわあああっ!」


焼き尽くされた仲間たちを見て…


ベレスピアーヌ兵④(フランクナイト)「な、仲間たちが一瞬で骨と灰に!?」

ベレスピアーヌ兵⑤(フランクナイト)「マズいぞ!このままで皆焼き尽くされるぞ!」

ベレスピアーヌ兵⑥(フランクナイト)「だがなんとしても止めなければ…」

ベレスピアーヌ兵⑦(女性・フランクナイト)「その通りよ!ノートルディア大聖堂(※1)やベレス・シェペール教会(※1)に近づけされるわけにはいかないわ!」

 「大聖堂や教会には大勢の市民が避難しているのよ!」


ベレスピアーヌ兵⑧(フランクナイト)「そうはいっても、島にいるのはこの24の化け魚だけではないのだぞ!こいつと似た小さい怪魚型も大量にいるのだぞ!」

 「我々だけではもう対処しきれんぞ!」

ベレスピアーヌ兵④(フランクナイト)「くっ…これまでなのか…」


ルビジウムの魚(心の中で)「(貴様ラモ灰ニナルガイイ)」

ベレスピアーヌ兵⑤(フランクナイト)「ああっ!!」


ルビジウムの魚は再び炎を吐いた。だがその時…

ピンク「太陽光のドーム!シャインプリズムドーム!」


ルビジウムの魚(心の中で)「(ナ、ナンダト!?)」

クリスターク・ピンク(サンナ)のバリア魔法が兵士たちを炎から守った。


ベレスピアーヌ兵⑦(女性・フランクナイト)「ピンク色のスーツとマスク…?」

 「あなたは一体…」

ピンク「私はクリスターク・ピンク」

 「神様の使いとして人々を守る桃色の戦士」

ベレスピアーヌ兵⑦(女性・フランクナイト)「クリスターク・ピンク…?」


ピンクや兵士たちのもとへ、ホワイト(アンシー)、イエロー(シェルージェ)、アドレンデ騎士団長たちも駆けつけ…


イエロー「さすがだよぉ、ピンク!」

 「バリアで兵士さんたちを守っちゃうなんて!」

ピンク「ソフィアーヌ首相から頂いた「ローズクォーツロッド」のおかげかしら。溢れる魔力のおかげでバリアの強度が上がった気がするの」

アドレンデ騎士団長「魔力を増幅させる杖は数多くございますが、そちらのロッドは群を抜いています」

 「首相も素晴らしい品をお与えくださいましたよ」


ベレスピアーヌ兵④(フランクナイト)「アドレンデ騎士団長!この24の怪魚は一体!?」

アドレンデ騎士団長「シェルージェ様やアンシーさんたちがサフクラントから追ってきた奇妙な魔獣です」

 「まさかこのセイヌ・パリ市に現れるとは…」


ルビジウムの魚「キシャーッ!」

ホワイト「24の怪魚!ようやく出会えたわね!」

イエロー「イビサーレ島(※2)だけじゃなくて、セイヌ・パリスまで荒らすなんて許せない!」

 「イエローたち、クリスタルナンバーズがやっつけちゃうんだから!」


ベレスピアーヌ兵⑦(女性・フランクナイト)「白と黄色の戦士たち…?」

ベレスピアーヌ兵⑨(女性・フランクナイト)「もう真夜中だというのに、強く光り輝いているわ…」

 「月の光よりも強く…」


アドレンデ騎士団長「騎士団の皆さん、この場はクリスタルナンバーズの戦士様たちにお願いいたしましょう」

ベレスピアーヌ兵⑤(フランクナイト)「騎士団長!?」

アドレンデ騎士団長「私たちはベレス・シェペール教会に向かいましょう」

 「そちらでは人手が不足しています。私たちが援軍として駆けつけるのです」


ベレスピアーヌ兵⑥(フランクナイト)「我々騎士団員は団長に従わせていただきます。ですが…」

ベレスピアーヌ兵⑧(フランクナイト)「あの巨大怪魚が凶悪なのは理解いたしました…しかし…」

ベレスピアーヌ兵⑩(フランクナイト)「正規の騎士団員ではない者たちだけにこの場を任せてよろしいのでしょうか?」

 「それにベレス・シェペール教会だけでなく、ノートルディア大聖堂のほうも気にかけねば…」


アドレンデ「大聖堂では今、ミレイヤ様たちラープ帝国の方々が加勢していただいております。頼もしい限りですよ」

ベレスピアーヌ兵⑨(女性・フランクナイト)「ミレイヤ様!?ソフィアーヌ首相との会談を予定していたあのお方が!?」


アドレンデ「ともかく急ぎ教会へと向かいましょう。時間に余裕はありません」

ベレスピアーヌ兵⑪(フランクナイト)「騎士団長、大聖堂はともかく、巨大怪魚がいるこの場から我々が立ち去るのは、やはり…」


ホワイト「大丈夫です!私たちは絶対に負けませんから!」

イエロー「変わった恰好だけど、魔力はすごいんだからね!」

サンナ「お二人とは違い、私はセイヌ・パリスの一市民です」

 「どうか同じ祖国の者を信用してください」


ベレスピアーヌ兵⑪(フランクナイト)「承知いたしました…皆様のお気持ちや立場を重んじ、この場はお任せいたします…」

 (心の中で)「(少々心配ではあるが…)」


アドレンデ「さあ、私たちは行きましょう!」

 「自由・平等・友愛の名のもとに!」


ベレスピアーヌ兵⑦(女性・フランクナイト)「ピンク様、命をお救いください、誠にありがとうございます…」

ピンク「こちらこそ、申し訳ございません…」

 「お救いすることができなかった兵士様たちもいらしたようで…」


アドレンデ「アンシーさん、シェルージェ様、サンナさん」

 「戦う皆様の「過程」を見届けることはできそうもありませんが、代わりにこの戦いの「結末」を見届けさせていただきます。騎士団長として」

ホワイト(アンシー)「アドレンデ騎士団長…」


アドレンデ「怪魚の相手、お任せしましたよ」

イエロー(シェルージェ)「イエローたちなら大丈夫だよぉ!」

ピンク(サンナ)「神聖なるこの島を怪魚の好きにはさせませんから」


アドレンデ騎士団長と兵士たちは、島の川沿いから撤退した。


ルビジウムの魚「ギョギョー!」

ホワイト「イエロー!ピンク!」

 「アドレンデ騎士団長の期待に応えるためにも、この怪魚を倒すわよ!」

イエロー「団長さんのためだけじゃなくて、兵士さんたちの弔い合戦もしようよ!ホワイト!」

ピンク「その通りね…神様の使いとして、兵士様たちの魂や想いに応えたいわ…」


ルビジウムの魚「ギョーン!」

ルビジウムの魚は再び薄紫色の炎を吐いた。


ピンク「そんな攻撃なんて!」

ピンクは素早くバリア(シャインプリズムドーム)を張り、炎を防いだ。

イエロー「ありがとう、ピンク!」

 「これなら炎なんて怖くないよ!」


ピンク「ホワイト、イエロー!」

 「私がバリアで守っている間に攻撃を!」

イエロー「ピンク、イエローたちバリアの中にいるけど、ここから攻撃できるの!?」

ピンク「大丈夫よ!」

 「遠距離からの攻撃ならバリアの中からでもできるわ!」

ホワイト「だったら、光弾を飛ばしてみるわ!」


ホワイトは自身が持っている「ホワイトコーラルハープ」で音楽を奏でた。

ホワイト「アマルーナヒム!古代文字ヒエログリフを力に変えるわ!」


エジプトハゲワシ・角の生えた毒蛇・葦の穂・手・折り畳んだ布など、様々なヒエログリフ型の光弾がハープから飛び出し、ホワイトはルビジウムの魚に光弾を当てた。

ルビジウムの魚(心の中で)「(ウグッ!ナ、何ダ、コノ力ハ!?)

 「(強固ナ俺ノ体ヲ貫クダト!?)」


イエロー「すごいじゃん、ホワイト!」

 「旅の中で練習してきた甲斐があったじゃん!」

ホワイト「楽譜を下さったパオトゥーラ様のためにも負けられないわ!」


ルビジウムの魚に光弾を叩きつけるホワイト。

イエローも負けじと、

イエロー「よーし、イエローちゃんも遠距離から攻撃しちゃうよ!」


イエローはブーメランと投げナイフを取り出し、

イエロー「サンフラワーブーメランとカナリアンスローナイフ!」

 「二つの武器の力で倒しちゃうんだから!」


イエローはルビジウムの魚に向かってブーメランと投げナイフを思いっきり投げた。

そして二つの武器は魚の巨体に当たり、

ルビジウムの魚(痛みによる叫び声)「グォォォ!」


ホワイト「やるわね、イエロー!」

 「怪魚にダメージを与えているはずよ!」


ここでピンクが、

ピンク「ホワイト!イエロー!」

 「このまま遠距離攻撃で押し切れるかもしれないけど、接近戦も試してみて!」

ホワイト「ピンク!?」

ピンク「私たちの魔力や体力だっていずれ限界がくるかもしれないわ!」

 「ここで大勝負に出ましょう!」

イエロー「分かったよ!ピンクを信じるよ!」


ホワイトは光弾を止め、イエローも魔力でブーメランと投げナイフを手元に戻した。


ルビジウムの魚は攻撃が止んだ隙を突いて、

ルビジウムの魚(心の中で)「(馬鹿メ!血迷ッタカ!)」

 「(ソノ隙ヲ見逃サンゾ!)」


ルビジウムの魚は強烈な炎を吐いた。

しかしピンクは、

ピンク「霧魔法ミストレーテ!」


ルビジウムの魚(心の中で)「(バリアノ中デ霧魔法ダト!?)」

 「(ダガ俺ノ炎デ!)」

ルビジウムの魚の炎がバリアの正面を破壊し、中まで貫いた。


ルビジウムの魚(心の中で)「(フン、コノ俺ノ勝チダナ…)」

ルビジウムの魚は中にいた三人が焼かれたと思い、炎を吐くのを止めた。


霧も晴れた。だがその先に立っていたのはピンクだった。

ルビジウムの魚(心の中で)「(馬鹿ナ!?俺ノ最大火力ニ耐エタダト!?)」

ピンク「怪魚!あなたの炎をそのままお返しするわ!」


ピンクが持っている「ローズトルマリンの盾」は盾であるためバリアと比べると防御の範囲は僅かだが、光線や炎などを吸収することができる。


ピンク「えーい!」

ピンクは吸収した炎をルビジウムの魚に向けて放った。

ブォォォォ!(放たれる炎の音)


ルビジウムの魚「グギャー!」

ルビジウムの魚は跳ね返された炎を真正面から受けた。


ルビジウムの魚(心の中で)「(焼カレル!俺ノ体ガ!俺ノ体ガァァ!)」


炎が消えて、

ピンク「今よ!ホワイト!イエロー!」

ルビジウムの魚の横にはホワイトとイエローがいた。

二人はピンクが霧魔法をかけた時に、バリアの外に出たようだ。


ホワイト「イエロー!アマルーナヒムの力とあなたの力で思いっきり斬っちゃって!」

イエロー「任せてよ、ホワイト!」


ホワイトはアマルーナヒムを演奏し、再びヒエログリフ型の光弾を放った。

イエローはナイフを掲げ、光弾をナイフに吸収した。

そして…


イエロー「2と4の怪魚!」

 「ヒエログリフとイエロークォーツのパワーを受けてみろぉ!」

ルビジウムの魚「!?」


イエロー「イエロークォーツナイフ!ヒエログリフスラッシュ!」

 「じゃんじゃん斬っちゃうよ!」

エジプトハゲワシ・葦の穂・亜麻糸など、光るヒエログリフが浮かび上がるナイフの連続攻撃がルビジウムの魚の巨体を切り裂く。

ルビジウムの魚(心の中で)「(クッ!イクラオ前タチガ体ヲ切リ裂コウト、再生シテ…)」


その時、

ピンク「桃魔とうまの水晶玉よ!私に力を!」

ルビジウムの魚(心の中で)「(ナ、何!?)」

桃魔の水晶玉が放つ強烈なピンクの光がルビジウムの魚を焼き尽くし、再生を防いだ。


ルビジウムの魚(心の中で)「(マスクトスーツ姿ノ者タチヨ…)」

 「(貴様ラガ何者カハ知ラヌガ、イズレ地獄ヲ見ルコトニナルダロウ…)」

 「(コノ俺ナド刻徒ノ中デハ最弱…)」

 「(俺ヲ倒シタクライデ「メタルクロノス」ハ……)」


ルビジウムの魚(心の中で)「(ロジウムの半魚人…アトハ頼ンダゾ……)」

 「(モシモノ時ノタメニオ前ノ力ヲ残シテオイ…)」

 「(……)」


水晶玉の光により、メタルクロノスの幹部、第24刻徒ルビジウムの魚は消滅した。

ホワイト(パール)・イエロー(シトリン)・ピンク(ルビー)、3つの色、3つの宝石がメタルクロノスの幹部を討つ!

次回へ続く。


※1…川の由来はフランスの世界遺産「パリのセーヌ河岸」(文化遺産 1991年登録)、島・聖堂・教会の名前の由来は同河岸の「シテ島」・「(パリの)ノートルダム大聖堂」・「サント・シャペル」より

※2…島の名前の由来は、スペインの世界遺産「イビサ島の生物多様性と文化」(複合遺産1999年登録)より

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