表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/87

第57話(後編) No.5 クリスターク・ピンク(後編)

(※57話の後半部分です)

ポント・ヌルフ橋の上で戦い続けるホワイトやサンナたち、そこへ伝令隊が駆けつけ…


ベレスピアーヌ兵⑤(伝令隊)「アドレンデ騎士団長!ご報告がございます!」

アドレンデ「一体どうした?何かあったのか?」

ベレスピアーヌ兵⑤(伝令隊)「ハッ!シャンデンヌ島(※1)に巨大な怪魚型魔獣が出現しました!」

 「このままでは、島内にあるノートルディア大聖堂(※1)やベレス・シェペール教会(※1)にまで被害が及んでしまいます!」

 「騎士団長、何卒ご対応を!」

アドレンデ「巨大な怪魚!?もしやアンシーさんたちが追っている…」


ホワイト(アンシー)「兵士さん、その怪魚、大きさ以外に何か特徴はございましたか!」

ベレスピアーヌ兵⑤(伝令隊)「ハッ!額に「24」という数字が書かれておりました!」

 「実に奇妙な姿でございました!」

イエロー「それならあの2と4の怪魚だよ!やっぱりこのセイヌ・パリス市にいたのね!」


ホワイト「イエロー!すぐに島へ行こう!」

 「私とあなたで決着をつけるのよ!」

イエロー「そうだね!そいつをやつけるために、ここまで来たんだもんね!」


ベレスピアーヌ兵⑤(心の中で)「(奇妙なマスクとスーツの戦士たち…だが今は…)」


ベレスピアーヌ兵⑤(伝令隊)「シャンデンヌ島はこの橋を渡った先にあります!」

 「どうか皆様のお力を!」


怪魚型魔獣たち「ギガガッ!」

ベレスピアーヌ兵③(フランクナイト)「川からまた大量の魔獣たちが!」


ホワイト(アンシー)「子魚を出して私たちの邪魔をする気ね!」

イエロー(シェルージェ)「そんなの無駄だって言ってるじゃん!」


サンナ「アンシーさん、シェルージェ様、ここは私たちで食い止めます!」

 「お二人は一刻も早くシャンデンヌ島へ向かってください!」

ホワイト「サンナさん!?」

サンナ「お二人は怪魚の親玉を倒すための希望なのです!」

 「ここは私や騎士団の人たちに任せてください!お願いします!」


イエロー(シェルージェ)「サンナちゃん!それじゃあ、シェルージェたち行っちゃうよ!」

サンナ「私は、アンシーさんとシェルージェ様を信じております!絶対に倒せると!」

イエロー「ありがとう、サンナちゃん!」

 「シェルージェたち、負けないんだから!」


フレイ(心の中で)「(サンナ、そんなにはっきりと物を言えるなんて…)」


イエロー「よーし!」

 「ここはサンナちゃんたちに任せて…」

ホワイト「ちょっと待って、イエロー!」

 「私が持ってるグラン・ジェムストーンの一つが光っているわ!」

イエロー「えっ!?誰か変身できる人が近くにいるの!?」


ホワイトは袋から強く光っているジェムストーンを取り出して、

ホワイト「ジェムストーンの波動…サンナさんからだわ!」

イエロー「それじゃあ、サンナちゃんが新しいクリスタークの戦士になれるの!?」

サンナ「クリスタークの戦士!?それはお二人と同じ…」


ホワイトはサンナに、

ホワイト「サンナさん、あなたも私たちと同じ力を手に入れることができるのよ!」

 「どお、受け入れてくれる!?」

サンナ「わ、私が特別な戦士になれるのですか…」


サンナは少し黙ったが、口調を変えて話し出した。

(口調を変えたのは、客人ではなく、共に戦う仲間としてアンシーとシェルージェを意識したため)


サンナ「分かったわ…私も特別な力を受け入れる…」

 「二人と同じ戦士になるわ」


フレイ「サンナ!?あなた、あの光る石のこととか、よく知ってるの!?」

 「アンシーさんたちの魔力の源が何だか分かるっていうの!?」

サンナ「私も詳しくは聞いてないけど、少なくとも私はアンシーさんとシェルージェ様のことを信じている」

 「だからお二人が宿した力も信じたい!」

ホワイト「サンナさん…」


怪魚型魔獣たち「ギガッ!ギーギッ!」

イエロー(戦いながら)「サンナちゃん!クリスタークの戦士になるんだったら、急いで色と宝石を決めちゃって!」

 「魔獣たちは待ってくれないよぉ!」

サンナ「分かったわ!」

 「戦士のモチーフを自分で決められるのなら、私はピンク色とルビーを選ぶわ!」

 「人々を愛する心、愛情溢れる戦士に私はなりたい!」


ホワイト「ピンクとルビーね」

 「大丈夫、その色と宝石は私たち女性組が使っていいってことで、クレードたちと話をしているから」


ホワイトは光るジェムストーンをサンナさんに渡し、

ホワイト「サンナさん、石を持ちながら、「カラーチェンジ&クリスタルオン」と言って」

 「そして強くイメージして、クリスタークの戦士となった姿を」

サンナ「分かったわ、アンシーさん」

 「やってみるわね」


サンナ「カラーチェンジ&クリスタルオン!」

(心の中で)「(愛情を持った、ピンク色とルビーの戦士…)」

 「(アンシーさん、シェルージェさん、そして神様を信じて変身してみせる…)」

 「(ハレルヤ……)」

グラン・ジェムストーンを手にしたサンナの体は強く光り輝き、そしてピンク色のマスクとスーツ(下はスカート)姿の戦士へと変わった。


フレイ(驚いて)「サ、サンナ…その姿は…」

変身したサンナ「へ、変身できたのね…」

イエロー「やったじゃん!サンナちゃん!」


ホワイト「サンナさんが変身した戦士の名は「クリスターク・ピンク」、魔法の宝石となったグラン・ジェムストーン(原石)は「グラン・ルビー」と名付けさせてもらうわ」

サンナ改め、クリスターク・ピンク「クリスターク・ピンク…グラン・ルビー…」


イエロー「サンナちゃん!変身できたんだし、シェルージェたちと一緒に来てよ!」

 「クリスタークの戦士が三人いれば2と4の怪魚なんて目じゃないよ!」

ホワイト「私もイエローと同じ気持ちよ」

 「力を貸してくれる、ピンク?」

ピンク「もちろんよ」

 「三人で力を合わせてほしい、そう思って神様は私に力をお与えになったのですから…」


イエロー(心の中で)「(うーん、本当に神様が力を与えたから、ジェムストーンが光ったのかはイエローには分からないけど…)」


フレイ「サンナ…あなたもシャンデンヌ島に行くのね?」

ピンク(サンナ)「それが神様のお導きでもあるのなら私は従うわ、フレイ」

フレイ「だったらこの場はあたしたち騎士団に任せて!」

 「お化け魚なんかに負けるほど、あたしたちはヤワじゃないわ!」

ピンク「フレイ、ありがとう」


アドレンデ「サンナさん、新たな力を手にするとは…」


怪魚型魔獣たち「ギギッド!」

ベレスピアーヌ兵①(戦いながら)「騎士団長!」

 「団長も橋を渡り、島へとお向かいください!」

ベレスピアーヌ兵②(戦いながら)「橋にいる魔獣たちは私たちで食い止めます!」

アドレンデ「分かりました。この場は皆さんにお任せいたします」

 「騎士団長として、アンシーさんやサンナさんたちの戦いを見届けさせていただきますので」


ラープ帝国兵②(戦いながら)「ミレイヤ様!」

 「この場は我々が引き受けます!ミレイヤ様も島へお急ぎください!」

ラープ帝国兵③(戦いながら)「大聖堂や教会には子供や女性も多く避難しているはずです!」

 「かけがえのない命をお守りするために、どうかお力を!」

ミレイヤ「ありがとうございます。皆様のお心遣い、無駄にはいたしません」


ブロイス「ミ、ミレイヤ…」

ミレイヤ「共に参りましょう、お兄様」

 「守らなければならない命があるのです」

ブロイス「わ、分かった…」

 「お前が望むのなら、私はなんでも…」


一方で、

ブロイス(心の中で)「(ほ、本当に良いのか…)」

 「(あのような訳の分からぬ姿に変身した者たちと行動して…)」


ミレイヤ・ブロイス・アドレンデたちはホワイトたちに近づき、


ミレイヤ「強い光を放った石、そしてサンナさんのご意志を確認させていただきました…」

ピンク(サンナ)「ミレイヤ様…」

ミレイヤ「そのお姿はともかく、今のサンナさんからは力強い魔力を感じます」

 「きっとサンナさんのご意志や想いが現れているのでしょう」

ピンク「ミレイヤ様、お褒めいただきありがとうございます」


アドレンデ「皆さん、それではシャンデンヌ島へ向かいましょう」

イエロー「ピンクだけじゃなくて、ミレイヤさんとアドレンデ騎士団長もいてくれるんなら心強いよ!」


ピンク「フレイ!無理はいけないわ!気を付けてね!」

フレイ「サンナ、あなたもね!」


ホワイト(アンシー)やピンク(サンナ)たちは橋を進み島へ向かった。


怪魚型魔獣たち「ギギッ!」

フレイ「サンナたちの邪魔はさせない!」

 「あたしたちが相手になるわ!」

怪魚型魔獣たち「ギギルーッ!」


フレイ「相手が魔獣だとしても柔道家として礼を忘れないわ!」

フレイはその場で立礼した。


怪魚型魔獣「ギダ!ギダ!」

向かってくる魔獣に対し、フレイは体を掴み…


フレイ「花の都流!コンコルド一本背負投!」


一本背負投を決め、フレイは魔獣を倒した。

怪魚型魔獣(断末魔)「ギデ…」


フレイ(心の中で)「(サンナ、いえ、お姉ちゃん…)」

 「(お姉ちゃんたちの勝利、信じてるわ…)」

妹フレイの想いに応えるため姉のサンナ(クリスターク・ピンク)は、仲間たちと共に大聖堂と教会の島、シャンデンヌ島へと向かう。

次回へ続く。


※1…市・川の由来はフランスの世界遺産「パリのセーヌ河岸」(文化遺産 1991年登録)、橋・塔・島・美術館・大聖堂・教会の名前の由来は同河岸の「ポン・ヌフ」・「エッフェル塔」・「ルーヴル美術館」・「シテ島」・「(パリの)ノートルダム大聖堂」・「サント・シャペル」より

※2…宮殿の名前の由来は、フランスの世界遺産「ヴェルサイユの宮殿と庭園」(文化遺産 1979年登録)より

※3…元ネタはスペイン語で、黄色を意味する「amarillo」より

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ