表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/83

第44話 2つの公爵家、「クラン」の意味

44話目です。

貴族の国サフクラントの三大公爵家の出である、バルデンベイル公爵の本名は「フェリペルド・バルデンベイル」といいます。

「フェリペルド」の名前の由来は、ポルトガルの国王「フェリペ1世(ポルトガル王)」からです。


(今回の登場人物たちについては、前々回「○第42話-46話の主な登場人物の紹介」の回をご参照ください)

王宮でのパーティが終わり、シェルージェは貴族たちと別れることに…


ロベルジーノ「シェルージェはクランペリノ家だけでなく、サフクラントの希望なんだ」

 「戦ってもいいが、決して無茶をしてはいけないよ」

シェルージェ「大丈夫だよぉ、ロベルジーノさん」

 「シェルージェ、自分の命も大事にするからさあ」

ロベルジーノ「頼んだよ」


続いて、

バルデンベイル公爵「シェルージェ、私たちバルデンベイル家が治めるサフクラントの南部地方は5年後の2055K年には独立をする予定でいるのだ」

シェルージェ「独立!?南側が別の国になっちゃうってこと!?」


シェルージェは少し頭の中を整理して、

シェルージェ「うーん、言われてみれば、そういう話も聞いたことがあるような…」

バルデンベイル公爵「これから独立に向けていろいろと忙しくなる」

 「だからバルデンベイル家の人間がサフクラントで大公になることはもうないのだよ」

シェルージェ「マジかあ。だからクランペリノ家本家のシェルージェにも大公の話がきたんだなあ」


バルデンベイル公爵「バルデンベイル家は新しい国の大公として再出発をする」

 「だからサフクラントのことは頼んだよ、シェルージェ」

シェルージェ「うーん、そう言われるとプレッシャーになっちゃうなあ…」

バルデンベイル公爵(本名、フェリペルド)「大丈夫さ、シェルージェなら乗り越えられるさ」

 「少なくとも私はそう信じているよ」

シェルージェ「フェリペルドさん…」


続いて、

サフクランドス大公「シェルージェ、バルデンベイル公爵から話は聞いているでしょうけど、南部地方は5年後に一つの国として独立する予定です」

 「バルデンベイル家がサフクラントからいなくなる以上、これからは私たちサフクランドス家やシェルージェたちのクランペリノ家が中心となり国を動かしていかなければなりません」

シェルージェ「そう考えるとこれから大変そうだなあ」

 「でもバルデンベイル公爵もシェルージェに期待してくれたんだし、シェルージェもちょっとは国のために頑張らないとね」


大公の娘エルンビーナが、

エルンビーナ「シェルージェ様、お一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」

シェルージェ「何、エルンビーナさん?」

エルンビーナ「サフクラントという国の名前は、私たちの姓「サフクランドス」が由来です」

シェルージェ「それはさすがにシェルージェでも知ってるよぉ」

エルンビーナ「私たちサフクランドス家には「クラン」という名がついております」

 「ですがシェルージェ様たちクランペリノ家にも「クラン」の名がついています」

 「この意味はご存じでしょうか?」

シェルージェ「あー、なんかそれ聞いたことあるなあ」

 「でももう忘れちゃったよぉ」


エルンビーナに代わり、母の大公が、

サフクランドス大公「それは私たちサフクランドス家とシェルージェたちクランペリノ家のご先祖様たちが同じだからです」

シェルージェ「そうだ、それだよ」

 「シェルージェちゃん、思い出したよ」


サフクランドス大公「遠い遠いご先祖様たちの家系が分かれ、サフクランドス家とクランペリノ家の2つになったのです」

エルンビーナ「つまり私や母たちとシェルージェ様たちは遠い遠いご親戚だということです」

サフクランドス大公「とは言っても家系が分かれたのは2千年以上前の話、血の繋がりだけで見れば今は非常に薄いのですがね」

シェルージェ「でもさあ、どんなに遠くても親戚同士なら仲良くやりたいじゃん」

サフクランドス大公「その通りです」

 「サフクランドス家とクランペリノ家、サフクラントの未来のために力を合わせていきましょう」

シェルージェ「そうだね…頑張りたいね…」


サフクランドス大公「旅の無事を祈ってますよ、シェルージェ」

エルンビーナ「また元気なお顔を私たちに見せてくださいね」

シェルージェ「ありがとう、大公様、エルンビーナさん」


一方、貴族の子供であるウェンディ(公家)とタオツェイ(伯爵家)も、


ウェンディ「押忍!今回の件でサフクランドス家以外の貴族の方々ともお付き合いができるようになって、ウチは嬉しいッス!」

アンドロランス公爵「私、ワトニカって行ったことないのよね」

 「ウェンディさんたち京藤院家との交流をきっかけにして、ぜひ行ってみたいわ」

ウェンディ「押忍!そのときはウチに声をかけてほしいッス!」

 「地元のキョウノミヤだけじゃなく、ワトニカの良いところをいろいろ教えてあげるッス!」


ピスパルカー侯爵「バンリ帝国のランフォンで大規模なデモが行われたことは私も知っている」

 「なんとも残念な話ではあるな」

タオツェイ「法案に圧力、バンリ本土はあの手この手でランフォン特別区を吸収しようとしています」

スクレイザー「バンリは貴族社会も認める一国二制度の国だというのに…どうしてこんな事に…」


タオツェイ「大規模なデモこそ収まりましたが、小規模なデモは今も時折起きています」

 「それがランフォンの観光や産業などに影響を与え、結果として経済は停滞気味ですよ」

ピスパルカー侯爵「このままデモなどが続くようであれば、バンリにとってもランフォンにとってもいい結果にはならないな」

スクレイザー「なんとかしたいものですね…」

タオツェイ「ランフォンの民の多くもそれを望んではいますが、バンリ本土とは中々折り合いがつかないのが現状です」

ピスパルカー侯爵「そうか、だがここで何もかも諦めてしまったら、良い未来は築けないだろう」

 「そのためには新たな糸口も見つけなければな」

タオツェイ「侯爵そうろうこうしゃく…」


ピスパルカー侯爵「タオツェイ君、この先何かあったら私宛てに手紙を書くといい」

 「異国のことであろうとできる限りは力になりたい」

タオツェイ「侯爵、ランフォンのためにお力を貸していただけるのですか?」

ピスパルカー侯爵「たとえバンリ本土がいかなる圧力を与えようとも、誇り高き貴族社会を無理に解体しようとするのなら、私も黙っている気はない…」

スクレイザー「父上…」


ピスパルカー侯爵「タオツェイ君のネイザンロドン家を通じ、ランフォンを治めるヤムクーロン家とも交流を持ちたいと思っている」

 「より良き貴族社会のために、共に力を合わせていこうではないか」

タオツェイ「ピスパルカー侯爵、心より感謝いたします…」

タオツェイは侯爵そうろうこうしゃくに深々と頭を下げた。


一方シェルージェはマデレウス騎士団長と…


マデレウス「シェルージェ様、私は貴族の皆様をお守りするため、護衛をしなければなりません」

 「シェルージェ様とはここでお別れですな」

シェルージェ「いろいろありがとね、マデレウスさん」

 「シェルージェをお迎えするために、いろいろと動いてくれて…」

マデレウス「ハッハッハッ!シェルージェ様をお守りすることは我ら騎士団の務め!」

 「シェルージェ様がお気になさらなくても結構ですよ!」


話題が変わって、

マデレウス「ところでシェルージェ様、これから旅立つシェルージェ様に親衛隊から護衛役をつけたいと思っているのですが」

シェルージェ「護衛役?」

 「そんな大丈夫だよぉ、シェルージェちゃんやオリンスたちだって非力なわけじゃないんだから」

マデレウス「シェルージェ様やクレード殿たちのお力がいかほどであろうと、公爵家のシェルージェ様が旅に出られるというのなら、護衛をつけるのは当然のことです」

 「貴族の方々をお守りすることは、我々騎士団にとって重要な役割なのですから」

シェルージェ「まあそこまで言うんなら、別にいいけど…」

 「でもあんまり大人数じゃなくていいからね」

マデレウス「そこはご安心ください」

 「シェルージェ様たちと旅に出てもらうのはこちらのニ人ですので」


マデレウスがそう言うと二人の女性がシェルージェたちの前で、あいさつした。

次回は女性の新キャラが二人登場します。

さらにクレードとアンシーに新たなアイテムが…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ