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第30話(後編) イビサーレ島、オーレ!(後編)

(※第30話の後半部分です)

その日(7月2日)の夜、ネフェルーグやイザベリスたちは中心街ソロ・クリストバルダーデ地区のペペナ宮殿までやって来た。

そして宮殿で島を治めるジードランネス公爵(50代女性)よりシェルージェに関する話を聞くことに。


ジードランネス公爵「3年ほど前、シェルージェ様が行方不明になってしまったのですが、前大公はその事実を世間に公表することはありませんでした」

ネフェルーグ「シェルージェ様の件を隠してしまったのは、やはり公爵家の名誉などを守りたかったからでしょうか?」

ジードランネス公爵「そのようですね。当時、前大公は「名門公爵家の娘が家出するなど、末代までの恥だ」などとおっしゃっていたようです」

ネフェルーグ「名誉や誇り…貴族の方々がそれらを重んじるのは私もよく理解しておりますが、そのために大切な孫娘を切り捨ててしまったような感じがしますよ」


イザベリス「…」

イザベリス(心の中で)「(名誉や誇り…侯爵家そうろうこうしゃくけの父もよく重んじていた…)」

 「(だけどあまりに固執してしまったがために、母との間に溝ができた…)」


ここでそばにいるシェルージェやオリンスが、

シェルージェ「でもそのおかげでシェルージェちゃんも助かったよ」

 「行方不明の話がナプトレーマにまで伝わってたら、シェルージェちゃん、おかしらたちと楽しく盗賊できなかったもん」

オリンス「うん!シェルージェちゃんが楽しむことが何よりだよ!」


ジードランネス公爵は話を続け、

ジードランネス公爵「前大公はシェルージェ様が行方不明になったという事実をまずは、国の公爵こうしゃくけ家や侯爵家そうろうこうしゃくけの一部の方々に話されました」

 「そして前大公は事実を伝えると、後日大公の座をサフクランドス公爵家のご当主ベルンディーネ様に譲り、正式に辞職なされたのです」

ネフェルーグ「大公を辞職したのですか…私にはそれが孫娘であるシェルージェ様への償いのようにも思えますよ」


ジードランネス公爵「大公の座だけではありません。前大公であるオルブラング様は娘であるラプシェイア様に公爵の称号を与え、公爵家の当主としても引退しました」

 「それ以来オルブラング様は国の政治にもほとんど関わっていらっしゃらないのです」

ネフェルーグ「大公に当主、そして政治…」

 「オルブラング様は何もかも手放してしまったのですな…」


シェルージェ「さすがのシェルージェでも、お祖父ちゃんに悪いことしちゃったと思うよ…」

 「大公を辞めてほしかったから、家出したわけじゃないんだもん…」

ジードランネス公爵「そのように思っていらっしゃるなら、お祖父様に急ぎお会いください」

シェルージェ「ジードランネスさん…」


ジードランネス公爵「シェルージェ様を公爵家の恥などとおっしゃっていましたが、内心では孫娘であるシェルージェ様のことをとても心配しているはずでしょから」

シェルージェ「まあね…貴族の名誉や誇りばかり言ってるお祖父ちゃんでも優しいところはあったからねぇ…」


ジードランネス公爵「オルブラング様も家出の件をすぐ国民たちに公表することには反対しましたが、騎士団を動かしシェルージェ様をお探しすることに関しては容認してくれたのですよ」

イザベリス「するとサフクラント公国騎士団はシェルージェ様の家出の件を元から知っていたのですか?」

ジードランネス公爵「ええ、マデレウス殿たち騎士団は内密にシェルージェ様のことをずっとお探ししていたのです」

 「尤もサフクラント国内だけでの捜索ではありましたが」


イザベリス「シェルージェ様の一件を公表しなかった以上、他国での捜索ができなかったのですね」

ジードランネス公爵「他国にも内密にして伝えることはできたのかもしれませんが、シェルージェ様のことで他国にまで迷惑をかけられないと、オルブラング様がそこは反対したらしく…」


シェルージェ「シェルージェからしたらそれで正解だよ」

 「ナプトレーマの騎士団が知らなかったから、シェルージェも盗賊としてのんびりできたもん」

 「イザベリスちゃんが見つけなかったら、まだシェルージェは盗賊やってたよ。きっと」

イザベリス「さ、左様でございますか…」


ここでネフェルーグがジードランネス公爵に、

ネフェルーグ「公爵様、お一つよろしいでしょうか?」

ジードランネス公爵「ネフェルーグ騎士団長、いかがなさいましたか?」

ネフェルーグ「前大公であるオルブラング様が、身を引いたことは分かりました」

 「オルブラング様もいろいろと思うところがあったのでしょう」

ジードランネス公爵「大公・公爵家当主・政治、オルブラング様は身を引いてから、あまり国民の前に姿を見せることもありませんでした」

ネフェルーグ「それでしたら、シェルージェ様が行方不明になっている間、一般国民にそれをどのように説明していたのですかな?」

 「オルブラング様が自ら身を引いて表舞台からお姿を消したとしても、孫娘のシェルージェ様までお姿を見せないことに疑問を抱いた国民たちもいたのでは?」

ジードランネス公爵「前大公も国民たちに「家出をして行方不明になった」などとは堂々と言えませんでしたからね」

 「シェルージェ様については、貴族について勉強させるため、ガーランゲルド王国(※7)の公爵家に嫁いだ娘のもとに行かせたなどと、一部の国民たちに話されたのです」


ここで昨日ジードランネス公爵に会い、自身に関する話などを聞いたシェルージェが、

シェルージェ「お祖父ちゃん、シェルージェをレプチャール叔母さんに預けたってことにしたんだよね」

 「まあ叔母さんたちが治めるガーランゲルドのベルジングラード村(※26)っておしゃれですごくきれいな村だから、シェルージェもずっと居てもいいと思うくらい好きだけね」


続いて、

ネフェルーグ「シェルージェ様を異国の親族のもとへ行かせたということにしたのですね」

イザベリス「しかしその理由では、いつまでも誤魔化せまるとは思えませんが…」

ネフェルーグ「私もそう思いますよ。どんなに長くても10年程度かと」

ジードランネス公爵「そうですね。クランペリノ家本家の人間であるシェルージェ様があの村に何十年と居続けるのは無理がありますよね…」

 「ですがあの時のオルブラング様にとっては、それが精一杯のお考えだったのでしょう…」


シェルージェ「お祖父ちゃんはお祖父ちゃんなりに考えてくれてたんだね…」

 「でもシェルージェだってイザベリスちゃんに見つからなければおかしらたちと長く盗賊やってたかもしれないんだし、そうなったら本当に何年も王宮に帰らなかったかもね…」


ジードランネス公爵「しかしシェルージェ様は今こうしてサフクラントに戻ってきたではありませんか。それは本当に喜ばしい事なのですよ」

シェルージェ「まあ公爵さんがそんなに喜んでくれるなら、シェルージェも悪い気はしないけど…」


続いて、

ジードランネス公爵「今回の件ではナプトレーマの方々にも深く感謝しております」

ネフェルーグ「公爵様からそう言っていただけると我々も喜ばしい限りでございますよ」

ジードランネス公爵「そちらの国から伝令隊の方々が来て、シェルージェ様の事を話してくださったからこそ、サフクラントの国民は皆真実を知ることができたのですから」

ネフェルーグ「伝令隊の話を聞き、国民に真実を明かすことにしたのですね?」

ジードランネス公爵「はい」

 「シェルージェ様のことを聞いたベルンディーネ様はクランペリノ公爵家まで赴き、ラプシェイア様やオルブラング様たちと話し合い、そしてシェルージェ様が家出をした事実などを全国民に伝えることにしたのです」

 「ですから一般国民の皆様がシェルージェ様の家出の件を知ったのは、ほんの数日前ですよ」


ネフェルーグ「そうだったのですか」

 「しかしシェルージェ様を隠密にご実家に戻すよう動けば、家出の事実などは無理に喋れなくても良いとも思うのですがね…」

ジードランネス公爵「少しの言葉で誤魔化せるような事だとしても、やはり国民にはきちんと真実を伝えるべきでしょう」

 「些細な事だとしても事実を捻じ曲げ、嘘や偽りを伝えるような政治家であってはならないのです。政治家であるのなら、出来事は正しく伝えてこそだと思います」

シェルージェ「シェルージェだって、そう思うよ」

 「嘘で誤魔化す政治家や貴族なんて嫌だよ」

オリンス「俺もそう思うよ!世の中、嘘や偽りのない政治が必要なんだ!」

ネフェルーグ「左様ですな…分かり切ったことを聞いてしまい、誠に申し訳ございませんでした…」

イザベリス(心の中で)「(騎士団長、国のトップであるベルンディーネ様やシェルージェ様たちのお心を確かめるために、あえて口にしたのですね…)」


シェルージェ「まあ今回の事は家出しちゃったシェルージェ様が一番悪いんだけどね…」

ジードランネス公爵「お母様のラプシェイア様は、シェルージェ様のことを怒ってなどおりませんよ」

 「それだけ、シェルージェ様のことを愛していらっしゃるのですから…」

シェルージェ「お母さん…」

ジードランネス公爵「クランフェルジスの王宮に戻ったら、お祖父様だけではなく、お母様にもちゃんと顔を見せてあげてくださいね」

シェルージェ「もちろんだよ!」


オリンス「シェルージェちゃん!俺も恋人としてお義母様にごあいさつするね!」

イザベリス「オリンスさん!あなたは静かにしていてください!」


イザベリスの顔を見た公爵は、

ジードランネス公爵「イザベリスさん、あなたもお父様であるリグレイドスさんや弟さんであるスクレイザーさんとお会いしたほうがいいと思いますよ」

 「離婚したとしてもリグレイドスさんはお父様なのですし、スクレイザーさんは血の繋がった弟様なのですから」

 「娘や姉の顔を見れば、お二人ともきっとお喜びになると思いますよ」

イザベリス「こ、公爵様、私は…」

ジードランネス公爵「シェルージェ様がお帰りになると聞けば、リグレイドスさんやスクレイザーさんも王宮に駆けつけることでしょう…」

イザベリス「お父様…スクレイザー…」

イザベリスは迷っているような顔をしていた。


次の日、7月3日の朝。

ペペナ宮殿で一泊したシェルージェやオリンスは、サフクラント公国騎士団のマデレウス騎士団長と話をしていた。

マデレウス「昨日は魔獣たちとの戦いの後、ソロ・クリストバルダーデ地区の砦に顔を出したのですが、おかげで良い物を手に入れましたよ」

そう言って、マデレウスは黄色いカナリアの形をした武器をシェルージェたちに見せた。


シェルージェ「何この武器!?黄色い鳥さんの形をしてるじゃん!」

マデレウス「「カナリアンスローナイフ」と呼ばれる、カナリア形の投げナイフです」

シェルージェ「えっ?これ投げナイフなの?」

マデレウス「はい。この島の山村、ポブレック村(※27)の武器職人が作り上げた極上の品でございます」

そばにいる兵士(島に来たばかりで、若い)「(ポブレック村か、確か歴史ある修道院のある村だったな…)

マデレウス「島に多く生息するカナリアをモデルにしているのですよ」


続いてマデレウスは、

マデレウス「カナリアンスローナイフ、どうぞシェルージェ様がお持ちください」

シェルージェ「マジ!?シェルージェが貰っちゃっていいの!?」

マデレウス「武器職人が騎士団のために強力な武器を作ってくれたのは良いのですが、残念なことにこの島の兵士たちは皆その投げナイフを上手く扱えなかったのですよ」

シェルージェ「そっかあ、それは確かに残念だねぇ」

マデレウス「ですがクリスターク・イエローという特殊な力を得たシェルージェ様なら、使いこなせるのではないかと思い、今回砦の倉庫から出してきたのですよ」

シェルージェ「倉庫の中で眠ってたのね。だったらこれからはシェルージェちゃんと一緒に頑張ろう、カナリアンスローナイフ!」

オリンス「うん!黄色い投げナイフなんて、シェルージェちゃんにぴったりじゃないか!」

マデレウス「その武器が作られたのは40年程昔で、作った武器職人もすでに亡くなっているようです」

 「ですがシェルージェ様が上手く扱っていただければ、天国にいる武器職人も喜ぶことでしょう」

シェルージェは「カナリアンスローナイフ」を手に入れた。


続いてマデレウスは投げナイフの特長について説明し、

マデレウス「調べたところ、その投げナイフはどのように投げても必ず投げた本人の元に戻ってくるのです」

シェルージェ「それじゃあ、シェルージェが持ってる「サンフラワーブーメラン」と同じじゃん!」

 「ブーメランと一緒に使ったら、強い攻撃になりそうだよ!」


この日は怪魚型も含め島に魔獣たちが現れなかった。ひとまず脅威は去ったようだ。


次の日、7月4日の朝。

島の港町、アングラエドロの町でシェルージェとオリンスは、クレードやアンシー、ナハグニやウェンディたち仲間全員と合流し、島の住民や兵士たちに別れのあいさつをしていた。

島民①(おばさん)「シェルージェ様、遠征部隊の皆様、この度は本当にありがとうございました」

島民②(老人)「島の魔獣たちを退治できたのも皆様のおかげですじゃ」

シェルージェ「ここはシェルージェちゃんの国だもん!シェルージェがいるんなら、国のみんなを守ってあげないとね」

サフクラント兵①(マタドールナイト)「そのお考え、ご立派ですぞ、シェルージェ様!」

サフクラント兵②(マタドールナイト)「前大公がこの場にいたら、涙を流していたことでしょう…」

シェルージェ「そんな、大げさだよぉ」


ここで島民がシェルージェに、

島民③(若い女性)「シェルージェ様、こちら島のピッコ村(※28)で採れた葡萄に、葡萄のジュースやワインでございます」

 「私たち島民からのせめてものお礼でございます。どうぞお受け取りください」

シェルージェ「マジ!?あの激うまの葡萄ジュースくれるの!?最高じゃん!」

 「シェルージェ、ピッコ村の葡萄ジュース大好きなんだ!」

 「お祖父ちゃんも村のワインが大好きだし、いいお土産ができたよぉ!」

オリンス「良かったねぇ、シェルージェちゃん!」


一方クレードやマデレウスたちは、ネフェルーグたちと別れのあいさつなどをし、

クレード「ネフェルーグ騎士団長、ナプトレーマでは俺も迷惑をかけたが、ここまでいろいろと世話になったな」

沖津灘「騎士団長!」

 「異国のオイば受け入れてくれた恩、これからも忘れんたい!」

ネフェルーグ「そなたらの礼、私もしかと受け止めましょう」


続いて、

ネフェルーグ「我ら遠征部隊はサフクラント本土まで行くことはできません。ここからはシェルージェ様のことをよろしく頼みますぞ」

アンシー「任せてください!」

ナハグニ「うむ!サフクラント公国騎士団の方々と力を合わせ、必ずやシェルージェ様をご実家までお連れするでござる!」

千巌坊「我々もシェルージェ様を守る盾となりましょう…」

ネフェルーグ「皆様には本当に感謝しております、ナプトレーマだけではなく、このイビサーレ島も守ってくれたのですからね」


続いて、ネフェルーグとマデレウスの騎士団長同士が、

マデレウス「ネフェルーグ騎士団長、シェルージェ様の捜索や島の魔獣退治にご協力していただいたことに心より感謝いたしますぞ!」

ネフェルーグ「マデレウス殿、我々はこれよりナプトレーマに戻りますが、ここで騎士団長同士が出会えたのも何かのご縁」

 「このご縁は今後も大切にしていきたいと思っております」

マデレウス「そうですな。今回の共同戦線を機にいろいろと交流していきたいものですな」

ネフェルーグ「両国のより良い未来を築くため、我々騎士団もできることをいたしましょう」

ナプトレーマのネフェルーグ騎士団長とサフクラントのマデレウス騎士団長は固い握手を交わした。


一方イザベリスと女性陣は、

ススキ「それじゃあ、イザベリスさんは今回お父様や弟さんとは会わないことにしたのね」

イザベリス「私も悩んだのですが、今は父や弟よりもお会いしたい方がナプトレーマにいらっしゃるので…」

ウェンディ「押忍!その人ってイルビーツさんのことッスか?」

イザベリス「ウ、ウェンディさん…それは、その…」

ホヅミ「顔がぁ赤くなってますよぉ、図星ですねぇイザベリスさぁん」

イザベリス「ああ…で、ですから…」


顔を真っ赤にして照れるイザベリスにリンカが、

リンカ「イザベリスさん」

イザベリス「リ、リンカさん!?」

リンカ「もしイルビーツさんに恋人とかがいても、彼を奪っちまうだ」

 「おら、見ず知らずの女性よりもイザベリスさんの幸せを願うだよ」

イザベリス「リンカさん!?そ、そんな!?」


そして別れのあいさつで、

イザベリス「もしサフクラントで父や弟たちとお会いすることがございましたら、「私は元気でやっている」とお伝えください…」

ウェンディ「押忍!しっかりと伝えておくッス!」


一方鵺洸丸はネフェルーグ騎士団長と何やら話をし、

ネフェルーグ「分かりました。我々も十分警戒いたしましょう」

鵺洸丸「よろしくお頼み申す…」


出航の準備を終え、クレードやシェルージェ、マデレウス騎士団長たちは船に乗り込んだ。

出航する際シェルージェは島民たちから見送られ、

島民①(おばさん)「シェルージェ様!また島にいらしてくださいね!」

島民③(若い女性)「最高級の葡萄ジュースをご用意しておきますよ!」

シェルージェ「ありがとう、島のみんな!」

 「それじゃあ、シェルージェ行ってくるね!」


島民たちの歓喜の声を聞いたシェルージェは船の上で、

シェルージェ(心の中で嬉しそうに)「(やっぱりシェルージェってこの国のお姫様なんだな…)」


サフクラントの本土を目指し、海原を進む船。

甲板の上で海原を見つめるタオツェイであるが、クレードがやって来て声をかけた。

クレード「ここにいたか、タオツェイ」

タオツェイ「剣士のクレードか、俺に何の用だ」

クレード「俺の仲間である忍者の鵺洸丸が皆に話したいことがあるそうだ」

 「お前も来い」

タオツェイ「公国騎士団の準団員である俺が聞いていい話なのか?」

クレード「マデレウス騎士団長に確認した」

タオツェイ「物好きな奴だな…」

クレード「諜報活動をする忍者の話は、聞いておいて損はない」

クレードはタオツェイを連れ、鵺洸丸たちのいる船の大部屋へと向かった。

忍者の鵺洸丸が皆に話したい事とは?

次回へ続く。


※1…王国の名前の由来は、「ナイル川」と、古代エジプトの王朝「プトレマイオス朝」より

※2…島の名前の由来は、スペインの世界遺産「イビサ島の生物多様性と文化」(複合遺産 1999年登録)、地区の名前の由来は同「イビサ島」の「プッチ・フダス・ムリンス(風車の丘)」より

※3…帝国の名前の由来は、中国の世界遺産「万里の長城」(文化遺産 1987年登録)より

※4…その叫び声は、さながら「怪鳥音」。

※5…中国風の国バンリ帝国だが、ランフォン特別区では洋風の政治体制(貴族制など)や文化なども広く取り入れられており、帝国本土とは違い公爵家や男爵家といった貴族たちが住んでいる。

※6…準団員とは有期雇用の騎士団員で、雇用期間は6ヶ月(更新可能)。

サフクラントに限らず各国の騎士団員は雇用形態により、「正団員」、「正団員見習い」、「準団員」、「臨時団員」の4つに分かれる。

団員はそれぞれ紋章を身に付けており、サフクラント公国騎士団の場合、「正団員」には「牛」が、「正団員見習い」には「子牛」が、「準団員」(タオツェイ含む)には「スペインオオヤマネコ」が、「臨時団員」には「オオフラミンゴ」が紋章に描かれている。

※7…王国の名前の由来は、ノルウェーの世界遺産「西ノルウェーフィヨルド群‐ガイランゲルフィヨルドとネーロイフィヨルド」(自然遺産 2005年登録)より

☆※8…港町の名前の由来は、ポルトガルの世界遺産「アゾレス諸島のアングラ・ド・エロイズモの中心地区」(文化遺産 1983年登録)より

※9…王宮の名前の由来は、スペインの世界遺産「アランフェスの文化的景観」(文化遺産 2001年登録)の「アランフェスの王宮」より

☆※10…塔の名前の由来は、スペインの世界遺産「ヘラクレスの塔」(文化遺産 2009年登録)より

☆※11…都市の名前の由来は、スペインの世界遺産「歴史的城塞都市クエンカ」(文化遺産 1996年登録)より

☆※12…渓谷の名前の由来は、スペインの世界遺産「バル・デ・ボイのカタルーニャ風ロマネスク様式教会群」(文化遺産 2000年登録)、村の名前の由来は同「バル・デ・ボイ」の「サント・クリメント教会(聖堂)」より

☆※13…村の名前の由来は、スペインの世界遺産「アタプエルカの考古遺跡」(文化遺産 2000年登録)より

☆※14…地区の名前の由来は、スペインの世界遺産「サン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナ」(文化遺産 1999年登録)より

☆※15…公爵家の名前の由来は、ポルトガルの世界遺産「シントラの文化的景観」(文化遺産 1995年登録)、宮殿の名前の由来は同「シントラ」の「ペーナ宮殿」より

※16…「noble princess」、「貴族のお姫様」ということで。

☆※17…修道院の名前の由来は、ポルトガルの世界遺産「トマールのキリスト教修道院」(文化遺産 1983年登録)と、同修道院の「サンタ・バルバラの回廊」より

☆※18…橋の名前の由来は、スペインの世界遺産「ビスカヤ橋」(文化遺産 2006年登録)より

※19…元ネタはアイヌ語。『アンモ』は「鬼・妖怪・化け物」などの意味。エゾ藩の人間は魔獣を物の怪やアンモとも呼ぶ。

☆※20…山の名前の由来は、スペインの世界遺産「テイデ国立公園」(自然遺産 2007年登録)より

☆※21…遺跡の名前の由来は、スペインの世界遺産「メリダの考古遺跡群」(文化遺産 1993年登録)より

☆※22…村の名前の由来は、スペインの世界遺産「トラムンタナ山脈の文化的景観」(文化遺産 2011年登録)より

☆※23…音楽の名前の由来は、ドイツの世界遺産「ヴィースの巡礼教会」(文化遺産 1983年登録)、同教会の建築様式「ロココ様式」、同教会の「天から降ってきた宝石」とも称賛される天井画より

ヒンメル(Himmel)はドイツ語で「空」、「天」などの意味、シュムック(Schmuck)もドイツ語で「宝石」などの意味。

☆※24…地区の名前の由来は、スペインの世界遺産「ルーゴのローマ城壁群」(文化遺産 2000年登録)より

※25…闘牛士が使う刺突用の剣だが、作中のエストックは実物よりも強化されている。魔力と組み合わせるとかなり強い。

☆※26…村の名前の由来は、スウェーデンの世界遺産「ヘルシングランドの装飾農家群」(文化遺産 2012年登録)より

☆※27…村の名前の由来は、スペインの世界遺産「ポブレー修道院」(文化遺産 1991年登録)より

☆※28…村の名前の由来は、ポルトガルの世界遺産「ピコ島のブドウ畑文化の景観」(文化遺産 2004年登録)より

(☆:物語初登場の世界遺産)

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