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第30話(前編) イビサーレ島、オーレ!(前編)

30話目です。ナプトレーマ王国から次のサフクラント公国にたどり着いたクレードやシェルージェたちのことをよろしくお願いします。

4番目の国、サフクラント公国では、スペイン・ポルトガル・アンドラ公国の世界遺産をモデルにした村・町・遺跡・自然などが登場します。


※今回の話は、前編・中編・後編の3つに分かれています。


<主な登場人物の紹介>


<クレード一行 計11人>

(宝石の輝士団クリスタルナンバーズ 3人)

◎クレード・ロインスタイト(男・?歳)

・青色の髪をしている本作の主人公である魔法剣士。

持っている剣の名は「魔蒼剣」、盾の名は「アイオライトの盾」。

魔法の宝石グラン・サファイアにより、クリスターク・ブルーに変身できる。

自分の出身地や年齢など、過去の記憶をいろいろなくしている。

◎オリンス・バルブランタ(男・29歳)

・緑色の髪をしている元ルスカンティア王国騎士団の騎士。

馬にまたがり騎兵として戦うことが多い。使う武器は槍(翠電槍他)と斧。愛馬の名は「ベリル号」。

魔法の宝石グラン・エメラルドにより、クリスターク・グリーンに変身できる。

ナプトレーマ王国(※1)ではシェルージェと二人っきりになり、彼女と楽しいひと時を過ごした。

本来は真面目で大人しい人物ではあるが、シェルージェに対してメロメロになってしまう。

シェルージェのためならば過激な行動をしたり、無茶苦茶な言い訳をしたりする彼に対し、仲間たちの多くは呆れている。

◎アンシー・ヒズバイドン(女・22歳)

・白い髪をしている新人音楽家で、ムーンマーメイド交響楽団の非常勤楽団員。

武器はハープと鞭。ハープの名は「ホワイトコーラルハープ」、鞭の名は「真珠貝の鞭」。

魔法の宝石グラン・ホワイトパールにより、クリスターク・ホワイトに変身できる。


(ナンバーズの協力者たち 8人)

○ナハグニ・按司里あじさと(男・31歳)

・ワトニカ将国リュウキュウ藩出身の侍。自称、うちなー侍。

鵺洸丸やこうまる(男・31歳)

・ワトニカ将国オガサワラ藩出身の忍者。

○ウェンディ・京藤院きょうどういん(女・20歳)

・洋風な名前だがワトニカ将国キョウノミヤ藩出身。公家の娘で柔道家。

○ホヅミ・鶴野浦つるのうら(女・22歳)

・ワトニカ将国サド藩出身の女流棋士。

○ススキ(女・22歳)

・ワトニカ将国エゾ藩出身のくノ一。

千巌坊せんがんぼう(男・39歳)

・ワトニカ将国キノクニ藩出身の僧(坊主、お坊さん)。

○リンカ・白鳥森はくちょうもり(女・22歳)

・ワトニカ将国サンナイ藩出身。津軽三味線を弾く新人音楽家。

アンシーとは以前からの友人。

沖津灘おきつなだ(男・32歳)

・ワトニカ将国ヤハタ藩出身。ワトニカ大相撲の現役力士で、大関経験者。遠賀川部屋所属。


<その他人物>

◎シェルージェ・クランペリノ(女・18歳)

・黄色い髪(※長髪)をしている女盗賊。

武器はブーメランやナイフ、投げナイフなど。ブーメランの名は「サンフラワーブーメラン」、ナイフの名は「イエロークォーツナイフ」。

魔法の宝石グラン・シトリンにより、クリスターク・イエローに変身できる。

イエローに変身時は「魔法の絨毯」に乗り、空を飛ぶこともできる。

実は貴族の国サフクラント公国の前大公の孫娘だが、貴族の生活が嫌になり家出した。元盗賊の頭ロイズデンたちの力を借り、南のナプトレーマ王国にやって来た。

一時的にオリンスと二人っきりになり、彼と楽しいひと時を過ごした。

変身できるようになったことで、クレードやアンシーたちは「仲間になってほしい」とシェルージェに頼むが、彼女はあっさり「O.K.」の返事をした。しかし一方で公爵家の孫娘ということで、シェルージェの同行に対してはクレードたちも慎重になっている。

クレードたちはシェルージェを旅に同行させるかどうかについて、彼女の家族たちと話し合いをしたいと思っている。

この物語における重要人物の一人。

○レモン号(メス・4歳)

・シェルージェがオリンスと二人だけで行動している時、購入したメスのラクダ。

シェルージェはレモン号のことをとても気に入っている。

クリスターク・イエロー(シェルージェ)のジュエル・アビリティにより、イエローのブーツと融合もできる。

○ネフェルーグ・ラバルペリド(男・52歳)

・ナプトレーマ王国騎士団団長。

「ラーレのケペシュ」と呼ばれる鎌型の剣を使いこなす、ファラオナイト(※)。

(※ナプトレーマの騎士団員は、男性の場合「ファラオナイト」、女性の場合「イシスナイト」と呼ばれる)

サフクラント公国領イビサーレ島(※2)に大量の魔獣が出現したため、援軍部隊の隊長として島にやって来た。

○イザベリス・デラムジャール(女・23歳)

・ナプトレーマ王国騎士団の女兵士。

「ネクベトのケペシュ」と呼ばれる鎌型の剣を使いこなす、イシスナイト。

ナプトレーマ王国の兵士ではあるが、王国の北にあるサフクラント公国の出身。

ナプトレーマ王国内でサフクラントの前大公の孫娘シェルージェを見かけた人物。

ネフェルーグ騎士団長と共にイビサーレ島にやって来た。

☆○マデレウス・ガフィルダーデ(男・61歳)

・サフクラント公国騎士団団長で、マタドールナイト(※)。

(※サフクラントの騎士は、闘牛士をモチーフにしており「マタドールナイト」と呼ばれる)

大らかで細かい事は気にしない性格だが、戦いのときだけは鋭い顔つきになる。

貴族の国の騎士団長だけあって彼自身も伯爵家の出。

誕生日は5月1日。

☆○タオツェイ・ネイザンロドン(男・30歳)

・北の月(北側の大陸)、バンリ帝国(※3)ランフォン特別区出身の拳法家。

功夫カンフーのような武術「紅王蘭流」の使い手で、かなりのつわもの。

クールな性格で口数は多くないが、戦闘中はよく叫ぶ(※4)。

ランフォン一の伯爵家の出(※5)で、長男として家を継ぎたいと思っているが、今はサフクラント公国騎士団の準団員(※6)として従事している。

麒麟老師の4番弟子で、兄弟子にエリックという赤い髪の武闘家(拳法家)がいる。

誕生日は3月6日。香港出身のイメージ。

☆○ジードランネス公爵(女・53歳)

・イビサーレ島を治めるサフクラント公国の公爵。

(☆:新キャラ)


<名前のみ登場>

△ベルンディーネ・サフクランドス(女・56歳)

・サフクラント公国の「現」大公で、第24代国家元首。「サフクランドス大公」の称号を持つ。

△ラプシェイア・クランペリノ(女・43歳)

・シェルージェの母。

公爵家、クランペリノ家本家の当主を引退した父オルブラングに代わり家を継いでおり、「クランペリノ公爵」の称号を持つ。

△オルブラング・クランペリノ(男・72歳)

・シェルージェの母方の祖父。

ラプシェイア(姉)とレプチャール(妹)の父。

サフクラント公国の「前」大公で、第23代国家元首。

大公だけではなく、現在は公爵家の当主も引退している。

△レプチャール・グスタヴィアン(女・40歳)

・シェルージェの母方の叔母で、ラプシェイアの妹。

現在はサフクラントではなく、ガーランゲルド王国(※7)に在住している。

△リグレイドス・ピスパルカー(男・57歳)

・イザベリスの実父だが、離婚により現在はお互い離れて暮らしている。「ピスパルカー侯爵そうろうこうしゃく」の称号を持つ。

△スクレイザー・ピスパルカー(男・18歳)

・リグレイドスの息子でイザベリスの弟だが、離婚により現在はお互い離れて暮らしている。

△イルビーツ・サウロザーン(男・35歳)

・ダールファン王国騎士団の副騎士団長の一人だが、遠征で隣のナプトレーマ王国まで来ている。

ケルビニアン暦2050K年7月1日の昼。

クレードやシェルージェ、ネフェルーグ騎士団長やイザベリスたちナプトレーマ王国の遠征部隊を乗せた船は、サフクラント公国領イビサーレ島の港町、アングラエドロ(※8)にたどり着いた。


港町に到着すると、シェルージェは船から下りてすぐに、

シェルージェ「おーい、サフクラントのみんな!」

 「シェルージェちゃんが島に来たよー!」


シェルージェの声に港の兵士たちが気づき、

サフクラント兵①(マタドールナイト)「シェ、シェルージェ様!?」

サフクラント兵②(マタドールナイト)「長い黄色の髪に、あのお顔!」

 「間違いない、あの方はシェルージェ様だ!」

兵士たちがシェルージェに近づいてきた。


サフクラント兵③(マタドールナイト)「シェルージェ様なのですか、よくぞご無事で…」

シェルージェ「うん、正真正銘のシェルージェちゃんだよ」


シェルージェは持っていたクランペリノ家の紋章を兵士たちに見せ、

サフクラント兵④(マタドールナイト)「公爵家を表す王冠、ナツメヤシ、虹色の縞模様、クランフェルジスの王宮(※9)、農夫の家、両脇にヘラクレンスの塔(※10)…」

 「間違いありません!クランペリノ家の紋章です!」


シェルージェ「念のため、中も見せるよ」

シェルージェは兵士たちの前で紋章を開き、

シェルージェ「3年前の絵だけど、紋章にはシェルージェちゃんの肖像画、それに本人確認のための拇印もあるよ」

サフクラント兵⑤(マタドールナイト)「大丈夫でございます。我々はシェルージェ様のことを疑ってはおりませぬ」

シェルージェ「まあそう言ってくれるとシェルージェも助かるよ」


シェルージェ「それよりも港町に一般の人たちがいないじゃん」

 「町の人が出歩けないくらい魔獣に困っているわけ?」

サフクラント兵③(マタドールナイト)「それについては…」


遠征部隊のネフェルーグたちも、

ネフェルーグ「我々ナプトレーマ王国騎士団にもその話お聞かせください」

サフクラント兵⑥(マタドールナイト)「その装備や装飾、皆様はナプトレーマの方々なのですか!?」

ネフェルーグ「申し遅れました、私はナプトレーマ王国騎士団団長のネフェルーグ・ラバルペリドです」

サフクラント兵①(マタドールナイト)「ナプトレーマの騎士団団長がこの島に!?」

ネフェルーグ「王都に来た伝令隊より話を聞いております」

 「なんでも、イビサーレ島に大量の魔獣が出現したため、対処によりシェルージェ様のお迎えにいらっしゃれないと」

サフクラント兵④(マタドールナイト)「おっしゃる通りでございます…この島は今、魔獣たちで溢れ、それによりシェルージェ様へのご対応もできず…」

ネフェルーグ「だからこそ我々はこの島に来たのですよ」

 「シェルージェ様と共に、サフクラント公国騎士団をお助けするために」

サフクラント兵⑦(マタドールナイト)「ナプトレーマから我が国のために!?」

 「なんとお礼を申し上げてよいのやら…」


イザベリス「お気になさらないでください」

 「隣国という関係であれば、助け合うのが筋というものでございますから」

サフクラント兵⑧(マタドールナイト)「ムッ!」


一人の兵士がイザベリスの顔を見て、

サフクラント兵⑧(マタドールナイト)「あ、あなた様はピスパルカー家のイザベリス様では!?」

サフクラント兵⑨(マタドールナイト)「ピスパルカー家!?あの名門侯爵めいもんそうろうこうしゃく家の!?」

サフクラント兵⑩(マタドールナイト)「「宙吊りの家」が有名な城塞都市クエンカルカ(※11)を始め、ボボイ渓谷(※12)のソル・クリメンティ村(※12)や考古遺跡があるアタプルエッカ村(※13)などを治めるあのピスパルカー家のお方とは!」


イザベリス「…」

 「今、ピスパルカー家にいるのは私の父や弟です」

 「両親は4年前に離婚し、私はナプトレーマ出身の母についていったので、もう私はピスパルカー家の人間ではありません…」

サフクラント兵⑪(マタドールナイト)「ですが、イザベリス様の実のお父上が、ピスパルカー侯爵そうろうこうしゃく様であることに変わりはありません」

サフクラント兵⑫(マタドールナイト)「ならば、ピスパルカー侯爵そうろうこうしゃく様のためにもイザベリス様のお力になるつもりです!」

サフクラント兵⑬(マタドールナイト)「シェルージェ様にイザベリス様、我らサフクラント公国騎士団、お二方のためにも全力で戦いましょう!」

サフクラント兵たち「オーレ!」


イザベリス「シェルージェ様だけでなく、私のために騎士団の方々が!?」

ここでクレードたちが、

クレード「イザベリス、シェルージェだけではなく、お前もこの国のプリンセスだということだ」

イザベリス「プリンセス!?私が!?」

アンシー「自信を持ってイザベリスさん、サフクラントの人たちにとってあなたの存在は大きいんだから」

イザベリス「わ、私は…」


クレードやアンシーたちを見て兵士たちが、

サフクラント兵⑪(マタドールナイト)「あなた方も援軍としてこの国にいらしたのですか?どうやらナプトレーマの方々ではなさそうですが?」

シェルージェ「みんな、シェルージェちゃんのお仲間だよ」

 「ナプトレーマで知り合ったんだ」

サフクラント兵⑧(マタドールナイト)「左様でございましたか」


その時、薄紫色をした怪魚型の魔獣たちが何匹も現れた。

怪魚型魔獣たち「ギッギッ!」

シェルージェ「えっ!?お魚の魔獣!?」

 「陸でも堂々と歩いてんじゃん!」

サフクラント兵⑨(マタドールナイト)「そうなのです。この陸を歩く怪魚型たちが島に大量に現れたため、ここ数日対処に追われているのです」

サフクラント兵⑦(マタドールナイト)「この港町地区に一般の者たちが出歩いていないのも、皆、周辺の修道院などに避難しているからです」

サフクラント兵①(マタドールナイト)「シェルージェをお迎えするためナプトレーマに向かうはずだったマデレウス騎士団長も島の魔獣たちのことを知り、急遽退治にご協力してくださったのです」

サフクラント兵②(マタドールナイト)「マデレウス騎士団長たちは補給のために島に立ち寄っただけだというのに、余計な手間をかけさせてしまいまして…」


シェルージェ「マデレウスさんは今どこにいるの!」

 「シェルージェのために来てくれたんなら、顔を見せないと!」

サフクラント兵③(マタドールナイト)「ハッ!マデレウス騎士団長は現在島の中心街「ソロ・クリストバルダーデ」地区(※14)で怪魚型たちと戦っていると思われます!」

 「地区には島を治めるジードランネス公爵家(※15)が住まうペペナ宮殿(※15)などもあり、その他多くの住人が住んでおります!」

 「マデレウス騎士団長も「なんとしてもお守りしたい!」などとおっしゃり、自ら率先して地区へと向かわれました!」

シェルージェ「中心街の「ソロ・クリストバルダーデ」地区ってとこなのね!」

サフクラント兵⑤(マタドールナイト)「ハッ!山側に位置しております!」


シェルージェ「よーし、イエローに変身して向かっちゃうんだから!」

サフクラント兵⑦(マタドールナイト)「シェ、シェルージェ様!?一体何を!?」

シェルージェはグラン・シトリンを取り出し、

シェルージェ「カラーチェンジ&クリスタークオン!」

体が強く光り輝き、シェルージェはクリスターク・イエローに変身した。

クリスターク・イエロー「幸運のシトリン!クリスターク・イエロー!」


サフクラント兵④(マタドールナイト)「シェ、シェルージェ様…そのマスクとスーツ姿は一体…」

シェルージェ「クリスターク・イエローだよ。ナプトレーマでオリンスたちに会って光る石を手にして、それから変身できるようになったんだ」

サフクラント兵⑦(マタドールナイト)「な、なんと…」


シェルージェのそばにいたオリンスが、

オリンス「いいよ!シェルージェちゃん!最高だ!」

 「よーし、俺も変身だ!」

 「カラーチェンジ&クリスタークオン!」

ベリル号「ヒンッ!」

グラン・エメラルドを取り出し、オリンスもクリスターク・グリーンに、ベリル号もエメラルド・ベリル号にそれぞれ変身した。


そしてイエローも連れて来たラクダのレモン号に、

イエロー「レモン号!イエローのブーツと融合して!」

レモン号「プェー!」

光の玉となったレモン号はイエローのブーツと合わさり融合した。


続いてイエローは持ってきた魔法の絨毯に乗り、

イエロー「グリーン!イエローは絨毯で空飛んでくから、ちゃんとついてきてよ!」

グリーン「もちろんだよ、イエロー!俺はエメラルド・ベリル号で大地を走ってついて行くよ」

イエロー「下の敵は任せたよ、グリーン!」

グリーン「うん!シェルージェちゃんの国を荒らす奴らを俺は許さない!」


怪魚型魔獣たち「ギッギッ!」

グリーン「邪魔だ!どけーっ!」

怪魚型魔獣たち「!?」

グリーンは翠電槍を前に突き出し、突進攻撃で怪魚型魔獣たちをやっつけた。


イエローは絨毯で空を飛び、グリーンはエメラルド・ベリル号で地面を駆け、二人は島の奥へと進んでいった。


二人の変身や能力に周りの兵士たちも驚き、

サフクラント兵⑩(マタドールナイト)「マスクとスーツ姿に変身し、絨毯で空を飛んでいったシェルージェ様も気になるが、一緒にいたあの騎兵は何者なんだ!」

サフクラント兵⑬(マタドールナイト)「マスクやスーツの色はシェルージェ様と違っていたが、緑色に光る馬に跨り、すごい速さで突き進むとは…」


ここでクレードたちが、

クレード「やれやれ、俺たちはどこへ行っても目立っちまうな」

ネフェルーグ「クレード殿、あのお二人にお任せして大丈夫か?」

クレード「まあシェルージェ(イエロー)はともかく、オリンスは以前のような真面目男ではないからな、不安に思うかもしれない」

 「だがシェルージェを想うあいつの気持ちは確かなはずだ。俺はそれに賭けたい」

ネフェルーグ「クレード殿がそうおっしゃるのなら、私もオリンス殿を「一応」信用いたしますが」


イザベリス「ネフェルーグ騎士団長、我々遠征部隊はいかがいたしましょうか?」

ネフェルーグ「イザベリス、我々は我々で、中心街のソロ・クリストバルダーデ地区へ向かおう」

 「何であれ、シェルージェ様とオリンス殿の跡を追わねばならんだろうし、騎士団長のマデレウス殿にもお会いしたいからな」

サフクラント兵③(マタドールナイト)「ネフェルーグ騎士団長!中心街へ行っていただけるのですか!」

サフクラント兵⑫(マタドールナイト)「我々としても頼もしい限りです!」


ナプトレーマ兵①(遠征部隊・ファラオナイト)「サフクラントの皆様、我らナプトレーマの兵も力を貸しましょう!」

ナプトレーマ兵②(遠征部隊・女性・イシスナイト)「ファラオナイト、そしてイシスナイトの力をお見せしましょう!」


その時、怪魚型の魔獣たちがまた何匹も現れた。

怪魚型魔獣たち「ギッギッ!」

クレード「オリンスが倒したと思ったら、また現れたか」

ウェンディ「クレード!みんな!ここはウチに任せるッス!」

 「化け魚なんて、ウチが片付けてやるッス!」

アンシー「分かったわ、ウェンディ!」

 「私たちはネフェルーグ騎士団長たちと共に中心街へ向かうわ!」

ホヅミ「ウェンディさぁん、お願いしますぅ」


ウェンディ「押忍!ウェンディ・京藤院!公家の娘として相手になってやるッス!」

サフクラント兵⑭(マタドールナイト)「京藤院!?もしや、ベルンディーネ様たちサフクランドス公爵家とも交流がある、ワトニカの名門貴族の名では!?」

サフクラント兵⑮(女性・マタドールナイト)「ではウェンディさんは、その名門貴族のお方ということなの!?」

ウェンディ(照れながら)「いやあ、名門だなんて…」

 「公家として仕事をしているのは、ウチのお父さんやお母さんたちで、ウチは特に何も…」

サフクラント兵⑫(マタドールナイト)「ですが、ウェンディ様が京藤院家の方であることに違いはありません!」

サフクラント兵⑬(マタドールナイト)「ならばウェンディ様のためにもこの怪物魚どもを駆除せねば!」

サフクラント兵⑭(マタドールナイト)「ウェンディ様だけではない!クランペリノ家のシェルージェ様やピスパルカー侯爵のご息女であるイザベリス様も島に来ていらっしゃるのだ!貴族の国サフクラントの騎士団として、お三方に無様な姿をお見せするわけにはいかん!」

 「今こそ全力で戦うときだ!いくぞ!」

サフクラント兵たち「サフクラント騎士団!オーレ!」

ウェンディ(ちょっと困った様子で)「まあ、ウチが倒し損ねた分をよろしく頼むッス…」


クレード(心の中で)「(シェルージェ・イザベリス・ウェンディ、三人のノーブルプリンセス(※16)ってわけか)」


クレードやネフェルーグたちは港町地区の魔獣たちをウェンディたちに任せ、先に進んだ。


ここは島の修道院、ドマール・バルバーラ修道院(※17)。

修道院の入り口で兵士たちが怪魚型魔獣たちと戦っていた。

怪魚型魔獣たち「ギッギッ!」

サフクラント兵⑯(マタドールナイト)「この修道院には一歩たりとも入れんぞ!」

サフクラント兵⑰(マタドールナイト)「ここは先代の騎士団員たちが築いた誇りある修道院!中にいる兵や民たちも含め、守ってみせる!」

怪魚型魔獣たち「ギーッ!」


魔獣たちが兵士に襲いかかってきたが、その時、

ナハグニ「グスク刀・今帰仁なきじんの太刀!」

怪魚型魔獣たち「ギョ…」

刀による連続攻撃で魔獣たちは倒された。


ナハグニ「陸を歩く化け魚であろうと、拙者の敵ではござらん!」

サフクラント兵⑯(マタドールナイト・別部隊)「そ、そなたは一体?」

ナハグニ「申し遅れた、拙者、ナハグニ・按司里あじさと!」

 「うちなー侍でござる!」

サフクラント兵⑰(マタドールナイト・別部隊)「う、うちなー侍?」


同行している兵士がナハグニについて話してくれた。

サフクラント兵⑱(マタドールナイト)「こちらの方々は他国からの援軍だ!」

 「魔獣大量出現の話を聞き、島に駆けつけてくれたのだ!」

サフクラント兵⑯(マタドールナイト・別部隊)「な、なんと!?」


ナハグニたちと同行している千巌坊も、

千巌坊「この修道院の中に負傷した兵たちや避難している市民が大勢いると聞いている…」

 「ならば私も回復役としてお手伝いさせていただきたい…」

サフクラント兵⑰(マタドールナイト・別部隊)「あなたも援軍の方ですか!」

千巌坊「私は千巌坊せんがんぼう、ワトニカの坊主だ…」


サフクラント兵⑱(マタドールナイト)「千巌坊殿は回復魔法が使える、中の者たちの手当てに協力させてはくれぬか?」

サフクラント兵⑰(マタドールナイト・別部隊)「それでしたら願ってもないことです。連日の戦いで負傷してしまった兵や襲われた市民も多くおりますので」

千巌坊「分かった今すぐ力を貸そう…」

 「ナハグニ…外の守りは任せたぞ…」

ナハグニ「このうちなー侍にお任せあれ!」

 「いかなる怪物が現れようと、この先へは行かせないでござる!」


クレードやネフェルーグたちは修道院の守りや支援をナハグニと千巌坊たちに任せ、先に進んだようだ。

(※中編へ続きます)

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