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第26話(後編) ロイズデンとスカラベのケペシュ(後編)

(※第26話の後半部分です)

次の日の夜、オリーブ広場で、

別のグループの男①改め、盗賊①(小声)「(あの騎士団の男、来ねぇな…)」

別のグループの男②改め、盗賊②(小声)「(今回は俺たちの見込み違いってわけか?)」

盗賊①(小声)「(もうずらかるぞ。町や広場の見回りをする兵士たちに捕まったら厄介だ…)」


盗賊たちは広場から撤収しようとしたが、その時ローブを着た一人の男が彼らに近づいた。

ローブの男(小声)「待たせたな…」

盗賊②(小声)「(昨日のあんたか?)」

ローブの男(小声)「(そうだ、俺だ。騎士団員のロイズデンだ)」

盗賊①(小声)「(来てくれたのか、嬉しい限りだ)」

盗賊②(小声)「(まったく…来ないと思って撤収しようとしたところだったんだぜ)」

ローブの男改め、ロイズデン(小声)「(言っとくがまだお前らの仲間になるわけじゃねぇぞ)」

 「(一つだけ言っておきたいことがあるからここへ来たんだ)」

盗賊①(小声)「(分かった。だがこの広場に長くいるのはマズい)」

 「(場所を変えて話そうじゃねぇか)」

ロイズデン(小声)「(ああ…)」


ロイズデンと盗賊の二人はほとんど人けのない細い小道へ移動し、

ロイズデン(小声)「(アブジンベルノン神殿に「スカラベのケペシュ」っていう俺が使っていい剣が置いてある)」

 「(それを持ってお前らの仲間になってやる)」

盗賊①(小声)「(だったらその剣を持ってくるために、今から神殿に忍び込もうってわけか?)」

ロイズデン(小声)「(馬鹿言うな。俺とお前ら如きであの神殿に忍び込めるか)」

 「(アブジンベルノン神殿は国王たちのいる神殿だ。警備を甘く見んじゃねぇよ)」

盗賊②(小声)「(ならどうする気だ?朝や昼間の時間にあんたがこっそり持ち出すのか?)」

ロイズデン(小声)「(そいつも不可能だ。どの時間帯だろうと警備は甘くねぇんだよ)」

 「(だが神殿以外なら俺が自由になれる時間はある…)」


その三日後、神殿からスカラベのケペシュを持ってきたロイズデンと王国騎士団は魔獣たちを退治するため、王都郊外の「ドゥガルットの遺跡(※7)」に来ていた。


当時部隊長だったネフェルーグ(当時39歳)が兵たちを率いて、

ネフェルーグ「石塔、神殿、劇場…貴重な古代の遺跡を魔獣どもに荒らさせはせん…」

 「皆の者!この遺跡に巣くう魔獣どもを直ちに一掃するのだ!」

兵士たち「オーッ!」


ロイズデン(心の中で)「(んじゃ、派手にやらせてもらうか…)」

 「(騎士団員としての最後の仕事だろうからな…)」


遺跡の魔獣たちと戦う兵士たち。ロイズデンも戦い、

サソリ型の魔獣たち「キキッ!」

ロイズデン「テメェらに見せてやるよ、このスカラベのケペシュの威力をな…」

ロイズデンがケペシュを振ると球体の光弾が飛び出し、魔獣たちは光弾によりあっという間に始末された。


スカラベのケペシュを扱うロイズデンの戦いぶりを離れた所から見ていた若い兵士は、

ナプトレーマ兵②(小声)「(くそっ!なんで俺はあのケペシュを扱えねぇんだ!)」

 「(俺は伯爵家の生まれで、名門ナプトレーマ第一魔法大学の魔法戦士科を卒業したんだぞ!)」

 「(なのに何で俺じゃなくて、平民の生まれでろくに勉強もしてこなかったあいつが上手く扱えるんだよ!)」


若い兵士に別の兵士が声をかけ、

ナプトレーマ兵③(小声)「(仕方ないだろ。それだけ魔力や魔法が曖昧な存在だということだ)」

 「(魔力を持つ武器や防具には相性がある。魔力の高い人間だからといって必ずしも上手く扱えるわけではないし、逆に魔力の低い人間が使いこなせてしまうこともある)」

 「(人よりもいい学校を出たから何でも実現できると思うな。魔法や魔力はそういうあやふやな分野なのだ)」

ナプトレーマ兵②(小声)「(俺だってそれくらい分かってる!だがこの悔しさは…)」


ロイズデンは自分を妬む若い兵士に気づき、

ロイズデン(心の中で)「(あの若手兵士、俺のことを良く思っちゃいねぇな…)」

 「(まあ何でもいいさ、妬むことしかできねぇ自称エリートの奴らがいる世界とは今日でお別れだ)」


ロイズデンの活躍もあり遺跡の魔獣たちは全滅した。だが、

ロイズデン「ネフェルーグ部隊長。どこかにまだ潜んでいる魔獣がいるかもしれません」

 「私にも探させてください」

ネフェルーグ「そうだな。この遺跡は古代の都市、それなりの広さはある」

 「よし、残った魔獣がいないか隈なく探してくれ」

ロイズデン「分かりました。ではこのスカラベのケペシュを持って、早速探して参ります」

そう言ってロイズデンは部隊長であるネフェルーグの前から姿を消した。


ネフェルーグとロイズデン、二人のやり取りを見ていた兵士の一人が、

ナプトレーマ兵④(ファラオナイト)「ネフェルーグ部隊長、あの男を一人で行かせて大丈夫ですか?」

ネフェルーグ「心配するな、スカラベのケペシュを持ったあの者の強さは折り紙付きだ」

 「一人で魔獣の群れと遭遇しても難なく勝てるだろうさ」

ナプトレーマ兵④(ファラオナイト)「そうではございません。強さではなく「人として」あの者を信用できるかどうかです」

ネフェルーグ「なに?」


「魔獣がまだどこかに潜んでいるかもしれないから、自分が探してみる」という名目で部隊長のネフェルーグと別れたロイズデン。


そして彼は遺跡の陰に隠れていた盗賊たちと接触し、

ロイズデン(小声)「(待たせたな、それじゃあ行くぞ)」

盗賊①(小声)「(戦いの場を利用してとんずらするってわけか。考えたな)」

盗賊②(小声)「(それにしても本当にいいのかい?それを持っていって)」

 「(あんたはそのケペシュのせいで散々ストレスを感じてたんだろ)」

ロイズデン(小声)「(確かにストレス源にはなったが、武器としてはかなり気に入ってる)」

 「(俺はこいつで自分の力を見せつけて、盗賊のかしらになってやる)」

盗賊①(小声)「(ハッハッハッ!こいつは面白くなりそうだ!)」


盗賊②(男・当時29歳)(小声)「(そういやまだちゃんと自己紹介もしてなかったな)」

 「(俺の名はオドン)」

 「(石板を使ってナイルフグやコンゴテトラとかを具現化し戦わせることができる)」

 「(これからよろしく頼むぜ)」


盗賊①(男・当時33歳)(小声)「(俺はモルバッサンだ。だがオドンにしても俺にしても本名じゃねぇんだ)」

 「(盗賊は本名を隠すもんだからな)」

 「(あんたも今のうちに偽名を考えておきな)」

ロイズデン(小声)「(盗賊としての俺の名前か…)」


ロイズデンと盗賊たちはドゥガプットの遺跡から撤収した。


一方ネフェルーグたち騎士団はロイズデンが戻ってこない事に気づき、

ナプトレーマ兵⑤(ファラオナイト)「ロイズデンめ!一体どこに行ったのだ!?」

ナプトレーマ兵⑥(ファラオナイト)「まさか奴は貴重なスカラベのケペシュを持って逃亡を!?」

ナプトレーマ兵⑦(女性・イシスナイト)「待ってよ!魔獣に遭遇して、運悪く食べられてしまったのかもしれないじゃない!」

ナプトレーマ兵⑧(ファラオナイト)「確かにあの後クロヒョウのような凶暴な魔獣たちが遺跡に現れ、我々もなんとか退治したのだが…」

ナプトレーマ兵⑨(ファラオナイト)「だがあの者が持っていたケペシュはどこにも落ちてなかったぞ!」

ナプトレーマ兵⑦(女性・イシスナイト)「それならどこかの魔獣がケペシュごと彼を食べてしまったのかも!?」

ナプトレーマ兵⑥(ファラオナイト)「人間ならともかく、魔獣がそうそう剣などを食べるとは思えない…やはり奴は初めから逃げるつもりで…」

ネフェルーグ「くっ!なぜこんなことになったのだ…!」


(回想シーン終わり)


シェルージェはその続きを話し、

シェルージェ「盗賊になってからは、その強さや魔力をお仲間さんたちに見せつけて、あっという間にかしらになったんだって」

 「それから1と3年間、お仲間さんたちの入れ替わりも多かったみたいだけど、お頭はその中でもボスとして盗賊団をまとめてきたんだよぉ」


アンシー「でもお手紙によるとお頭の盗賊団はもう解散したんですよね?」

シェルージェ「うん。手を組んでいた海賊のゼベルクさんも少し前に死んじゃったし、シェルージェのこともあるから、いろいろ考えて解散しちゃったんだろうな…」

クレード「ネフェルーグ騎士団長は、かしらの行動や気持ちも含め、そこまでの事は知らない」

 「そうなるとシェルージェも、神殿に戻ったらいろいろと聞かれるだろうな」

シェルージェ「うわっ!面倒くさっ!」

 「お話しばっかするのはシェルージェ、疲れるよぉ」


アンシー「でもそれだけ聞かなければならないことがプリンセスにはあるんですよ」

ウェンディ「その通りッス!公爵家の孫娘が3年も行方不明だったなんて、国も動かす大事件レベルッス!」

ホヅミ「公爵家という立場はぁそれほどなんですよぉ」

 「世間のぉ注目もぉすごいんですよぉ」

シェルージェ「だから勘弁してよぉ、「公爵家だから」とか言われるのがシェルージェちゃんにはきついんだよぉ…」

オリンス(沖津灘に体を押さえられながら)「だったらシェルージェちゃんを連れて今からみんなで逃げ出そう!」

クレード「そういうわけにいくか、アホ」

シェルージェ「シェルージェはむしろそうしたいんだけどなぁ…」


ここで沖津灘が、

沖津灘「しかしあの頭、自分が気に入っていたスカラベのケペシュも置いていくとは」

クレード「騎士団が所持していたケペシュを返す、元騎士団員として「けじめ」をつけたのかもな」


ナハグニ(心の中で)「(強き武器を扱う、喜びと苦悩…)」

 「(拙者もお頭の気持ちが分かるでござるよ…)」

ナハグニは愛用するグスク刀を見ながら、そう思った。


ここでリンカが話題を変え、

リンカ「そういえば姫様、お頭さんからのお手紙には他に何か書いてあったべか?」

シェルージェ「盗賊団を解散させたこと以外に、「今まで盗んだお宝もみんな返す」って書いてあったよ」

 「お手紙にはエネディナープ山塊(※8)にある盗賊団のアジトを示した地図も入ってたから、シェルージェ、さっき砦で騎士団員の人たちに渡したんだ」

 「手紙では地図を渡してほしいっていうからさあ」


アンシー「というと、お宝はアジトに置いてあるから、それらを全部返すってことね?」

シェルージェ「うん。盗賊団を解散させた「けじめ」ってことらしいよ」

 「でも町に行ってお金に換えちゃったお宝も結構あるんだよね」

 「だから正しく言えば、全部返すってわけじゃないんだろうけど」

クレード「残った分だけだとしてもそれらを持ち逃げされるよりかはずっといい」

沖津灘「何だかんだ言ってもそこは元騎士団員、盗賊稼業ばしようとも「けじめ」はしっかりとつける男たいね」


ホヅミ「盗賊団解散とぉお宝の返還、お手紙にはぁそれ以外にもぉ書いてましたかぁ?」

シェルージェ「あとはシェルージェへのメッセージがちょっとだけ書いてあったよ、「いつまでも元気でな」とか」

アンシー「あっさりとした感じですね」

シェルージェ「シェルージェはそれでも良いと思うよ」

 「お手紙や3年くらいに一緒にいたお頭とのお別れもあっさりだったけど、そのほうが盗賊らしくていいや」

シェルージェは笑顔でそう言った。

オリンス(沖津灘に体を押さえられながら)「シェ、シェルージェちゃん…」 じーん


ケルビニアン暦2050K年6月23日。

砂漠を移動するクレードたちやナプトレーマ王国騎士団たちは王都のジェンネッタ地区(※9)の砦で休憩していた。

川沿いの交易都市として栄え、日干しレンガや泥で作られた家屋や大聖堂などがあるこの地区の砦でシェルージェやイルビーツ副騎士団長たちは、


イルビーツ「なるほど。シェルージェ様はダルファンダニア様(※10)より頂いた「魔法のランプ」や「魔法の絨毯」を使ってみたいわけですね」

シェルージェ「魔力を込めながら魔法のランプを何度も擦ったんだけど、全然反応しないんだよぉ」

 「ねぇ、なんかコツはないのぉ?」

イルビーツ「申し訳ありませんが簡単にはいかないですよ」

 「私もランプを用いて魔神ラジャナーンを具現化できるまで、10年近くかかりましたから」


イザベリス「そ、そんなにかかったんですか?」

近くにいたイシスナイトのイザベリスがイルビーツに話しかけた。

イルビーツ「ええ、私がラジャナーンを具現化できるようになったのは5年前の30歳の頃です」

 「それまでは私もアリムバルダ騎士団長のように曲刀「シャムシール」で主に戦っていたのですよ」

イザベリス「そうだったのですか…確かに簡単ではなかったですね」

イルビーツ「ですがそういった下積みの時があったからこそ今の私があるのです」

 「だから今まで無駄な時間などなかったと私は思っていますよ、イザベリスさん」

イザベリス「そ、そうですね…」 ドキッ!

イザベリスはイルビーツに思わず「ドキッ!」としてしまった。


ここでシェルージェと一緒にいるクレードたちが、

クレード「シェルージェ、イエローに変身しろ」

 「魔力が上がれば、少しは反応するかもしれないぞ」

アンシー「プリンセス、私もここは変身してみるのが良いかと?」

シェルージェ「そうだね!生身のシェルージェじゃ無理でも、イエローに変身すればできるかもね!」

 「よーし!」


シェルージェは魔法の宝石グラン・シトリンを手に持ち、

シェルージェ「カラーチェンジ&クリスタルオン!」

クリスターク・イエローに変身したシェルージェは魔法のランプを擦ったが、やはり反応はなかった。

イエロー「うーん、これもダメか…」


ここでオリンスが、

オリンス「イエロー!だったら次は魔法の絨毯を試してみるんだ!」

 「ランプは無理でも絨毯なら反応するかもしれないよ!」

イエロー「絨毯かあ、お空飛んでみたいし、やってみるよ!」


イエローは魔法の絨毯に乗った。すると、

イエロー「え、何、宙に浮いてくよ!?」

イルビーツ「魔法の絨毯が反応しているのか!?」

 「セーヤ王子でさえ最初はうまくいかなかったというのに!」

イエロー「いい感じじゃん!これなら思いっきり飛べそうだよ!」

 「よーし!」

魔法の絨毯に乗ったイエローは縦横無尽に空を飛んだ。


その姿を目撃した王都の市民たちも、

市民①(男性)「誰かが絨毯で空を飛んでいるぞ!?」

市民②(女性)「なに一体何いったいなんなのよ!?」


イエロー「イヤッホー!」

空を飛び回ったイエローであるが、元のシェルージェに戻って魔法の絨毯を試したところまったくの無反応であった。

どうやらイエローに変身しなければ、シェルージェは魔法の絨毯に乗れないようだ。

しかしクリスターク・ブルー(クレード)のジェイブルーウイングのように空を飛べることは大きな力になるはずである。


ケルビニアン暦2050K年6月24日の昼。

クレードやシェルージェたちは、ナプトレーマ国王の待つアブジンベルノン神殿へとたどり着いたが、そこで待っていた者たちは、シェルージェに…

シェルージェを無事に保護し、神殿へと戻った一行。

彼らを待っていた者たちが伝えた言葉とは?

次回へ続く。


※1…王国の名前の由来は、「ナイル川」と、古代エジプトの王朝「プトレマイオス朝」より

※2…馬の代わりに駱駝で動かす馬車といったところ。クレードたちも一台所持しており、騎士団と行動中も自分たちの駱駝車を使っている。なお動かす動物を駱駝から馬に変えれば普通に馬車になる。

※3…神殿の名前の由来は、エジプトの世界遺産「アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群」(文化遺産 1979年登録)より

※4…元ネタは津軽弁など。『なすて』は「どうして」、『そった』は「そんな」の意味。

☆※5…地区の名前の由来は、チュニジアの世界遺産「エル・ジェムの円形闘技場」(文化遺産 1979年登録)より

※6…「カラン」とは魔法大陸ムーンリアス全土で流通しているお金。1カランは日本円の1円とほぼ同じ価値。

☆※7…遺跡の名前の由来は、チュニジアの世界遺産「ドゥッガ/トゥッガ」(文化遺産 1997年登録)より

※8…山塊の名前の由来は、チャドの世界遺産「エネディ山地の自然的・文化的景観(or エネディ山塊:自然的・文化的景観)」(複合遺産 2016年登録)より

☆※9…地区の名前の由来は、マリの世界遺産「ジェンネ旧市街」(文化遺産 1988年登録)より

※10…ダールファン王国の国王、ダルファンダニア35世(男・59歳)のこと。

(☆:物語初登場の世界遺産)

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