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第16話(後編) クレビアンナイト(後編)

(※第16話の後半部分です)

コンサートが終わり、たくさんいた観客たちも帰り、楽団員たちも多くは宿へと向かった。

しかしクレードたち五人とアンシー、リンカは会場に残り、会場内の一室で話をしていた。

アンシー「私の荷物は会場に持ってきているわ」

 「すぐにでも出発できるわよ」

クレード「分かった」

 「クリスターク・ホワイト、アンシー・ヒズバイドン」

 「3人目の戦士として、よろしく頼むぞ」

アンシー「任せてよ。戦いでもそれ以外でも良い曲を聞かせてあげるんだから」


続いて千巌坊たちは自己紹介として、

千巌坊「私は千巌坊…ワトニカの坊主だ…」

 「回復役は私が引き受けよう…」

アンシー(161㎝の彼女は心の中で)「(体の大きい人ね…180㎝以上ありそう…)」

ナハグニ「拙者はうちなー侍、ナハグニ・按司里と申す!」

 「アンシー殿のような美しき女子おなごと旅ができるとは、実にあっぱれでござるよ!」

アンシー(心の中で)「(こっちはなんかスケベそうな人ね…あんまり好きになれないかも…)」

ウェンディ「押忍!ウチはウェンディ・京藤院ッス!」

 「ワトニカの柔道家ッス!」

ホヅミ「ホヅミ・鶴野浦ですぅ。女流二段の棋士ですぅ」

 「よろしくお願いしますぅ」

アンシー「あっ…」

アンシー(心の中で少し寂しそうに)「(そうよね、仲間には女の人たちもいるって話してたわよね…)」


ウェンディとホヅミは、アンシーを見て、

ウェンディ(ニヤニヤしながら、小声で)「(これはひょっとして…)」

ホヅミ(ニヤニヤしながら、小声で)「(そういうことですかぁ)」

二人はアンシーの気持ちを察した。そして、

ウェンディ「アンシーさん、大丈夫ッスよ」

 「ウチらクレードのことを取ったりなんてしないッスから」

アンシー「なっ!!」

ホヅミ「クレードさんはぁイケメンだと思いますけどぉ、ホヅミたちはぁ異性として見たことなんてぇ一度もないですぅ」

アンシー「ちょっと、私はそんなんじゃ!!」

ホヅミ「顔赤くなってますよぉ、これは図星ですねぇ」

アンシー「だ、だから違うって!」

クレード「アンシー、お前が望むのなら俺の女にしてやってもいいんだぞ」

アンシー「あ、あんたまで何言ってのよ!」

クレード「まあ過去の記憶を失った俺に恋人がいたとしたら、その女性のほうを大事にしなきゃいけないと思うがな…」

アンシー「それでいいじゃない!それでいいのよ!」

 「あなたが大切にしなきゃいけないのは私じゃなくてその人なんだからね!忘れないでよ!」

千巌坊(小声)「(だが本当に恋人がいるとしたら、一番悲しむことになるのは他ならぬアンシーだろうな…)」

ウェンディ(小声)「(押忍。そのときはアンシーさん引くしかないッスね)」

ナハグニ(小声)「(そうなったら拙者がアンシー殿を慰めて…)」

ホヅミ(小声)「(ナハグニさんはぁ、最初から最後までぇ出てこなくいいですよぉ)」


ここで中々喋れなかったリンカが、

リンカ「あ、あの、おらも話をさせてもらっていいだか?」

ウェンディ「押忍。これはリンカさん、申し訳なかったッス」

ナハグニ(心の中でデレデレして)「(可憐な女子おなごなのに一人称が「おら」とは…)」

 「(なんとも愛くるしいギャップでござろうか…)」

ウェンディ(小声)「(千巌坊、ナハグニ叩いちゃっていいんじゃないッスか?)」

千巌坊(小声)「(私も喝を入れたいとこだが、今はリンカ殿のお話を優先させねば…)」

リンカ(心の中で)「(クレードさんやホヅミさんたちの流れに乗せられちゃったけど、今こそちゃんと言わないと…)」


意を決してリンカはアンシーに話しかけた。

リンカ(寂しそうに)「アンシー、いよいよ旅に出るんだべな…」

アンシー(寂しそうに)「うん。これからはクレードたちと一緒に行動するわ…」

リンカ「アンシーとすばらぐ(※10)会えねぇと思うとたんげ(※10)寂しいだ…」

 「でもアンシーが決めたことだ…おら、もう止めねぇから…」

アンシー「本当にごめんね、リンカ…」

 「ワトニカ出身のリンカのことを面倒見るって私言ったのに…」

リンカ(少し涙を流しながら)「もう気にしなくていいだ…」

 「おら、また新しい友達作るだよ…」

アンシー「リンカ、あなたも元気でね…」

リンカ「いってらっしゃい、アンシー…」


ここでホヅミが、

ホヅミ「ちょっとぉいいですかぁ?」

アンシー「どうしたのよ、ホヅミ?」

ホヅミ「そういうしんみりとしたぁ空気ぃ、もう止めましょうよぉ」

リンカ「申し訳ねぇだ…なんか、すげね(※10)雰囲気にしちまって…」

ホヅミ「リンカさぁん、謝らなくていいですぅ」

 「ホヅミがぁ言いたいことはぁ、そういうことじゃぁないんですぅ」

リンカ「えっ?」

ホヅミ「リンカさんもぉ、これからぁアンシーさんやホヅミたちと一緒に旅をするですぅ」

リンカ「えっ!?おらも旅を!?」

ホヅミ「リンカさんもぉアンシーさんと同じくぅ、ホヅミたちのぉ仲間にぃなるですぅ」

アンシー「ちょっとあなた何言ってるのよ!」

ホヅミ「アンシーさんがぁ楽団の非常勤になってぇ旅に出るんならぁ、リンカさんもぉ同じことをすればぁいいだけですぅ」

アンシー「非常勤って…私の場合は楽団長が特別に認めてくれたようなもので…」

ホヅミ「だったらぁ今からぁ楽団長と話をしてぇ、リンカさんもぉアンシーさんとぉ同じ立場にしてもらうですぅ」

アンシー「勝手なこと言わないでよ!そんな簡単に話がうまくいくとでも…」

ホヅミ「まあまずはぁ、リンカさんの気持ちを聞いてみるですぅ」

ホヅミはリンカに話しかけた。

ホヅミ「リンカさぁん、ホヅミたちの仲間になってくれますかぁ?」

リンカ「お、おらは…!?」

アンシー「リンカ!無理してホヅミの言うことを聞く必要ないわ!」

 「あなたは名門ムーンマーメイド交響楽団の正楽団員なのよ!正楽団員と非常勤じゃ立場だって違うのよ!」

リンカ「ア、アンシー…でもおら…」


リンカは少し黙ったが、再び意を決して、

リンカ「分かっただ。ホヅミさん、おらも仲間に加えてほしいだ」

アンシー「リ、リンカ、どうして!?」

リンカ「やっぱりここでアンシーとさよならするのはつれぇだ…」

 「おら、非常勤になったとしてもアンシーと一緒にいてぇだ…」

アンシー「リンカ、そんなに私のことを…」

リンカ「おらにとってはこの楽団もアンシーも同じくらい大切だ」

 「だから欲張ってでも、おら両方を手に入れてぇだ」

アンシー「リ、リンカ…」


続いてアンシーは、

アンシー(少し涙を流して)「ありがとう、リンカ…」

 「やっぱりここでリンカとお別れするのは辛いわ…」

 「まだ一緒にいることができるんなら、そうしましょうよ…」

リンカ(同じく少し涙を流して)「アンシー、そういってくれておらたんげ(※10)嬉しいだ…」

ホヅミ「そうとぉ決まれば、「善は急げ」ですぅ!」

 「今すぐぅ楽団長に会って、話をするですぅ!」

アンシー「ストルラーム楽団長はこの会場の別の部屋にいるはずよ」

 「早速行きましょう」

リンカ「ホヅミさん、ありがとごす(※10)」

 「な(※10)のおかげで、おら素直になれただ…」

ホヅミ「ここで二人が離れたらぁ、ただ悲しいだけですぅ」

 「友情は大切にするですぅ」

アンシー「ごめんね、ホヅミ。少しきつい言い方しちゃって…」

ホヅミ「大丈夫ですぅ。ホヅミはぁ全然気にしてないですぅ」



ここは会場内の別の部屋。

部屋には、国王ダルファンダニア35世、セーヤ王子、シャルペイラ姫、アリムバルダ騎士団長、マリーチェル、ストルラーム楽団長たちがいた。

セーヤ王子はムーンマーメイド交響楽団のマリーチェルに頭を下げながら、

セーヤ「マリーチェルさん…僕にはあなたが必要なんです…」

 「お願いです…これからも僕のそばにいてください…」

マリーチェル「セ、セーヤ王子…」

そしてシャルペイラも頭を下げ、

シャルペイラ「私からもお願いします!マリーチェルさん!」

 「どうか、お兄様のことを…」

ストルラーム「王子様、姫様、どうか頭をお上げください…」

セーヤ「マリーチェルさんの人柄や音楽…」

 「僕はあなたの全てに惹かれました…」

マリーチェル「お、王子…」

セーヤ「僕は最愛の母を亡くしてから、落ち込んでいるだけの日々を過ごしてきました…」

 「でもそんな僕に光を与えたくれたのがマリーチェルさんなんです」

マリーチェル「王子様…そこまで私のことを…」

セーヤ「母の代わりなどではありません!」

 「僕は一人の女性としてあなたを愛したいのです!」

 「お願いします!」

マリーチェル「…!!」


ここで父である国王が、

ダルファンダニア35世「セーヤよ…マリーチェルさんを想うそなたの気持ちは本当によく分かった…」

 「だがマリーチェルさんは名門楽団員の一員なのだ。楽団員として音楽活動を続けねばならぬ立場なのだ」

 「そんな彼女を楽団から辞めさせてまで、自分のそばに居させる気か?」

セーヤ「父上…それは…」

ダルファンダニア35世「ムーンマーメイド交響楽団はダールファンの楽団ではなく、ウインベルクの楽団だ」

 「この国に残ることになれば、マリーチェルさんはもう楽団員として活動できなくなるだろう」

 「異国の方が他国に居続けるとは、そういうことなのだぞ…」

セーヤ「……!!」

マリーチェル「…」


ここでストルラーム楽団長が、

ストルラーム「マリーチェルさん、あなた自身はどうしたいのですか?」

マリーチェル「楽団長…!」

ストルラーム「あなたの考えを聞かせてください」

 「私はあなたがどんな回答をしたとしても、楽団長としてその言葉を尊重するつもりです」

アリムバルダ「マリーチェル殿、私もあなたの言葉を聞きたく思います」

 「どうかお願いいたします」

マリーチェル「わ、私は…」


そして彼女は、

マリーチェル(涙を流しながら)「ありがとうございます…王子様…」

 「私も王子のおそばにいたいです…」

セーヤ「マリーチェルさん…僕の気持ちに応えてくれるのですね…」

マリーチェル(涙を流しながら)「はい…」

 「こんなにまで私のことを想ってくださるのなら…私は…」

セーヤ(涙を流しながら)「ありがとうございます…必ずあなたを幸せにしますから…」

マリーチェル(涙を流しながら)「王子…私、嬉しいです」

セーヤ王子とマリーチェルは涙を流しながら抱き合った。


シャルペイラ(涙を流しながら)「お兄様…マリーチェル様…良かった…」

国王がマリーチェルを話しかけた。

ダルファンダニア35世「マリーチェルさん…楽団よりもセーヤを選んでいただいたことに心より感謝いたします…」

マリーチェル(涙を流しながら)「国王様…」

ダルファンダニア35世「セーヤのそばにいる以上、そなたはもう交響楽団の一員として活動できまい」

 「ならばセーヤだけでなく、私もそなたの幸せを守ると誓おう」

マリーチェル(涙を流しながら)「国王様…ありがとうございます…」


ここでストルラーム楽団長がマリーチェルに、

ストルラーム「マリーチェルさん」

 「国王様のおっしゃる通り、この国に残るとなると今後あなたを正楽団員として雇うことはできません」

マリーチェル「楽団長…私、それも分かっていますから…」

ストルラーム「ですが、非常勤の楽団員ということで籍を残しておくことはできます」

マリーチェル「!?」

ストルラーム「あくまで籍があるだけで、演奏会などに参加しない限り給与等は一切出ません」

 「ですがそういった形であっても、マリーチェルさんや皆様がご納得していただけるのでしたら、雇用形態を変更いたしますが?」

マリーチェル(涙を流しながら)「楽団長…ありがとうございます…」

 「それでは、よろしくお願いいたします…」

ストルラーム「分かりました。ではこの後必要書類を書いていただきますよ」

マリーチェル(涙を流しながら)「はい…私、非常勤という立場であっても、ムーンマーメイド交響楽団の一員として残れるのならやっぱり嬉しいです…」

セーヤ「楽団長…マリーチェルさんのためにありがとうございます…」

ダルファンダニア35世「楽団長、私からもお礼を言わせてください」

 「マリーチェルさんのことを想っていただき、本当にありがとうございます」

 「給与等がなくなったとしても国王である私がマリーチェルさんの今後の暮らしを保障いたしましょう」

シャルペイラ「ストルラームさん…この国の姫として、あなた様に感謝いたします…」

アリムバルダ「私も姫様と同感です」

 「騎士団長として、お礼を申し上げます」

ストルラーム「皆様、私は感謝されるほど難しいことなどしておりません」

 「ただマリーチェルさんの立場を正楽団員から非常勤に変えただけですから」

 「それに数日前にも私の判断で正楽団員から非常勤に変えさせてもらった楽団員も他におりましてね…」

シャルペイラ「えっ?」


その時、クレードやアンシー、リンカたちが部屋にやって来た。

部屋に来てリンカは、

リンカ「楽団長!急な話で申し訳ねぇだ!」

 「おら、これからアンシーと旅に出るだ!」

ストルラーム「リンカさん…」

リンカ「旅に出るけど、この楽団に籍だけは残してぇ!」

 「おねげぇします!おらをアンシーのように非常勤してくだせぇ!」

リンカはストルラーム楽団長に土下座した。

ストルラーム「ちょっと、リンカさん…」

続いてアンシーも深々と頭を下げ、

アンシー「私からもお願いします!楽団長!」

 「リンカは私のことを想って、旅についてきてくれるんです!」

 「どうかリンカのこの想いをご理解ください!」

リンカ「旅に出て、楽団に籍を残す…」

 「虫のいいことさ言ってるのは、自分でも十分承知しているだ!」

 「でも今のおらにはこれしか考えられねぇだ!」

 「おねげぇします!おねげぇします!楽団長!」


リンカとアンシーの言葉を聞いて、ストルラームは、

ストルラーム「まったく…」

 「アンシーさんに、マリーチェルさんに、リンカさん…」

 「今年の新卒は勝手な娘ばかりで手を焼くわ…」

リンカ「楽団長!そこをどうにか!」

ストルラーム「分かりました。リンカさんの雇用形態も正楽団員から非常勤に変更いたしましょう」

 「非常勤の団員として楽団にあなたの籍を残しておきます。書類を書き終えたら、旅に出るなり好きにしなさい」

 「ただ旅をしている間は給与等を一切支給しませんので、これからは自分の手で稼ぐことですね」

リンカ「楽団長!めやぐだ(※10)!ありがとごす(※10)!」

ストルラーム「アンシーさん、リンカさん」

 「その友情、いつまでも大切にしなさい」

リンカ「はい…」

アンシー「楽団長…ありがとうございます…」

ストルラーム「クレードさんたちも二人をよろしく頼みますよ」

クレード「任せてくれ。仲間なら支えていくだけだ」

ウェンディ「押忍!二人ともよろしくッス!」

千巌坊「旅先で困ったことがあれば遠慮なく話してくれ…」

ホヅミ(心の中で勝ち誇ったように)「(ふっふっふっ、これもホヅミさんのお手柄ですぅ)」

ナハグニ(心の中で嬉しそうに)「(ああ、愛らしい女子おなごが二人も仲間に…♡)」


マリーチェル「リンカ、アンシーたちと旅に出るのね」

リンカ「マリーチェル…」

マリーチェル「二人の旅の無事をお祈りするわ…」


アンシー「マリーチェル、あなたはこの国に残るんでしょ?」

 「王子様のおそばにいることにしたんでしょ?」

マリーチェル「やっぱり分かっちゃうか…」

アンシー「大学の時から一緒だからね」

リンカ「アンシーだげじゃねぇだよ、おらだってマリーチェルならそうするって思ってただよ」


マリーチェル「私、セーヤ王子様のお力になりたいの、だから…」

セーヤ「マリーチェルさんのことは僕がしっかりと責任を持ちます」

 「アンシーさん、リンカさん、どうかご安心なさってください」

アンシー「王子様、マリーチェルは私とリンカよりもしっかりとした女性です」

 「そのしっかりとした人柄や気持ちで、王子様を支えていけるはずです」

リンカ「王子様、マリーチェルのごどよろすく頼むだ…」

セーヤ「僕とマリーチェルさんの仲をお認めいただきありがとうございます、アンシーさん、リンカさん…」

マリーチェル「アンシー、リンカ、私、きっと幸せになるからね…」


マリーチェル「楽団長、書類が必要でしたらすぐに書かせてください」

 「書き終わりましたら、私はセーヤ王子とご一緒しますので…」

リンカ「楽団長、書類が必要ならおらも書ぐだ。そすてアンシーやクレードさんたちど一緒に行くだ」


ストルラーム「マリーチェルさん、リンカさん、その前によろしいですか?」

マリーチェル「楽団長、何か?」

ストルラーム「あなたたち、自分の荷物はどうするんですか?」

 「船に置いたままなんじゃないですか?」

 「二人ともアンシーさんと違って、すぐに出ていける準備をしていないのでは?」

リンカ「あっ…急な判断だったから、おらそこまで考えてなかっただ…」

マリーチェル「リンカ、だったら船に戻って私たちの荷物を持っていきましょう」

 「よろしいですか、ストルラーム楽団長?」

ストルラーム「大丈夫ですよ。聞いてみただけですから」

マリーチェル「えっ?」


ストルラーム「船にあった二人の荷物はこれから泊まる宿に持ってきましたよ」

 「あなたたちには内緒でね」

リンカ「どういうことだべか?」

ストルラーム「他の楽団員たち(女性たち)に頼んで、あらかじめ準備してもらったのです」

 「マリーチェルさんはセーヤ王子様のもとに、リンカさんはクレードさんやアンシーさんたちと一緒に旅に出るのではないかと思いましたね」

リンカ「それじゃあおらが非常勤にしてほしいと頼みにくるのも全部分かってて…」

ストルラーム「私の予想通りでしたよ。リンカさんは今日私にそう言ってくるんじゃないかと思っていましたから」

マリーチェル「楽団長、そこまで私たちのことを理解してくれていたなんて…」

ストルラーム「私は楽団の代表ですよ」

 「楽団員たちの心境が分からぬようでは務まりませんからね」

マリーチェル「楽団長…」


ホヅミ(心の中で)「(うーん…リンカさんを仲間に誘ったのはぁホヅミなんですけどぉ、この人はぁホヅミとは別にぃ行動を読んでいたんですねぇ…)」

 「(さすがは楽団長ぉ、伊達ではないですぅ…)」


リンカ「が、楽団長、それじゃあおら宿に行って自分の持ち物を確認してぇだ」

マリーチェル「そうね、リンカ」

 「荷物の確認に行きましょう」

アンシー「マリーチェル、リンカ」

 「宿に行くんだったら、先輩たちにもちゃんとお別れのあいさつをしてきたら」

マリーチェル「そうね。それは後輩として大事なことだわ」

アンシー「私も宿についていくよ」

 「私は昨日先輩たちにあいさつしたけど、今度は三人揃ってあいさつすればいいと思うし」

リンカ「アンシー、手間かけちゃって申し訳ねぇだ…」

アンシー「私たちの門出、ちゃんと伝えましょう」

ストルラーム「それじゃあ今夜はアンシーさんたちを祝う祝賀会も一緒にやりましょうか」

 「ちょうどコンサート後の打ち上げをする予定でしたからね」

アンシー「ありがとうございます、楽団長」

 「私たちの門出を祝っていただいて」


そしてアンシーはクレードに、

アンシー「それじゃあクレード、そういうことだから合流するのは明日にしてよね」

クレード「分かった。ダールバビロンの砦で待っている」


ナハグニ「拙者らもお邪魔してはダメでござるか?」

千巌坊「止めておけ…あくまで楽団員たちの打ち上げだ…」


セーヤ「マリーチェルさん…明日宿までお迎えに参ります…」

マリーチェル「ありがとうございます。王子様」

セーヤ「王子様ではなく、「セーヤ」と名前で呼んでくれても構いませんから…」

マリーチェル「えっ、じゃ、じゃあ…」

 「ちょっと行ってくるね、セーヤ…」

セーヤ「うん…」


シャルペイラ(心の中で嬉しそうに)「(お母様、見ておられますか…)」

 「(マリーチェルさんのおかげで、お兄様がやっと前へ進めました…)」



次の日の5月31日。

護衛兵役の兵士たちに連れられ、アンシーとリンカがダールバビロンの砦のまでやって来た。そしてクレードたちと合流し、

クレード「アンシー、リンカ、あいさつは済んだのか?」

アンシー「ええ、マリーチェル、ストルラーム楽団長、楽団の先輩方、国王様、王子様たちにちゃんとあいさつしてきたわよ」

リンカ「アンシー、セーヤ王子様の件で国王様からお礼を言われただ」

アンシー「「あなたの行動や想いが王子の心を動かしてくれた」とか言ってもらえたわ」

 「でも、国王様やお姫様が一番感謝していたのはマリーチェルだったわね」

 「お母様である王妃様が亡くなって、悲しんでばかりいた王子に光を与えてくれたのはマリーチェルだってね…」

クレード「それで王子はマリーチェルを気に入ったわけか。あの女からしたら、かなりの玉の輿だな」

リンカ「立場的にはそうなんだべが、あの二人はお互いの身分とか関係なく、一組の男女として愛し合えたと思うだ」

アンシー「だから玉の輿なんて言い方はマリーチェルに失礼よ、クレード」

クレード「そいつは悪かった」

リンカ「マリーチェル、きっと幸せになれるだ」

アンシー「身分とか関係なく、お互いを大事に思う気持ちがあればきっとうまくいくはずよ」

 「私はあの二人を祝福するわ。永遠の愛と幸せを願ってね…」


ここで話題が変わり、

アンシー「それじゃあ、みんな」

 「私とリンカのことをよろしくね」

リンカ「よろすくお願いしますだ」

アンシーとリンカが仲間に加わった。


ホヅミ「リンカさんがぁ来てくれてぇ、ホヅミとっても嬉しいですぅ!」

リンカ(少し嬉しそうに)「ホヅミさん…」

千巌坊「アンシー、リンカ、改めてよろしく頼む…」

ナハグニ(爽やかな)「アンシー殿、リンカ殿…」

 「女子おなごが旅をするというのは大変なこと…」

 「もし道中せい…」

ウェンディ「押忍!それ以上は言わせねぇッス!」

ウェンディはナハグニに絞め技をかけ、発言するのを防いだ。

ナハグニ(心の中ですごく幸せそうに)「(ああ、ウェンディ殿が拙者の体に触れて…♡)」

千巌坊「ウェンディ、それではナハグニが喜ぶだけだ…」

 「代わりに私が喝を入れよう…」

千巌坊はナハグニを警策で叩き喝を入れた。

アンシー(呆れながら)「もういいわ…ナハグニのことはよく分かったから…」

リンカ(心の中で)「(女性に対してデリカシーなさそう…おら、あの人は避けてぇだ…)」

クレード「まあ俺たちはこんな調子だが、頼んだぞ、二人とも」

アンシー「任せてよ、強敵が現れたらクリスターク・ホワイトに変身して頑張るから」

リンカ「おらも津軽三味線を弾くことで、光弾を出したり、遮光器土偶を作ったりして戦うことができるだ」

ホヅミ「リンカさんはぁ土偶さんをぉ作れるんですかぁ?」

リンカ「んだ、土偶さんは戦いでは頼もしい存在だべ」

ホヅミ「ホヅミはぁ将棋の駒をぉ鎧武者や小さい龍にぃ変えることができるですぅ」

リンカ「んだんず?(※10)ホヅミさんの妖力(魔力)も興味深きょうみぶけぇだ」


そして、

クレード「それはそうと、昨日お前らが宿に向かった後、俺たちは国王たちと話をして戦いの報酬やお礼の品々を貰ったんだ」

アンシー「へえ、どんなの貰ったのよ?」

クレード「報酬として1000万カラン(※11)の金、魔法のランプに魔法の絨毯…」

 「まあ魔法のランプと魔法の絨毯は扱うのがかなり難しいらしいがな」

千巌坊「魔法のランプは副騎士団長のイルビーツ殿が、魔法の絨毯はセーヤ王子様が上手く扱えるようだが、兵たちの中で同じことができる人間は少ないらしい…」

ホヅミ「強い妖力をぉ受け付けるというよりかはぁ相性の問題っぽいですぅ」

ウェンディ「押忍!妖力の強い弱いよりも、合うか合わないかの話らしいッスね!」

リンカ「つまり相性が物を言うアイテムってことだべか…」

 「使える人は上手く使えそうだべ…」

アンシー「魔力が全てではないのなら、私やリンカが扱えるとは限らないわね…」


クレード「あと「真珠貝の鞭」という鞭も貰った。この鞭はアコヤ貝とかの真珠貝をイメージして作ったもので、強い魔力を帯びているらしい」

アンシー「あら鞭まで貰ったの?だったら私が使いたいわ」

 「真珠貝をイメージした鞭なんて、まるで白い真珠の戦士である私のための武器みたいじゃない」

 「ダールファンが真珠の産地だから、こういうデザインにしたのかしら?」

クレード「それよりもお前、鞭なんて扱えるのか?」

アンシー「大学での戦闘実習では鞭の練習をしたからね」

 「それなりに扱える自信はあるわよ」

クレード「お前、音楽大学の出身なんだろ?」

 「そんなところで戦いの実習なんてするのか?」

アンシー「魔獣たちが蔓延る今の世の中よ…」

 「音楽専門だろうと美術専門だろうと、大学や高校では戦いのための訓練もするのよ」

 「尤も騎士大学とかで戦闘を学んできた人たちには敵わないけどね」

リンカ「んだから、普通の学校出ただけじゃ中々軍や騎士団に受からねぇんだべな」

クレード「まあとにかく戦いとは直接関係のないことを学ぶ学校でさえもそんな状況か…」

 「争いばかりが付いて回る嫌な世の中だな…」

アンシー「それをなんとかするのが私たちの役目であり、ヴェルトン博士の願いなんじゃないの?」

クレード「だろうな」


続いて、

アンシー「それで私たちはこれからどうするの?」

クレード「サパルダース川という大河を進み、東にあるボスラダールの町へ向かう」

 「オリンスたちとはそこで合流する予定だからな」

ここで近くにいた兵士が、

ダールファン兵③(サンドナイト)「この地区の船着き場でアリムバルダ騎士団長たちもお待ちです」

 「クレード殿、アンシー殿とリンカ殿も合流しましたし、早速我々も向かいましょう」

千巌坊「では私が駱駝車(※12)を動かそう…みんな乗ってくれ…」

馬車のラクダたち「ブェー!」

クレードやアンシーたち7人は駱駝車に乗り船着き場へと向かった。


そしてアリムバルダ騎士団長たちと合流し、一行は船に乗り川を東へと進んだ。

馬車のラクダたち「ブェッ!ブェッ!」

クレード「駱駝車も船に載せられるとはな、大したもんだよ」

アリムバルダ「サパルダース川はこのダールファンと隣国のナプトレーマを繋ぐ重要な大河です」

 「人や物資などを大量に運べるこの大河があるからこそ、両国の間で盛んな交流ができるのですよ」


アリムバルダ騎士団長と話をした後、クレードは船の一室でアンシーたちと、

アンシー「それでメタルクロノスについては、まだ公表しないってわけね」

クレード「ああ。昨日報酬を受け取る時、俺も王にメタルクロノスについて話をしたのだが、現時点では王は公表しないと言った」

リンカ「今はそれでいいと思うだよ。彼らが表立って動いていない以上は…」

クレード「まあダールファンの国王もルスカンティアの国王と同じ判断をしたということだ」

アンシー「でも彼らはいずれこの世界に牙を向けるでしょうね…」

クレード「そうなれば俺たちで奴らを止めるしかないだろう」

アンシー「そうね。そのためにもクリスタークの戦士になれる人を集めましょうよ」

クレード「そうだな。15人全員揃えて、奴らを叩き潰してやる」

アンシーたちと話をし、決意を新たにするクレード。

彼らを乗せた船は進む、東のボスラダールの町を目指して。



ちょうどその頃、城下町では、

ダールファンの国民たち「国王様!セーヤ王子!シャルペイラ姫!」

宿までマリーチェルを迎えに来たセーヤ王子や国王たちは、道中の城下町で国民たちからたくさんの声援を受けていた。

ダルファンダニア35世「ハッハッハッ!今日は宮殿に戻らず、城下町で国民たちと一日中話をしても良いかもな」

シャルペイラ「そうですわ、お父様」

 「民の声をたくさん聞いてこそ、王様といえますわ」

駱駝の馬車に乗りながら、王と姫は話していた。


一方馬車の中にいるセーヤ王子とマリーチェルは、

セーヤ「母のルパニーナも今回のコンサートを楽しみにしていたよ…」

マリーチェル「そうだったわね…」

セーヤ「マリーチェルやムーンマーメイド交響楽団の方々の演奏は、きっと天国にいる母のもとまで届いたと思うよ…」

 「それくらい素晴らしいコンサートだったからさあ…」

マリーチェル「私の演奏も褒めてくれるのね、セーヤ…」

セーヤ「もちろんだよ、マリーチェル…」


続いて、

セーヤ「ところで、マリーチェル」

マリーチェル「何?」

セーヤ「ソロ演奏のとき、君はまるで物語を描いているかのような演奏をしていたよ」

 「やっぱり何かイメージをしながら演奏していたの?」

マリーチェル「うん。男女の恋物語をイメージしてね…」

セーヤ「恋の物語かあ…」

 「ねえ、それってどんな結末になるの?」

マリーチェル「それはね…」

 「…」

マリーチェルは少し黙ってから、

マリーチェル「ごめんなさい。その話はまた後にするわ」

セーヤ「えっ!?どうして?」

マリーチェル「だって、私は…」

マリーチェルはあえてこの場で物語の結末を話さなかった。

それは明日も明後日もその先の日もセーヤ王子と話がしたいと思ったからである。

演奏の中の物語に出てきた男女の恋の結末はまだ分からない。

だけどセーヤ王子とマリーチェルの二人の愛はきっと確かなものなのだろう。


(ルパニーナ「セーヤ…マリーチェルさん…幸せになってね…」)

遠い空から母の声が聞こえた気がした。



明後日の6月2日。

ここは王都の港町カルパダール地区(※13)、外壁に囲まれたこの地区の港では、ナツメヤシ・香料・香辛料・真珠などの輸出を盛んに行っている。

そんな港町の地区にムーンマーメイド交響楽団が来ていた。

これから船に乗りこの国を出るようだ。

女性楽団員①「この国でいいコンサートができて本当に良かったわ」

女性楽団員②「でも次はより質の高い演奏にしていきたいわよね」

女性楽団員③「そうね、ウインベルクに戻ったらまた頑張りましょう」

音楽の腕を上げようと、張り切る女性団員たち。


そして楽団長のストルラームも心の中で、

ストルラーム(心の中で)「(白いマスクとスーツ姿の戦士に変身できる能力を得たアンシーさん、そのアンシーさんを想い共に旅することを選んだリンカさん、王子様に好かれたマリーチェルさん…)」

 「(私も何百人と新卒の女性たちを見てきましたが、彼女たちのようなケースは初めてでしたよ…)」

 「(おそらく後にも先にもこんな娘たちと出会うことはもうないでしょうね…)」

 「(しかしだからこそ彼女たちはやってくれるのかもしれませんね)」

 「(私には想像もつかない大きな何かを…)」

 「(期待していますよ。アンシーさん、リンカさん、マリーチェルさん…)」



次の日6月3日。

ボスラダールの町の船着き場に到着したクレードやアリムバルダ騎士団長たち。そこにいたのはイルビーツ副騎士団長やダールファンの兵士たちだけで、クレードの仲間であるオリンス・鵺洸丸・ススキたちの姿はなかった。


アリムバルダ騎士団長はそれについて尋ねると、

アリムバルダ「イルビーツ、オリンス殿たちはどうした?今一緒ではないのか?」

イルビーツ「ハッ!オリンス殿・鵺洸丸殿・ススキ殿はナプトレーマ王国の王都へと向かいました!」

アリムバルダ「ナプトレーマの王都だと?なぜ三人はそこへ向かったのだ?」

イルビーツ「ハッ!それはナプトレーマ国内にて、サフクラント公国、前大公の孫娘、シェルージェ・クランペリノ様らしき女性を当国の騎士団員が目撃したからにございます!」

アリムバルダ「前大公の孫娘だと!?」

イルビーツ「シェルージェ様は目撃されただけで、その後の行方は分かっておりませぬ!」

 「オリンス殿たちはその情報を聞き、シェルージェ様の捜索に協力したいとおっしゃり、ナプトレーマの王都へと向かったのです!」

アリムバルダ「前大公の孫娘がなぜ異国のナプトレーマに…」

 「まさか今まで行方不明になっていたとでもいうのか?」

イルビーツ「おそらくは…」

アリムバルダ「だがここ最近の情報で、そのような話は聞いたことがないぞ」

イルビーツ「これは私の推測ですが、前大公様はシェルージェ様の件を今まで公表していなかったのだと思います」

アリムバルダ「そうであれば先代の大公はなぜそのような真似を…」

 「跡継ぎになるかもしれない大事な孫娘だというのに、なぜそんな重大な事を隠す必要があったのだ…」

イルビーツ「本来なら行方不明になった時点ですぐに公表し、大勢の人間で捜索しなければならないほど高貴な方であるはずですが、なにぶん我々も詳しい状況は分かりません…」

 「ダールファンとナプトレーマの国境付近でナプトレーマの兵たちと共闘していたとき、彼らの国の伝令隊から聞いた話ですので…」


続いてイルビーツは、

イルビーツ「アリムバルダ騎士団長!真相を確かめるため、そしてシェルージェ様の捜索に協力するため、我々ダールファンも兵を動かしたいと思います!」

 「騎士団長!どうか副騎士団長の私と東部の兵たちをナプトレーマへと向かわせてください!お願いいたします!」

アリムバルダ「う、うーむ…」

クレード(心の中で)「(ナプトレーマか…訪問する予定のない国なんだがな…)」

クレードたちはダールファン王国の東隣にあるナプトレーマ王国へ向かうことになるのだろうか?

そしてサフクラント公国の前大公の孫娘である、シェルージェ・クランペリノとはどのような人物なのか?

次回へ続く。


※1…国の名前の由来は、オーストリアの世界遺産「ウィーン歴史地区」(文化遺産 2001年登録)とドイツの世界遺産「バンベルク市街」(文化遺産 1993年登録)より

※2…島の名前の由来は、イエメンの世界遺産「ソコトラ諸島(or ソコトラ群島)」(自然遺産 2008年登録)より

※3…地区の名前の由来は、イラクの世界遺産「バビロン」(文化遺産 2019年登録)より

☆※4…町の名前の由来は、イランの世界遺産「バムとその文化的景観」(文化遺産 2004年登録)より

※5…王国の名前の由来は、「ナイル川」と、古代エジプトの王朝「プトレマイオス朝」より

※6…元ネタは京都弁。『たんと』は「たくさん」という意味。

☆※7…町の名前の由来は、シリアの世界遺産「古代都市ボスラ(or 隊商都市ボスラ)」(文化遺産 1980年登録)より

※8…オアシスの名前の由来は、サウジアラビアの世界遺産「アハサー・オアシス、進化する文化的景観」(文化遺産 2018年登録)より

※9…鉄道の名前の由来は、イランの世界遺産「イラン縦貫鉄道」(文化遺産 2021年登録)より

※10…元ネタは津軽弁など。『たんげ』は「とても」、「すごく」など、『ありがとごす』は「ありがとう」、『すばらぐ』は「しばらく」、『すげね』は「寂しい」、『な』は「あなた」、『めやぐだ』は「ありがとう」、「申し訳ない」、「すいません」など、『んだんず?』は「そうなの?」などの意味。

※11…「カラン」とは魔法大陸ムーンリアス全土で流通しているお金。1カランは日本円の1円とほぼ同じ価値。

※12…馬の代わりに駱駝で動かす馬車といったところ。クレードたちも一台所持しており、騎士団と行動中も自分たちの駱駝車を使っている。なお動かす動物を駱駝から馬に変えれば普通の馬車になる。

☆※13…地区の名前の由来は、オマーンの世界遺産「カルハットの都市遺跡」(文化遺産 2018年登録)より

(☆:物語初登場の世界遺産)

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