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第15話(前編) No.3 クリスターク・ホワイト(前編)

15話目です。主人公のクレードと音楽家のアンシー、二人の組曲などをお楽しみください。

(※今回の話は前編と後編に分かれています)


<主な登場人物の紹介>

◎クレード・ロインスタイト(男・?歳)

・青色の髪をしている本作の主人公である魔法剣士。

持っている剣の名は「魔蒼剣」。盾の名は「アイオライトの盾」。

魔法の宝石グラン・サファイアにより、クリスターク・ブルーに変身する。

(クリスターク・ブルーは鳥の翼で空を飛べ、鮫の背びれのような翼により高速で泳げる)

自分の出身地や年齢など、過去の記憶をいろいろなくしている。

◎アンシー・ヒズバイドン(女・22歳)

・北の月(北側の大陸)ウインベルク共和国出身(※1)。

白い髪をしている新人音楽家。

女性だけの楽団「ムーンマーメイド交響楽団」に正楽団員として所属している。

得意な楽器はハープで、「ホワイトコーラルハープ」という魔力がこもったハープも所持している。

同じ楽団に所属するマリーチェルとリンカはかけがえのない友人たち。

この物語における重要人物の一人。

○マリーチェル・アフランデウス(女・22歳)

・北の月(北側の大陸)ウインベルク共和国出身。

アンシーとは学生時代からの親友で、アンシーと同じくムーンマーメイド交響楽団に正楽団員として所属している。得意な楽器はフルート。

○リンカ・白鳥森はくちょうもり(女・22歳)

・ワトニカ将国サンナイ藩出身で、津軽三味線の奏者だが、ヴァイオリニストでもある。

そのためオーケストラではヴァイオリンを担当する。

ムーンマーメイド交響楽団に正楽団員として所属しており、楽団の中でアンシーとマリーチェルに知り合い友人となった。

日本の世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」(文化遺産 2021年登録)からイメージしたキャラ。青森県出身のイメージ。

○ストルラーム・ウォーガンベルロ(女・75歳)

・北の月(北側の大陸)ウインベルク共和国出身。

ムーンマーメイド交響楽団の楽団長(代表)で、オーケストラの指揮者。

普段は温厚で心優しい性格だが、いざとなれば戦うことを決断できるほど芯の強い人物でもある。

○セーヤ・ダルファンダニア(男・25歳)

・国王35世と元王妃ルパニーナの息子で、ダールファン王国の王子。

最愛の母を亡くしたことで深く悲しんでいたが、気持ちを切り替え一人の戦士として魔獣たちが蔓延るソコドラ島(※2)へと向かった。

魔法の絨毯に乗って空を飛ぶことができる。

○アリムバルダ・モルジノス(男・58歳)

・ダールファン王国騎士団団長。軽装な服装で曲刀「シャムシール」を持ち戦う、砂漠の騎士サンドナイトである。

騎士団長だけあって戦闘力は高く、曲刀「シャムシール」に魔力のオーラを纏わせることができる。

ケルビニアン暦2050K年5月25日。

ダールファン王国領ソコドラ島での戦い。


島の内陸部にバッタ型の魔獣が大量に出現し、クレードはクリスターク・ブルーに変身。

ブルー(クレード)は魔獣たちを迎え撃つが、その時ムーンマーメイド交響楽団とウインベルク騎士団、ここまで護衛や案内役をしたダールファンの兵士たちが現れた。

交響楽団のストルラームは戦いを手助けするため、この場でコンサートを開くと言うが、


アリムバルダ「ムーンマーメイド交響楽団のストルラーム楽団長でいらっしゃいますね」

 「私はダールファン王国騎士団団長のアリムバルダです」

ストルラーム(一礼して)「騎士団長、この度はよろしくお願いします」


アリムバルダ「あなた方はそちらにいる我が国の兵士たちから許可をもらい、ここに来たということですか?」

ストルラーム「はい」

 「私たち交響楽団やウインベルク共和国騎士団の入島をお許しくださいました」

ダールファン兵①(護衛や案内役)「ストルラーム楽団長のおっしゃる通りでございます」

ダールファン兵②(護衛や案内役)「島の浜辺で警備や見張りをしている我々が入島を許可いたしました」

ストルラーム「音楽により皆様の戦いを手助けしたく思い、こちらまで参ったのです」

 「私たちは楽器を奏でることで魔力の光弾を作り出すことができます」

 「その力で皆様を助けることができればと…」


ダールファン兵③(サンドナイト)「お待ちください、交響楽団の皆様!」

 「そちらにいる兵たちが皆様の上陸を許可したとしても我々は認めません!」

ダールファン兵④(サンドナイト)「護衛役のウインベルク共和国騎士団がいるとはいえ、あなた方に戦いをさせるわけにはいきません!」

ダールファン兵⑤(サンドナイト)「そもそも我々はあなた方、交響楽団に気を遣ったのですよ!」

 「騎士団長も「島に近づかないよう至急狼煙を上げろ」などと指示を出したのですぞ!」


ストルラーム「ダールファンの皆様のお気遣い、心より感謝しております」

 「ですが、私たちは思ったのです」

 「ただ守られているだけではダメだと」


セーヤ(心の中で)「(守られているだけではダメ…戦いが本職ではない方々でもそんな風に思うなんて…)」

ストルラーム楽団長の言葉にセーヤ王子も反応した。


そしてアリムバルダ騎士団長も、

アリムバルダ「皆様のお気持ち、よく分かりました」

 「それでは我々にご協力をお願いいたします…」

ダールファン兵④(サンドナイト)「き、騎士団長!?」

ダールファン兵⑤(サンドナイト)「もし交響楽団に何かあれば最終的な責任を負うのは我々なのですよ!」

アリムバルダ「今は責任について考えることよりも、あのバッタ型の魔獣どもを駆除することが最優先だ。少しでも戦力が欲しい状況なのだ」


騎士団長の判断に戦っているブルー(クレード)も、

ブルー(戦いながら)「騎士団長、俺もその判断でいいと思うぞ」

 「とにかく数が多すぎる…オーラの剣で斬ってもきりがないくらいな…」

バッタ型の魔獣たち「ジュッ!ジュッ!」

ダールファン兵⑥(戦いながら)「一匹一匹は強くないが、数で押し切られるかもしれん…」

ダールファン兵⑦(戦いながら)「何百、何千いるか分からないこいつらがダールファン本土にまでやって来たら危険だ!ここで食い止めねば!」

ダールファン兵⑧(戦いながら)「あれこれ言っている暇があったら皆で手を動かそう!」

ダールファン兵⑨(戦いながら)「今必要なのは口よりも行動だ!」

アリムバルダ「あなた方のコンサートでこの状況を打破できるのなら、私はそれに賭けたい」

 「ムーンマーメイド交響楽団の皆様、お願いできますかな?」

ストルラーム「アリムバルダ騎士団長、我々ウインベルクの民たちを迎い入れていただいたことに感謝いたします」


ウインベルク兵①(隊長格)「アリムバルダ騎士団長!交響楽団の方々を守るため、我々ウインベルクの騎士団もこの戦いに加勢したく思います!」

 「どうか共闘をお許しください!」

アリムバルダ「分かりました。よろしくお願いします」

 「ダールファンとウインベルクの騎士団、共に力を合わせましょう」

ウインベルク兵①(隊長格)「ありがたきお言葉にございます!」

 「何卒我々をよろしくお願いいたします!」


続いてアリムバルダは護衛や案内役のダールファン兵たちに、

アリムバルダ「ここまでの護衛や案内、ご苦労であった」

 「交響楽団の護衛はこれより戦場にいる我々が引き受ける」

 「そなたらは浜辺に戻り、引き続き周辺の警備や見張りにあったてくれ」

ダールファン兵①(護衛や案内役)「ハッ!ではこの場はよろしくお願いいたします!」

ダールファン兵②(護衛や案内役)「ストルラーム楽団長、我々もあなた方交響楽団に期待しておりますぞ」

交響楽団の入島を許可した兵士たちは戻って行った。


そしてストルラーム楽団長は、

ストルラーム「ダールファンの方々は私たちの行動を許していただきました」

 「その想いを無駄にしないためにも皆様に最高のシンフォニーをお届けいたしましょう」

 「さあ、あなたたち、出番よ。すぐ位置について」

女性楽団員①「はい!」


ムーンマーメイド交響楽団の女性楽団員たちはそれぞれ、ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバス・フルート・クラリネット・オーボエ・ホルン・トランペット・トロンボーンなどの各々の楽器を構え、そしてウインベルクの騎士団が船から持ってきた楽譜・譜面台・椅子などを揃え、

ウインベルク兵①(隊長格)「皆様のお命は我々騎士団がお守りいたします」

ウインベルク兵②(鎧騎士)「いかなる敵も近づけさせません!」

 「皆様は演奏に全てを懸けてください!」

女性楽団員②「騎士団の皆さん、ありがとうございます」

 「皆さんにとっても楽しんでいただけるコンサートにしてみせます」


演奏の準備ができた女性楽団員たち。その中には新人のアンシー(ハープ担当)、マリーチェル(フルート担当)、リンカ(ヴァイオリン担当)たちもいた。

アンシーたち三人は、青いマスクとスーツ姿で戦うクリスターク・ブルー(クレード)に気づき、

マリーチェル(小声)「(あのマスクとスーツで戦う人、すごく変わった姿だわ)」

 「(一体何者なのかしら?)」

リンカ(小声)「(確かにいぱだだ(※3)姿だけど、おっかねえ(※3)ほどの妖力を感じるだ…)」

アンシー(小声)「(まあ魔力はともかく、私はあの青い戦士の姿、面白いと思うわよ)」

 「(変わっているけど、すごく斬新でもある…)」

 「(周りにとらわれないその斬新さ、私の音楽にもほしいくらいだわ)」


そしてここでストルラーム楽団長がコンサートの挨拶として、

ストルラーム「皆様お待たせしました。これより私たちムーンマーメイド交響楽団によるコンサートを始めたいと思います」

 「私たちのシンフォニー、どうぞお聴きください」


そう言うと、ストルラーム楽団長は指揮棒タクトを振り、女性楽団員たちも演奏を始めた。

すると演奏する女性楽団員たちの魔力が音楽記号の形をした光弾を作り、その光弾が魔獣たちを次々と攻撃した。

バッタ型の魔獣「ジュバッ!?」


交響楽団の攻撃にダールファンの兵士たちは驚き、

ダールファン兵①(サンドナイト)「音符、休符、ト音記号にシャープ(♯)やフラット(♭)のマーク…魔力により音楽記号形の光弾を作れるとは!?」

ダールファン兵④(サンドナイト)「我が国の音楽家たちにあのような芸当はまずできない!」

 「音楽の国とも呼ばれるウインベルクの民だからこそなせる技か!?」

ダールファン兵⑥(サンドナイト)「それになんだ!?」

 「先程光弾に触れてしまったが、全く痛みを感じなかった!」

 「それどころか心や体が元気になっていくような…」


共に戦うウインベルクの兵たちがダールファンの兵たちに話をし、

ウインベルク兵③(鎧騎士)「音楽は人を傷つけるものではありません。人々に感動や元気を届けるものです」

 「彼女たちはその想いを形にしているのです」

ウインベルク兵④(鎧騎士)「人を傷つけず魔獣のみを討つ音楽の光弾、彼女たちは音楽大学などでその光弾を作る実習を行いものにしたのです」

ダールファン兵⑩(女性騎士)「学校でそのような技を身に付けるとは…あなた方の国の音楽教育には恐れ入ります…」

ウインベルク兵③(鎧騎士)「あらゆる音楽の可能性を追求するのが我々ウインベルクの民たちです」

 「だからこそ我々は音楽さえも戦う力にできるのです」


近くで兵士たちの話を聞いていたブルー(クレード)も、

ブルー(心の中で)「(人を元気にし、魔獣も討つ…大した力だ…)」

 「(俺の力とアリムバルダ騎士団長や兵士たちの力、そして音楽の力が合わされば、こいつらにも勝てるはずだ)」

 「(三つの力で勝利を切り開いてみせる…敵が何百、何千いようが負けるわけにはいかない!)」


セーヤ王子もまた、

セーヤ「青き戦士、交響楽団の音楽…僕も知らない特殊な魔力による力…」

 「様々な力が合わさればきっとすごいはず…」

親衛隊①「そうですな、我々にとっては未知の魔力ですが、この戦いの場においては頼もしい限りですよ」

セーヤ「それにしても魔力って本当に奥深いですね…」

 「音楽でさえも力にできるなんて…」

親衛隊①「ええ、だからこそ己の魔力を追求する人間も多いのですよ」

 「自分の中に更なる可能性があるかもしれないですからねぇ」

セーヤ「可能性ですか…」


ブルーのオーラの剣、剣や槍などで戦うアリムバルダ騎士団長や兵士たち、そして交響楽団が奏でて作る光弾により、何百、何千匹のバッタ型魔獣たちを倒した。

バッタ型の魔獣たち(断末魔)「ジュ…ジュ…ジ…」

ダールファン兵⑦(サンドナイト)「やった…なんとか勝てたぞ…」

ダールファン兵⑧(サンドナイト)「だがまだ油断するなよ…魔獣たちの増援が来る可能性は高い…」

アリムバルダ「その通りだ。ウインブルクの騎士団の方々も含め、疲労を感じている者たちは後方に下がり、聖侶たちから回復魔法をかけてもらうのがよかろう」

ブルー「まあ俺はまだまだいけるけどな…」

ダールファン兵⑨(少し呆れて)「青き戦士よ…自分を基準としないでくれ…」

ウインベルク兵③(鎧騎士)「ハッハッハッ!大したお方ですな!」

セーヤ(心の中で)「(皆の力でなんとか撃退できた…だが兵たちの多くは今疲れている…これ以上魔獣が現れてこないことを願いたいけど…)」


しかしセーヤ王子の望みとは裏腹に、バッタ型の魔獣たちはまたも大量に出現した。何百、何千匹いるか分からないくらいの集団がまた。

バッタ型の魔獣たち「ジュッ!ジュッ!ジュ!」

ダールファン兵⑪(サンドナイト)「ば、バカな…」

 「まだあれだけの集団がいたなんて…」

ダールファン兵⑦(サンドナイト)「も、もう一度あれと戦えというのか…」

アリムバルダ「怯んではならんぞ!」

 「とにかく疲労した兵たちは一旦下がるんだ!」

ダールファン兵⑧(サンドナイト)「ですが、騎士団長…」

ダールファン兵⑫(サンドナイト)「魔法で体を回復したとしても我らにはもう気力が…」

再度大量に出現したバッタ型の魔獣たちを見て、多くの兵士たちは絶望してしまった。


そして兵士たちのみならず、ムーンマーメイド交響楽団の女性たちの多くも絶望し演奏は途切れてしまった。

女性楽団員③「ス、ストルラーム楽団長!もう私たちは撤退しましょう!」

女性楽団員④「数が多すぎます!私たちの手には負えません!」

女性楽団員⑤「も、もう無理よ…ここにいたら私たちまでやられてしまうわ…」


そしてアンシーの友人のリンカも、

リンカ(慌てながら)「せ、先輩たちの言う通りだ!」

 「おらたちは音楽団だ!戦いのプロじゃねぇだ!」

 「物の怪たちば倒すことば強いられているわけじゃねぇんだ!」

 「おら…もうヴァイオリンを弾けねぇだよ…」


絶望するリンカや楽団員たち。だがストルラーム楽団長、マリーチェル、ウインベルクの兵士たち、そしてアンシーはまだ絶望していない。

ストルラーム楽団長「まだ私たちのコンサートは終わっていません。皆さんすぐに演奏を再開してください」

リンカ(少し泣きながら)「楽団長…おら、もうおっかなくて指が動かねぇだ…」

アンシー「諦めないで、リンカ!まだ私は絶望していないし、音楽も捨てていないわ!」

マリーチェル「ストルラーム楽団長、演奏できる人たちだけでもいいのでコンサートを再開しましょう」

リンカ「アンシー、マリーチェル、ふ、二人はおっかなくねぇの…」

マリーチェル「もちろん恐怖だってあるわ。でも私たちの音楽ならそれにも打ち勝てると思っているの」

アンシー「リンカ!私たちの音楽は絶望に負けるほどヤワなものじゃないのよ!」

 「私はどんな時でも信じているわ!音楽が持つ力と無限の可能性を!」


バッタ型の魔獣たち「ジュッ!ジュッ!」

アンシー「魔獣たち!向かってくるというのなら、いくらでも聴かせてあげるわ!」

 「私もホワイトコーラルハープもまだあなたたちに負けていないんだから!」

リンカ「あ、アンシー…」

 「そったらに(※3)想いが…」

マリーチェル「リンカ、アンシーはあなたにも知ってほしいのよ」

 「音楽への情熱を、そして限りない可能性を」


続いてウインブルクの兵士たちが、

ウインベルク兵①(隊長格)「我々は言ったはずです」

 「何があっても楽団員の皆様を守り抜くと」

ウインベルク兵②(鎧騎士)「だからコンサートを再開してください!」

 「我々はあなた方の音楽をもっと聴きたいのです!」

女性楽団員③「兵士の皆さん…」

ストルラーム「ありがとうございます。あなた方の想い、決して無駄にはしません」

アンシー「そのためにも奏でてみせるわ!最高の音を!」


ブルー「ハァァッ!」

バッタ型の魔獣(斬られて)「ジュ…ジ…」

ブルーはバッタ型の魔獣たちと戦っている。

バッタ型の魔獣たち「ジュッ!ジュッ!」

ブルー「バッタども…貴様らが何千、何万現れようと俺は止まらん…」

 「俺は貴様らになど絶望しない…」


止まることなく魔獣たちと戦い続けるブルー。だがその時ブルーが持っていたグラン・ジェムストーン(完成品)の一つが強く輝きだした。

ブルー(心の中で)「(ジェムストーン(原石)が強く光っている!オリンスのときと同じだ!)」

 「(そうなると俺やオリンスと同じように、ジェムストーンに選ばれた人間が近くにいるのか!?)」

 「(ムッ!)」

ブルーは光るジェムストーン(原石)から魔力の波動を感じた。

ブルー(心の中で)「(原石から魔力の波動を感じる…ジェムストーンに選ばれた人間が誰なのかを俺に知らせてくれているのか!?)」

 「(ならばその波動を辿ろう…選ばれた人間に今すぐ会わねば…)」


ブルー「(サファイア・アビリティ…ジェイブルーウイング…)」

アビリティにより翼を出したブルーは、一旦前線から退いた。

ダールファン兵⑬(戦いながら)「おい!どこへ行く!?」

ブルー(低空で飛びながら)「すぐに戻る。悪いがその間だけ持ち堪えてくれ」


一方戦場の後方にいるムーンマーメイド交響楽団は演奏を再開していたが、ストルラーム楽団長は女性団員たちの演奏を聴いて、

ストルラーム(指揮をしながら心の中で)「(彼女たちは何とか演奏を再開してくれたけど、これでは全然ダメだわ…)」

 「(リズム・メロディ・ハーモニー…何もかもが無気力で弱々しい…)」

 「(今の彼女たちは自分の音楽を上手く表現できていないわ…)」

 「(これでは強い光弾は作れない…魔獣たちを倒せない…)」


女性団員たちもまた、

女性楽団員③(心の中で)「(や、やっぱり無理…戦場にいるのが怖い…)」

女性楽団員④(心の中で)「(ダ、ダメ…思うように指が動かない…)」

そしてリンカも、

リンカ(心の中で)「(かに(※3)な、アンシー、マリーチェル…やっぱりおらなんかじゃ…)」


アンシー(心の中で)「(お願い、みんな!自分たちの音楽を諦めないで!)」

アンシーはしっかりとした気持ちでハープ(ホワイトコーラルハープ)を演奏している。


そんなアンシーのもとにブルーがやって来て、

アンシー「あ、あなたはマスクとスーツの!?」

ブルー「なるほど。竪琴を持ったお前の波動というわけか」

女性楽団員⑤「ちょっと何よ、あなた!今演奏中なのよ!」

ブルー「すまないがこの竪琴の女と少し話をさせてくれ」

アンシー「わ、私が何だっていうのよ!?」

ブルー「これを見てくれ」


ブルーは袋から強く光るグラン・ジェムストーンを取り出した。

アンシー「す、すごい輝き、その石は何なの!?」

ブルー「細かい説明は後でする。今は決断を聞きたい」

アンシー「け、決断って!?」

ブルー「お前はこのグラン・ジェムストーンに選ばれた」

 「すなわち俺と同様の力を得ることができる」

 「どうする?ここで強大な魔力を得るか?」

アンシー「強大な魔力!?」

ブルー「お前も俺と同じマスクとスーツ姿の戦士になれるということだ」

アンシー「私があなたと同じ姿に!?」

アンシーは少し戸惑ったが、彼女はクレードに返事した。

アンシー「いいわ。その力、確かに受け取るわよ」


リンカ「あ、アンシー!?そった(※3)よく分からない力を手にするだべか!?」

マリーチェル「アンシーはずっとああいう娘なのよ、リンカ」

 「自分で決めた事を曲げるような娘じゃないの」

リンカ「マリーチェル!でも!」

マリーチェル「大丈夫よ、リンカ」

 「アンシーの進む道は全て音楽に通じる」

 「私はそう信じているわ」

リンカ「ま、マリーチェル…」


続いてアンシーは、

アンシー「私はあなたを一目見て変わった人だと思ったわ」

 「そのマスクとスーツ姿の意味がよく分からないしね」

ブルー「その通りだ。初対面で立派な姿の戦士だと言われたことなどない」

アンシー「でも逆を言えばそれだけ斬新だということでもあるのよ」

 「斬新さは大事よ。新しい音楽を作るうえではね」

 「だから私もあなた同じ姿になれば今まで感じたことのない斬新な気持ちが味わえると思ったの」

ブルー「つまり好奇心で変身してみたいわけか?」

アンシー「いいじゃない。それで新しい音楽が作れるかもしれないんだから」

ブルー「分かった。お前の決意を尊重しよう」


そう言ってブルーはアンシーに光るグラン・ジェムストーンを手渡した。そして、

ブルー「青とサファイア、緑とエメラルド以外で色と宝石を選んでくれ」

 「まあ、俺は大体想像つくが…」

アンシー「そう。だったら私は白と真珠、パールを選ぶわ」

 「この白い髪とホワイトコーラルハープに因んでね」


続いて、

アンシー「真珠のような淡く美しいメロディで人々を「祝福」してみせるわ」

ブルー「ではその光る石を持ちながら、「カラーチェンジ&クリスタルオン」と言え」

 「そして強くイメージしろ。白き戦士になりたいと」

アンシー「任せてよ。音楽家の私ならイメージするのは大得意よ」


そして、

アンシー「カラーチェンジ&クリスタルオン!」

アンシー(心の中で)「(イメージしてみせる…白い戦士としての自分を…音楽で人々に「祝福」を届ける自分を…)」

グラン・ジェムストーンを手にしたアンシーの体は強く光り輝き、そして白いマスクとスーツ(下はスカート)姿の戦士へと変わった。


アンシー「やったわ!あなたと同じようなマスクとスーツ姿になったわよ!」

ブルー「では白き戦士よ、今からお前は「クリスターク・ホワイト」、魔法の宝石となったグラン・ジェムストーン(原石)は「グラン・ホワイトパール」と名付けさせてもらう」

アンシー改めクリスターク・ホワイト「クリスターク・ホワイト…その名前悪くないわよ!」


続いて、

ホワイト「それじゃあ白い私がクリスターク・ホワイトなら、青いあなたはクリスターク・ブルーってわけ?」

ブルー「そうだ。変身しているときの俺の名だ」

ホワイト「だったらよろしくね!ブルー!」

ブルー「ああ…」

ホワイト「祝福のパール!クリスターク・ホワイト!」

 「音楽の持つ無限の力、魔獣たちにたっぷりと見せてあげるわ!」


ここで二人のやり取りを見ていたストルラーム楽団長が、

ストルラーム「アンシーさん、あなた…」

ホワイト(アンシー)「すいません、楽団長…急に和を乱しちゃって…」

ストルラーム「まあいいですよ。私たちの演奏は一旦止めるべきだと思っていたので」

 「正直いいアンサンブルではなかったからね」

女性楽団員②「す、すいません。楽団長…」


ここでブルーが、

ブルー「あんたがホワイトの上司か」

 「悪いが少し彼女を貸してくれ。あのバッタ型を殲滅するためにも」

そしてホワイト(アンシー)も、

ホワイト(アンシー)「お願いします!楽団長!」

 「青い彼となら、きっと上手く戦えます!」

 「この力で今の状況を変えてみせます!」

ストルラーム「大丈夫よ、アンシーさん」

 「あなたの意志はちゃんと分かっているから…」

ホワイト(アンシー)「楽団長!それなら私たちは!」

ストルラーム「行きなさい、青と白の戦士たち」

 「あなたたちのデュエット、期待しているわ」

ホワイト「ありがとうございます!最高のデュエットにしてみせます!」

ブルー「ならば行くぞ、ホワイト」

ホワイト「ええ!ブルー!」


戦いの前線へと進むブルーとホワイト。

二人を見て戦場の後方にいるストルラーム楽団長は楽団員たちに、

ストルラーム「青い戦士やアンシーさんが手にした力の源が何なのかは分かりません」

 「ですが楽団員の仲間であるアンシーさんは未知の力を得てまで自分の音楽を作ろうとした。そして魔獣たちが大量に現れたこの状況を変えようとしている」

 「私はそんな彼女を見て同じ音楽で応えてあげたいと思いました。皆さんはどうでしょうか?」

女性楽団員③(戸惑った顔で)「そ、それは…」


楽団長の質問に楽団員たちの多くはすぐさま答えられなかったが、何人かは、

女性楽団員④「そうよね…すごい決断力だと思ったわ…」

 「音楽への情熱があっても、私じゃあの娘のような真似はできない…」

女性楽団員⑤「でもアンシーさんはそれを決断できたのよね…」

女性楽団員⑥「音楽への熱き想い…それがきっと彼女を動かしたんだわ…」


ここで先輩楽団員の一人が…

女性楽団員①「やりましょう、みんな」

 「先輩として後輩の娘に負けていられないわ」

女性楽団員⑦「そうよね。楽団の先輩である私たちがしっかりしなくちゃ…」

女性楽団員⑧「ストルラーム楽団長、もう一度指揮をお願いします」

女性楽団員④「今度はしっかりとした曲にしてみせます」

ストルラーム楽団長「良い決断だと思うわ」

 「それじゃあ演奏を再開いたしましょう」

女性楽団員⑤「はい!精一杯やらせてください!」


マリーチェル「先輩たちに負けてられないわ。私たちもフォルティッシモな気持ちで取り組みましょう」

リンカ「んだ、マリーチェル…」

続いてリンカは心の中で、

リンカ(心の中で)「(アンシー、な(※3)はまんず(※3)すごいだ…)」

 「(おらも含め楽団員のみんなの心が一つになれたのもな(※3)のおかげだ…)」


一方前線では兵士たちがバッタ型の魔獣と戦いを続け、

バッタ型の魔獣たち「ジュッ!ジュッ!」

ダールファン兵⑬(サンドナイト)「くっ、青の戦士はまだか!?」

ダールファン兵⑭(サンドナイト)「おい!気持ちは分かるが、あまりあの者に頼ってもよくないぞ!」

 「あの青き戦士は他国から助太刀に来た臨時団員なのだ!常にこの国にいるわけではないのだ!」

ダールファン兵⑮(サンドナイト)「そうだ我々正規の騎士団員の力で国を守っていかねば…」

「あくまで自分たち騎士団の力で国を守っていかなければならない」。そう思い戦う兵士たちもいた。


そしてブルーとホワイトが前線で戦う彼らの前に駆けつけ、

ブルー「待たせたな。持ち堪えてくれたことに感謝する」

ホワイト「怪我をしながら戦っている人がいたら、すぐに後退してください!あとの戦いは私たちが引き受けます!」

ダールファン兵⑬(サンドナイト)「あ、青き戦士か!?」

ダールファン兵⑭(サンドナイト)「だが、マスクとスーツの戦士がもう一人いるぞ!何者なんだ!?」

ホワイト「私はアンシー・ヒズバイドン、ムーンマーメイド交響楽団の一員です!」

ブルー「この楽団員の女もグラン・ジェムストーンに選ばれ戦士となった」

ダールファン兵⑮(サンドナイト)「え、選ばれただと!?」


ブルー(心の中で)「(博士のレポートによると、グラン・ジェムストーンに選ばれるのは強い意志や魔力などを持った者たちらしいが、それも確実というわけではない…)」

 「(いつどこで誰が選ばれるのかはっきりしない…だから俺は戦闘中もジェムストーンを持ち歩いていたんだが、今回は正解だったようだな)」


前線へと戻ったブルー(クレード)、そして新たに加勢に来たホワイト(アンシー)。そこにアリムバルダ騎士団長やセーヤ王子、親衛隊たちも駆けつけ、

アリムバルダ騎士団長「クレード殿、戻ったか」

ブルー「待たせたな。だが仲間を一人連れてきた」

ホワイト(アンシー)「ムーンマーメイド交響楽団のアンシー・ヒズバイドンです」

 「アリムバルダ騎士団長、よろしくお願いします」

セーヤ「クレードさんと同じような力を持った方が新たに現れるなんて、本当に驚きです…」

 「これも魔力が持つ「可能性」の一つなのかもしれませんねぇ…」


バッタ型の魔獣たち「ジュッ!ジュッ!」

ブルー「魔獣どもは待ってはくれない。戦うぞ、ホワイト」

ホワイト「ええ、ブルー!」


戦おうとするブルーとホワイト。だがその時後方から音符やト音記号形などの光弾が飛び、バッタ型魔獣たちを倒した。

バッタ型の魔獣たち(断末魔)「ジュ…」

ホワイト「光弾がきたってことは、楽団員のみんなも演奏を再開したのね!」

ブルー「これで鬼に金棒だな」

 「だがその金棒を与えたのはお前だ、ホワイト」

 「お前の意志や行動が楽団員たちを動かしたのだろう」

ホワイト「それは嬉しいわ。新人の私を楽団長や先輩たちが認めてくれたのなら」


ブルーとホワイト、二人は戦いを始めた。

バッタ型の魔獣たち「ジュッ!ジュッ!ジュッ!」

ブルー「ナミーブ砂漠(※4)の戦いで編み出した、長きオーラの剣…」

 「貴様らにも味わってもらう」

剣よりも何倍も長い魔力のオーラを纏った魔蒼剣を鞭のように振り回し、ブルーは魔獣を何匹も倒した。

バッタ型の魔獣たち(断末魔)「ジュ…ジュ…」


ホワイト「さすがね、ブルー!」

 「よぉーし、私も負けてられないわ!」


バッタ型の魔獣たち(叫び声)「ジューッ!!」

魔獣たちはホワイトに襲いかかろうとする。

しかしホワイトはホワイトコーラルハープを構え、

ホワイト「あなたたち物騒よ!美しいお城やお庭で楽しくワルツでも踊りましょうよ!」

バッタ型の魔獣たち「ジュッ!ジュッ!」

ホワイト「さあいくわよ!グラーツエッゲンベルク・4つの塔と庭園のヤーレスツァイトワルツ(※5)!」

ホワイトはワルツを奏でた。


『グラーツエッゲンベルク・4つの塔と庭園のヤーレスツァイトワルツ:♪ ♪ ♬ ♩ ♩ ♬ ♪ ♩ 』


ハープのメロディとともに音符やト音記号形などの光弾が四方八方に飛び出した。そして光弾はまるで踊るような動きでバッタ型の魔獣たちに迫った。

バッタ型の魔獣たち(驚いて)「ジュッ!?」

光弾に当たり魔獣は次々と倒れた。

バッタ型の魔獣たち(断末魔)「ジュ…」


音楽の力で戦うホワイトを見てセーヤ王子は、

セーヤ(感心して)「すごい…白き戦士の光弾は楽団員たちのとはまた違った動きをしている…」

そして、

セーヤ(心の中で)「(強大だけれどあの戦士たちの力の源が同じ魔力であるのなら、僕だってその力で…)」


セーヤ王子は自分も戦うことを決意した。そして騎士団長のアリムバルダや親衛隊たちに口を開き、

セーヤ「騎士団長、親衛隊の皆さん」

 「どうか僕も最前線で戦わせてください」

親衛隊①「セ、セーヤ王子!?し、しかし…」

親衛隊②「我々がそばにいるのです。王子を戦わせるわけにも…」


しかしアリムバルダは、

アリムバルダ「分かりました」

 「王子、ここはよろしくお願いします」

親衛隊③「騎士団長!?良いのですか!?」

アリムバルダ「島に行く前に国王様はセーヤ王子に「魔法の絨毯を使い皆のために役立てるがよい」などとおっしゃっていた」

 「つまり国王様はセーヤ王子が戦ってくれることも期待していたのだろう」

 「ならば国王様の期待に応えるため、そして国の領土を守るためにも、セーヤ王子には加勢していただきたい」

親衛隊④「で、ですが、やはり…」

アリムバルダ「王子、お声をお願いします」

セーヤ「ありがとうございます、騎士団長」

 「この国のためにできることをさせてください」

親衛隊⑤「お、王子!?」

セーヤ「大丈夫です。親衛隊の皆様」

 「僕はそんなヤワな男ではありません」

親衛隊①「確かに今の王子からは一切の迷いも感じませんが…」

セーヤ「ムーンマーメイド交響楽団の皆様、そして青と白の戦士たちに刺激を受けたのです」

 「魔力の力を…その可能性を…」

 「同じ魔力を持つ人間として僕も負けていられません」

 「魔法の絨毯を使い戦い抜いてみせます」

親衛隊②「王子…」


バッタ型の魔獣たち「ジュッ!ジュッ!ジュッ!」

セーヤ「魔獣たちは待ってはくれませんね」

 「ならば!」

魔法の絨毯に乗ったセーヤ王子は高速で空を飛び、バッタ型の魔獣たちを曲刀「シャムシール」で次々と斬った。

セーヤ「ハッ!」

バッタ型の魔獣たち(斬られて)「ジ…ジュ…」


戦う王子を見てアリムバルダや親衛隊たちは、

親衛隊③「魔法の絨毯をあれだけ使いこなせるとは…」

 「王子には恐れ入りますよ…」

親衛隊④「あんなに高速で飛んでは体に受ける風圧もすごいはずだ。だが王子は魔力で体を強化し強烈な風圧を受け流しているのだろう」

アリムバルダ「あれがセーヤ王子の真の実力だ」

 「立場上守られていることが多い王子であるが、いざ戦えばあれだけの強さを発揮するのだ」

親衛隊⑤「我々親衛隊が常に守らなければならないほど、王子は弱いお方ではありませんな…」


セーヤ王子は魔法の絨毯に乗り戦っている。

セーヤ「ハァァッ!!」


ここでアリムバルダ騎士団長も、

アリムバルダ「さて、王子が全力で戦っている以上私も動かねばな」

バッタ型の魔獣たち「ジュッ!ジュッ!」

アリムバルダ「バッタどもが…我が剣を受けてみるがよい…」

そう言ってアリムバルダは曲刀「シャムシール」に魔力を込め、曲刀は魔力のオーラを纏った。

アリムバルダ「騎士団長の私が相手になろう。来るがよい」

バッタ型の魔獣たち「ジュッ!ジュッ!」

バッタ型の魔獣たちが一度に何匹も襲いかかってきたが、アリムバルダは曲刀を振り、魔獣たちを倒した。

アリムバルダ「フンッ!」

バッタ型の魔獣たち(断末魔)「ジュ…バ…」


アリムバルダの戦いを見た兵士たちは、

ダールファン兵⑬(サンドナイト)「騎士団長の刀技と魔力のオーラ、見事だ…」

ダールファン兵⑭(サンドナイト)「さすがは俺たちの騎士団長だ…」

ダールファン兵⑮(サンドナイト)「感心している場合ではないぞ!我らも戦うのだ!」

ウインベルク兵⑤(鎧騎士)「我々ウインベルクの騎士団も全力で援護させていただきます!共に力を合わせ乗り切りましょうぞ!」


ダールファン兵⑩(女性騎士)「青と白の戦士たち、交響楽団の音楽、ウインベルクの騎士団、セーヤ王子にアリムバルダ騎士団長の力、そして私たちダールファンの騎士団…」

 「これだけの力が合わさればきっと勝てるはずよ!だから最後まで諦めないで、精一杯頑張りましょうよ!」

ダールファンとウインベルクの兵たち「オーッ!」


皆、力を合わせ戦った。そして全部で何千匹と現れたバッタ型の魔獣たちを全て退治し、この戦いに勝利した。

ブルー「俺たちの勝ちだな…」

ホワイト「初変身で初勝利!悪くないわ!」

ストルラーム楽団長「みんな、お疲れ様」

 「満点とは言えないけど、それなりにいいリハーサルだったわよ」

女性楽団員①「申し訳ありません…ストルラーム楽団長…」

女性楽団員②「本番ではより完璧な演奏にしてみせます…」

セーヤ(心の中で満足そうに)「(母上…今日は国を守るために精一杯動きましたよ…)」

アリムバルダ「この戦いに参加してくれた全ての方々に礼を言おう…本当にありがとう…」


そしてブルー(クレード)とホワイト(アンシー)は、

ブルー「ホワイト。ひとまず戦いも終わったことだし、変身を解くぞ」

ホワイト「どうすればいいのよ?」

ブルー「「カラー&クリスタルオフ」と言いながら、元の姿をイメージしろ」

そして二人は変身を解き互いの素顔を知った。


クレード「俺の名はクレード・ロインスタイト」

 「クリスターク・ブルーに変身する剣士だ」

アンシー「あっ…」


クレードの顔を見てアンシーは、

アンシー(心の中で)「(な、何よ…け、結構カッコいい男じゃない…)」

顔を赤くしたアンシーは思った。

(※後編へ続きます)

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