第8話 セルタノの故郷
8話目です。旅に出た、クレード・オリンス・ナハグニ・鵺洸丸・ウェンディ・ホヅミ・ススキたち7人のことをどうかよろしくお願いします。
<主な登場人物の紹介>
<クレード一行 計7人>
◎クレード・ロインスタイト(男・?歳)
・青色の髪をしている本作の主人公である魔法剣士。
魔法の宝石グラン・サファイアにより、クリスターク・ブルーに変身できる。
自分の出身地や年齢など、過去の記憶をいろいろなくしている。
◎オリンス・バルブランタ(男・28歳)
・緑色の髪をしている元ルスカンティア王国騎士団の騎士。
馬にまたがり騎兵として戦う。武器は槍と斧。愛馬の名はベリル号。
魔法の宝石グラン・エメラルドにより、クリスターク・グリーンに変身できる。
ルスカンティア王国ジルミエンス村(※1)出身。
○ナハグニ・按司里(男・31歳)
・ワトニカ将国リュウキュウ藩出身の侍。自称、うちなー侍。
日本の世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」(文化遺産 2000年登録)からイメージしたキャラ。沖縄県出身のイメージ。
○鵺洸丸(男・30歳)
・ワトニカ将国オガサワラ藩出身の忍者。
鵺洸丸は忍びとしての名前で、彼の本名は、「タケル・南嵐」。
日本の世界遺産「小笠原諸島」(自然遺産 2011年登録)からイメージしたキャラ。東京都小笠原村出身のイメージ。
○ウェンディ・京藤院(女・20歳)
・洋風な名前だがワトニカ将国キョウノミヤ藩出身で、公家の娘。
柔道家で五段の腕前。
語頭に「押忍」、語尾に「~ッス」と付けて話すことが多い。
母方の従兄にロゼルという侍がいる。
日本の世界遺産「古都京都の文化財」(文化遺産 1994年登録)からイメージしたキャラ。京都府出身のイメージ。
○ホヅミ・鶴野浦(女・22歳)
・ワトニカ将国サド藩出身の女性棋士で女流二段の腕前。
日本の暫定リスト掲載物件「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」からイメージしたキャラ。新潟県出身のイメージ。
○ススキ(女・22歳)
・ワトニカ将国エゾ藩出身の新人くノ一。
ススキはくノ一としての名前で、彼女の本名は、「モエ・豊中島」。
クレード一行の御者として馬車を動かしている。
北海道出身のイメージ。
<その他人物>
○セルタノ・リクゼストン(男・33歳)
・ルスカンティア王国騎士団に所属する正団員。弓騎兵。
オリンスの親友で、セドルース村(※2)で落ち合う約束をしているのだが…
☆○ゼランダル・リクゼストン(貴族としては、リクゼストン子爵)(男・66歳)
・セルタノの父親で、元ルスカンティア王国騎士団のアーチャー。
騎士団を退職してからはセドルース村の村長を務めている。
リクゼストン家は由緒ある騎士の家柄だが、貴族としても国に認められているため、子爵家でもある。
誕生日は5月9日。
☆○カダリア・リクゼストン(女・64歳)
・セルタノの母親。伯爵家の出。
誕生日は4月6日。
△ロゼル・月帝(男・32歳)
・灰色の髪をしているウェンディの母方の従兄。洋風な名前だが、ワトニカ将国ヤマトエド出身。
ワトニカの中でも最強クラスの侍。愛用する刀の名は「月兆刀」。
この物語における重要人物の一人だが、今回は名前のみの登場。
△タツナガ・銀硫瀧(男・32歳)
・ワトニカ将国ヤマトエド出身の侍。
ナハグニの友人だが、ナハグニはここ数年彼とは会っていない。修行のため異国へ旅立ったようだが…
名前のみの登場。
(☆:新キャラ)
ケルビニアン暦2050K年4月26日。
ルスカンティア王国、王都のジルスゴール城(※3)を出て四日後。
旅立ったクレード一行は王都近くのルスティーヤ村(※4)の郊外で、レジャーシート(魔獣の皮製)を広げ昼食を食べていた。
クレード・ナハグニ・ススキは道中の店で買ったハンバーガーを食べ、
ナハグニ「でーじまーさん(※5)!」
「美しき自然の中で食べるハンバーガーは最高でござるなあ!」
「これでルートビアでもあればもっと最高なんでござるが…」
鵺洸丸「コーラも買ったのであろう。それで我慢いたせ」
ナハグニ「何を申す!リュウキュウのハンバーガー店ではルートビアはおかわり自由なんでござるぞ!」
一方ススキは、
ススキ「トマトソースチキンのハンバーガー、ソーセージを包んだパン、どれも美味しい」
「ヒンナヒンナ(※6)」
ナハグニ「ススキ殿もハンバーガーがお好きでござるか?」
ススキ「はい。エゾ藩で愛されている中華味のチキンバーガーとか、お砂糖をまぶしたフレンチドッグとか、私大好きです」
ナハグニ「おお!ススキ殿と拙者に共通する好みがあるとは実に嬉しいでござる!うっさん!(※5)」
ススキ(心の中で)「(ナハグニさんと食べ物の好みが似ててもあんまり嬉しくないな…)」
「(どうせならナハグニさんじゃなくて鵺洸丸さんと何か共通するものがあったほうが…)」
そう思ってススキは鵺洸丸をちらっと見た。
一方クレードは、
クレード「ハンバーガーか…以前食べた気がするような…」
ナハグニ「ハンバーガーを食べた記憶でござるか」
「それもクレード殿が何者かを思い出すヒントかもしれないでござるなあ」
オリンス「でもハンバーガーってムーンリアスじゃどこでも食べられているからね」
「それだけじゃちょっと記憶のヒントには…」
ナハグニ「そういえばワトニカのオオウラ藩(※7)には「佐世保バーガー」という名物ハンバーガーがあるでござるよ」
「拙者は食べたことはござらぬが」
クレード「佐世保バーガーか…」
「…」
一方ウェンディとホヅミは、景色の中の大きな山を見ていた。
ウェンディ「押忍!大きな山が見えるッス!」
「あの山、ワトニカのヒノフジ山(※8)よりもでかいかもしれねぇッス!」
ホヅミ「あれってぇルスマンジャロ山(※9)じゃないですかぁ?」
オリンス「ホヅミはルスマンジャロを知っているの?」
ホヅミ「はいぃ、高寺小屋(※10)のぉ世界地理のぉ授業で聞いたですぅ」
「ルスカンティア王国でぇ一番大きなぁお山でぇ、標高も6000mくらいあるんですよねぇ」
ウェンディ「押忍!6000とは驚きッス!ヒノフジ山の2倍くらいあるッス!」
ホヅミ「ウェンディさぁんはぁ、世界地理の授業でぇ聞いてなかったんですかぁ?」
ウェンディ「押忍!聞いたとしてももう忘れてるッス!」
「でもこうして実物を見れたから、次は覚えられるッス!」
オリンス「それは嬉しいよ。遠い異国の人がルスカンティアのことを少しでも知ってくれたのなら」
ナハグニ「ルスマンジャロはこの間のセレンゲティアの大草原(※11)に向かう道中でもよく目に映ったでござるなあ」
「まさに異国ゆえのビッグスケールな山でござる!」
オリンス「まあそれでもルスマンジャロは南の月(南側の大陸)の中じゃ2番目の高さなんだけどね」
クレード「ヴェルトン博士から少し聞いたぞ、南の月(南側の大陸)で最も高い山はボルムネジアのサガルマンタの山々(※12)にあるムーンベレスト山(※12)だってな」
オリンス「あの山は本当に高いよ。南の月どころか北の月(北側の大陸)でもあそこまで高い山はないもんね」
ホヅミ「ムーンベレスト山もぉ高寺小屋でぇ習ったですぅ。ムーンリアスどころかぁ惑星ガイノアースの中でぇ一番高い山ともぉいわれてますぅ」
オリンス「大開拓や交流の時代に調査した新大陸の山々の中でもムーンベレストほど高い山はなさそうだしね」
「ムーンベレスト山を含むサガルマンタの山々はまさに「世界の屋根」だよ」
ウェンディ「押忍!ムーンベレストはともかく、あのルスマンジャロの向こうにこれから行くダールファン王国があるんッスね!」
オリンス「まあそうなんだけど、今回はルスマンジャロじゃなくて別の山々を越えてダールファンに行こうと思っているよ」
鵺洸丸「その向かうべき場所というのがオリンス殿の故郷であるジルミエンス村ということか…」
オリンス「うん。旅立つ前に家族に会っておこうと思ってね…」
クレード「それがいい。俺たちは戦いもするし、旅もする」
「ならば会えるうちに会っておけ」
ナハグニ「ご家族とはしばらくお会いしてなかったのでござろう」
「しからば顔を見せればきっとお喜びになるでござるよ」
ホヅミ「遠慮しないでぇ、ちゃんとぉ会っておきましょうよぉ」
鵺洸丸「相手がご家族であるなら、話すべきことはしっかりと伝えねばな…」
オリンス「悪いね、みんな…」
ウェンディ「押忍!気にしなくても大丈夫ッスよ!」
ススキ「オリンスさんとセルタノさん、私たちはこれからお二人の故郷に向かうというわけですね」
オリンス「まあまずは、セルタノの故郷であるセドルース村からだね」
その日の夜、ルスティーヤ村の宿のロビーにて…
オリンス「セルタノが待っているセドルース村には明後日28日の夜には着けると思うんだ…」
ナハグニ「ならばこのまま順調に進めれば良いでござるなあ」
ホヅミ「今のとこぉ物の怪にもぉまだぁ遭遇していないですしねぇ」
鵺洸丸「しかしこのルスティーヤ村の中心街に来たのはそれがし初めて…王都からさほど離れた村ではないというのに…」
オリンス「この間のセレンゲティアとは違って今回は北部の山沿いを通っているからね」
「国の西側を通るにしても道順はいろいろあるから…」
クレード「話は変わるが、この村は石碑で有名らしな。宿の観光案内板にも書かれている」
オリンス「そうなんだ。全部で36基の石碑があるんだけど、どれも謎が多くてね。作られた時代や目的もよく分かっていないんだ…」
「まあかなり大昔の物らしいけど…」
ホヅミ「そういう謎めいた物ってぇ面白いですよねぇ」
ススキ「そうですね…大昔のロマンって感じで…」
オリンス「良かったら明日の朝、みんなで村の石碑を見に行こうか?」
ウェンディ「押忍!寄り道してもいいんッスか?」
オリンス「遠い異国から来たみんなにもルスカンティアのことを知ってほしいからね。時間が許すのならこの国の自然や遺跡とかもいろいろ見てほしいよ」
クレード「それじゃあ決まりだな。少しくらいはゆっくり観光させてもらうか」
次の日の27日の翌朝、クレードやオリンスたちは村の石碑を見学し、その後村を出た。
クレード「剣や人の顔、幾何学模様なんかが印象的な石碑だったな」
鵺洸丸「金属製の道具でそれらの模様を彫ったらしいぞ」
ナハグニ「拙者、石の建造物は大好きでござるよ!リュウキュウにも石で作られた城跡などが多く残っておるし!」
ウェンディ「押忍!とにかく勉強した気分ッス!」
ホヅミ「「百聞は一見に如かず」ですぅ。やっぱりぃ目で見たほうがハッキリするですぅ」
オリンス「そう言ってくれるのなら、見学を勧めた俺も嬉しいよ」
続いてオリンスは、
オリンス「それじゃあセドルース村へ向けて進もう」
ススキ「馬車はしっかり操作しますので、オリンスさんはベリル号をお願いします」
オリンス「助かるよ、ススキ」
クレードやオリンスたちは予定通り次の日の28日の夜セドルース村にたどり着き、村の宿へ泊まった。
そして次の日(29日)、セルタノの父であり、村の村長でもあるゼランダル・リクゼストン氏の屋敷を目指し進んでいた。そして彼らは道中に…
ナハグニ「セルタノ殿に、お父上のゼランダル殿、そして村の名前がセドルース村…」
「考えてみるとどれも名前が似ているでござるなあ…」
オリンス「セルタノもお父さんのゼランダルさんも名前の由来は村の名前らしいからね」
鵺洸丸「そういえばセルタノ殿は由緒ある騎士の名家にお生まれと…」
オリンス「セルタノの実家であるリクゼストン家は騎士の名家として350年くらい続いているんだよ」
ホヅミ「確かにぃそれくらい長いならぁ由緒ある家柄といえますぅ」
ウェンディ(心の中で)「(350年くらいッスか。長いけどやっぱり従兄弟のロゼル兄さん家に及ばねぇッス)」
「(ラジニナ叔母さんやロゼル兄さん家の月帝家は武家として500年くらい続いているッスからね)」
オリンス「由緒ある騎士の家系ということもあってか、セルタノのリクゼストン家は貴族の子爵家としても国に認められているんだ」
クレード「つまりセルタノの家系は騎士でもあり貴族でもあるというわけか」
オリンス「うん。貴族としての縁もあるから、お父さんのゼランダルさんは伯爵家の娘であるカダリアさんと結婚できたみたいだしね」
そして話は続き…
オリンス「平凡な木こりの家に生まれた俺と比べて、セルタノは騎士や貴族の家系に生まれた人間だからね。元々俺とは立場が違うんだ…」
鵺洸丸「オリンス殿…ご自身の生まれや立場を気にしておるのか?」
オリンス「そうかもね」
「でもお互いの立場が違ってもセルタノは俺にとってかけがえのない親友だよ」
「正団員として騎士団に入隊した俺の面倒をずっと見てくれたのが他ならぬセルタノだったからね…」
「見習い期間も含め、俺が騎士団員として6年も続けてこられたのは彼のおかげだよ…」
クレード「しかし話を聞く限り、セルタノは友ではなくお前の先輩のようにも思えるが」
オリンス「確かにセルタノは本来騎士団の先輩だったよ」
「だから俺も最初セルタノに会ったときは礼儀正しい態度を心掛けたんだ」
「でもセルタノはそんな俺に「敬語なんて使わなくていい」とか「そんなに硬くならなくていい」とか言ってくれて…」
ホヅミ「とてもぉ気さくなぁ人ですねぇ、相手は後輩さんなのにぃ」
鵺洸丸「確かにセルタノ殿の気さくさや明るさにはそれがしも世話になった…」
オリンス「俺もそんな気さくなセルタノと接しているうちにだんだん彼に打ち解けていってさあ」
「気がついたら先輩なのに平気でタメ口で話せるような仲になっていたよ…」
「だからセルタノのことは先輩ではなく対等な親友のように思っているよ。本当は先輩なんだけどね」
ススキ(馬車を動かしながら)「きっとセルタノさんにとってオリンスさんは仲がいい初めての後輩さんだったんじゃないですか?」
オリンス「入隊したばかりの俺の世話役をしてくれたのが当時入隊5年目のセルタノだったからね」
「世話役を任された初めての後輩ということで、きっといろいろ気にかけてくれたんだろうね…」
「だからきつい先輩よりも親しみのある先輩になろうとして…」
ウェンディ「押忍!セルタノさん、いい人ッスね!」
ナハグニ「そういう良き先輩に出会えたオリンス殿は幸せだったかも知れぬぞ」
オリンス「そうだね…騎士団を辞めたとはいえセルタノにはこれからも感謝したいよ…」
「先輩から親友になってくれた人なんだから…」
ナハグニ(心の中で)「(親友でござるか…)」
オリンスから彼の親友であるセルタノのことを聞いて、ナハグニは友を思い出した。
ナハグニ(心の中でしんみりと)「(我が友、タツナガよ…同じ侍であるお主は今どこで何をしておる?)」
ナハグニにはタツナガ・銀硫瀧という友人がいる。
しかし彼はクレードやオリンスたちにタツナガのことを話すことはなかった。
村を進む一行。そして、
ススキ「あの大きなお屋敷でしょうか?」
オリンス「うん。あの屋敷がゼランダルさんの家だよ」
ウェンディ「押忍!さすがは村長ッス!屋敷も立派ッス!」
屋敷の入り口には警備の兵士(騎士団員)がいて…
ルスカンティア兵(騎士)「村長に何かご用でしょうか?」
オリンス「すいません、オリンス・バルブランタと申します」
「村長さんのご子息であるセルタノさんの友人でして…」
ルスカンティア兵(騎士)「緑の髪で、オリンスという名…」
兵士はクレードにも確認を求めた。
ルスカンティア兵(騎士)「そちらの青い髪の剣士の方、お名前をよろしいでしょうか?」
クレード「クレード・ロインスタイトだ」
ルスカンティア兵(騎士)「なるほど。確かにあなた方のようですね」
オリンス「俺たちのことが分かるんですか?」
ルスカンティア兵(騎士)「はい。セルタノ殿から伺っております」
「「緑の髪でオリンスという名の親友、青い髪でクレードという名の剣士、その他仲間たちが来たら、ちゃんと出迎えてくれ」と」
オリンス「セルタノから聞いていたんですね。ありがとうございます…」
ルスカンティア兵(騎士)「門を開けます。村長がお待ちですので、どうぞ屋敷の中へ…」
兵士は門を開け、そしてオリンスたちは屋敷へと入った。
屋敷にはセルタノの父で村長のゼランダル(リクゼストン子爵)とセルタノの母カダリアたちがいたが、二人の息子であるセルタノの姿はなかった。
オリンスはセルタノがどうしたのか聞き、両親は一昨日伝令隊たちが屋敷に来て、セルタノは彼らと共に城へ戻ったことをオリンスに伝えた。そして…
オリンス「そうですか。セルタノは一昨日の夜に…」
ゼランダル(リクゼストン子爵)「チャドラン王子やラドランク副騎士団長たちが遠く離れたルスモーン島へ行くことになったようだからね」
「だからこれから親衛隊の一員となるセルタノにも早急に城へ戻るよう、伝令隊たちが伝えにきたよ」
カダリア「でもねぇ、伝令隊の人たちもオリンス君たちと会ってからでいいって言っていたんだけど、セルタノちゃんが王子や副騎士団長たちを待たせちゃ悪いからって…」
オリンス「大丈夫です、カダリアさん」
「俺に会うことよりも仕事が優先だと思いますから」
ゼランダル「セルタノもそんな風に言っていたよ。「俺に会わなくてもオリンスなら大丈夫だ」とね」
カダリア「でもそれはオリンス君のことをそこまで信頼している証だとも思うわ」
オリンス「それでしたらセルタノの気持ちに応えるまでです」
「今は親友と会えなくて落ち込んでいる場合ではないでしょうから」
鵺洸丸(心の中で)「(オリンス殿の言葉や気持ちに迷いや曇りは感じぬ…)」
「(本心からそう思っておるようだ…)」
ナハグニ(心の中で)「(お二人の友情や絆は大したものでござるなあ)」
続いてゼランダルは話題を変え、
ゼランダル「しかしさすがはルスカンティア王国騎士団の伝令隊たちだよ。君たちよりも二日も前に到着したのだからな」
オリンス「ええ、さすがは騎士団ですよ」
「元団員となった今だからこそ分かりますよ」
カダリア「あなたが騎士団を辞めたということは伝令隊もセルタノちゃんに伝えていたわよ」
ゼランダル「だがセルタノはそれも分かっていたような反応だった」
「別れる前に君の決意を確かに感じたのだろう…」
オリンス「セルタノは大した人間です。そうやっていつも俺の気持ちを分かってくれましたから…」
そして話は本題へ…
ゼランダル「さてオリンス君、君がここへ来たということは「ある物」を受け取りにきたのだろう?」
オリンス「はい。セルタノが俺に渡したい物があるから、村の実家に来いと…」
ゼランダル「セルタノが久しぶりに実家に顔を出したのは私を説得するためだったよ」
「我がリクゼストン家の家宝である「翠電槍」(すいでんそう)をオリンス君に渡してほしいと言ってきたのだ」
オリンス(驚いて)「えっ!?セルタノがリクゼストン家の家宝を俺に渡そうと!?」
ゼランダル「最初セルタノの頼みを聞いたとき私は反対したよ。何せ300年以上前から我が家にある大切な家宝だからな」
「息子の親友とはいえ、家宝を他人に渡すのはさすがにな…」
オリンス「そうですよね…そんな大切な家宝でしたら無理して俺には…」
ゼランダル「だが後になって私も少し考えたよ。もし翠電槍に触れることができたのならオリンス君に渡しても良いとな」
オリンス「そ、それって…」
カダリア「確かに翠電槍は我が家の家宝だけど、150年くらい誰も扱えなかったのよ」
ゼランダル「セルタノから聞いたのだが、君は緑色のマスクとスーツ姿の戦士になれるらしいじゃないか」
「そしてその緑の戦士の魔力は大変おびただしいと…」
オリンス「確かにクリスタークの戦士の力や魔力は凄まじいものですが…」
ゼランダル「翠電槍もまたおびただしいほどの魔力を放っている」
「その魔力の強さゆえに約150年もの間リクゼストン家の中で誰も扱えなかったし、何よりまともに触れることすらできなかった」
カダリア「その長い間扱える人がいなかったから翠電槍はずっと飾りだったのよね」
続いてゼランダルは、
ゼランダル「どうだねオリンス君、翠電槍に挑戦してみる気はあるかい?」
オリンス「ちょ、挑戦ですか…?」
ゼランダル「緑の戦士の魔力ならば翠電槍の強い魔力さえも受け入れられるかもしれないからな」
「もし触れることができたのなら、君に翠電槍を譲ろう。約束する」
クレード「だったらすぐに挑戦しろ、オリンス」
「それがお前の親友であるセルタノの望みなんだからな」
ススキ「オリンスさん、その通りよ」
ホヅミ「セルタノさぁんのためにもぉ、翠電槍をぉ手に入れるですぅ」
ウェンディ「押忍!オリンスさん!気合を入れるときッス!」
オリンス「ありがとう、みんな…もちろんそのつもりだよ…」
続いてオリンスはゼランダルに、
オリンス「ゼランダルさん!俺に翠電槍を見せてください!」
ゼランダル「覚悟はあるようだね…では2階の家宝の間へ行こう…」
ゼランダルとカダリア夫妻、オリンスとクレードたちは屋敷の2階の家宝の間へと移動した。
メイド「ゼランダル様、家宝の間の扉を開けます…」
ゼランダル「よろしく頼む」
メイドが扉を開けると部屋の奥に翠電槍という緑のランス(騎槍)がケースに保管されていた。
ホヅミ「おお!きれいな緑色の槍ですぅ!」
ウェンディ「押忍!まるで宝石でできた槍みたいッス!キラキラ光ってきれいッス!」
ナハグニ「オリンス殿と同じ緑色とは!これは運命を感じるでござるなあ!」
オリンス「セルタノの実家にこんなランス(騎槍)があったなんて…」
カダリア「翠電槍が緑色をしているのはルスコンジュア山脈(※13)のルスバートン・グリーンストーン・ベルトで採れる貴重なマジェール・グリーントルマリンをふんだんに使っているからなのよ」
オリンス「ルスコンジュア山脈…ルスカンティア東部にあるマジェール・ストーン(※14)の鉱脈地帯ですね」
「そこで採れた貴重な魔法石をたくさん使っているなんて…」
ゼランダル「私の先祖が金に物を言わせて作ったのだよ。魔力を帯びた強い武器を作ろうとしてな」
カダリア「それで確かにすごい槍を作れたんだけど、魔力が強すぎてほとんどの人が満足に扱えなかったのよね」
ゼランダル「約300前に作られたこの強力すぎる槍も、リクゼストン家の中で上手く扱えたのはわずか1、2人だけだったよ。その300年の間でな」
クレード「せっかく強い武器を作っても扱える人間が少なければ本末転倒だな」
ゼランダル「加えて翠電槍の主な原料であるマジェール・トルマリンは強力な電撃を放つ魔法の石だからな。それも扱いにくい要因だったよ」
ホヅミ「確かぁ宝石のトルマリンはぁ、別名「電気石」ともぉ呼ばれてるんですよねぇ」
「熱やぁ摩擦なんかでぇ、微弱な電気がぁ生じるのでぇ」
カダリア「あらあら、お嬢さんは宝石にお詳しいのね」
ホヅミ「私の故郷のぉサド藩はぁ、金やぁ銀がぁたくさん採れるぅ鉱山地帯ですぅ」
「だからぁ地元ではぁ金属やぁ宝石にぃ詳しい人が多いんですよぉ」
ゼランダル「宝石のトルマリン自体が電気を生む石だからな。そのトルマリンに魔力が加わったマジェール・トルマリンともなればかなりの電撃が生じる」
オリンス「でもその電撃って魔獣たちを駆除するための力になりますよね」
ゼランダル「槍の一撃に加えて強力な電撃も食らわせる…それが翠電槍という槍の力だ」
オリンス「ゼランダルさん、翠電槍がどんな槍かは分かりました」
「だから俺にその槍を触れさせてください!セルタノのためにも必ず手にしてみせます!」
ゼランダル「分かったよ、オリンス君」
「言葉通り翠電槍を手にしてみたまえ。全てはそれからだ」
屋敷の執事やメイドたちが保管されているケースのガラス部分を取り外した。
そしてオリンスが翠電槍に向かい、
ゼランダル「翠電槍に触れ、その保管ケースに収納したのが約150年前に槍を上手く扱えた私の先祖だったよ」
「それ以来誰もケースから取り出せないでいる」
オリンス「でも執事さんやメイドさんたちは今保管ケースを開けられましたよね…」
ゼランダル「ケース自体にはなんの魔力もないよ。魔力があるのはその翠電槍だけだ」
続いて、
ゼランダル「さてオリンス君、君に翠電槍を触れることができるかね?」
オリンス「任せてください!やってみせます!」
オリンスは翠電槍に触れようとするが、翠電槍の魔力や電撃がオリンスの体に走る。
オリンス「うっ!ぐっ!」
「ぜ…全身がビリビリする…ぐっぐぅ!」
クレード「オリンス、クリスターク・グリーンに変身しろ」
「凄まじい魔力や雷を放っている…生身のお前に触れられるものか…」
鵺洸丸「クレード殿の言う通り、変身前のオリンス殿の妖力で受け止められるとは、とても…」
オリンス「ま…まだ俺は大丈夫だよ…」
ウェンディ「押忍!だったら今変身するッス!」
オリンス「いや…安易に変身はしたくないよ…」
「何でも変身して解決してちゃ、きっと身も心も強くなれない…」
「翠電槍には変身後の俺じゃなくて、変身前の生身の俺も受け入れてほしいんだ…」
ススキ(心配そうに)「オリンスさん…」
ナハグニ「ならばオリンス殿、気の済むようにやってみるでござる!」
「己の選んだ道を信じるでござるよ!」
オリンス「任せてよ、ナハグニ!」
その後もオリンスは生身で翠電槍を手に入れようとするが、何度も弾かれてします。
オリンス「ハァ…ハァ…」
オリンスはだいぶ疲れていた。
ススキ「もう止めてください、オリンスさん!」
「見ているこっちが辛いです!」
ウェンディ「押忍!体ももう限界ッスよ!」
「ここは一度冷静になって考え直してみるッス!」
クレード「ウェンディの言う通りだ。素直に変身しろ、オリンス」
「今のお前はただ無鉄砲に動いているだけだ」
ホヅミ「そうですよぉ、倒れたらぁ元も子もないですぅ」
ゼランダル「オリンス君、翠電槍に触れることができるのなら手段は何でも良いのだぞ」
オリンス「そ、そうですね…さすがに俺もそろそろ限界です…だから生身でやるのは次で最後にします…」
「次でダメだったら…変身します」
鵺洸丸「オリンス殿は生身の体で限界まで挑んだのだ…」
「次変身して翠電槍を手にしたとしても、立派に思うところ…」
ナハグニ「ならば生身での最後のチャンス!オリンス殿なんとしてもここで掴んでくだされ!」
オリンス「やってみるよ!今度こそ!」
オリンスは手を伸ばし、
オリンス(心の中で)「(生身の俺で触れてみせる!)」
「(変身することだけが全てじゃないんだあ!!)」
オリンス「うおおっ!」
オリンスの手が翠電槍の柄の部分を掴んだ。
ゼランダル「なんと!約150年誰も触れられなかった翠電槍をその手に!」
カダリア「まあ…」
翠電槍を掴んだオリンス。そして、
オリンス「セルタノ!これが俺の力だあ!」
オリンスは翠電槍を高く掲げた。
ナハグニ「あっぱれ!オリンス殿!さすがでござる!」
鵺洸丸「まさか生身の状態でやってのけるとは…」
クレード(心の中で)「(オリンス…お前は俺が思っている以上に…)」
ゼランダル「オリンス君、実に見事だったぞ…」
オリンス「ゼランダルさん…」
ゼランダル「約束通り翠電槍は君の物だ」
「これからは好きに使うといいだろう…」
オリンス「大切な家宝でしたからね。大事に使いますよ…」
カダリア「それにしてもオリンス君、翠電槍の電撃は大丈夫なの?」
オリンス「はい。きっと翠電槍が俺を受け入れてくれたのでしょう…」
「手に持っていてももう電撃は感じませんよ…」
ゼランダル「魔獣たちとの戦いではきっと電撃を放ってくれるはずだ」
「オリンス君、今後翠電槍を上手く使えるかどうかは君次第ということだ」
オリンス「ありがとうございます。ゼランダルさん」
カダリアはオリンスを気遣い、
カダリア「オリンス君、すごく疲れたでしょう?」
「今回復魔法が使える人を呼んでくるからね」
オリンス「すいません、カダリアさん…」
カダリアの計らいで屋敷に村のシスターが来て、オリンスに回復をかけた。
シスター「回復の中魔法 エムキューレ・シングル」
聖なる魔法の光によりオリンスの疲労が回復した。
オリンス「ありがとうございます。シスターさん」
「おかげでだいぶ疲れが取れました」
シスター「それは良かったです。私の回復魔法がお役に立てて」
続いてシスターは、
シスター「少しの間は安静にしていてくださいね。いきなり体を動かすとまたすぐ疲れてしまいますから」
カダリア「ありがとうございます。おかげで助かりましたわ」
「こちら回復魔法代です。どうぞ」
シスター「お気持ち感謝いたします。では私は教会に戻りますので」
シスターは帰っていった。
オリンス「ありがとうございます。カダリアさん」
「回復魔法代まで出してくれて」
カダリア「オリンス君すごく頑張ったんだし、これも労いのうちよ」
ウェンディ「押忍!それにしてもシスターさんのような聖職者でもしっかりお金は取るんッスか!」
鵺洸丸「まあウェンディ殿、教会を維持するのにも金はかかるのもので…」
クレード「しかし今回のオリンスのことを考えると、俺たちの仲間にも回復魔法が使える奴がほしいな…」
ナハグニ「確かにこの先物の怪たちとの戦いは避けらぬでござるしなあ…」
ススキ「戦いとなると怪我もしそうだし、疲れも出るわ…」
ホヅミ「だったらぁ回復の妖術(※)が使える人をぉこれから探しましょうよぉ」
(※…他国でいう「魔法」のこと。ワトニカでは「妖術」という)
ゼランダル「次の目的が決まったようだね。だが今日は屋敷でゆっくりと休み、出発は明日にしたらどうかね?」
鵺洸丸「よろしいので?」
ゼランダル「構わないよ。君たちが良ければな」
クレード「だったら今日はもうそれでいいんじゃないか?」
オリンス「そうだね。俺もさっきシスターさんに「少し安静にしてくれ」って言われたばかりだしね…」
カダリア「ご馳走もいろいろ用意するわよ。チャパティ、マンダジ、インジェラ、ウガリ、マトケ、ボボティ、カランガ、カチュンバリ(※15)、ナイルパーチの塩焼きとかね」
ホヅミ「わぁ!食べてみたいですぅ!」
カダリ「食事の後、甘いミルクティーも淹れるわよ」
ホヅミ「ホヅミ、お茶大好きですぅ!飲みたいですぅ!」
オリンス「お世話になります。ゼランダルさん、カダリアさん」
ゼランダル「7人も客人が来ているのだ。こちらもできる限り歓迎しなければな」
続いてゼランダルは、
ゼランダル「それにオリンス君同様、クレード君にも物を渡さねばならんからな」
クレード「俺にも何かくれるのか?」
ゼランダル「セルタノが言っていたよ。オリンス君だけではなく、クレード君にも何か物を渡してほしいとな」
クレード「あいつめ…俺にも渡したい物があると言っていたが、それはただの見栄だと思っていたよ…」
オリンス「セルタノは見栄なんか張る男じゃないよ。彼はいつだって正直なんだ…自分にも他人にも…」
ゼランダル「クレード君、君にも武器として「イエロークォーツナイフ」を授けよう」
そう言ってゼランダルは木箱に入った黄色いナイフを見せた。
そのナイフは水晶のように透き通っていた。
クレード「ナイフ…つまり短剣ということか」
ゼランダル「短剣は長さのある剣と比べると、軽くて扱いやすい」
「そのため持ち運びの面では剣より優れているし、いざというときは隠し武器としても使えるよ」
クレード「魔蒼剣のような長さがある剣とはまた違う特徴があるわけか」
ここでオリンスが、
オリンス「ゼ、ゼランダルさん」
「この黄色い水晶のようなナイフも大切な家宝なんじゃ…」
ゼランダル「このナイフは、今は亡き父が観賞用として友人から貰ったものだよ」
「だから古くから家にある家宝というわけではないさ」
オリンス「でもいいんですか?そんな物まで頂いてしまって?」
ゼランダル「観賞用になっているよりも武器として使えるのなら使ったほうがいいさ」
「この黄色いナイフにしても翠電槍にしてもな」
そして、
クレード「親父さんがそう言うんだ。オリンス、ここは素直に貰っておこう」
オリンス「ありがとうございます…ゼランダルさん…」
オリンスはゼランダルに頭を下げた。
だがナイフの入った木箱を受け取ったクレードは、
クレード「短剣か…だがやはり俺は長さのある剣のほうがしっくりくるな…」
クレードは鵺洸丸に話しかけ、
クレード「鵺洸丸、俺の代わりにこのナイフを使ってみるか?」
鵺洸丸「それがしはワトニカの忍び。ナイフのような洋風な武器はそこまで好みではない…」
「だから上手く扱える者がこの先仲間になったら、その者に譲るのが良いのではないか?」
ススキ「私もナイフの扱いに慣れている人がいいと思うわ」
ゼランダル「まあとにかく、もうそのナイフは君たちの物だ」
「誰に渡しどう使うかは任せるよ」
クレードや仲間たちはリクゼストン家の屋敷で一泊した。そして次の日(4月30日)、朝食を食べ屋敷を出た。
屋敷を出る際ゼランダルとカダリア夫妻に見送られ、
ゼランダル「君たちの武運を祈ろう」
カダリア「オリンス君が翠電槍を手にしたことと、イエロークォーツナイフをちゃんと渡したことはセルタノちゃんにもお手紙で伝えておくわ」
オリンス「いろいろありがとうございます!ゼランダルさん!カダリアさん!」
「セルタノによろしくと伝えておいてください!」
セドルース村を移動するクレード一行。移動中オリンスは、
オリンス(心の中で)「(セルタノ…俺この翠電槍で精一杯頑張るよ…)」
「(俺はこれから旅に出るけど…絶対にまたいつか会おう…)」
オリンスとセルタノ、たとえ離れていようとも二人の友情が消えることはない。
回復魔法が使える人物を仲間にしようと思ったクレード一行。
良き仲間と出会えるだろうか?
次回へ続く。
☆※1…村の名前の由来は、エチオピアの世界遺産「シミエン国立公園」(自然遺産 1978年登録)より
※2…村の名前の由来は、タンザニアの世界遺産「セルース猟獣保護区」(自然遺産 1982年登録)より
※3…城の名前の由来は、エチオピアの世界遺産「歴史的城塞都市ハラール・ジュゴル」(文化遺産 2006年登録)より
☆※4…村の名前の由来は、エチオピアの世界遺産「ティヤの石碑群」(文化遺産 1980年登録)より
※5…元ネタは沖縄の方言。「でーじまーさん」は「すごく美味しい」、「うっさん」は「嬉しい」などの意味。
※6…元ネタはアイヌ語。「ヒンナヒンナ」は「食事、食べ物に感謝する言葉」。
☆※7…藩の名前の由来は、日本の世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(文化遺産 2018年登録)の「大浦天主堂」より
☆※8…山の名前の由来は、日本の世界遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」(文化遺産 2013年登録)より
☆※9…山の名前の由来は、タンザニアの世界遺産「キリマンジャロ国立公園」(自然遺産 1987年登録)より
※10…元ネタは江戸時代の教育施設「寺小屋」より。「高寺小屋」はワトニカの高校のこと。また、小学校は「小寺小屋」、中学は「中寺小屋」という。ただしワトニカでも、大学はそのまま「大学」、短大も「短大」という。
※11…大草原の名前の由来は、タンザニアの世界遺産「セレンゲティ国立公園」(自然遺産 1981年登録)より
※12…山々の名前の由来は、ネパールの世界遺産「サガルマータ国立公園」(自然遺産 1979年登録)と国立公園の「エベレスト」より
☆※13…山脈の名前の由来は、南アフリカの世界遺産「バーバートン・マコンジュワ山脈」(自然遺産 2018年登録)より
※14…「マジェール・ストーン」とは魔力を帯びた特殊な石や鉱物の総称。クレードたちが持っているグラン・ジェムストーンもマジェール・ストーンを素にヴェルトン博士が開発した物。
※15…どれもアフリカで食べられている料理。
(☆:物語初登場の世界遺産)




